Houzzツアー:タイニーハウスを建てて人生を変える
20代後半で人生を変えたくなり、会社勤めをやめ、シェアしていた大きな家を出て、450万円ほどで床面積19平米のタイニーハウスを建てたアメリカ人の男性。モノは少なくても心から楽しめるミニマリストの暮らしを実現しました。
Mitchell Parker
2016年1月11日
広さ約19平方メートルの家を建てて引っ越したのは生き方を変えたくなったから、と笑うイーサン・ウォルドマンさん。まだ26歳のだった頃、会社勤めにうんざりしたウォルドマンさんは1か月の休暇を取って北米太平洋沿岸を自転車で走る旅に出たのだが、旅の間によく宿泊したのが、人気民泊サイトを通じて見つけたタイニーハウスだった。
仕事に戻ってからは、自分の好きな生活をするため、会社をやめてビジネスを立ち上げる方法を真剣に考え始めた。そのためには、まず生活費を抑える必要がある。当時は3階建て3ベッドルームの家に同居人2人と住んでいたが、狭い家に引っ越せばそれだけ家賃が節約できると考えた。狭い家に住むとなると持ち物を減らすことも必要になるが、「当時はまだ若くて、大学に入って親元を離れてから7年しか経っていなかったのに、自分でも驚くほどモノが増えていました」とウォルドマンさんは言う。
そんな折に、これだと思ったのがタイニーハウスのコンセプトだった。トレーラーの上に建てれば建築許可も必要ない。いとこの所有する土地に停車させてもらえるので、固定資産税も払わずに済む。光熱費も1か月あたり100ドル程度と、実に経済的な暮らしができるというわけだ。
仕事に戻ってからは、自分の好きな生活をするため、会社をやめてビジネスを立ち上げる方法を真剣に考え始めた。そのためには、まず生活費を抑える必要がある。当時は3階建て3ベッドルームの家に同居人2人と住んでいたが、狭い家に引っ越せばそれだけ家賃が節約できると考えた。狭い家に住むとなると持ち物を減らすことも必要になるが、「当時はまだ若くて、大学に入って親元を離れてから7年しか経っていなかったのに、自分でも驚くほどモノが増えていました」とウォルドマンさんは言う。
そんな折に、これだと思ったのがタイニーハウスのコンセプトだった。トレーラーの上に建てれば建築許可も必要ない。いとこの所有する土地に停車させてもらえるので、固定資産税も払わずに済む。光熱費も1か月あたり100ドル程度と、実に経済的な暮らしができるというわけだ。
ちょうどその頃、ブロガーのタミー・ストローベルさんのタイニーハウス作りの記事を読んで、自分もやってみようと決意。節約してお金を貯め、着ない服やもう読まない本など持ち物を減らし始めた。タイニーハウスを作るための設計図を購入し、家族の友人で建築家のミルフォード・クッシュマンさんに見せたところ、クッシュマンの返事は「これよりもっといいものができる」。そこで2人は、ウォルドマンさんに合わせた特注タイニーハウスの設計に一から取り掛かった。
場所はヴァーモント州モリスヴィル。約6.7×2.1メートルのトレーラーの上に載っている。トレーラーハウスの大きさはヴァーモント州の法律で規制されるため、高さは橋や高架、電線に配慮して3.84メートル以下にする必要があった。
ウォルドマンさんはいとこの所有地に家を停めさせてもらう代わりに、庭の芝刈りとドライブウェイの雪かき仕事を担当。1年を通じてここでガールフレンドのアン・カーペンターさんと暮らしているが、近くの都市バーリントンにある彼女のコンドミニアムに滞在することもある。シンクやシャワーは汚水処理システムへとつながっており、電気は敷地内にある車庫から延長ケーブルで引いている。
窓をたくさん取り入れた設計だが気密性が高い構造のため寒い時期もとても効率的だ。表の小さなポーチにはベンチがあり、座ってスノーシューズやハイキングブーツを脱ぐのに便利だ。ベンチの下の部分は収納スペース。
場所はヴァーモント州モリスヴィル。約6.7×2.1メートルのトレーラーの上に載っている。トレーラーハウスの大きさはヴァーモント州の法律で規制されるため、高さは橋や高架、電線に配慮して3.84メートル以下にする必要があった。
ウォルドマンさんはいとこの所有地に家を停めさせてもらう代わりに、庭の芝刈りとドライブウェイの雪かき仕事を担当。1年を通じてここでガールフレンドのアン・カーペンターさんと暮らしているが、近くの都市バーリントンにある彼女のコンドミニアムに滞在することもある。シンクやシャワーは汚水処理システムへとつながっており、電気は敷地内にある車庫から延長ケーブルで引いている。
窓をたくさん取り入れた設計だが気密性が高い構造のため寒い時期もとても効率的だ。表の小さなポーチにはベンチがあり、座ってスノーシューズやハイキングブーツを脱ぐのに便利だ。ベンチの下の部分は収納スペース。
内装を見れば機能的で効率的な暮らしがわかる。左側にあるマットの下は収納。右側の折り畳みテーブルは仕事用デスクとダイニングテーブルを兼ねる。梯子を上がると寝室ロフト。左右の端には、2人それぞれの小さな衣類収納スペースが用意されている。
ロフトの下にはコンパクトなキッチンがあり、オーブン、冷蔵庫、コンロとシンクが揃う。その奥、突き当たりの左側にはシャワー、右側にはコンポストトイレがある。この部分はポケットドアで閉め切ることができる。
写真には写っていないが、玄関の上にもう1つロフトがあり、リュックサックやスキー、本、スーツケースなどを収納する場所になっている。「設計の各段階で決めなければいけないことが何十個とあって、毎回イーサンは決断を迫られていましたね」とクッシュマンさん。
ロフトの下にはコンパクトなキッチンがあり、オーブン、冷蔵庫、コンロとシンクが揃う。その奥、突き当たりの左側にはシャワー、右側にはコンポストトイレがある。この部分はポケットドアで閉め切ることができる。
写真には写っていないが、玄関の上にもう1つロフトがあり、リュックサックやスキー、本、スーツケースなどを収納する場所になっている。「設計の各段階で決めなければいけないことが何十個とあって、毎回イーサンは決断を迫られていましたね」とクッシュマンさん。
石膏ボードはほとんど使用せず、室内の壁には良質なストローブマツ材の板を相じゃくり継ぎで張っている。写真の寝室ロフトのようにホワイトウォッシュ加工した部分もあるが、ペンキを塗ったりステイン塗装で仕上げた部分もある。
シャワールームの素材について、ウォルドマンさんとクッシュマンさんはさまざまな選択肢を検討した。タイルは家をトレーラーで動かすときにひびが入る恐れがあるため除外。プラスチックの既成シャワーユニットは見た目がいまいち。ウォルドマンさんはステンレスを使いたかったのだが、これには看護師のカーペンターさんが反対。「シャワーを浴びているときまで病院を思い出したくないと言われました。」最終的にクッシュマンさんが思いついたのが、銅板を利用するアイデアだ。
トイレは小型の処理容器とおがくずを利用したコンポストトイレ。使用後に毎回おがくず(またはその他の細かい有機素材)を上から振りかけ、最後にはキッチンの生ごみと一緒に家から30メートルほど離れたコンポスト処理場に捨てられる。
トイレは小型の処理容器とおがくずを利用したコンポストトイレ。使用後に毎回おがくず(またはその他の細かい有機素材)を上から振りかけ、最後にはキッチンの生ごみと一緒に家から30メートルほど離れたコンポスト処理場に捨てられる。
一見、伝統的な山小屋のようにも見える家だが、人里離れているわけでもない。この家からは見えないものの、近所には何軒か家が建っている。日常の買い物をする店へは車で10分だ。
なだらかな丘に大きな山々と、周囲の自然は美しい。たくさんの木々に囲まれ、ハイキングやスキーができる場所も近くにある。「ヴァーモント州のいいところが、すべて家の前に広がっているんです」とウォルドマンさん。
ウォルドマンさんは、当初は自分1人で建設作業をしようと考えていたのだが、間もなく手助けが必要だと気付いた。「初めての人が家を建てるというのはものすごく大変なことなんです。しかも、仕事や普段の生活を続けながらだとなおさらです」と言う。
そこで、地域で大工を営むジェイソン・ベドナーズさんを雇って手伝ってもらうことに。それぞれの作業ごとに、まずやり方を指導してもらい、その後1週間ウォルドマンさんが自分で作業し、次の作業に移るときにまた指導してもらうという方法だ。家が完成するまでにかかった時間は1年3か月、およその費用は作業費12,000ドル、材料費30,000ドルだという。
なだらかな丘に大きな山々と、周囲の自然は美しい。たくさんの木々に囲まれ、ハイキングやスキーができる場所も近くにある。「ヴァーモント州のいいところが、すべて家の前に広がっているんです」とウォルドマンさん。
ウォルドマンさんは、当初は自分1人で建設作業をしようと考えていたのだが、間もなく手助けが必要だと気付いた。「初めての人が家を建てるというのはものすごく大変なことなんです。しかも、仕事や普段の生活を続けながらだとなおさらです」と言う。
そこで、地域で大工を営むジェイソン・ベドナーズさんを雇って手伝ってもらうことに。それぞれの作業ごとに、まずやり方を指導してもらい、その後1週間ウォルドマンさんが自分で作業し、次の作業に移るときにまた指導してもらうという方法だ。家が完成するまでにかかった時間は1年3か月、およその費用は作業費12,000ドル、材料費30,000ドルだという。
タイニーハウスに住む人の例にもれず、ウォルドマンさんも家に持ち込むモノについてよく考えるようになった。「今ではかなり見る目が養われました。何かプレゼントをもらっても、私の生活に必要ないものが見分けられるようになったので、家に持ち帰って置き場を探す前にすぐお店に返品したり寄付したりするようになりました。」
冷蔵庫が小さいので、買い物は少しずつ頻繁にするようになった。冷凍庫で長期保存できるものよりも、新鮮な野菜や果物を買うことが増えたと言う。
ウォルドマンさんは現在、ITコンサルティングビジネス〈Cloud Coach〉を営んでいる。また、タイニーハウス作りについての本『Tiny House Decisions(タイニーハウスという選択)』も出版している
こちらもあわせて
タイニーハウスの記事を読む
おしゃれなタイニーハウスの写真を見る
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冷蔵庫が小さいので、買い物は少しずつ頻繁にするようになった。冷凍庫で長期保存できるものよりも、新鮮な野菜や果物を買うことが増えたと言う。
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