コスプレのある日常
ハロウィンといえば、日本ではコスプレ。そこで、世界のコスプレイヤーをその人の自宅で撮影したという不思議な写真集をご紹介。有名なマンガや映画のキャラや伝統的なお祭りの怪物など、非日常なコスプレと日常空間の組み合わせがなんともシュール。ちょっと異色な記事をお楽しみください。
Mitchell Parker
2015年10月15日
読者のみなさんも、ハロウィンや学園祭、友達同士のパーティーなど、何かの機会に1度くらいはちょっとしたコスプレを楽しんだことがあるのでは。なかには、毎週末コスプレをしているという人もいるかもしれない。
コスプレ愛好家といっても、マンガやアニメ、テレビゲームや映画のキャラのコスプレをする人たちもいれば、カウボーイや騎士といったゲームのキャラクターになりきって集結するライブアクションRPG愛好家たち、動物のきぐるみ愛好家(ファーリー)たちなど、種類も実にたくさんある。
しかし、コスプレ愛好家といえど、多くの人は、普段は本業を持ち、家庭がある。日常生活では、普通の格好をして、夕食の準備をしたり、リビングでくつろぎながらテレビを見たりしているものなのだ。そこで、写真家のクラウス・ピヒラーは、コスプレ愛好家がどこよりもありのままの自分でいられる場所で最高にコスプレを楽しんでいる姿を撮影した。そう、自宅である。
コスプレ愛好家といっても、マンガやアニメ、テレビゲームや映画のキャラのコスプレをする人たちもいれば、カウボーイや騎士といったゲームのキャラクターになりきって集結するライブアクションRPG愛好家たち、動物のきぐるみ愛好家(ファーリー)たちなど、種類も実にたくさんある。
しかし、コスプレ愛好家といえど、多くの人は、普段は本業を持ち、家庭がある。日常生活では、普通の格好をして、夕食の準備をしたり、リビングでくつろぎながらテレビを見たりしているものなのだ。そこで、写真家のクラウス・ピヒラーは、コスプレ愛好家がどこよりもありのままの自分でいられる場所で最高にコスプレを楽しんでいる姿を撮影した。そう、自宅である。
ピヒラーは、3年かけて撮りためた写真を、『Just Two of Us(ふたりきり)』というタイトルの写真集にまとめ、出版した。制作期間の大半は、興味をそそられるコスプレを楽しむ人物やコミュニティ探しに費やした。「これが大変だったんです」とピヒラーは語る。
こちらのホームオーナーは、カーニバルをひとりでひっそりと祝うために、クッキーモンスターのコスチュームを制作した。
こちらのホームオーナーは、カーニバルをひとりでひっそりと祝うために、クッキーモンスターのコスチュームを制作した。
コスプレは日本発祥の趣味。愛好家の間では、英語でもCosplayという言葉が使われるようになっている。日本のコスプレイヤーたちは、日本のマンガやアニメ、映画のキャラクターの扮装を楽しんでいる。写真は、高橋留美子の『犬夜叉』のキャラクター、邪見のコスプレを楽しむ愛好家。
『スター・ウォーズ』はおそらく、コスプレを楽しむ人の数が最も多い作品の1つだろう。1997年に設立された、映画の公式ファンクラブ「501st リージョン(第501軍団)」は、現在も活発な活動を続けている。写真は、リビングでくつろぐ若きストーム・トルーパー。
こちらは、自宅でDJプレイを楽しむボバ・フェット。
ピヒラーは、被写体となったコスプレ愛好家たちについて、自宅で撮影したということ以外の情報を明らかにしていない。「意図的に中の人の存在を消し去った写真を撮影することにしました。『中の人は誰?』という質問をさせない緊張感のある写真にしたい、と思ったんです」とピヒラーは話す。
ピヒラーは、被写体となったコスプレ愛好家たちについて、自宅で撮影したということ以外の情報を明らかにしていない。「意図的に中の人の存在を消し去った写真を撮影することにしました。『中の人は誰?』という質問をさせない緊張感のある写真にしたい、と思ったんです」とピヒラーは話す。
こちらの男性は、Xboxのゲーム、Halo(ヘイロー)に出てくるスパルタンSPES256のコスチュームを身に着けている。その重さは約30キロ。「コスプレイヤーの多くは、私たちと変わらぬ普通の人たちです。日常生活を送りながら、コスプレの世界を楽しんでいるのです」
中央ヨーロッパのアドベント(待降節。クリスマスを心待ちにする期間)には、悪い子にはクランプスという怪物がおしおきをし、良い子には聖ニコラウス(サンタクロース)がごほうびをくれるという伝統行事があり、12月5日の夜は、クランプスのコスチューム愛好家が活躍する。
「写真集の制作を通してさまざまな伝統を扱ったのですが、それぞれの伝統の背景や習慣、催しを調べるのが、何より面白かったですね」と話すピヒラー本人は、オーストリアののどかな田舎で育った。「そんな環境だったから、本物の冒険は、頭のなかで想像するしかありませんでした。でも、そのときに育まれた想像力が、写真家としての活動に役立っていると思います」
「写真集の制作を通してさまざまな伝統を扱ったのですが、それぞれの伝統の背景や習慣、催しを調べるのが、何より面白かったですね」と話すピヒラー本人は、オーストリアののどかな田舎で育った。「そんな環境だったから、本物の冒険は、頭のなかで想像するしかありませんでした。でも、そのときに育まれた想像力が、写真家としての活動に役立っていると思います」
こちらのクランプスのマスクは重さ約10キロ。クランプスのマスクのなかには木彫のものも。衣装はヤギやヒツジの毛皮でつくられることが多い。角は山羊や牛のものを使う。
ピヒラー曰く、「いちばん驚いたのは、コスプレイヤーの自宅がごく普通の家だったこと。撮影にとりかかる前は、オタクやマニアにたくさん会うことになるんだろうなと思っていましたが、実際はそうではありませんでした。彼らの自宅も同じで、アパートであれ一戸建てであれ、室内はとてもきれいで、整理整頓されていました。もちろん、コスプレのテーマになっている伝統にちなんだ工芸品が飾ってあることもありましたが、それもささやかなものばかりで、どこも普通の家だったんです」
ピヒラー曰く、「いちばん驚いたのは、コスプレイヤーの自宅がごく普通の家だったこと。撮影にとりかかる前は、オタクやマニアにたくさん会うことになるんだろうなと思っていましたが、実際はそうではありませんでした。彼らの自宅も同じで、アパートであれ一戸建てであれ、室内はとてもきれいで、整理整頓されていました。もちろん、コスプレのテーマになっている伝統にちなんだ工芸品が飾ってあることもありましたが、それもささやかなものばかりで、どこも普通の家だったんです」
ヴェネチアのカーニバルといえば、毎年恒例の歴史あるカーニバル。カーニバルの熱心な愛好家たちは、1年をかけて衣装づくりに取り組むという。こちらの天使は、ヴェネチア最大のカーニバル組織に属しているコスプレ愛好家。
「家全体、あるいは少なくとも1室は、コスプレ愛好家が衣装を身につけた姿がぴったりとはまる空間が必ずあったのは、うれしい驚きでした。だから、たいていの場合、撮影場所は、すぐに決めることができましたね」とピヒラーは話す。
「家全体、あるいは少なくとも1室は、コスプレ愛好家が衣装を身につけた姿がぴったりとはまる空間が必ずあったのは、うれしい驚きでした。だから、たいていの場合、撮影場所は、すぐに決めることができましたね」とピヒラーは話す。
「写真であれ、映画であれ、文章の中であれ、擬人化された動物に強い関心を抱く人たちがいます。彼らはファーリーと呼ばれます。自分のことを人間よりも動物に近い、と感じている人が多いですね。動物の姿をした分身をつくるのですが、ファーリーのコスプレに彼らの人生哲学を託しているんですね」
ファーリーのサブカルチャーに、ファースーツ愛好家(ファースーター)がいる。こちらはユニコーンのファースーター。中の人は普段はタイガーのコスプレを楽しんでいる。「僕はちょっと変わっていて、あやしくて、奇妙で不条理なテーマに取り組むのが好きなんです」とピヒラーは話す。
ファーリーのサブカルチャーに、ファースーツ愛好家(ファースーター)がいる。こちらはユニコーンのファースーター。中の人は普段はタイガーのコスプレを楽しんでいる。「僕はちょっと変わっていて、あやしくて、奇妙で不条理なテーマに取り組むのが好きなんです」とピヒラーは話す。
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面白い。海外でもコスプレをする人は結構いるんですね。
素敵な住宅の写真とコスプレと、両方ともクオリティが高いですね。
是非フォローさせていただきます。
コメント失礼します。
他の方々がおっしゃられておりますように、空間とのバランスがマッチしすぎで楽しくなりますよね。 コスプレにチャレンジする勇気がなくても、もしかしたら原寸大の人形を飾るのも楽しいですよね。 羨ましいです。