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インテリアにミックスしやすい、タイムレスデザインの椅子6選
新しいものと古いものを組み合わせる「エクレクティックスタイル」のインテリアにぴったりの、ハイセンスな6種類のチェア。歴史背景や合わせ方のコツを英国在住20年のアンティークディーラーが解説します。
西谷典子|Noriko Nishiya
2019年4月28日
現代は、過去につくられたさまざまなデザインが存在する時代です。まったく新しいスタイルを生み出すというよりも、これまでにつくられたものを上手にミックスしてインテリアを斬新に見せる「エクレクティックスタイル」が注目を集めています。
その基本となるのは、新しいものと古いものをミックスしたり、ユーモアやひねりのある意外な組み合わせをする、少し上級のスタイリング。デザインクラシックの定番とされる家具はそんなとき、重要な役割を果たしてくれます。ミックスが簡単なうえ、家具自体にストーリー性と時代を経て愛されてきた存在感があるので、インテリアにさりげない風格や味わいを醸し出すことができます。
今回は、コンテンポラリー、インダストリアル、シャビーシック、そしてトラディショナルなど、多くのスタイルにミックスできる代表的な椅子を6種類選びました。
その基本となるのは、新しいものと古いものをミックスしたり、ユーモアやひねりのある意外な組み合わせをする、少し上級のスタイリング。デザインクラシックの定番とされる家具はそんなとき、重要な役割を果たしてくれます。ミックスが簡単なうえ、家具自体にストーリー性と時代を経て愛されてきた存在感があるので、インテリアにさりげない風格や味わいを醸し出すことができます。
今回は、コンテンポラリー、インダストリアル、シャビーシック、そしてトラディショナルなど、多くのスタイルにミックスできる代表的な椅子を6種類選びました。
1. チッペンデールスタイルチェア
イギリスのアンティークの椅子といえば、18世紀の「チッペンデールスタイルチェア」が代表格のひとつです。そのエレガントなデザインから、正当なトラディショナルのイメージがありますが、トーマス・チッペンデールがデザインした家具は実にさまざまで、非常に奥が深いのです。
彼が出版したデザインの本は家具から小物、パイプオルガンまであり、まるで現代のイケアのカタログのようでした。出版後、イギリスで大人気になった彼のデザインは、250年以上経った今のモダンなインテリアにも、難なく合わせられるスタイルです。色を現代風に変えてトラディショナルな椅子のイメージを少し崩すと、おもしろいエクレクティックスタイルになります。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子《チッペンデールチェア》
イギリスのアンティークの椅子といえば、18世紀の「チッペンデールスタイルチェア」が代表格のひとつです。そのエレガントなデザインから、正当なトラディショナルのイメージがありますが、トーマス・チッペンデールがデザインした家具は実にさまざまで、非常に奥が深いのです。
彼が出版したデザインの本は家具から小物、パイプオルガンまであり、まるで現代のイケアのカタログのようでした。出版後、イギリスで大人気になった彼のデザインは、250年以上経った今のモダンなインテリアにも、難なく合わせられるスタイルです。色を現代風に変えてトラディショナルな椅子のイメージを少し崩すと、おもしろいエクレクティックスタイルになります。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子《チッペンデールチェア》
2. チェスターフィールドソファ
カナダとアメリカのある一部の地方では、ソファのことを「チェスターフィールド」と呼ぶくらい、このデザインはソファの代表的存在です。でも、実はその歴史は謎に包まれています(詳細はこちらの記事をご参照下さい)。
このソファもスマートだったり、シャビーだったり、紳士的だったりと、多彩な顔を持つ、どんなスタイルにも合わせやすいソファです。もともとは背筋を伸ばして腰掛けるソファでしたが、現代ではだらっとリラックスして座れるコンフィーな(Comfy、快適な)ソファとして定評があります。
イギリスに亡命していたフロイトも、このソファで催眠療法を行っていたというくらいですから、そのクオリティはお墨付きです。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子《チェスターフィールドソファ》
カナダとアメリカのある一部の地方では、ソファのことを「チェスターフィールド」と呼ぶくらい、このデザインはソファの代表的存在です。でも、実はその歴史は謎に包まれています(詳細はこちらの記事をご参照下さい)。
このソファもスマートだったり、シャビーだったり、紳士的だったりと、多彩な顔を持つ、どんなスタイルにも合わせやすいソファです。もともとは背筋を伸ばして腰掛けるソファでしたが、現代ではだらっとリラックスして座れるコンフィーな(Comfy、快適な)ソファとして定評があります。
イギリスに亡命していたフロイトも、このソファで催眠療法を行っていたというくらいですから、そのクオリティはお墨付きです。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子《チェスターフィールドソファ》
3. ルイ・ゴーストチェア
アンティークの家具にコンテンポラリーなデザインの家具……。一見、まったく合わないイメージがありますが、フィリップ・スタルクがデザインした「ルイ・ゴーストチェア」だけは別です。
「透明な存在感」で、スペースが限られた部屋には便利な椅子です。特に暗めな色のアンティーク家具とはとても相性がよく、トラディショナルテイストにありがちな重い感じを軽減してくれます。
また、アンティーク家具と合わせても違和感がない秘密は、そのトラディショナルなフォルムにあると言えるでしょう。
ルイ・ゴーストチェアはエクレクティックスタイルそのもの、古いものと新しいものがバランスよくミックスされた、実によく考えられた椅子なのです。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子《ルイ・ゴーストチェア》
アンティークの家具にコンテンポラリーなデザインの家具……。一見、まったく合わないイメージがありますが、フィリップ・スタルクがデザインした「ルイ・ゴーストチェア」だけは別です。
「透明な存在感」で、スペースが限られた部屋には便利な椅子です。特に暗めな色のアンティーク家具とはとても相性がよく、トラディショナルテイストにありがちな重い感じを軽減してくれます。
また、アンティーク家具と合わせても違和感がない秘密は、そのトラディショナルなフォルムにあると言えるでしょう。
ルイ・ゴーストチェアはエクレクティックスタイルそのもの、古いものと新しいものがバランスよくミックスされた、実によく考えられた椅子なのです。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子《ルイ・ゴーストチェア》
4. ベントウッドチェア
曲げ木で作られた有名な「ベントウッドチェア」は、1850年代にドイツのトーネット社によって製造され、デザインクラシックの椅子として現在も広く愛用されています。
激動の時代背景から考えても、創立者マイケル・トーネットの成功は一夜にして始まったのではなく、さまざまな苦難を乗り越えて手にした成功といえるものでした。1930年頃から、この曲げ木の製法はスチールに変わり、その後巨匠と呼ばれるようになるデザイナーたちの革新的なデザイン椅子の数々を生み出す契機となっていきます。
モダニズムの建築家ミース・ファン・デル・ローエやマルセル・ブロイヤーの椅子のアイデアが、実はベントウッドチェアから来ているということがわかると、現代でももっとリスペクトされるべき椅子と言えるのではないでしょうか。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子:ベントウッドチェアの代表格〈トーネット〉の《214》
曲げ木で作られた有名な「ベントウッドチェア」は、1850年代にドイツのトーネット社によって製造され、デザインクラシックの椅子として現在も広く愛用されています。
激動の時代背景から考えても、創立者マイケル・トーネットの成功は一夜にして始まったのではなく、さまざまな苦難を乗り越えて手にした成功といえるものでした。1930年頃から、この曲げ木の製法はスチールに変わり、その後巨匠と呼ばれるようになるデザイナーたちの革新的なデザイン椅子の数々を生み出す契機となっていきます。
モダニズムの建築家ミース・ファン・デル・ローエやマルセル・ブロイヤーの椅子のアイデアが、実はベントウッドチェアから来ているということがわかると、現代でももっとリスペクトされるべき椅子と言えるのではないでしょうか。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子:ベントウッドチェアの代表格〈トーネット〉の《214》
5. トリックスチェア
インダストリアルスタイルに合う椅子といえば、この「トリックスチェア」。メタル素材を知り尽くしたフランス人、グザビエ・ポシャールが1907年、亜鉛メッキを施すと鉄がさびないということを発見し、その後自分の工場で使えるような椅子を、とつくられたのが「Chase A 」です。
その後スツール、テーブル、ロッカーなどアイテムも増やし、フランスのパブリックスペースの定番家具として今でも使われ続けています。現在では色のバリエーションも増え、どんなスタイルにも合わせられるようになりました。庭でも使えるような耐久性があり、デザイン性の高い椅子をつくったポシャールの功績は、今でもフランスで高く評価されています。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子《トリックスチェア》
インダストリアルスタイルに合う椅子といえば、この「トリックスチェア」。メタル素材を知り尽くしたフランス人、グザビエ・ポシャールが1907年、亜鉛メッキを施すと鉄がさびないということを発見し、その後自分の工場で使えるような椅子を、とつくられたのが「Chase A 」です。
その後スツール、テーブル、ロッカーなどアイテムも増やし、フランスのパブリックスペースの定番家具として今でも使われ続けています。現在では色のバリエーションも増え、どんなスタイルにも合わせられるようになりました。庭でも使えるような耐久性があり、デザイン性の高い椅子をつくったポシャールの功績は、今でもフランスで高く評価されています。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子《トリックスチェア》
6. アーコールチェア
すっかりミッドセンチュリーのアイコン的な存在になった「アーコールチェア」。この創設者ルシアン・アーコラーニもまた、厳しいスタートから成功した家具職人、デザイナーでした。彼の転機は1910年、イギリスでも伝統的な家具のメーカーが多かった地域、ハイウィコムに移った頃からで、後に彼がデザインする代表的な椅子「ラブシート」もこの地域の伝統的な椅子「ウィンザーチェア」からインスピレーションを得たものです。アーコールチェアは一見シンプルで無駄のないミッドセンチュリーデザイン特有の形に見えますが、実は16世紀からこの地域に伝わるイギリスの伝統的な椅子のスタイルを受け継いでいるものなのです。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子《アーコールチェア》
すっかりミッドセンチュリーのアイコン的な存在になった「アーコールチェア」。この創設者ルシアン・アーコラーニもまた、厳しいスタートから成功した家具職人、デザイナーでした。彼の転機は1910年、イギリスでも伝統的な家具のメーカーが多かった地域、ハイウィコムに移った頃からで、後に彼がデザインする代表的な椅子「ラブシート」もこの地域の伝統的な椅子「ウィンザーチェア」からインスピレーションを得たものです。アーコールチェアは一見シンプルで無駄のないミッドセンチュリーデザイン特有の形に見えますが、実は16世紀からこの地域に伝わるイギリスの伝統的な椅子のスタイルを受け継いでいるものなのです。
詳しくはこちら:タイムレスデザインの名作椅子《アーコールチェア》
エクレクティックスタイルに合う6つすべての椅子に共通することは、古いデザインと新しいデザインが「フュージョン」されているという点です。長い歴史を持つ家具が大事に使い続けれられたのも、それなりの理由があるはずですし、その歴史を知ることで、よりいっそう愛着が持てることでしょう。
現代までつくり続けられているこれらの6種類の椅子を、いつか欲しいと思っている方、またすでにお持ちの方に、これからも長く使い続けていただくために、この素晴らしいデザインの由来や歴史、そしてどのように現代のインテリアにミックスされているかということを知りたい方は、以下の記事もぜひご参照ください。
タイムレスデザインの名作椅子シリーズ
現代までつくり続けられているこれらの6種類の椅子を、いつか欲しいと思っている方、またすでにお持ちの方に、これからも長く使い続けていただくために、この素晴らしいデザインの由来や歴史、そしてどのように現代のインテリアにミックスされているかということを知りたい方は、以下の記事もぜひご参照ください。
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