コメント
素材の特徴が決め手となる「床材」選び
住まいの床材を選ぶ際、どんなポイントをチェックすればよいでしょうか? さまざまな種類について特徴を知り、五感を使って、最適なものを見つけてみましょう。

床は、インテリアを構成する上でベースとなる大切なスペック。インテリアの材料としては数少ない、身体が直接触れる部材なので、歩行感や触感も選択する際のポイントにしたいところです。一方で、歩く、はもちろん、引きずる、濡れる、落下物を受け止める、など、常に過酷な状況にさらされているため、スペースに合わせて上手に選ぶことと、ダメージを最小限にするためのメンテナンス知識も必要です。
床材の種類には、畳・フローリング・石・タイル・カーペット・塩ビ系シートなどがありますが、現代日本の住宅では、圧倒的にフローリング張りの床が多いように思います。フローリングとは、一般的に木質系の床材の総称。無垢フローリングと複合フローリングの2つに大きく分類されます。無垢フローリングは、天然木の無垢材をひいて床材としたもので、何といっても自然な風合いと優しい肌触りが魅力です。ただし、気温や湿度の変化を受けて、ふくらんだり、縮んだり、反ったりしますので、そんな「生きた」変化を楽しむおおらかさがないと、共存は難しいかもしれません。
一方、複合フローリングは、合板に薄くスライスした木を張り合わせてつくられているため、形状の変化はなく、その上、汚れにくい、傷がつきにくい、遮音性能がある、床暖房に対応、カラーやパターンも多種多様、さらに無垢フローリングに比べると一般的には安価であり、メンテナンスがほとんど不要だったりします。施工側にとってはクレームが少ない安心材料、お客様にとってもメリットが多いため、ほとんどの住宅が複合フローリングを床材に選んでいるのが実情です。
Houzzのユーザーのみなさんは、個性ある住空間を求めていらっしゃるはず。であれば、一般的な材料に甘んじず、さまざまな方向から検討されてはいかがでしょうか。床材は壁紙と違い、簡単に張り替えられるものではありません。眺めるだけではなく、触ったり、香りを確かめたりして、五感を駆使して吟味してみてください。時が経つほどに愛着が増す床材と出会っていただきたいと思うのです。
床材の種類には、畳・フローリング・石・タイル・カーペット・塩ビ系シートなどがありますが、現代日本の住宅では、圧倒的にフローリング張りの床が多いように思います。フローリングとは、一般的に木質系の床材の総称。無垢フローリングと複合フローリングの2つに大きく分類されます。無垢フローリングは、天然木の無垢材をひいて床材としたもので、何といっても自然な風合いと優しい肌触りが魅力です。ただし、気温や湿度の変化を受けて、ふくらんだり、縮んだり、反ったりしますので、そんな「生きた」変化を楽しむおおらかさがないと、共存は難しいかもしれません。
一方、複合フローリングは、合板に薄くスライスした木を張り合わせてつくられているため、形状の変化はなく、その上、汚れにくい、傷がつきにくい、遮音性能がある、床暖房に対応、カラーやパターンも多種多様、さらに無垢フローリングに比べると一般的には安価であり、メンテナンスがほとんど不要だったりします。施工側にとってはクレームが少ない安心材料、お客様にとってもメリットが多いため、ほとんどの住宅が複合フローリングを床材に選んでいるのが実情です。
Houzzのユーザーのみなさんは、個性ある住空間を求めていらっしゃるはず。であれば、一般的な材料に甘んじず、さまざまな方向から検討されてはいかがでしょうか。床材は壁紙と違い、簡単に張り替えられるものではありません。眺めるだけではなく、触ったり、香りを確かめたりして、五感を駆使して吟味してみてください。時が経つほどに愛着が増す床材と出会っていただきたいと思うのです。
表情さまざま、無垢材フローリング
フローリング材を検討するとき、色合いや材質に関心が向かいがちですが、“張り方”によって、大きく室内の雰囲気が変わってくることには案外気づかないものかもしれません。
木片を“矢羽状”に敷き詰めた“ヘリンボーン”スタイルのフローリング。実にクラシカルで表情豊かです。手間がかかるためコストアップを招くものの、この美しさに抗うのは難しい…。今、とても心惹かれる床材のひとつです。
フローリング材を検討するとき、色合いや材質に関心が向かいがちですが、“張り方”によって、大きく室内の雰囲気が変わってくることには案外気づかないものかもしれません。
木片を“矢羽状”に敷き詰めた“ヘリンボーン”スタイルのフローリング。実にクラシカルで表情豊かです。手間がかかるためコストアップを招くものの、この美しさに抗うのは難しい…。今、とても心惹かれる床材のひとつです。
オーク(楢)の無垢フローリング材を採用したLDK。無垢材の場合、樹種によってそれぞれ木目が異なり、また、たとえ同じ木であっても部位や板取の方向(柾目と板目)によってその表情が変わります。年輪に対して垂直に切る「柾目」の見た目の特徴は、平行&均等に木目が走っていること。反りも少なく安定しており、上品でお利口さんのイメージ。一方、年輪に対して平行に切る「板目」は、歪んだ木目の個性がおもしろい、破天荒さが魅力なのです。
同じオーク材でも、塗装色を変えると違ったイメージに仕上がります。このお部屋はきちんとした和室と隣接しているため、落ち着いたダーク系で。天然植物を原料とした自然塗装と呼ばれるオイルフィニッシュは、木材に染み込んでいくのが特徴。ウレタン塗装と違って、表面に膜を作りません。耐水性はありませんが、「生きている」材料だと考えると、厚い膜をつくって表面を強化するのも少し抵抗があるようにも感じます。自然素材には、自然な仕上げが向いているような気がします。
大判の磁器タイル
グレーの床とウォールナット色の収納扉&家具の対比が落ち着いた雰囲気をつくり出しています。床材は磁器タイル。おそらく60センチ角をご使用かと思います。広い空間だからこそ、ダイナミックなサイズも見映えがして効果的! また、タイル目地を目立たせないよう同色を選んでいらっしゃるところにも、デザイナーの神経のこまやかさを感じます。
グレーの床とウォールナット色の収納扉&家具の対比が落ち着いた雰囲気をつくり出しています。床材は磁器タイル。おそらく60センチ角をご使用かと思います。広い空間だからこそ、ダイナミックなサイズも見映えがして効果的! また、タイル目地を目立たせないよう同色を選んでいらっしゃるところにも、デザイナーの神経のこまやかさを感じます。
続いて、同じようなグレーの大判タイルを床材に使用した空間。こちらには白い目地が入っています。ホワイトのラインがシャープに床を走り、白い壁とリンクして躍動的な印象を与えています。タイルの床材は木質系のそれに比べるとやわらかな印象は受けませんが、冷たさもさほど伝わってこない気がします。自然な素材を造形しているからなのでしょうか。
ラグジュアリーな天然石
磨きあげた天然石の床材は、ラグジュアリー感を出すには抜群の素材です。代表的なものでは、白御影石(花崗岩)、黒御影石(閃緑石)、大理石といったところでしょうか。加工方法は本磨き・水磨きをはじめ、さまざまなものがあり、それによってメンテナンス方法も違います。天然石は意外にもシミになりやすかったり、欠けやすかったりします。時が経つとつやも減ってくる。天然素材というのは、時間と共に変化するものなのです。天然石は気品あふれる高級材料なだけにデリケート。何だか女性の変化と似ているような気もします。
磨きあげた天然石の床材は、ラグジュアリー感を出すには抜群の素材です。代表的なものでは、白御影石(花崗岩)、黒御影石(閃緑石)、大理石といったところでしょうか。加工方法は本磨き・水磨きをはじめ、さまざまなものがあり、それによってメンテナンス方法も違います。天然石は意外にもシミになりやすかったり、欠けやすかったりします。時が経つとつやも減ってくる。天然素材というのは、時間と共に変化するものなのです。天然石は気品あふれる高級材料なだけにデリケート。何だか女性の変化と似ているような気もします。
一見、磨き上げられた天然石かと見紛うほどの輝き。こちらの床材は鏡面タイルとのことです。主に磁器タイルの表面を研磨して、光とつやを出す鏡面タイル。硬度が高く、天然大理石のように経年変化で光沢が大きく減退することがありません。メンテナンス面では、汚れが染み込みにくく落としやすい特長を持ち、お手入れが簡単です。こうしていろいろ見てみると、タイルのバリエーションの豊富さに驚きます。荒削りな風合い、気品のある輝き、クールな質感。サイズ・色・テクスチャーはもちろん、目地の入れ方によっても雰囲気が変わるのですから!
もっと活用したい畳材
畳という素材の肌触りや香りに、ほっとしたやすらぎを感じる私たち。これほどまでに日本人の心に訴えてくる素材が、現代の住空間において、特に必要とされなくなっているのはさびしい限りです。
この畳は「琉球畳」。一般的な畳の半分のサイズで、なおかつ「へり」がないことで、モダンな印象を与えてくれます。洋間との相性もよいので、取り入れやすい和室スタイルをつくることができます。
畳という素材の肌触りや香りに、ほっとしたやすらぎを感じる私たち。これほどまでに日本人の心に訴えてくる素材が、現代の住空間において、特に必要とされなくなっているのはさびしい限りです。
この畳は「琉球畳」。一般的な畳の半分のサイズで、なおかつ「へり」がないことで、モダンな印象を与えてくれます。洋間との相性もよいので、取り入れやすい和室スタイルをつくることができます。
ハードでいて優しいモルタル材
一見、倉庫かインナーガレージのように見えるこの空間。実は居住空間(LD)です。コンクリートの基礎をそのまま床として使い、モルタルで仕上げを。つまり「土間床」ですね。
モルタルやタイルは熱を通しやすく、蓄熱する効果もあるので、床暖房の効きがよい一方、夏は冷たい地中熱が足元に伝わり、涼しく感じられるとのこと。素足の感触を楽しみながら、自然体で暮らせそうです。
一見、倉庫かインナーガレージのように見えるこの空間。実は居住空間(LD)です。コンクリートの基礎をそのまま床として使い、モルタルで仕上げを。つまり「土間床」ですね。
モルタルやタイルは熱を通しやすく、蓄熱する効果もあるので、床暖房の効きがよい一方、夏は冷たい地中熱が足元に伝わり、涼しく感じられるとのこと。素足の感触を楽しみながら、自然体で暮らせそうです。
取り換え簡単、タイルカーペット
こちらの床材に選んだのは、絨毯が50センチ角のピースになっているようなタイルカーペット。足元から感じるリラックス効果をねらった選択です。この施工例では縦・横交互に並べていく市松張りを施していますが、規則性のないランダム張り、同一方向に貼る流し張りなど、それぞれで表情が変わります。汚れたらその一枚だけをはがして洗うこともでき、取り換えてもOK。パブリックスペースはもちろん、小さなお子さんのいる住まいに部分的に敷いてもよいかと思います。
こちらの床材に選んだのは、絨毯が50センチ角のピースになっているようなタイルカーペット。足元から感じるリラックス効果をねらった選択です。この施工例では縦・横交互に並べていく市松張りを施していますが、規則性のないランダム張り、同一方向に貼る流し張りなど、それぞれで表情が変わります。汚れたらその一枚だけをはがして洗うこともでき、取り換えてもOK。パブリックスペースはもちろん、小さなお子さんのいる住まいに部分的に敷いてもよいかと思います。
機能的な複合フローリング
このLDKに使った床材は、特殊化粧シートを圧着させた複合フローリングです。
自然な朽ち感を表したアンティークな趣のオーク柄。約15センチ×180センチ、厚み1.2センチの材には6種類の柄があり、それをランダムに張ることで自然なバラつきをつくり出し、ラフな感じを表現できるように考えられています。キッチン付近は特に汚れやすい場所なので、こうした床材を採用することで、恐れることなく調理ができるうえ、憧れのシャビーシックインテリアが実現するのであれば、この選択もありかと思うのです。
このLDKに使った床材は、特殊化粧シートを圧着させた複合フローリングです。
自然な朽ち感を表したアンティークな趣のオーク柄。約15センチ×180センチ、厚み1.2センチの材には6種類の柄があり、それをランダムに張ることで自然なバラつきをつくり出し、ラフな感じを表現できるように考えられています。キッチン付近は特に汚れやすい場所なので、こうした床材を採用することで、恐れることなく調理ができるうえ、憧れのシャビーシックインテリアが実現するのであれば、この選択もありかと思うのです。
クッション材つきフローリング
マンションリノベーションの施工例です。マンションの床は、コンクリートにクッション材つきのフローリングをじかに張って仕上げているケースが多いもの。すでに遮音性能を確保している既設の床に、表面のダメージをカバーする目的で、約90センチ×15センチ×厚み2.5ミリのビニール系タイルを接着して仕上げています。木材にエイジング加工を施したかのようなプリント技術には眼を見張るものがあります。
マンションリノベーションの施工例です。マンションの床は、コンクリートにクッション材つきのフローリングをじかに張って仕上げているケースが多いもの。すでに遮音性能を確保している既設の床に、表面のダメージをカバーする目的で、約90センチ×15センチ×厚み2.5ミリのビニール系タイルを接着して仕上げています。木材にエイジング加工を施したかのようなプリント技術には眼を見張るものがあります。
床材を別の場所に応用
床材を壁仕上げ材としても使ったインテリア。私自身の仕事でも最近、店舗デザインを担当したヘアサロン様で、アメリカの古材をレセプションコーナーの壁や造作家具に使用したばかりです。その仕上がりが予想以上に刺激的で、固定概念にとらわれないインテリアのおもしろさに、改めてワクワクしました。床材を床材としての使い方にとらわれず、壁や天井の仕上げ材としてみたり、棚に仕立てるのもおもしろい! 観葉植物との相性も抜群で、ナチュラル感あふれる空間を創造できます。
床材を壁仕上げ材としても使ったインテリア。私自身の仕事でも最近、店舗デザインを担当したヘアサロン様で、アメリカの古材をレセプションコーナーの壁や造作家具に使用したばかりです。その仕上がりが予想以上に刺激的で、固定概念にとらわれないインテリアのおもしろさに、改めてワクワクしました。床材を床材としての使い方にとらわれず、壁や天井の仕上げ材としてみたり、棚に仕立てるのもおもしろい! 観葉植物との相性も抜群で、ナチュラル感あふれる空間を創造できます。
こちらは、さらに多くの部分を、主に床材として使われる材料で仕上げていらっしゃいます。デザイナーの遊び心が潜んでいながらも、空間のトータルバランスをとるために一貫した法則のようなものを感じます。
こちらのインテリアは、多くの分量が木とタイルで構成されていて、それは自然素材という特性で結びついています。「フェイクは使わない」というポリシーが、上質な空間を完成させた要因なのではないでしょうか。
床材の専門店を探す
こちらの記事もおすすめ:
インテリアの方向性を決定づける重要なエレメント、「建具」
こちらのインテリアは、多くの分量が木とタイルで構成されていて、それは自然素材という特性で結びついています。「フェイクは使わない」というポリシーが、上質な空間を完成させた要因なのではないでしょうか。
床材の専門店を探す
こちらの記事もおすすめ:
インテリアの方向性を決定づける重要なエレメント、「建具」
おすすめの記事
専門家とのやりとり
プロと一緒に部屋づくりをして、素敵なインテリアを手に入れよう
部屋づくりをインテリアの専門家に依頼すると、自分では思いつかない提案がもらえることも。プロに依頼するメリットや探し方などをご紹介します。
続きを読む
コーディネート・スタイリング
新築やリノベーションでインテリアデザイナーを雇うべき理由とは?
センスのいいインテリアデザイナーを雇えば、プロのセンスを活かした家づくりやリフォーム・リノベーションが実践できるだけでなく、結果としてクライアント側のストレスや時間の負担が減り、コストの削減にもつながります。
続きを読む
家具
床と家具の木の色を揃えずに、バランスよく見せる7つの方法
ナチュラルな木目を活かした家具をフローリングの部屋に置くとき、木の色を同じに揃えなければと思い込んでいませんか? 濃さや質感が違っても、素敵にまとめる方法はいろいろあります。
続きを読む
専門家とのやりとり
狭くても賃貸でもOK ! インテリアコーディネーターと理想のお部屋づくりを始めよう
文/秋山富美子
「理想の暮らしと現実が違う」「思うような部屋にならない」。お部屋に対して、こんなモヤモヤを抱えていませんか?諦める前に、インテリアコーディネーターに相談してみてください!
続きを読む
専門家とのやりとり
プロに頼んだ方が「お得」なことも。インテリアコーディネートっていくらかかるの?
文/藤間紗花
インテリアコーディネーターに依頼するメリットって? 費用はどのくらいかかるの? 4人のコーディネーターが詳しくお答えします。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
秘密のトプシー・ターヴィー・ハウス
外が見えなければ中を見ましょう!これこそが、この非常に奥行きが長く眺望のないシドニーのテラスハウスのデザインソリューションでした。
続きを読む
カラー
インテリアの色と照明の光の色の関係
文/カツウラアキツ
壁の色を選ぶ際は、昼間の自然光だけでなく、夜の照明に照らされたときの見え方を意識することも大切です。電球色、昼白色、昼光色の照明が、空間のベースカラーにもたらす影響を知っておきましょう。
続きを読む
キッチンの記事
さえないキッチンが、シックでモダンなスカンジナビア風に変身!
使い勝手の良くないレイアウトに、無駄なスペース、どんよりとくすんだ配色。このキッチンがどのように変わったかをご覧ください。
続きを読む