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ぐっすりと眠れるくつろぎのベッドルームをつくるための工夫とは?
心地よく眠れるベッドルームをつくるには、どんな工夫が必要でしょうか? 壁やベッドの色や素材、光の取り入れ方で、部屋の雰囲気は大きく変わってきます。インテリアデザイナーがプロの視点からアドバイスします。
akiyoshi kawajiri
2015年10月28日
ハウスメーカー、ゼネコン、設計事務所から長年多くのオーダー家具の設計と施工管理の依頼を請けてきました。現在は、2004年に開発したフロートテレビボードとその他の家具の販売、家具データ販売、家具の記事のライティングを中心に活動しています。
ハウスメーカー、ゼネコン、設計事務所から長年多くのオーダー家具の設計と施工管理の依頼を請けてきました。現在は、2004年に開発したフロートテレビボードとその他の家具の販売、家具データ販売、家具の記事のライティングを中心に活動しています... もっと見る
健康な生活にかかせないものの1つが、充分な睡眠です。しかし、現代生活はストレスも多く、なかなかしっかりと眠れていないという人も多いようです。そこで、少しでも快適な眠りを手に入れるため、ベッドルームのインテリアに工夫を加えてみてはいかがでしょうか? 心地よい眠りを誘うインテリアについて、プロの視点から解説します。
ファブリックの色と質感で安眠を誘う
壁のクロスとベッドの生地が全体的に柔らかさを出しています。全体を中間色でまとめ、一点のみ、ここではスタンドのカラーをアクセントとしているところに、プロのテクニックを感じます。ベッドのヘッドも下地の材料にウレタンと呼ばれるクッション材を生地で覆いかぶせる「ふとん張り」にしています。
壁のクロスとベッドの生地が全体的に柔らかさを出しています。全体を中間色でまとめ、一点のみ、ここではスタンドのカラーをアクセントとしているところに、プロのテクニックを感じます。ベッドのヘッドも下地の材料にウレタンと呼ばれるクッション材を生地で覆いかぶせる「ふとん張り」にしています。
大きなクッションパネルで寝室の空気感を和らげる
寝室には明るめのクロスではなくやや暗めのクロスを使っているところはセオリー通りですが、壁の大きなクッションパネルを貼ることで、寝室の空気感を和らげることに成功しています。ロウソクのようなブラケットも落ち着きを与えるアイテムとして見逃せません。
寝室には明るめのクロスではなくやや暗めのクロスを使っているところはセオリー通りですが、壁の大きなクッションパネルを貼ることで、寝室の空気感を和らげることに成功しています。ロウソクのようなブラケットも落ち着きを与えるアイテムとして見逃せません。
木パネルを壁の片面に貼って落ち着いた空間に
寝室全体ではなく壁の片面に木パネルを貼った、そのバランス感覚が絶妙です。全体を木パネルを貼ることも可能ですが、そうするとこの部屋の場合はシンプルさが失われてしまうでしょう。カーペットをブラウンにし、サッシもダーク色を選んで、全体として落ち着いた空間をつくりだしています。
寝室全体ではなく壁の片面に木パネルを貼った、そのバランス感覚が絶妙です。全体を木パネルを貼ることも可能ですが、そうするとこの部屋の場合はシンプルさが失われてしまうでしょう。カーペットをブラウンにし、サッシもダーク色を選んで、全体として落ち着いた空間をつくりだしています。
木の暖色が心地よさを与える
この寝室は木という自然素材を天井とベッドのヘッド、そして壁面の棚と、多くの部分に使っているところが特徴的です。塗装もほとんど感じさせない、ナチュラルな雰囲気が魅力ですし、木の暖色が穏やかな空間をつくりだしています。おそらくほのかな木の香りもすることでしょう。
この寝室は木という自然素材を天井とベッドのヘッド、そして壁面の棚と、多くの部分に使っているところが特徴的です。塗装もほとんど感じさせない、ナチュラルな雰囲気が魅力ですし、木の暖色が穏やかな空間をつくりだしています。おそらくほのかな木の香りもすることでしょう。
広い格子戸から漏れる明かりが心地よい
建具(引き戸)の幅が標準の2倍はあるこちらの和室。天井まで伸びる背の高いものになっており、天井から吊ることで、開くときにも重さを感じさせない工夫があります。おそらく、外からの明かりを大きく取り入れて、格子状の明かりを美しく畳に映し出すことを考えたのでしょう。室内の照明もペンダントではなくダウンライトなので、格子越しの光の模様の妙を楽しむことができます。
建具(引き戸)の幅が標準の2倍はあるこちらの和室。天井まで伸びる背の高いものになっており、天井から吊ることで、開くときにも重さを感じさせない工夫があります。おそらく、外からの明かりを大きく取り入れて、格子状の明かりを美しく畳に映し出すことを考えたのでしょう。室内の照明もペンダントではなくダウンライトなので、格子越しの光の模様の妙を楽しむことができます。
中庭を望める落ち着いた和室
こちらの和室は、窓からほどよい明かりが入り、緑も楽しめますし、さらに室内のほの暗さも、ゆっくりと休息がとれる空間の条件を満たしています。
こちらの和室は、窓からほどよい明かりが入り、緑も楽しめますし、さらに室内のほの暗さも、ゆっくりと休息がとれる空間の条件を満たしています。
窓から見える木々に癒される
別荘らしく、室内にも木をほどよくあしらった寝室です。室内にあるベッド以外の家具は、小さなデスクとナイトテーブルだけ。時間を忘れてゆっくりと過ごせそうな寝室です。
別荘らしく、室内にも木をほどよくあしらった寝室です。室内にあるベッド以外の家具は、小さなデスクとナイトテーブルだけ。時間を忘れてゆっくりと過ごせそうな寝室です。
ヘッドボードを壁に埋め込みフラットに
ベッドにはヘッドボードを設えることも多いもの。しかし、通常の設置の仕方では、壁から出っ張ってしまうので、全体のシンプルさが損なわれてしまう恐れを感じました。そこで壁を二重構造として、ヘッドボードを埋込む形にし、さらに間接照明スペースも設けてみました。安らげる寝室を目的としているのでヘッドを木目とし、ナチュラルなイメージもありながらモダンな寝室としています。
ベッドにはヘッドボードを設えることも多いもの。しかし、通常の設置の仕方では、壁から出っ張ってしまうので、全体のシンプルさが損なわれてしまう恐れを感じました。そこで壁を二重構造として、ヘッドボードを埋込む形にし、さらに間接照明スペースも設けてみました。安らげる寝室を目的としているのでヘッドを木目とし、ナチュラルなイメージもありながらモダンな寝室としています。
上の写真の右側の様子です。二重構造にした壁をサッシに突き当たらないようにし、縦状に間接照明も入れて、室内に入る光をコントロールしています。
書斎のある寝室
「眠る前にちょっと読書をしたいので、ベッドルームに小さな書斎が欲しい」という要望を寄せられることは少なくありません。この例では寝床となる床面を上げることで、床に腰掛けたまま、立ち上がることなくデスクに向かえるデザインになっています。さらに直接光ではなく間接光を要所要所にとりいれ、寝室全体を柔らかい明かりで包むことに成功しています。右に見えるオレンジのパネルが、ともすれば寂しくになりそうな寝室に適度な活気をもたらしています。
「眠る前にちょっと読書をしたいので、ベッドルームに小さな書斎が欲しい」という要望を寄せられることは少なくありません。この例では寝床となる床面を上げることで、床に腰掛けたまま、立ち上がることなくデスクに向かえるデザインになっています。さらに直接光ではなく間接光を要所要所にとりいれ、寝室全体を柔らかい明かりで包むことに成功しています。右に見えるオレンジのパネルが、ともすれば寂しくになりそうな寝室に適度な活気をもたらしています。
上の写真の日中の様子。全体の壁のしつらえと光の取り入れ方に工夫しています。
北欧の寝室
ムダを削ぎ落として豊かな暮らし方をしていると注目を浴び続けている北欧スタイルのベッドルーム。室内にあるのは、飾り気のない落ち着いたカラーのベッドとベッドヘッドに木のナイトテーブルのみ。床のラグがさりげなくあたたかみを加えています。
ムダを削ぎ落として豊かな暮らし方をしていると注目を浴び続けている北欧スタイルのベッドルーム。室内にあるのは、飾り気のない落ち着いたカラーのベッドとベッドヘッドに木のナイトテーブルのみ。床のラグがさりげなくあたたかみを加えています。
シンプルを極めた寝室
採光窓とアクセントカラーの壁のみで構成されている、シンプルさを極めた寝室。勾配天井ですが、窓のある壁面から天井へと白い色がつながって伸びやかに見えるため、圧迫感を感じません。ダークな壁とベッドリネンの色で、ぐっすりと眠れそうです。
採光窓とアクセントカラーの壁のみで構成されている、シンプルさを極めた寝室。勾配天井ですが、窓のある壁面から天井へと白い色がつながって伸びやかに見えるため、圧迫感を感じません。ダークな壁とベッドリネンの色で、ぐっすりと眠れそうです。
天井の一部を下げて適度な暗さを加える
ベッドルームですが、ワークスペースとなるデスクが置かれています。デスクスペースは明るくしつらえ、反対側は壁をダーク色のクロスとし天井を一段下げることで暗さを演出して、ベッドスペースらしくしています。光と色とデザインで室内空間を機能に従って「縁切り」するデザインとなっています。
ベッドルームですが、ワークスペースとなるデスクが置かれています。デスクスペースは明るくしつらえ、反対側は壁をダーク色のクロスとし天井を一段下げることで暗さを演出して、ベッドスペースらしくしています。光と色とデザインで室内空間を機能に従って「縁切り」するデザインとなっています。
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