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ヴィンテージの照明でインテリアをブラッシュアップ!
在イギリス20年のアンティークのプロが綴る、古いものをインテリアにプラスする際のコツ、今回のテーマは照明です。ヴィンテージものを中心に解説します。
西谷典子|Noriko Nishiya
2015年7月24日
ダウンライトや間接照明を上手に組み合わせて使っているご家庭も、だいぶ一般的になってきました。蛍光灯などで明るく照らす部屋と、ゆっくりくつろくためにやわらかい光で照らす部屋を区別するようにもなってきているようです。夜過ごす部屋は暗めにし、壁灯やテーブルランプなどで灯をとるなど、光の表情を空間や時間帯に合わせて使い分けることができたらいいですね。そして、明かりをつけないときでもインテリアアクセサリーとして空間の表情にマッチし、あるいはフォーカルポイントにもなるような、ヴィンテージの照明を取り入れるとお部屋はもっと素敵になります。今回は、その使い方の例やおすすめのデザインをご紹介したいと思います。
前回までの記事はこちら!
第1回 アンティークを現代の暮らしにミックスさせるポイント10
第2回 アンティークの基本的な知識、選び方や扱い方のポイント
第3回 アンティーク家具のタイムレスな魅力は、シンプルデザインまたはシンプルな空間で
第4回 省スペース&マルチファンクショナル。賢い機能のアンティーク家具を選ぶ
第5回 コンパクトな空間に、アンティーク家具をバランスよく配置するコツ
第6回 今の暮らしに合わせたアンティークの使い方「見立て使い」のアイデア集
第7回 形はクラシック、色はコンテンポラリー。アンティーク家具の色を変えて生まれ変わらせる
第8回 インダストリアルとシャビーシック。人気のスタイルはヴィンテージ家具で味わいを加えて
第9回 ファブリックでアンティーク家具をリフレッシュ! アンティーク&ヴィンテージの布の使い方
第1回 アンティークを現代の暮らしにミックスさせるポイント10
第2回 アンティークの基本的な知識、選び方や扱い方のポイント
第3回 アンティーク家具のタイムレスな魅力は、シンプルデザインまたはシンプルな空間で
第4回 省スペース&マルチファンクショナル。賢い機能のアンティーク家具を選ぶ
第5回 コンパクトな空間に、アンティーク家具をバランスよく配置するコツ
第6回 今の暮らしに合わせたアンティークの使い方「見立て使い」のアイデア集
第7回 形はクラシック、色はコンテンポラリー。アンティーク家具の色を変えて生まれ変わらせる
第8回 インダストリアルとシャビーシック。人気のスタイルはヴィンテージ家具で味わいを加えて
第9回 ファブリックでアンティーク家具をリフレッシュ! アンティーク&ヴィンテージの布の使い方
案外場所を取らないフロアランプ
フロアランプは大きいので家には置けない!と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。でも、置くための台が必要となるテーブルランプに対し、フロアランプのベースは約30cmほどの大きさなうえ、その約半分は家具の下に入るので、実はあまりスペースを取らないのです。ゲストを招いたときにも、フロアランプがあればテーブルのスペース使うこともなく、十分な明るさを得ることができます。特にアーチ型のランプは空間を有効に使えるので、実は狭いスペース向きのランプなのです。1960年代にヒットしたこのアーチ型ランプは、やはりミッドセンチュリースタイルのインテリアには欠かせないアイテムです。
フロアランプは大きいので家には置けない!と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。でも、置くための台が必要となるテーブルランプに対し、フロアランプのベースは約30cmほどの大きさなうえ、その約半分は家具の下に入るので、実はあまりスペースを取らないのです。ゲストを招いたときにも、フロアランプがあればテーブルのスペース使うこともなく、十分な明るさを得ることができます。特にアーチ型のランプは空間を有効に使えるので、実は狭いスペース向きのランプなのです。1960年代にヒットしたこのアーチ型ランプは、やはりミッドセンチュリースタイルのインテリアには欠かせないアイテムです。
おすすめは甘すぎないシャンデリア
シャンデリアはインテリアをゴージャスに飾るアイテムとして人気ですが、華美すぎたり甘すぎたりしない、モダンなシンプルデザインは特におすすめで、写真のようなクリーンでコンテンポラリーなお部屋にもよく似合います。クリスタルのシャンデリアのなかでもボヘミアングラスとムラノグラスは最高級と言われており、たとえばボヘミアングラスのカットの精密な技法は、プリズムをきれいにつくり出し、その輝き方は普通のガラスとはまったく違います。このクラスの照明は本体もブロンズ製のものが多く、何代にもわたって使える家宝的な照明といえます。
シャンデリアはインテリアをゴージャスに飾るアイテムとして人気ですが、華美すぎたり甘すぎたりしない、モダンなシンプルデザインは特におすすめで、写真のようなクリーンでコンテンポラリーなお部屋にもよく似合います。クリスタルのシャンデリアのなかでもボヘミアングラスとムラノグラスは最高級と言われており、たとえばボヘミアングラスのカットの精密な技法は、プリズムをきれいにつくり出し、その輝き方は普通のガラスとはまったく違います。このクラスの照明は本体もブロンズ製のものが多く、何代にもわたって使える家宝的な照明といえます。
ヴィンテージ照明とアンティーク家具
1950~60年代にデザインされた照明は、当時流行りだった宇宙的なフォルムが多く、こういったポップな色や形のヴィンテージランプは、シンプルな現代の空間に置いても引き立つだけではなく、アンティーク家具とも好相性です。アンティーク特有の重たさを軽減してバランスをとってくれるため、時代を経たものどうしなのに不思議とモダンな印象に。特にフランス製のデスクランプはサイズが小さいものが多く、なかにはクリップ状の極小のものもあるので、スペースに限りがある場合、特におすすめです。
1950~60年代にデザインされた照明は、当時流行りだった宇宙的なフォルムが多く、こういったポップな色や形のヴィンテージランプは、シンプルな現代の空間に置いても引き立つだけではなく、アンティーク家具とも好相性です。アンティーク特有の重たさを軽減してバランスをとってくれるため、時代を経たものどうしなのに不思議とモダンな印象に。特にフランス製のデスクランプはサイズが小さいものが多く、なかにはクリップ状の極小のものもあるので、スペースに限りがある場合、特におすすめです。
複数で使ってトレンド感を
次に、今風の使い方アイデアを。1950年代にデザインされたヴィンテージランプシェードは、1つだけではデザインも明るさも今ひとつ古臭い感じですが、数個まとめて飾ってみると、まるでイーストロンドンのバーのような雰囲気になり、トレンド感満載です。この時代のランプシェードは、コットンよりも写真のような明るい色のナイロン製のものが多いので、電気をつけるとランプシェードの色がきれいに出ます。ヴィヴィッドな色の組み合わせも案外よいアクセントになります。
次に、今風の使い方アイデアを。1950年代にデザインされたヴィンテージランプシェードは、1つだけではデザインも明るさも今ひとつ古臭い感じですが、数個まとめて飾ってみると、まるでイーストロンドンのバーのような雰囲気になり、トレンド感満載です。この時代のランプシェードは、コットンよりも写真のような明るい色のナイロン製のものが多いので、電気をつけるとランプシェードの色がきれいに出ます。ヴィヴィッドな色の組み合わせも案外よいアクセントになります。
おもちゃと照明をドッキング
プラスティックとバルブの距離を安全な距離で保てば、こんな遊び心のあるライトに変身。LEDライトを使えばもっと安心ですね。以前、あるアイコン的なデザインのレモンスクィーザーをランプベースにして、独自のランプシェードをつけたテーブルランプのプロトタイプを見せていただいたことがあります。作ったのは照明の巨匠と呼ばれているデザイナーの方でしたが、こっちの方がずっと使い勝手がいいと冗談でおっしゃっていました。なるほど、ユーモアのある照明は、さらに家の中を明るくすることができるということですね。
プラスティックとバルブの距離を安全な距離で保てば、こんな遊び心のあるライトに変身。LEDライトを使えばもっと安心ですね。以前、あるアイコン的なデザインのレモンスクィーザーをランプベースにして、独自のランプシェードをつけたテーブルランプのプロトタイプを見せていただいたことがあります。作ったのは照明の巨匠と呼ばれているデザイナーの方でしたが、こっちの方がずっと使い勝手がいいと冗談でおっしゃっていました。なるほど、ユーモアのある照明は、さらに家の中を明るくすることができるということですね。
シェードを枠だけ使って
ときどきアンティークマーケットで、布地にシミがついていたり穴があいていたりするランプシェードを見かけることがあり、こういうものはもう使われることはないだろうと思っていたのですが、このようにファブリックをはがしてフレームだけ利用すると、形はアンティークでも雰囲気はコンテポラリーという、おもしろいプロダクトに早変わりすることに驚きました。シンプルなベッドルームに飾れば、きっとモダンで穏やかなスペースにコーディネートできるのではないでしょうか。
ときどきアンティークマーケットで、布地にシミがついていたり穴があいていたりするランプシェードを見かけることがあり、こういうものはもう使われることはないだろうと思っていたのですが、このようにファブリックをはがしてフレームだけ利用すると、形はアンティークでも雰囲気はコンテポラリーという、おもしろいプロダクトに早変わりすることに驚きました。シンプルなベッドルームに飾れば、きっとモダンで穏やかなスペースにコーディネートできるのではないでしょうか。
タイムレスなデザイン1 「アングルポイズ」
人気のあるヴィンテージ照明のブランドもいくつか紹介したいと思います。ピクサー映画のイントロのアニメでも使われたので、「アングルポイズ」のデスクランプを知っている方は結構多いのではないでしょうか。自動車のサスペンションからヒントを得、スプリングのメカニズムを使ってアングルを自由自在に動かし、そのまま固定することができるという、1932年当時としてはとても革新的な機能を持つランプでした。現在でもそのメカニズムを変えることなくそのままで使われ、80年前に作られたとは思えない機能的でシンプルなデザインで、今のインテリアにもマッチするデスクランプです。
人気のあるヴィンテージ照明のブランドもいくつか紹介したいと思います。ピクサー映画のイントロのアニメでも使われたので、「アングルポイズ」のデスクランプを知っている方は結構多いのではないでしょうか。自動車のサスペンションからヒントを得、スプリングのメカニズムを使ってアングルを自由自在に動かし、そのまま固定することができるという、1932年当時としてはとても革新的な機能を持つランプでした。現在でもそのメカニズムを変えることなくそのままで使われ、80年前に作られたとは思えない機能的でシンプルなデザインで、今のインテリアにもマッチするデスクランプです。
タイムレスなデザイン2 「ジェルデランプ」
長くも短くも、そして360度自由自在なアングルに変えることができ、耐久性も高い、ワークステーションには欠かせないフランスのジェルデランプ。壁にもテーブルにも簡単に取り付けられるという、心憎い工夫のある構造なので、現代のキッチンなどでもその機能を生かして使うことができます。いらないものをすべて省いたシンプルな構造とデザインは、今や誰もが認める、インダストリアルスタイルにのアイコン的なランプです。
長くも短くも、そして360度自由自在なアングルに変えることができ、耐久性も高い、ワークステーションには欠かせないフランスのジェルデランプ。壁にもテーブルにも簡単に取り付けられるという、心憎い工夫のある構造なので、現代のキッチンなどでもその機能を生かして使うことができます。いらないものをすべて省いたシンプルな構造とデザインは、今や誰もが認める、インダストリアルスタイルにのアイコン的なランプです。
タイムレスなデザイン3 「カイザーランプ」
インダストリアルスタイルが流行り、すっかりアンティークマーケットから姿を消してしまったヴィンテージのカイザーランプ。バウハウスのメタル工房の主任だったクリスチャン・デルが1932年にデザインした、タイムレスで流麗なフォルムと精巧なメカニズムが魅力です。特にヴィンテージのランプは、黒や緑などいずれも味わい深くペイントがはげていて、現役でも機能的に動き、インダストリアルスタイルのアクセサリーとしてぴったりはまり、素晴らしく絵になります。シンプルかつ頑丈なこのランプは、近代ドイツの工業デザインの原点でもあります。
インダストリアルスタイルが流行り、すっかりアンティークマーケットから姿を消してしまったヴィンテージのカイザーランプ。バウハウスのメタル工房の主任だったクリスチャン・デルが1932年にデザインした、タイムレスで流麗なフォルムと精巧なメカニズムが魅力です。特にヴィンテージのランプは、黒や緑などいずれも味わい深くペイントがはげていて、現役でも機能的に動き、インダストリアルスタイルのアクセサリーとしてぴったりはまり、素晴らしく絵になります。シンプルかつ頑丈なこのランプは、近代ドイツの工業デザインの原点でもあります。
夏の夜の庭にはランタンを
ヨーロッパの秋冬は日照時間が少ないので、夏に対する思い入れは大変なもの。庭がある人は夏、なるべく外で過ごそうとします。どんなに寒くても、です。そんな土地で夏の夜によく活用されるのがランタンです。昔、鉄道で使われていたものや、船で使われていたものなどはガラスも分厚く頑丈です。ひっかけて吊るして飾っても、テーブルに置いても、複数あれば夜の庭の雰囲気をムードたっぷりに演出してくれます。電気の明るさもいいですが、たまにはこんな優しい明るさもいいですね。
ヨーロッパの秋冬は日照時間が少ないので、夏に対する思い入れは大変なもの。庭がある人は夏、なるべく外で過ごそうとします。どんなに寒くても、です。そんな土地で夏の夜によく活用されるのがランタンです。昔、鉄道で使われていたものや、船で使われていたものなどはガラスも分厚く頑丈です。ひっかけて吊るして飾っても、テーブルに置いても、複数あれば夜の庭の雰囲気をムードたっぷりに演出してくれます。電気の明るさもいいですが、たまにはこんな優しい明るさもいいですね。
1890年にガス灯から電気に変わってからの照明の歴史は、まだ120年くらいのものです。それでもこの間に、照明はただ明るさを得るだけではなく、部屋の雰囲気を彩るインテリアのアクセサリーとして重要な役割を果たす存在になりました。しかもLED のローボルトのバルブが主流になり、経済的かつ安全に照明を使えるようにもなっている今、照明はこれからも時代とともにもっと進化し、おもしろいデザインがどんどんつくり出されるはずです。オブジェを楽しむ感覚で、ヴィンテージやリプロなど手に入れやすいもので、間接照明をもっとインテリアに取り入れ、暮らしを明るく楽しく彩ってみてください。
間接照明の空間写真をもっと見る
教えてHouzz
ご感想をおきかせください。
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