Houzzツアー:シアトルのインダストリアルな小さな家
アーティストの女性が半分セルフビルドで改築した家は、小さいながらも使いやすくてゆったりと使える、開放的な家です。廃材や中古品を利用したセンスのいいインダストリアルスタイルにも注目。
Houzz
2015年6月30日
小さな体に似合わず大きなものをたくましく運ぶことから、友人たちから「アリ人間」と呼ばれているというミシェル・ド・ラ・ヴェガ(Michelle de la Vega)さん。「私は独身だし、何より、このミニハウスを建てたとき、家の建てるための知識なんてまったくなかったですから、それは大変でした。人を雇うお金なんてないですから、自分でなんでもやるしかなかった。でも、業者の人にまともにとりあってもらうのも、簡単なことではなくて」とド・ラ・ヴェガさんは振り返る。
信頼できる地元の大工を一人見つけたことが、大きな助け舟になった。「エリックとの出会いは、まさに神の恵みでしたね」とアーティストで溶接工のド・ラ・ヴェガさん。質の悪いサプライヤーに騙されそうになったこともあったが、なんとかミニハウスを完成させ、新しい人生のスタートを着ることができた。「好きなところがたくさんある家なんです。安全で、安心していられる場所です。隅々まで気に入っています」
どんなHouzz?
居住者:ミシェル・ド・ラ・ヴェガさん。現在この家は、別荘として使用している。
所在地:シアトル南部
規模:約23平方メートル
信頼できる地元の大工を一人見つけたことが、大きな助け舟になった。「エリックとの出会いは、まさに神の恵みでしたね」とアーティストで溶接工のド・ラ・ヴェガさん。質の悪いサプライヤーに騙されそうになったこともあったが、なんとかミニハウスを完成させ、新しい人生のスタートを着ることができた。「好きなところがたくさんある家なんです。安全で、安心していられる場所です。隅々まで気に入っています」
どんなHouzz?
居住者:ミシェル・ド・ラ・ヴェガさん。現在この家は、別荘として使用している。
所在地:シアトル南部
規模:約23平方メートル
この家を建てるにあたって、やりたいと思ったことはすべてトライした。「普段の私の生き方全般と同じです。私はアーティストなので、好きなものがはっきりしているんです」とド・ラ・ヴェガさん(戸口のところに立っている)。
建設作業は問題山積だったが、彼女のヴィジョンだけは一度もゆるぐことはなかった。「ヴィジョンを持つというのは、私にとっては当たり前のこと。というより、ヴィジョンを持たずに生きることのほうが考えられないですね」
まさに大きな試行錯誤の繰り返しだった。「でも、楽にできることには価値がない、が私の哲学なんです」とド・ラ・ヴェガさん。
まさに大きな試行錯誤の繰り返しだった。「でも、楽にできることには価値がない、が私の哲学なんです」とド・ラ・ヴェガさん。
写真には、ベッドルームになっているロフト、キッチン、裏庭への眺めが写っている。「素材や物を再利用したり、新しいコンテクストで使うのが好きなんです。それに効率性と開放性も大切。新鮮な空気、風通し、自然光はたっぷりほしいので、最大限の光がはいる窓をつくり、通風も工夫しました」
「プライバシーも配慮した設計になっています。通り側には、高い位置に小さな窓を1つだけ設けました。おかげで、夏は暑い空気が抜けていきますし、夕暮れの光も入ります」
「プライバシーも配慮した設計になっています。通り側には、高い位置に小さな窓を1つだけ設けました。おかげで、夏は暑い空気が抜けていきますし、夕暮れの光も入ります」
フレンチドアの上のロフトがベッドルーム。3つの窓があり、新鮮な風が入る。窓を開けて眠ると、夏はまるで屋外で眠っているように心地よいそう。「シンプルで効率的なこの家がとても好きです。小さいけれど快適だし、同時に、とても開放的な空間です。すばらしく美しい光が入りますし、安心して過ごせる場所でもあります」
赤い消防用具ロッカーは、もとはユナイテッド航空の従業員ロッカールームにあったもの。ド・ラ・ヴェガさんはクレイグスリストで購入した。
増築はバス・トイレ部分のみ。
フルサイズのバスタブを置いたバスルーム。天窓から明るい光がふりそそぐ。
インダストリアルなインテリアは、シアトルのダウンタウンの雰囲気、シアトルという工業都市の空気を感じさせる。オープンな棚、廃材を利用したボックス、インダストリアルな照明は、ヴィンテージの掘り出し物を見つけては新しい使い方を考えるのが好きだというド・ラ・ヴェガさんの趣味があらわれている。この家があるシアトル南部のトップ・ハット地区は、文化的に豊かな地区。近年、アーティストや職人を引きつけている。
暖炉に向かって左に置かれている多面体のオブジェは、ド・ラ・ヴェガさんの作品。ストーブ用の薪を入れた、錆びた箱は、パシフィック・インダストリアル・サプライ社で使われていた弾薬保存箱。ミッドセンチュリーの中古ランプは、救世軍での掘り出し物。
フレンチドアを開けると、果物のなる木や花壇のある、緑豊かな裏庭に通じている。
ド・ラ・ヴェガさんにとって、生活空間とは自分の哲学を表現する非常に個人的な場所だ。「私が住んでいる家を来れば、私の好きなものはすぐにわかると思います。シンプルで経済的で美しいもの、それに、捨てられそうなものを再利用するのが好き。そういう私の性質を反映した家だと思います」
現在、この家は別荘として使用しており、アトリエに使いたいというアーティストに貸すこともあるそう。ド・ラ・ヴェガさんの次のプロジェクトは、この家のすぐ近くに、夫と暮らす家を建てること。そう、この家を建てたのが縁で、建設業者と結婚したのである。
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