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記憶に残るインテリアは「アイキャッチのつくり方」がポイント/仕上げにアート
インテリアコーディネーターとして活動する筆者が「記憶に残るインテリアは、アイキャッチのつくり方がポイント」というテーマで、部屋を素敵に見せるプロのコツをシリーズでお伝えしています。
インテリアを魅力的に見せるコツとして、「アイキャッチ」のつくり方について伝えるシリーズ。今回は、素敵なインテリアの仕上げに欠かせないアートについてお伝えします。
新しい家や部屋に住み始めるとき、誰もが家具・家電・カーテンなど、どんなものにしようかと思いを馳せ、楽しみながら揃えていくことと思います。それで、いざ仕上がってみると、なんだか物足りない。なのにごちゃごちゃとして見える。そんな経験はないでしょうか。
そんな部屋を見回してみると、白い壁がまるまる空いていませんか? 空いた壁に絵を1枚掛けるだけで、部屋は見違えます。特に日本の賃貸住宅は壁に穴をあけることがご法度とされていますが、ほんの小さな穴があくだけで壁に絵を掛けることのできる金物も、ホームセンターで手に入れることが可能です。
「記憶に残るインテリアは『アイキャッチのつくり方』がポイント」シリーズをもっと読む:
第1回 黒の魅力
第2回 インテリアアイテムの「相棒」をつくろう
第3回 見る人が動きを感じる「アイキャッチ」でインテリアを印象的に
第4回 さし色の選び方
第5回 自然の持つフォルム
新しい家や部屋に住み始めるとき、誰もが家具・家電・カーテンなど、どんなものにしようかと思いを馳せ、楽しみながら揃えていくことと思います。それで、いざ仕上がってみると、なんだか物足りない。なのにごちゃごちゃとして見える。そんな経験はないでしょうか。
そんな部屋を見回してみると、白い壁がまるまる空いていませんか? 空いた壁に絵を1枚掛けるだけで、部屋は見違えます。特に日本の賃貸住宅は壁に穴をあけることがご法度とされていますが、ほんの小さな穴があくだけで壁に絵を掛けることのできる金物も、ホームセンターで手に入れることが可能です。
「記憶に残るインテリアは『アイキャッチのつくり方』がポイント」シリーズをもっと読む:
第1回 黒の魅力
第2回 インテリアアイテムの「相棒」をつくろう
第3回 見る人が動きを感じる「アイキャッチ」でインテリアを印象的に
第4回 さし色の選び方
第5回 自然の持つフォルム
アートの効果は絶大です
ホワイト&ブラックでコーディネートされた、色や形の要素が少ないミニマルな空間。
風景写真のアートが見る人の目線を高い位置に誘導し、あたたかみと彩りをプラスしています。
ホワイト&ブラックでコーディネートされた、色や形の要素が少ないミニマルな空間。
風景写真のアートが見る人の目線を高い位置に誘導し、あたたかみと彩りをプラスしています。
壁一面に飾る
壁一面を埋めてしまうような大きなアート。これだけ大きなアートだと、1枚で空間の主役になります。
アートの色づかいに注目してください。窓の外の海のような淡い青が使われています。また、濃い青とテーブルのナプキンの色がお揃いになっていますね。 これだけ大胆な絵でも全体がまとまって感じられるのは、色をリンクさせているという効果が大きいのです。
壁一面を埋めてしまうような大きなアート。これだけ大きなアートだと、1枚で空間の主役になります。
アートの色づかいに注目してください。窓の外の海のような淡い青が使われています。また、濃い青とテーブルのナプキンの色がお揃いになっていますね。 これだけ大胆な絵でも全体がまとまって感じられるのは、色をリンクさせているという効果が大きいのです。
文字・メッセージ
人間にとって、コミュニケーションの手段である文字は強く目を惹く存在です。
アルファベットは、1文字で意味をもつものではありませんので、さまざまなイメージを見る人に感じさせることができます。
人間にとって、コミュニケーションの手段である文字は強く目を惹く存在です。
アルファベットは、1文字で意味をもつものではありませんので、さまざまなイメージを見る人に感じさせることができます。
短い文を書いたアート。たとえ小さな文字であっても、メッセージ性があるものは意味がわかる人にとっては強いインパクト与えます。そのため、実際の大きさ以上に存在感が際立ちます。
「表意文字」である漢字。
これも意味のわかる漢字文化圏の人にとってはメッセージ性のあるアートです。
意味のわからない他文化の人にとっては、変わった形の抽象画のように見えるという点も、文字を使ったアートのおもしろさですね。
これも意味のわかる漢字文化圏の人にとってはメッセージ性のあるアートです。
意味のわからない他文化の人にとっては、変わった形の抽象画のように見えるという点も、文字を使ったアートのおもしろさですね。
「目線」のあるアート
民族衣装を身にまとった人物の横顔。左を向く凛とした視線に魅せられて、ついついその目線を追ってしまいますね。
「第3回 見る人が動きを感じる『アイキャッチ』でインテリアを印象的に」でもお伝えしましたが、人は、他の人や生き物の目線を追う習性があります。目線が自然と誘導されて、写真の人物と同じものを見ようとしますので、自然と外の緑に目線が誘導され、部屋が広く開放的に見える効果がありますね。
額をカーテンの手前にワイヤーで吊るすという方法も、おもしろい飾り方です。
民族衣装を身にまとった人物の横顔。左を向く凛とした視線に魅せられて、ついついその目線を追ってしまいますね。
「第3回 見る人が動きを感じる『アイキャッチ』でインテリアを印象的に」でもお伝えしましたが、人は、他の人や生き物の目線を追う習性があります。目線が自然と誘導されて、写真の人物と同じものを見ようとしますので、自然と外の緑に目線が誘導され、部屋が広く開放的に見える効果がありますね。
額をカーテンの手前にワイヤーで吊るすという方法も、おもしろい飾り方です。
このアートでは、正面を向いた牛の目線がまっすぐにこちらを見つめています。牛の表情はユーモラスにも見えますし、ちょっと不安げにも見えます。
この部屋に入った人は牛と目線を一瞬合わせますが、すぐに他の部分に目線を移すでしょう。それでもまた、見られているような感覚から、繰り返し牛と目線を合わせてしまうのではないかと思います。
鮮やかな赤い色と相まって、とても印象の強いアートです。
この部屋に入った人は牛と目線を一瞬合わせますが、すぐに他の部分に目線を移すでしょう。それでもまた、見られているような感覚から、繰り返し牛と目線を合わせてしまうのではないかと思います。
鮮やかな赤い色と相まって、とても印象の強いアートです。
同じアート、似たアートを並べる
「第2回 インテリアアイテムの『相棒』をつくろう」でもお伝えしましたが、同じもの、似たものを並べる「双子のペアリング」も、アイキャッチのコツのひとつ。
サンゴのような、木の枝のような形の壁掛けのアート。このアートは1つだけでは大きさや存在感が他のアイテムの印象に負けてしまいますが、2つ並べたことで、ほどよい存在感となり、品よくまとまっています。
「第2回 インテリアアイテムの『相棒』をつくろう」でもお伝えしましたが、同じもの、似たものを並べる「双子のペアリング」も、アイキャッチのコツのひとつ。
サンゴのような、木の枝のような形の壁掛けのアート。このアートは1つだけでは大きさや存在感が他のアイテムの印象に負けてしまいますが、2つ並べたことで、ほどよい存在感となり、品よくまとまっています。
このアートは、2つだとかなり落ち着いた印象になっていたでしょう。
3つ並べることでリズミカルな印象を醸し出し、インテリアイメージに合ったカジュアルで楽しい雰囲気をつくっています。
3つ並べることでリズミカルな印象を醸し出し、インテリアイメージに合ったカジュアルで楽しい雰囲気をつくっています。
著名な作家のアート
このアートはアメリカのアーティスト、フランク・ステラのものでしょう。
写真からは、本物なのかレプリカなのかはうかがい知ることはできませんが、アートとしての存在感の強さはこれまで見てきたアートの中でも群を抜いていますね。
アートは、美術館で保管されている場合には光や湿度・温度が徹底管理され、作品を後年に伝えるために劣化を防ぐ措置がなされます。
人が過ごす住空間は、光、温度、湿度、ほこりなど、実はアートにとっては過酷な環境。お気に入りのアートであればなおのこと、本物は大切に保管して、コピーやレプリカなどを上手に利用して楽しみたいものです。
このアートはアメリカのアーティスト、フランク・ステラのものでしょう。
写真からは、本物なのかレプリカなのかはうかがい知ることはできませんが、アートとしての存在感の強さはこれまで見てきたアートの中でも群を抜いていますね。
アートは、美術館で保管されている場合には光や湿度・温度が徹底管理され、作品を後年に伝えるために劣化を防ぐ措置がなされます。
人が過ごす住空間は、光、温度、湿度、ほこりなど、実はアートにとっては過酷な環境。お気に入りのアートであればなおのこと、本物は大切に保管して、コピーやレプリカなどを上手に利用して楽しみたいものです。
立体作品・彫刻など
壁に掛ける絵だけがアートではありません。立体作品や彫刻なども、置き場所が確保できたらぜひチャレンジしてみたいもの。
大きな洋梨とウサギの立体作品。実物に比べてスケールがとても大きいですね。しばらく写真を見ているとなんだか部屋の方が小さく見えて、まるで人形の家に迷い込んだような不思議な感覚に陥る、おもしろいアートだと思います。
壁に掛ける絵だけがアートではありません。立体作品や彫刻なども、置き場所が確保できたらぜひチャレンジしてみたいもの。
大きな洋梨とウサギの立体作品。実物に比べてスケールがとても大きいですね。しばらく写真を見ているとなんだか部屋の方が小さく見えて、まるで人形の家に迷い込んだような不思議な感覚に陥る、おもしろいアートだと思います。
自分の好きなものを飾る
額縁で縁取られた、あらゆる時代のカメラ。額縁とカメラをそれぞれ直接壁にとめています。こんなラフな飾り方ならすぐに真似できそうですね。
さまざまなアートとその効果を見てきましたが、やはり住む人が自分の好きなものを飾ることが、いちばん楽しいのではないでしょうか。
額縁で縁取られた、あらゆる時代のカメラ。額縁とカメラをそれぞれ直接壁にとめています。こんなラフな飾り方ならすぐに真似できそうですね。
さまざまなアートとその効果を見てきましたが、やはり住む人が自分の好きなものを飾ることが、いちばん楽しいのではないでしょうか。
最後に、自宅で簡単にできる「額装」についてお伝えしたかったのですが、長くなりましたのでまた次回。アイキャッチのつくり方「番外編」としてお届けしたいと思います。
「記憶に残るインテリアは『アイキャッチのつくり方』がポイント」シリーズをもっと読む:
第1回 黒の魅力
第2回 インテリアアイテムの「相棒」をつくろう
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第4回 さし色の選び方
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