記憶に残るインテリアは「アイキャッチのつくり方」がポイント/自然の持つフォルム
インテリアコーディネーターとして活動する筆者が「記憶に残るインテリアは、アイキャッチのつくり方がポイント」というテーマで、部屋を素敵に見せるプロのコツをシリーズでお伝えしています。
記憶に残るような素敵なインテリアには、必ず「アイキャッチ」となるアイテムが取り入れられています。アイキャッチとは、見る人の視線を自然に引き寄せて、空間に広がりや奥行きを感じさせるアイテムのこと。
第5回目は「自然の持つフォルム」がテーマ。人の手でつくられる住宅は、垂直や水平、円弧など、人工的で無機質なラインと均一な色彩で構成されています。その中で、草木や石など自然の物が持つ有機的な曲線や色合いは、人の目を惹く効果が強いので、アイキャッチとして欠かすことのできないモチーフです。
「記憶に残るインテリアは『アイキャッチのつくり方』がポイント」シリーズをもっと読む:
第1回 黒の魅力
第2回 インテリアアイテムの「相棒」をつくろう
第3回 見る人が動きを感じる「アイキャッチ」でインテリアを印象的に
第4回 さし色の選び方
第5回目は「自然の持つフォルム」がテーマ。人の手でつくられる住宅は、垂直や水平、円弧など、人工的で無機質なラインと均一な色彩で構成されています。その中で、草木や石など自然の物が持つ有機的な曲線や色合いは、人の目を惹く効果が強いので、アイキャッチとして欠かすことのできないモチーフです。
「記憶に残るインテリアは『アイキャッチのつくり方』がポイント」シリーズをもっと読む:
第1回 黒の魅力
第2回 インテリアアイテムの「相棒」をつくろう
第3回 見る人が動きを感じる「アイキャッチ」でインテリアを印象的に
第4回 さし色の選び方
花
花は、インテリアには欠かすことのできない存在です。居心地のいいカフェやレストラン、素敵なモデルルームなどに花が飾られていることは、皆さん気づいていらっしゃることでしょう。アイキャッチとしての花は、特集の第4回でも取り上げたように色彩の効果がとても強いですが、同時に、有機的なフォルムが目を惹く効果もあります。花は空間に華やかさもプラスすることができる、優秀なアイキャッチなのです。
花は、インテリアには欠かすことのできない存在です。居心地のいいカフェやレストラン、素敵なモデルルームなどに花が飾られていることは、皆さん気づいていらっしゃることでしょう。アイキャッチとしての花は、特集の第4回でも取り上げたように色彩の効果がとても強いですが、同時に、有機的なフォルムが目を惹く効果もあります。花は空間に華やかさもプラスすることができる、優秀なアイキャッチなのです。
草や木
白系の空間はシンプルで広々と感じますが、反面、無機質でクールな印象になりがち。この事例では生命力を感じさせるフレッシュなヤツデの葉が大きな存在を持ち、生き生きとした温かみを感じさせ、安心感を得る効果があります。
白系の空間はシンプルで広々と感じますが、反面、無機質でクールな印象になりがち。この事例では生命力を感じさせるフレッシュなヤツデの葉が大きな存在を持ち、生き生きとした温かみを感じさせ、安心感を得る効果があります。
この事例で真っ先に目に飛び込んでくるのは、まるでシャワーヘッドのようなこげ茶色の植物。白系の色が多い色合いの中で、濃い茶色がきりっと空間を引き締めています。細くてすっと伸びる茎が、軽やかでモダンな印象。この不思議な形をした植物は、蓮の実の部分のドライフラワーです。食卓に上るレンコン(根っこの部分)同様にたくさんの穴が開いているというのが面白いですね。
モノトーンの寝室。この部屋の中で目を引くのは、やはり黒い木の枝のようなランプでしょう。夜になってランプを点灯させれば、天井や壁に、木陰のようなシルエットが浮かびそう。アイキャッチとなるだけではなく、使うときに楽しい効果もあるアイテムです。
海から来たもの
箱を利用したセンターテーブルの上の木の枝。ピンク系の色が多用された空間の中では強い色合いではありませんが、この形はやはり目を引きます。樹皮がなく、かさかさした質感は流木のよう。
手前のサイドテーブルには、サンゴ。どちらも海の中で年月を経た物どうし、相性のいい組み合わせです。
箱を利用したセンターテーブルの上の木の枝。ピンク系の色が多用された空間の中では強い色合いではありませんが、この形はやはり目を引きます。樹皮がなく、かさかさした質感は流木のよう。
手前のサイドテーブルには、サンゴ。どちらも海の中で年月を経た物どうし、相性のいい組み合わせです。
フレームの中にまとめられた、たくさんの貝殻。色や形がそれぞれに違って、リズミカルで楽しい印象です。この事例のように、空間に対してサイズが小さいアイテムは、数を増やして「グループ使い」すると、大きな存在感を持たせることができます。
動物モチーフ
シンプルに1本だけ飾られた鹿の角。左下のモディリアーニの絵画よりも目を惹く存在です。
狩りの獲物をインテリアとして飾る習慣は日本人にとってはあまりなじみの深いものではありませんが、生き物の持つ形の強さを改めて感じさせる事例です。
シンプルに1本だけ飾られた鹿の角。左下のモディリアーニの絵画よりも目を惹く存在です。
狩りの獲物をインテリアとして飾る習慣は日本人にとってはあまりなじみの深いものではありませんが、生き物の持つ形の強さを改めて感じさせる事例です。
鳥のモチーフの壁飾り。ゆったり羽ばたきながらまっすぐ飛んでゆく鳥を、連続撮影したような飾り方。形が目を引くだけでなく、動きや時間の経過までも感じさせる素敵な飾り方だと思いませんか?
太古の時代、人間がまだ建物をつくることを知らずに森や洞窟に住んでいた時代には、人間を取り巻く環境はすべて有機的な形で構成されていました。
自然の持つ形や色に目を惹かれたり、部屋の中に取り入れてほっとしたりするのは、私たち人間の中に、当時の記憶が残されているからなのかもしれませんね。
アイキャッチのつくり方のお話はまだ続きます。次回はアートの飾り方についてお話しします。
「記憶に残るインテリアは『アイキャッチのつくり方』がポイント」シリーズをもっと読む:
第1回 黒の魅力
第2回 インテリアアイテムの「相棒」をつくろう
第3回 見る人が動きを感じる「アイキャッチ」でインテリアを印象的に
第4回 さし色の選び方
自然の持つ形や色に目を惹かれたり、部屋の中に取り入れてほっとしたりするのは、私たち人間の中に、当時の記憶が残されているからなのかもしれませんね。
アイキャッチのつくり方のお話はまだ続きます。次回はアートの飾り方についてお話しします。
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動物のモチーフは力強くていいですね。こういうものが似合う家に住めたらいいんですが。
動物からは活力やエネルギーを感じますよね。
「アイキャッチ」はインテリアの仕上げに乗せるトッピングのような存在です。
普段のお料理にちょっと葉っぱを添えるだけでおいしく見えるのと、同じような効果があります。気に入ったアイテムとの出会いがありましたら、ぜひとも暮らしの中に取り入れてみてください。
コメントありがとうございました。
自然が作り出すモチーフには人間が作り出す以上に何かが有りますね!
それだけ自然界は偉大なモノなんですよね・・・