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プロからのアドバイス:キッチンをデザインするときに、気を配るべきポイントとは?
リノベーションや新築で多くの人がこだわるキッチンは、美しさと高度な機能性が求められる空間でもあります。キッチンデザインのプロが、コンセプトや設計を進める上で気を配りたいポイントを解説します。
akiyoshi kawajiri
2015年6月4日
ハウスメーカー、ゼネコン、設計事務所から長年多くのオーダー家具の設計と施工管理の依頼を請けてきました。現在は、2004年に開発したフロートテレビボードとその他の家具の販売、家具データ販売、家具の記事のライティングを中心に活動しています。
ハウスメーカー、ゼネコン、設計事務所から長年多くのオーダー家具の設計と施工管理の依頼を請けてきました。現在は、2004年に開発したフロートテレビボードとその他の家具の販売、家具データ販売、家具の記事のライティングを中心に活動しています... もっと見る
アイランドキッチンが登場して以来、キッチンはインテリアの花形的な存在になりました。今では住宅の設計において最も重きを置く部分の一つとなっています。また、最近では個性的なキッチンも多く見られるようになっています。一方で、本当に使いやすくて美しいキッチンを手に入れるためには、キッチンのディテールだけに着目していてはいけません。空間全体の建築と融合したキッチンを考えることが重要です。この記事では、プロとしてキッチンをデザインしてきた実体験にもとづいて、キッチンのデザインにおいて重視すべき開発コンセプトやポイント、アイデアをご紹介します。
いつもきれいに使いたくなるキッチン
パッと目に入るステンレス製の笠木。このキッチンのデザインは、ここからスタートしました。この笠木のおかげで、キッチントップがダイニング側から少し覗いているため、常にキッチンをきれいにしておこうという、いい意味での緊張感を与えてくれます。
パッと目に入るステンレス製の笠木。このキッチンのデザインは、ここからスタートしました。この笠木のおかげで、キッチントップがダイニング側から少し覗いているため、常にキッチンをきれいにしておこうという、いい意味での緊張感を与えてくれます。
上のキッチンの別角度の写真です。《コーリアン》のシンクには余分なカゴ類はおいていません。常に「見せる」意識が求められます。
曲面パネルで優雅な印象に
こちらは「他にないキッチンを」と依頼されて考えたキッチンです。だからといって、必要以上の予算をかけたわけではありません。通常はフラットな背面を曲面にし、曲面パネルを美しく見せられるデザインの足をつけました。
こちらは「他にないキッチンを」と依頼されて考えたキッチンです。だからといって、必要以上の予算をかけたわけではありません。通常はフラットな背面を曲面にし、曲面パネルを美しく見せられるデザインの足をつけました。
ゆとりのあるワンルームなら円形キッチンを
円形のキッチンはあまりみかけませんが、実は大きなワンルームには適しています。キッチンの対面にあるチェストも可動式になっていて、工夫されています。ライトな印象のデザインが、広さと明るさを強調することに成功していますね。
円形のキッチンはあまりみかけませんが、実は大きなワンルームには適しています。キッチンの対面にあるチェストも可動式になっていて、工夫されています。ライトな印象のデザインが、広さと明るさを強調することに成功していますね。
天井の低さをカバーする
キッチン、天井と全てがスタイリッシュなキッチン。後ろに見えるカップボードの高さと間接照明の効果により、天井の低さを感じません。
キッチン、天井と全てがスタイリッシュなキッチン。後ろに見えるカップボードの高さと間接照明の効果により、天井の低さを感じません。
見かけ以上の収納力を確保
背面の収納部分は写真では奥行きが狭く見えるのですが、実はキッチンの内側まで入り込んでいるため、見かけ以上に十分な収納力があります。
背面の収納部分は写真では奥行きが狭く見えるのですが、実はキッチンの内側まで入り込んでいるため、見かけ以上に十分な収納力があります。
ゴミ箱の配置は計画的に
キッチンの設計の悩みどころの一つにゴミ箱スペースをどうするかという問題があります。だから、まず、そのキッチンに合いそうなゴミ箱を探し、それがジャストフィットするようデザインするという発想も時には必要です。
キッチンの設計の悩みどころの一つにゴミ箱スペースをどうするかという問題があります。だから、まず、そのキッチンに合いそうなゴミ箱を探し、それがジャストフィットするようデザインするという発想も時には必要です。
人が集えるキッチン
カウンターの存在感を主張しつつも、シンプルな印象のキッチンです。「人が集えるキッチン」が開発コンセプトです。
カウンターの存在感を主張しつつも、シンプルな印象のキッチンです。「人が集えるキッチン」が開発コンセプトです。
収納は周到に!
内部の収納も考えぬかれています。フロアー収納が収納力をさらにアップ!
内部の収納も考えぬかれています。フロアー収納が収納力をさらにアップ!
安全で使いやすいフリーストップ金物
カップボードの吊戸棚には、どの角度でも止まる、フリーストップ式金物を採用。小さなお子さんでも安心して片付けを手伝えます。
カップボードの吊戸棚には、どの角度でも止まる、フリーストップ式金物を採用。小さなお子さんでも安心して片付けを手伝えます。
レンジフードを目立たせない
ステンレスのキッチントップとシンクがとてもシンプル。レンジフード部分がカップボードと一体化していて、目立たない点がよいですね。
ステンレスのキッチントップとシンクがとてもシンプル。レンジフード部分がカップボードと一体化していて、目立たない点がよいですね。
天井付近の抜けが開放感につながる
天井までの収納としないことで得られる開放感と明るさ。だからこそ、ダークカラーでも閉塞感がありません。
天井までの収納としないことで得られる開放感と明るさ。だからこそ、ダークカラーでも閉塞感がありません。
キッチンとテーブルを一体化するときのポイントは?
キッチンとテーブルをフラットに繋げたデザイン。キッチンは通常、テーブルより高さがあるので、腰掛けるものはスツールを使います。しかし、写真では、テーブル用の普通のチェアを使っていますね。なぜでしょう?
キッチンとテーブルをフラットに繋げたデザイン。キッチンは通常、テーブルより高さがあるので、腰掛けるものはスツールを使います。しかし、写真では、テーブル用の普通のチェアを使っていますね。なぜでしょう?
その秘密はこのキッチンの作業側を見れば分かります。床に段差を設け、ダイニング側の床を高くしているのです。通常、キッチンとテーブルの高さは、100mmから150mmの差がありますが、床の段差がそれを解消しています(写真のケースでは、段差は100mm)。これも、建築と融合的にデザインしているからこそ実現したキッチンですね。
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