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ヴィンテージアイテムをインテリアに生かす
アンティークほど古くなくて、気軽にインテリアにとり入れられる、ヴィンテージのインテリアアイテム。多彩な「ヴィンテージもの」をセンスよくインテリアに生かす方法を、プロが伝授します。
上野朝子|Asako Ueno
2015年4月3日
ヴィンテージのインテリアアイテムを上手にとり入れて、雰囲気のある空間をつくっているお宅って、ちょっと憧れますね。「自分でもやってみたいけれど、何をどう選んでいいかわからない」という声をよく聞きます。でも、ある程度コツをつかんでしまえば、実はそんなに難しいことではありません。そのアイテムの本来の使い方にこだわらないこと、新しい使い方を見つけること、キーアイテムを知ること。それがこの難問解決の鍵といえると思います。
ヴィンテージの壁紙を見つけても、かわいいと思ったけれど使い道が見つからないからとか、汚れや破損があるからという理由で、買わずにスルーしてしまう人も多いかもしれません。この写真のお宅では、いろいろなデザインの壁紙を同じサイズにカットして、パッチワークのようにしてベッドルームのクローゼットのドアに貼っています。これなら気に入った壁紙を少しずつ、気軽に試せると思いませんか?
モダンなテイストのバスルームに、デザインの違うヴィンテージの鏡を4つ並べています。大きな鏡を一つ取り付けるよりも、この方が個性的で、しかもフォトジェニック。ここでは、同じくらいの大きさの鏡を使っていますが、サイズ違いをいろいろ並べるのも楽しそうです。
古いトランクを、収納を兼ねて棚に並べています。隙間なくぴったり収まるサイズを探すのは大変そうですが、でき上がったコーナーはこんなに表情豊か。壁に掛けた絵皿もサイズや柄はバラバラですが、実はトランクのコレクションと同じコンセプトで、逆にセンスとまとまりのよさを感じます。
姿見用の鏡はシンプルなデザインが多く、部屋のアクセントになるような雰囲気のあるものを探すのってなかなか大変ですね。古いドアの内側に鏡をはめ込むこのアイデアは、ちょっとはがれた感じのペイントや傷も味わいがあって、丈も幅も十分なサイズ。実はとても実用的です。
ヴィンテージのドアの使い方は他にもあります。ここでは絵を掛けるようにドアを壁に取り付けて、壁の向こうにもう一つ部屋があるような錯覚=奥行きを作っています。ドアを2枚使っているところが大胆でいいですね。初めて訪れるゲストのハートをつかむこと間違いなし!のお部屋です。
自然光があまり入らない部屋、狭い部屋などにおすすめなのが、古い窓枠を室内にディスプレイするというアイデア。サイドテーブルやコンソールなどに立てかけるだけで、窓のある風景のイメージを室内にとり入れられます。ガラス部分に鏡を入れてもいいですね。
階段の下のデッドスペースを有効利用するために、ヴィンテージのウッドボックスを重ねて棚を作っています。たくさんの木箱を一堂に集めると、こんなにインパクトのあるコーナーに。雑貨をいろいろ置いていますが、たとえば収納するのは本だけにするなど、内容を限定してすっきりまとめるのもいいでしょう。
写真のお宅ではアンティークの大皿を見せながら収納しています。これだけの量を棚に収めてしまうと、取り出すのがちょっと億劫になりがちですが、壁を上手に利用して好きなコレクションをいつも眺めていられるという、一石二鳥のアイデアです。
全体が白い室内に、花柄のカーテンが印象的です。ヴィンテージの古い生地は、新しいものには真似できない、しっとりした雰囲気を醸し出してくれます。カーテンだけが浮かないように、同色系を使った絵を掛けて、部屋の中のバランスを整えて。
古い看板やアルファベットのサインボードは、アイキャッチにもなり、あまり物を置けないような小さなキッチンなどの雰囲気づくりに最適なアイテムです。写真は"SUPER MARKET"と書いたサインボードを飾っていますが、たとえば”VEGETABLE”や”DRINK"といった、食に関するサインボードが見つかれば、キッチンにはまさにおすすめです。
ヴィンテージアイテムをインテリアに生かすアイデアは尽きません。なぜなら「何を、どんなふうに、どこで使うか」はあなた次第で、いくらでも素敵な方法があるから。一番いい上達方法は、できるだけたくさんの実例を、ウェブサイトや雑誌などの写真で見て、まずイメージをふつくっておくことです。そして、好みのものと出会ったら「これはどんなふうに使えるかしら」と自由に想像をふくらませてみましょう。そこから、味わいのあるヴィンテージアイテムの活用法が、きっと広がってくると思います。
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