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Houzzツアー:現代的センスを加えた、ニューヨークの伝統的ソルトボックス建築の家
進化した形と砂利敷きの前庭で現代に溶け込む、シェルター島の週末用セカンドハウス。
Mitchell Parker
2015年4月6日
建築家のスティーブン・モーザー(Stephen Moser)さんが設計することになったのは、アーティストの妹と心理学者の夫のための週末用別荘。ニューヨーク州シェルター島という場所を見た瞬間に、ソルトボックス様式の家を建てると決めたという。東海岸沿いに点在する、漁師たちが何百年も前から住んでいた伝統的な建築スタイルなのだから、まさにぴったりな様式だ。
どんなHouzz?
所在地:ニューヨーク州シェルター島
居住者:アーティスト1名、心理学者1名
規模:延べ床面積223平方メートル、ベッドルーム×1、バスルーム(トイレ含む)×2、トイレ×1
費用:1平方メートルあたり2000ドル未満
シンプルなソルトボックスの形に新しさを出すため、モーザーさんは2階全体を1メートルほど前面に押し出し、ずれたようなユニークな形を作り出した。
木目が詰まっていること、明るい色調、そして耐久性からアラスカヒノキのサイディング(羽目板)を選択。「このあたりの気候にぴったりなんです。割れてトゲにならないから、子供の遊び場にも使われることが多い木材です」とモーザーさん。色あせを防ぐため、シーラー(目止め剤)を塗った。
東側の横長窓は、光を取り込みつつプライバシーを確保する。いちばん上のスロット窓は、わずか羽目板1枚分の幅ながら、スタジオに光を取り込んでくれる。
所在地:ニューヨーク州シェルター島
居住者:アーティスト1名、心理学者1名
規模:延べ床面積223平方メートル、ベッドルーム×1、バスルーム(トイレ含む)×2、トイレ×1
費用:1平方メートルあたり2000ドル未満
シンプルなソルトボックスの形に新しさを出すため、モーザーさんは2階全体を1メートルほど前面に押し出し、ずれたようなユニークな形を作り出した。
木目が詰まっていること、明るい色調、そして耐久性からアラスカヒノキのサイディング(羽目板)を選択。「このあたりの気候にぴったりなんです。割れてトゲにならないから、子供の遊び場にも使われることが多い木材です」とモーザーさん。色あせを防ぐため、シーラー(目止め剤)を塗った。
東側の横長窓は、光を取り込みつつプライバシーを確保する。いちばん上のスロット窓は、わずか羽目板1枚分の幅ながら、スタジオに光を取り込んでくれる。
Photos by Michael Moran
「家の前のスペースは、ふつうの発想とは逆のデザインにしました」とモーザーさん。緑あふれる庭の代わりに砂利を敷き詰めたスペースを作って風景を中和したい、という妹の考えにモーザーさんも賛成。「周りは緑だらけですからね。家の裏側は一面芝生だし、シェルター島は放っておいても草木が生い茂るような場所だから、こうしてバランスを取ったんです」
ソーラーパネルを設置することもあり、耐久性を重視して屋根にはゴム素材を選択した。屋根板の場合、この地域では暴風雨の際に吹き飛ばされることもあるし、ゴムのほうが金属屋根よりも経済的だという。
「家の前のスペースは、ふつうの発想とは逆のデザインにしました」とモーザーさん。緑あふれる庭の代わりに砂利を敷き詰めたスペースを作って風景を中和したい、という妹の考えにモーザーさんも賛成。「周りは緑だらけですからね。家の裏側は一面芝生だし、シェルター島は放っておいても草木が生い茂るような場所だから、こうしてバランスを取ったんです」
ソーラーパネルを設置することもあり、耐久性を重視して屋根にはゴム素材を選択した。屋根板の場合、この地域では暴風雨の際に吹き飛ばされることもあるし、ゴムのほうが金属屋根よりも経済的だという。
南側の屋根にはソーラーパネルが一面に取り付けられている。パネルは地域の電力網につながっており、ホームオーナーの電気料金をすべてまかなっている。
マスターベッドルームに続くバルコニーは湿地帯と山に臨む。その向こうには、オーナーのヨットが係留されている水辺がある。敷地の前に広がるのは島の3分の1を占めるマッショーマック自然保護区。ミサゴの東海岸における主要繁殖地でもある。「保護区のおかげで、眺めを妨げるような建物が建つことはありません」とモーザーさんは言う。
マスターベッドルームに続くバルコニーは湿地帯と山に臨む。その向こうには、オーナーのヨットが係留されている水辺がある。敷地の前に広がるのは島の3分の1を占めるマッショーマック自然保護区。ミサゴの東海岸における主要繁殖地でもある。「保護区のおかげで、眺めを妨げるような建物が建つことはありません」とモーザーさんは言う。
玄関を入るとホワイトオークの階段があり、2階のベッドルームとアトリエにつながっている。玄関左の通路を進んで段差を下がると、リビング、キッチン、ダイニングのエリア。階段のステップのうちひとつがサイドにぐるりとつながっていて、ベンチと本棚に姿を変える。
「開放的な雰囲気を保ちながら、階段を隠ししたかったんです。こうすれば階段を空間の中で生かすことができるし、いつも階段の下で靴ひもを結ぶことになるから、座る場所があると便利ですよね」とモーザーさん。
「開放的な雰囲気を保ちながら、階段を隠ししたかったんです。こうすれば階段を空間の中で生かすことができるし、いつも階段の下で靴ひもを結ぶことになるから、座る場所があると便利ですよね」とモーザーさん。
オープンプラン型のリビングエリアは現代的な内装に。U 型キッチンはモーザーさんの設計で、レンジ台が湿地帯に面した大きな窓の真下に来るようにした。
キッチンユニットの上にある3つのペンダントライトは、モーザーさんの両親が所有していたもの。
キッチンユニットの上にある3つのペンダントライトは、モーザーさんの両親が所有していたもの。
アトリエからは、船用はしごでロフトにつながっている。ロフトで作業をすることも。
マスターベッドルームからは、南の峡谷と湿地帯が見下ろせる。モーザーさんはこの空間を、日が差し込むオープンでリラックスした場所にしたかった。角に置かれているのはイタリア製のアンティーク照明。ドレッサーはカスタムメイド。右側のポケットドアは書斎につながっている。
ベッドルームわきの書斎は、必要に応じて予備のゲストルームにもなる。
鮮やかなコバルトブルーのタイルが、マスターバスルームの色調にアクセントをつける。大理石のフロアタイルをバスタブ側面にも使用。洗面台はカスタムメイド。ここでも、横長窓で外からの光とプライバシーを両立。
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