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居心地の良い空間に生まれ変わった、沿岸部にある築90年のコテージ
1930年代のコテージをリノベーションし、豊かなアースカラーと再生レンガ、柔らかな質感で温かみのある空間に仕上げました。
Georgia Madden
2023年1月9日
1930年代に建てられた労働者用のコテージ(最後に改修されたのは1980年代)に、改装を夢みながら3人の息子さんとともに10年間暮らしていたというインテリアデザイナーのSarah Davey(サラ・デイビー)さんと夫で大工のJared Davey(ジャレッド・デイビー)さん。息子さんたちが小学校高学年にあがる時(双子のKade(ケイド)くんとHarry(ハリー)くんは10歳、弟のBeau(ボー)くんは8歳)、ご夫婦は長年考え続けてきた改装計画を実行に移すことを決断しました。ここでは、デイビーさんがご夫婦で取り組んだ住宅の全面改装の道のりをご紹介します。
どんなHouzz?
住まい手: インテリアデザイナーのサラ・デイビー、施工業者のジャレッド・デイビー夫妻+3人の息子
所在地:オーストラリア・クイーンズランド州
設計: Stuart Osman
インテリアデザイン: Davey Constructions(サラ・デイビー)
施工:Builder: Jared Davey, builder and founder of Davey Constructions
ランドスケープ: JSW Landscapes
石工:Stone Nation
写真:Brock Beazley Photography
「コテージは小さく、愛情とケアを必要としていました。故に私たちは住宅を再設計し、拡張するという途方もない挑戦に挑むことを決めました。私たちのビジョンは約100年近い歴史を覆い隠さず継承しながら、私たちの家族の成長に合うように改装していくことでした」とデイビーさんは言います。「大工とインテリアデザイナーのデュオとして、私たちはバーレイ地区の美しい景観に敬意を払いつつ、沿岸部での暮らしの本質を捉えることのできる特別な何かを生み出すことができると確信していました」
「沿岸部にある私たちのコテージは、長い歴史と個性を持ったユニークな建物です。のんびりとしながらも贅沢な雰囲気があり、訪れる友人や家族からは『中に入ると暖かくハグされたような感覚になる』と言われます。私たちのパラダイスです」と彼女は話します。
住まい手: インテリアデザイナーのサラ・デイビー、施工業者のジャレッド・デイビー夫妻+3人の息子
所在地:オーストラリア・クイーンズランド州
設計: Stuart Osman
インテリアデザイン: Davey Constructions(サラ・デイビー)
施工:Builder: Jared Davey, builder and founder of Davey Constructions
ランドスケープ: JSW Landscapes
石工:Stone Nation
写真:Brock Beazley Photography
「コテージは小さく、愛情とケアを必要としていました。故に私たちは住宅を再設計し、拡張するという途方もない挑戦に挑むことを決めました。私たちのビジョンは約100年近い歴史を覆い隠さず継承しながら、私たちの家族の成長に合うように改装していくことでした」とデイビーさんは言います。「大工とインテリアデザイナーのデュオとして、私たちはバーレイ地区の美しい景観に敬意を払いつつ、沿岸部での暮らしの本質を捉えることのできる特別な何かを生み出すことができると確信していました」
「沿岸部にある私たちのコテージは、長い歴史と個性を持ったユニークな建物です。のんびりとしながらも贅沢な雰囲気があり、訪れる友人や家族からは『中に入ると暖かくハグされたような感覚になる』と言われます。私たちのパラダイスです」と彼女は話します。
改修後のキッチン
10年もここに住んでいたことで、ご夫婦はこの住宅で何ができ、何ができないかをよく理解していました。「私たちはこの空間をくまなく調べ、時間によって光の当たり方どのように変化するかるといったことを知ることができました」と彼女は言います。
「また、自分たちが好きなものや必要なもの、改善が必要な要素を把握することもできました」
10年もここに住んでいたことで、ご夫婦はこの住宅で何ができ、何ができないかをよく理解していました。「私たちはこの空間をくまなく調べ、時間によって光の当たり方どのように変化するかるといったことを知ることができました」と彼女は言います。
「また、自分たちが好きなものや必要なもの、改善が必要な要素を把握することもできました」
では、住宅のどの部分が気に入らなかったのでしょうか。「家族の成長に対して空間が狭く、収納が少ないことが課題でした。さらに私たちはオープンプランの間取りを望んでいました」と彼女は言います。
また自然採光にも課題がありました。「元々の住宅はとても美しかった一方で、住宅全体で木材が多用され、天窓や窓も少なかったため、室内はとても暗くかったのです」とデイビーさん。
「私たちは個性や温かさ、収納、機能性、外部との連続性、そして全体を通して落ち着いた、まとまり感のある雰囲気を住宅に加えたいと考えました」 th
また自然採光にも課題がありました。「元々の住宅はとても美しかった一方で、住宅全体で木材が多用され、天窓や窓も少なかったため、室内はとても暗くかったのです」とデイビーさん。
「私たちは個性や温かさ、収納、機能性、外部との連続性、そして全体を通して落ち着いた、まとまり感のある雰囲気を住宅に加えたいと考えました」 th
改修後のランドリー
「私たちは構造壁やコテージの主要な機能の大部分をそのまま手を付けずに保持しながら住宅全体の改装に挑みました」とデイビーさんは話します。
「住宅の左側の壁は残し、右側の壁は増築のために取り除きました」
「住宅の増築部分の奥にキッチンを移動したことで、リビングエリアをオープンプランとすることができました。元々のキッチンの場所は末っ子であるボーの部屋に変えました」
「住宅の正面側には元々小さな寝室が4室ありましたが、フランス窓のある長いサンルーム兼プレイルームに計画しなおしました。残りの空間は造り付けのキャビネットがある大きな寝室を2部屋設けました」とデイビーさんは言います。
「私たちは構造壁やコテージの主要な機能の大部分をそのまま手を付けずに保持しながら住宅全体の改装に挑みました」とデイビーさんは話します。
「住宅の左側の壁は残し、右側の壁は増築のために取り除きました」
「住宅の増築部分の奥にキッチンを移動したことで、リビングエリアをオープンプランとすることができました。元々のキッチンの場所は末っ子であるボーの部屋に変えました」
「住宅の正面側には元々小さな寝室が4室ありましたが、フランス窓のある長いサンルーム兼プレイルームに計画しなおしました。残りの空間は造り付けのキャビネットがある大きな寝室を2部屋設けました」とデイビーさんは言います。
提案時に出した間取り図
住まいの場所性を踏まえて、夫婦はウェザーボード(下見板張り)の外装材、マリンランプ、真鍮製の金物、木材のフローリング、天然のブルーストーンの飛び石や、沿岸部の原生植物など沿岸部に良く見られる素材やアイテムを外構に採用しました。
住まいの場所性を踏まえて、夫婦はウェザーボード(下見板張り)の外装材、マリンランプ、真鍮製の金物、木材のフローリング、天然のブルーストーンの飛び石や、沿岸部の原生植物など沿岸部に良く見られる素材やアイテムを外構に採用しました。
「私たちは元々の住宅の特徴と床面積を維持したいと思っていました。私たちの仕事仲間で、才能あふれる建築設計者の Stuart Osman(ステュワート・オスマン)さんと協働して、“沿岸部のコテージ”の美観を維持しながら新旧を統合するための解決策を導くことができました」とデイビーさんは言います。
「その一例は、一段下がった住まいの新しい増築部分へのつながりで、床の仕上げも無垢のオーク材からよりモダンな、研磨磨き仕上げのコンクリートに変えたところにみることができます」
「レンガ造りの暖炉とリビングルームへのアーチ開口は家の中でも気に入っていた特徴の二つで、新しい計画でもそのままにしていつでも見えるようにしておきたいと思っていました」と彼女は言います。
「その一例は、一段下がった住まいの新しい増築部分へのつながりで、床の仕上げも無垢のオーク材からよりモダンな、研磨磨き仕上げのコンクリートに変えたところにみることができます」
「レンガ造りの暖炉とリビングルームへのアーチ開口は家の中でも気に入っていた特徴の二つで、新しい計画でもそのままにしていつでも見えるようにしておきたいと思っていました」と彼女は言います。
「屋外スペースにもレンガ造りのアーチや暖炉のデザインを反映するため、類似した色合いの中古のレンガ材を利用して同じ曲線形状でピザ窯(薪窯)を計画しました」とデイビーさん。
ご夫婦が住宅に加えたその他の主な変更点:
- 元々正面ポーチがぐるりと取り囲んでいた位置に玄関を移動
- カーポートとデイビーさんが言うところの“夫の隠れ家”を追加
- すべての家電を更新し、ダクト型空調を設置
- 自然採光を促進するため複数のトップライトを設置
- 新しいキャビネットおよび内装仕様
- 住宅の中で特徴の異なる二つのエリア(新エリアと旧エリア)を設ける
- 旧エリアには木材のフローリング、V溝加工の羽目板、木製の窓枠や元々住宅に取り付けられていたシーリングファン付きの照明やステンドガラスの窓など伝統的なアイテムを
- 住宅の新しいエリアは既存の住宅の床面から一段下げ、研磨鏡面仕上げのコンクリート床、プラスターボード壁面、白色のアルミ建具など、より現代的な仕上げを採用
- オーダーメイドのキャビネットとピザ窯(薪窯)を備えた楽しいテラススペースを追加
- ヤシの木や芝生など沿岸部の在来種を取り入れた新しい外構
改修前のリビング
新しいカラーパレットの主な要素
新しいカラーパレットの主な要素
- キャビネットにResene社のDouble Foundry色を塗装
- 木材、コンクリート、テラゾーや石材の自然な仕上げ
- 高級感を加えるヘアライン仕上げの真鍮
- 暮らしを演出するリネンやその他の柔らかいテクスチャ
- ウェザーボード(下見板張り)
改修前のリビングルーム
気分を高め、空間を明るく広く感させてくれる白は住宅全体に多用されています。またメインキッチンのキャビネット、屋外のキッチンキャビネットおよび外装に使用されているチャコール色(Resene社のDouble Foundry色)と美しいコントラストを演出します。
気分を高め、空間を明るく広く感させてくれる白は住宅全体に多用されています。またメインキッチンのキャビネット、屋外のキッチンキャビネットおよび外装に使用されているチャコール色(Resene社のDouble Foundry色)と美しいコントラストを演出します。
「リビングルームの位置は変わりませんが、内装はキッチンと同様、もとは主に木材で仕上げられていました。アーチ状の開口は元々キッチンや他の部屋への動線となっていました」とデイビーさん。
「私たちは奥側の壁を取り壊し、キッチンや屋外スペース、ダイニングエリアを擁する新しい増築部分と繋げました。リビングに元々敷いてあった木材のフローリングを研磨鏡面仕上げのコンクリートに取り替え、壁面や天井面の塗装や壁紙の塗り替え/貼り替えをし、トップライトを追加しました。新しいグラウト材で暖炉やアーチ開口を仕上げ、アーチ開口の背面に壁を建てて飾り棚をとすると同時に寝室と切り離しました」と彼女は言います。
「私たちは奥側の壁を取り壊し、キッチンや屋外スペース、ダイニングエリアを擁する新しい増築部分と繋げました。リビングに元々敷いてあった木材のフローリングを研磨鏡面仕上げのコンクリートに取り替え、壁面や天井面の塗装や壁紙の塗り替え/貼り替えをし、トップライトを追加しました。新しいグラウト材で暖炉やアーチ開口を仕上げ、アーチ開口の背面に壁を建てて飾り棚をとすると同時に寝室と切り離しました」と彼女は言います。
「私たちが目指したのは温かみがあり魅力的な空間です。白い家が好きではあるのですが、この労働者コテージを、そこにいるだけでリラックスできるような、活気と個性に満ちた空間にしたいと考えました。そのためには、部分的に色を取り入れることが必要だったのです」とデイビーさん。
マッドルーム
「マッドルームについては以前から聞いており、成長期の息子が3人もいる自分たちの家にもピッタリと思っていました」
「帰宅した息子たちはそこでバッグやスポーツ用具、心配事などを全て脱ぎ捨ててから家の中でくつろぐことができます。この空間があることで、家全体にモノが散らからずに済みます」とデイビーさんは言います。
マッドルームの活用法。海外からヒントを得てみませんか?
「マッドルームについては以前から聞いており、成長期の息子が3人もいる自分たちの家にもピッタリと思っていました」
「帰宅した息子たちはそこでバッグやスポーツ用具、心配事などを全て脱ぎ捨ててから家の中でくつろぐことができます。この空間があることで、家全体にモノが散らからずに済みます」とデイビーさんは言います。
マッドルームの活用法。海外からヒントを得てみませんか?
主寝室
主寝室を穏やかなで落ち着いた雰囲気にしたいと考えたご夫妻は部屋を拡張し、新しい増築部分と同じ床レベルとなるように床を下げました。主寝室専用のバスルーム、ウォークインクローゼットとカーペットを配置して改装デザインは完成しました。
主寝室を穏やかなで落ち着いた雰囲気にしたいと考えたご夫妻は部屋を拡張し、新しい増築部分と同じ床レベルとなるように床を下げました。主寝室専用のバスルーム、ウォークインクローゼットとカーペットを配置して改装デザインは完成しました。
「この改装計画ではサステナビリティも考慮しました」とデイビーさん。「VJパネル(縦溝付き木パネル)、窓、木製枠、ステンドガラス窓やレンガなど元々あった材料の多くを改装時に再利用しました」
「私たちが解体時に回収したものの再利用しなかった廃材は、すべて地元のオンラインのフリーマーケットに出品しました。他の人々の住まいや改装に私たちの家の一部が役に立つことを願っています」と彼女は言います。
「私たちが解体時に回収したものの再利用しなかった廃材は、すべて地元のオンラインのフリーマーケットに出品しました。他の人々の住まいや改装に私たちの家の一部が役に立つことを願っています」と彼女は言います。
「さらには電動開閉型/固定型のトップライト、ルーバー、太陽光パネル、雨水タンク、環境配慮型の家電製品やカーボンニュートラル認証を取得した水栓金物メーカーの製品など、現代的なサステナブルな手法も採用しました」と彼女は言います。
80年代当時の寝室のバスルームは装飾タイルで仕上げられていましたが、今回の改装でテラゾー、木材、真鍮の現代的でシンプルな組み合わせで再構成されました。「それは華やかでありながらのんびりとした沿岸部のスタイルです」とデイビーさんは言います。
ボー君の部屋
「末っ子のボーの部屋は元々キッチンでした」とデイビーさん。「息子たちの部屋の壁は、再利用したV溝加工の木板パネルで揃えました。色はそれぞれに決めてもらったところ、ボーは緑色を気に入りました」
「すべての寝室に新しいカーペットを敷き直し、新しく造り付けのキャビネットを追加しました。」
「末っ子のボーの部屋は元々キッチンでした」とデイビーさん。「息子たちの部屋の壁は、再利用したV溝加工の木板パネルで揃えました。色はそれぞれに決めてもらったところ、ボーは緑色を気に入りました」
「すべての寝室に新しいカーペットを敷き直し、新しく造り付けのキャビネットを追加しました。」
新しく拡張されたL型のデッキテラスは屋外キッチンとピザ窯が完備され、友人や家族とリラックスするのにぴったりです。「おもてなしと外で過ごすことという自分たちの好きなものを組み合わせました」
「息子たちはいつもプールで泳いだり庭で遊んだりしているので、家の中からでも彼らを見ることができること、さらに、プールで遊んでいる彼らを見ながらくつろげる場所があることが重要でした」
「息子たちはいつもプールで泳いだり庭で遊んだりしているので、家の中からでも彼らを見ることができること、さらに、プールで遊んでいる彼らを見ながらくつろげる場所があることが重要でした」
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