デュッセルドルフで憧れのロングアイランドのライフスタイルを!
南向きのバルコニーと緑豊かな環境にインスピレーションを得て ビーチハウスのような都会のオアシスをデザインしました。
Aline van Hoorn
2022年12月13日
オーナーのDaniel Arndt(ダニエル・アーント)さんが、建築家のSusanna Maslankowski(スザンナ・マスランコウスキー)さんに、中古物件のリノベーションを依頼するのはこれが初めてではありません。二人の共通の目標は、築古物件を大胆に改修して、新たな価値を与えることです。
1950年代に建てられたこのアパートは、ライン川がそばを流れていて、デュッセルドルフの中心部にも近い絶好ロケーションにありますが、これといって特徴のない外観です。それでも、二人は建物の内部に「都会の中の小さなオアシス」を築くことにチャレンジ。まずは壁を付け替え、ドアの幅を広げ、アパートの機能の多くを最新のものに取り替えました。
1950年代に建てられたこのアパートは、ライン川がそばを流れていて、デュッセルドルフの中心部にも近い絶好ロケーションにありますが、これといって特徴のない外観です。それでも、二人は建物の内部に「都会の中の小さなオアシス」を築くことにチャレンジ。まずは壁を付け替え、ドアの幅を広げ、アパートの機能の多くを最新のものに取り替えました。
どんなHouzz?
住まい手:40代前半のカップル
所在地:デュッセルドルフ、ドイツ
延床面積: 78平方メートル
予算:約160,000ユーロ(約2千万270万円)
建築家:Rooom.biz(Susanna Maslankowski)
写真:Nina Struve
住まい手:40代前半のカップル
所在地:デュッセルドルフ、ドイツ
延床面積: 78平方メートル
予算:約160,000ユーロ(約2千万270万円)
建築家:Rooom.biz(Susanna Maslankowski)
写真:Nina Struve
「リノベーションは大がかりなものになりました。私から見た難点の一つは、プランニングの初期の段階では決められない点が数多くあったことでしょう。奥まった場所や囲い込まれたエリアが天井や配管の両面で多く見受けられたため、計画の最終確定は解体後を待たなければなりませんでした。それまでは、自分たちの計画がうまくいくかどうか心配ばかりしていました」と依頼主のアーントさんは語ります。
難題は多かったにもかかわらず、彼らは都会の中のビーチハウスというビジョンを持ち続けていました。
「最初にこのアパートに足を入れた時、緑があふれる景色を目にして、即座にビーチハウスを思い浮かべたのです」とマスランコウスキーさん。
(アメリカ・ニューヨーク州の)ロングアイランドのライフスタイルと内装が、このプロジェクトの一貫したコンセプトテーマとなりました。
「最初にこのアパートに足を入れた時、緑があふれる景色を目にして、即座にビーチハウスを思い浮かべたのです」とマスランコウスキーさん。
(アメリカ・ニューヨーク州の)ロングアイランドのライフスタイルと内装が、このプロジェクトの一貫したコンセプトテーマとなりました。
ひと味違うキッチン
古いギャレーキッチン(写真)は狭く、動き回れるスペースもほとんどありませんでした。マスランコウスキーさんは、キッチンを一からデザインし直し、型破りなアプローチをとることにしました。「キッチンよりも廊下の方が広かったので、キッチンの一部を廊下に移すことにしました」とマスランコウスキーさん。
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船や飛行機などの調理室(ギャレー)のように、限られたスペースを最大限に、動きやすく計画された「ギャレーキッチン」のある家の紹介記事を読む
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まず彼女は石膏ボードの壁で廊下を仕切り、さらに、リビングルームとの壁に開口部を設けキッチンからの入口としました。
さりげなくビーチハウスのテーマにそったそれぞれ違う色合いの正方形のタイルはターコイズブルーの海をイメージしたものです。
ブルーを差し色にした空間の写真を見る
さりげなくビーチハウスのテーマにそったそれぞれ違う色合いの正方形のタイルはターコイズブルーの海をイメージしたものです。
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キッチンシンクや食洗機、床から天井までのキッチンキャビネット、オーブンは寝室に通じる廊下に設置されています。
ビフォー
リビングルームは窮屈に感じたので、マスランコウスキーさんは壁の一部に開口部をもうけてもう一つの入り口を設け、さらに廊下からの既存の入り口も広げました。
リビングルームは窮屈に感じたので、マスランコウスキーさんは壁の一部に開口部をもうけてもう一つの入り口を設け、さらに廊下からの既存の入り口も広げました。
アフター
オープンスペースには、ダイニングエリアを設け、コンロが備わったアイランドキッチンも完備。新しい大型のガラス窓と引き戸のすぐ隣に配したので、自然光がふんだんに注ぎ込まれます。
オープンスペースには、ダイニングエリアを設け、コンロが備わったアイランドキッチンも完備。新しい大型のガラス窓と引き戸のすぐ隣に配したので、自然光がふんだんに注ぎ込まれます。
居心地の良さを求めて
床全体を以前のタイル張りから、Woodline Parquetry社のSalzburgモデルのオーク材ヘリンボーンスタイルのパーケットフローリングに変更。
リビングのベースカラーは、白を背景に上品に浮かび上がるバランスのとれたグレーで、心地よい空間を演出しています。壁のウッドパネルは居心地の良いコーナーを作り出す一方、隣のアパートからのノイズも抑える効果もあるそう。パネルの後ろにはスイベルアームで可動できるテレビ用の配線設備が備わっています。
白を基調としたリビングの写真をもっと見る
床全体を以前のタイル張りから、Woodline Parquetry社のSalzburgモデルのオーク材ヘリンボーンスタイルのパーケットフローリングに変更。
リビングのベースカラーは、白を背景に上品に浮かび上がるバランスのとれたグレーで、心地よい空間を演出しています。壁のウッドパネルは居心地の良いコーナーを作り出す一方、隣のアパートからのノイズも抑える効果もあるそう。パネルの後ろにはスイベルアームで可動できるテレビ用の配線設備が備わっています。
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リノベーション前のリビングルーム
ウェルネスのためのスペースを広げて
もとのキッチンとバスルームとの仕切り壁の一部を取り除くことでスペースを融合し、さらに別の壁を取り払ったので、一層広いスペースが生まれました。前述のように建物の構造が複雑なため、これが最大のチャレンジでした。
「2つの壁を取り除くことで初めて、空間本来のプロポーションを理解することができたのです。そのおかげで改めて刺激的な展開になり、直感に頼りながらプランを練っていくことになりました」というマスランコウスキーさん。
住宅デザインによってウェルネスを促進する12の方法
もとのキッチンとバスルームとの仕切り壁の一部を取り除くことでスペースを融合し、さらに別の壁を取り払ったので、一層広いスペースが生まれました。前述のように建物の構造が複雑なため、これが最大のチャレンジでした。
「2つの壁を取り除くことで初めて、空間本来のプロポーションを理解することができたのです。そのおかげで改めて刺激的な展開になり、直感に頼りながらプランを練っていくことになりました」というマスランコウスキーさん。
住宅デザインによってウェルネスを促進する12の方法
もともとは狭い空間でしたが、立派なウェルネスバスを入れるのに十分なスペースを確保することができました。「浴槽は完全にカスタムメイドの造作となりました」と建築家。「結果的にすべての希望を叶えることができました」
広いウォークイン・シャワーと、ついに実現できたバスタブ(以前は小さなシャワーしかありませんでした)に続いて、洗濯乾燥機用のスペースさえあります。1階にあるこのアパートのプライバシーを高めるため、シャワースクリーンにはParsol社製のダークグレーのガラスを使用しています。
広いウォークイン・シャワーと、ついに実現できたバスタブ(以前は小さなシャワーしかありませんでした)に続いて、洗濯乾燥機用のスペースさえあります。1階にあるこのアパートのプライバシーを高めるため、シャワースクリーンにはParsol社製のダークグレーのガラスを使用しています。
都会の中の田園風景
マスランコウスキーさんが、このアパートに惹かれたのは、都会の中心にありながらも、自然に囲まれたロケーションにあるからでした。
「都会に居ながら、鳥の声で目覚め、自然を眺めることができるのです。デュッセルドルフではよく見かけるリスやオウムと混同されがちな緑色のインコをよく見かけることがありますよ」
自宅を心落ち着くオアシスにするには?10のアイデア
マスランコウスキーさんが、このアパートに惹かれたのは、都会の中心にありながらも、自然に囲まれたロケーションにあるからでした。
「都会に居ながら、鳥の声で目覚め、自然を眺めることができるのです。デュッセルドルフではよく見かけるリスやオウムと混同されがちな緑色のインコをよく見かけることがありますよ」
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建築家はエレガントな格縁を備えた背の高いドアを提案しましたが、残念ながら断念せざるを得ませんでした。ドアフレーム自体は正しい高さで作られたのですが、発注済みのドアが合わなかったのです。納期に時間がかかるため、建築家はこの特徴的なドアを泣く泣く断念し、ドアフレーム7点すべてを調整せざるを得ませんでした。これにより、当初の5~6ヶ月のスケジュールがさらに3~4ヶ月遅れることになりました。
必要に応じて育児部屋にもなる書斎
すべてを新しくする?
オーナーの要望で、ドアや窓だけでなく、配線・配管設備、衛生器具のすべてが最新かつ最高レベルのものに替えられました。「それがいつもベストな選択なんです。結局のところ、最もコストがかかるのが労賃ですので、設備機器を選ぶ際には、最もシンプルなものではなく、特に高品質のものを選んでも、全体から見れば大きな問題とはなりません」とマスランコウスキーさん。今回、改装費用は約100,000ユーロで、その他に、キッチン、照明、家具、その他機器にさらに60,000ユーロかかりました。
「マスランコウスキーさんと一緒に計画を立て、いろいろと検討を重ねていくことができたことは大きな喜びです。彼女のプランニング段階からの没入感には感心しましたが、それ以上に、結果は期待をはるかに上回るものでした」とアーントさん。
オーナーの要望で、ドアや窓だけでなく、配線・配管設備、衛生器具のすべてが最新かつ最高レベルのものに替えられました。「それがいつもベストな選択なんです。結局のところ、最もコストがかかるのが労賃ですので、設備機器を選ぶ際には、最もシンプルなものではなく、特に高品質のものを選んでも、全体から見れば大きな問題とはなりません」とマスランコウスキーさん。今回、改装費用は約100,000ユーロで、その他に、キッチン、照明、家具、その他機器にさらに60,000ユーロかかりました。
「マスランコウスキーさんと一緒に計画を立て、いろいろと検討を重ねていくことができたことは大きな喜びです。彼女のプランニング段階からの没入感には感心しましたが、それ以上に、結果は期待をはるかに上回るものでした」とアーントさん。
休日を過ごすように
アパートの幅全体に広がるバルコニーは約28平方メートルもあり、天気の良い日には、鳥のさえずりを聞きながら、新鮮な空気を吸ってリラックスしたり食事をしたりできる居心地の良い場所になっています。
バルコニーの一方の端の白いルーバードアの後ろには収納スペースがあります。本当のビーチハウスであれば、そこにサーフボードがあってもおかしくないでしょうね。
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リノベーション前に考えておきたい5つのこと
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