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最新トレンドカラー【メゾン・エ・オブジェ2022年9月展】報告
微妙な色合いの翡翠色、淡いピンクやベージュ、そして紫とオレンジのカラーブロッキングが、現在の困難な時代に求められています。

Claire Tardy
2022年9月14日
フランスのパリで毎年2回、インテリアデザインの専門家たちが一堂に会する、メゾン・エ・オブジェ国際見本市。今年9月8日から12日にかけて開催された展示場で中心となったのは「色」でした。
トレンド予測を専門とするエリザベス・ルリッシュは、今回の見本市の「What’s New」エリアで手掛けた自身の展示「Color Power(色彩のチカラ)」の中で次のように述べています。「色は絶え間なく襲ってくる危機だけでなく、世界中で美の基準が標準化されつつある流れに対抗するための手段としてその重要性を増しています」
カラフルな展示会場で現地取材をしたHouzzの編集チームが、インテリアにおける色使いの最新トレンドをお届けします。
トレンド予測を専門とするエリザベス・ルリッシュは、今回の見本市の「What’s New」エリアで手掛けた自身の展示「Color Power(色彩のチカラ)」の中で次のように述べています。「色は絶え間なく襲ってくる危機だけでなく、世界中で美の基準が標準化されつつある流れに対抗するための手段としてその重要性を増しています」
カラフルな展示会場で現地取材をしたHouzzの編集チームが、インテリアにおける色使いの最新トレンドをお届けします。
エリザベス・ルリッシュによるColor Power、メゾン・エ・オブジェ国際見本市2022
カラーブロッキング
この展示でルリッシュが注目したテクニックのひとつが、対比する色を並べることで心躍る独創的なインテリアを作り出すカラーブロッキング。ルリッシュはこうした大胆な色をバランスよく組み合わせながら、より穏やかな変化であるモノトーンやオンブレ(ぼかし効果)のカラーパレットも取り入れました。
カラーブロッキング
この展示でルリッシュが注目したテクニックのひとつが、対比する色を並べることで心躍る独創的なインテリアを作り出すカラーブロッキング。ルリッシュはこうした大胆な色をバランスよく組み合わせながら、より穏やかな変化であるモノトーンやオンブレ(ぼかし効果)のカラーパレットも取り入れました。
Casamance社のAir de Fêteコレクション 、メゾン・エ・オブジェ国際見本市2022
ルリッシュが選んだのは、グリーン、パープル、モーヴからなるカラーパレット。そこにイエローオークルがアクセントとして添えられています。Casamanceのブースに展示された、自然からインスピレーションを得た壁紙の色にもこの組み合わせが見られました。
ルリッシュが選んだのは、グリーン、パープル、モーヴからなるカラーパレット。そこにイエローオークルがアクセントとして添えられています。Casamanceのブースに展示された、自然からインスピレーションを得た壁紙の色にもこの組み合わせが見られました。
微妙な色合いの翡翠色
インテリアで根強い人気を誇るグリーンも、見本市に展示されたさまざまなアイテムに見られました。「What’s New」エリアで「Kaleidoscope(万華鏡)」という展示を企画したトレンド予測の専門家フランソワ・ベルナールは、そのなかでも特定の色である「翡翠色」を前面に押し出すこととしました。「青磁に見られるように、翡翠色には幅広い色合いが含まれますが、おおむね緑色で、程度の差はあれ灰色または青色がかっています」
テーブルウェアや装飾が施されたガラス、合成素材にとりわけよく使用されている色です。
インテリアで根強い人気を誇るグリーンも、見本市に展示されたさまざまなアイテムに見られました。「What’s New」エリアで「Kaleidoscope(万華鏡)」という展示を企画したトレンド予測の専門家フランソワ・ベルナールは、そのなかでも特定の色である「翡翠色」を前面に押し出すこととしました。「青磁に見られるように、翡翠色には幅広い色合いが含まれますが、おおむね緑色で、程度の差はあれ灰色または青色がかっています」
テーブルウェアや装飾が施されたガラス、合成素材にとりわけよく使用されている色です。
モーヴからパープル
前回のメゾン・エ・オブジェでは細かいディテールに使用されていたモーヴとパープルが、装飾アイテム、壁のカラーブロッキング、あるいは他の大胆な色と対比させるかたちで、さまざまなブランドのブースに登場するようになっています。
前回のメゾン・エ・オブジェでは細かいディテールに使用されていたモーヴとパープルが、装飾アイテム、壁のカラーブロッキング、あるいは他の大胆な色と対比させるかたちで、さまざまなブランドのブースに登場するようになっています。
イエローオークル
このカラーパレットに明るさを加えるのがイエローオークル。主役を邪魔することなく十分な光をもたらします。この色をきっかけにオレンジ色のスペクトルが登場した、とベルナールはHouzzのインタビューの中で話しています。
このカラーパレットに明るさを加えるのがイエローオークル。主役を邪魔することなく十分な光をもたらします。この色をきっかけにオレンジ色のスペクトルが登場した、とベルナールはHouzzのインタビューの中で話しています。
レンガ色からバーガンディ
生き生きとしたオレンジ色からレンガ色といった大胆な色合いです。今年トレンドに加わった比較的新しい色であるレンガ色やバーガンディも、この9月の見本市では多くのブースで目にしました。
生き生きとしたオレンジ色からレンガ色といった大胆な色合いです。今年トレンドに加わった比較的新しい色であるレンガ色やバーガンディも、この9月の見本市では多くのブースで目にしました。
ソフトピンク
ここ数年間よく見られた単色のトレンドに続いて、レンガやバーガンディが注目され始め、それらと調和しやすい、ソフトで淡いピンクの明るい色合いが人気を集めています。
これらのパステル調の色合いは、私たちが現在インテリアに求めている柔らかさを演出してくれます。
ここ数年間よく見られた単色のトレンドに続いて、レンガやバーガンディが注目され始め、それらと調和しやすい、ソフトで淡いピンクの明るい色合いが人気を集めています。
これらのパステル調の色合いは、私たちが現在インテリアに求めている柔らかさを演出してくれます。
落ち着いた装飾がトレンドとなる中で、ピンクについてはほとんど色素を持たないような非常に明るい、ほとんどベージュといっていい色が主流となっています。
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Papermint社の新しい壁紙コレクション 、メゾン・エ・オブジェ国際見本市2022
ベージュのワントーン
より純粋で時間を越えたインテリアを求める声に応えて、ベージュが復活を遂げつつあります。ベルナールは、ブラウンと並ぶ存在感を持つベージュは「肌を彷彿させる色であり、自らの拡張であるこれらの色を身の回りに置くことで、ベージュが持つ肉体的な響きをこの時代特有の脱物質化の流れに対峙させることができます」と話します。
ベージュのワントーン
より純粋で時間を越えたインテリアを求める声に応えて、ベージュが復活を遂げつつあります。ベルナールは、ブラウンと並ぶ存在感を持つベージュは「肌を彷彿させる色であり、自らの拡張であるこれらの色を身の回りに置くことで、ベージュが持つ肉体的な響きをこの時代特有の脱物質化の流れに対峙させることができます」と話します。
エリザベス・ルリッシュによるColor Power、メゾン・エ・オブジェ国際見本市2022
ブルーのコントラスト
まだ触れてはいないものの、今年の装飾と家具に健在なのがブルーです。「幾何学的なアップリケにエレクトリックブルー、バーガンディ、ライトブルーの波線を組み合わせるのも人気です」とルリッシュは自身の展示を説明します。
ブルーのコントラスト
まだ触れてはいないものの、今年の装飾と家具に健在なのがブルーです。「幾何学的なアップリケにエレクトリックブルー、バーガンディ、ライトブルーの波線を組み合わせるのも人気です」とルリッシュは自身の展示を説明します。
色の拡散
最後にルリッシュが挙げたテクニックに戻りましょう。ルリッシュはベルナールと受けた2023年のトレンドについてのHouzzのインタビューの中で次のように話しています。「今季の必見トレンドは、色の拡散です。拡散された色は、夜明けや暁、虹色を彷彿させ、そのグラデーションが心地よい効果を生みだします 」
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