【メゾン・エ・オブジェ 2022年秋】トレンド予測の専門家が語る、最新トレンド と来年の予測
今年のメゾン・エ・オブジェ国際見本市で「What’s New」エリアの展示を手がけたトレンド予測の専門家エリザベス・ルリッシュとフランソワ・ベルナールに、Houzzフランス語版チームが取材をしました。
世界最大級のデザイン見本市メゾン・エ・オブジェ国際見本市の9月展が、今月8日〜12日にパリで開催されました。注目の「What’s New」エリアの展示を、トレンド予測を専門とするエリザベス・ルリッシュとフランソワ・ベルナールが手がけました。
今回、新たに発表されたコレクションの中から、想像力をかき立てる室内装飾、家具、材料など、最新トレンドを紹介する本展示では、今シーズンの「Color Power(色彩の力)」と「Kaleidoscope(万華鏡)」というテーマに加え、見本市全体の主題として「Meta Sensible(メタ・センシブル:知覚を超えて )」が取り上げられました。
お2人に今回の見本市のために設定したテーマや、来年のトレンド予測などについてお話を伺いました。
今回、新たに発表されたコレクションの中から、想像力をかき立てる室内装飾、家具、材料など、最新トレンドを紹介する本展示では、今シーズンの「Color Power(色彩の力)」と「Kaleidoscope(万華鏡)」というテーマに加え、見本市全体の主題として「Meta Sensible(メタ・センシブル:知覚を超えて )」が取り上げられました。
お2人に今回の見本市のために設定したテーマや、来年のトレンド予測などについてお話を伺いました。
フランソワ・ベルナールのポートレート
フランソワ・ベルナール
メゾン・エ・オブジェのために設定したテーマについてお聞かせください。
私が展示のテーマとして選んだ「Kaleidoscope(万華鏡)」には、さまざまな影響や岐路のモザイクという意味が込められており、2022年秋シーズの新しい「ギフト」 (と室内装飾)を提案しています。今求められている多様性・柔らかさ・共感、カラフルな楽観性、そしてこれらの要素を提供するプロダクトに応えるシナリオです。
デジタル時代のコミュニケーションが、自己を表現し、自身の考えを伝えることをすべての人に促しているように、さまざまなスタイルが生まれる時がやってきました。一義的なメッセージではなく、多義性のなかにこそ、今の時代に対する反応を見出すことができるのです。
フランソワ・ベルナール
メゾン・エ・オブジェのために設定したテーマについてお聞かせください。
私が展示のテーマとして選んだ「Kaleidoscope(万華鏡)」には、さまざまな影響や岐路のモザイクという意味が込められており、2022年秋シーズの新しい「ギフト」 (と室内装飾)を提案しています。今求められている多様性・柔らかさ・共感、カラフルな楽観性、そしてこれらの要素を提供するプロダクトに応えるシナリオです。
デジタル時代のコミュニケーションが、自己を表現し、自身の考えを伝えることをすべての人に促しているように、さまざまなスタイルが生まれる時がやってきました。一義的なメッセージではなく、多義性のなかにこそ、今の時代に対する反応を見出すことができるのです。
Costa NovaのRivieraテーブルウェアコレクション
この新しいトレンドを特に表しているのはどのような色彩、家具、材料でしょうか。
これまで以上に重要な位置を占めるようになったのはグリーンのパレットです。特に翡翠色、装飾が施されたガラス製のテーブルウェア、合成樹脂から漆といった素材が挙げられます。青磁のように、翡翠色には灰色がかったものから青や緑の色調まで、幅広い色合いが含まれます。また、レンガ色から生き生きとしたオレンジ色まで、オレンジの色調も存在感を放っています。
そして、ベージュやブラウンの存在感もまったく薄れていません。肌を彷彿させるこれらの色は、フィジカルな印象を強く与えます。自らの拡張であるこれらの色を身の回りに置くことで、ベージュが持つ肉体的な響きをこの時代特有の脱物質化の流れに対峙させることができます。
この新しいトレンドを特に表しているのはどのような色彩、家具、材料でしょうか。
これまで以上に重要な位置を占めるようになったのはグリーンのパレットです。特に翡翠色、装飾が施されたガラス製のテーブルウェア、合成樹脂から漆といった素材が挙げられます。青磁のように、翡翠色には灰色がかったものから青や緑の色調まで、幅広い色合いが含まれます。また、レンガ色から生き生きとしたオレンジ色まで、オレンジの色調も存在感を放っています。
そして、ベージュやブラウンの存在感もまったく薄れていません。肌を彷彿させるこれらの色は、フィジカルな印象を強く与えます。自らの拡張であるこれらの色を身の回りに置くことで、ベージュが持つ肉体的な響きをこの時代特有の脱物質化の流れに対峙させることができます。
見本市の新テーマである「Meta Sensible(メタ・センシブル:知覚を超えて)」についてのお考えをお聞かせください。
私たちは、インテリア空間を二枚目の肌のように構築しています。これは、気泡でも巣でもなく、エキソボディ(exo-body、身体の外部にある身体)なのです。私たちの住まいは、自らを守るために、自分自身がクリエイティブに投影された空間です。このエキソコンストラクション(exo-construction)、つまり自らを外部に構築することを実現するのがベージュです。肌の色を模倣するベージュ系カラーは、心地よさや守られているという安心感を与え、精神的再生を促します。
また、翡翠色も「メタ・センシブル」のテーマをさらに発展させることができるでしょう。このあいまいな色は、透明、半透明、不透明の間を行き来して感覚を刺激します。翡翠が同じ色を二度見せることはありません。この特徴は、私たちの多様性の探求と一致しています。翡翠の筆舌しがたい詩的な価値は、私たちを超え、私たちを魅了し、そして夢へといざないます。これも「メタ」の定義としてふさわしいのではないでしょうか。
私たちは、インテリア空間を二枚目の肌のように構築しています。これは、気泡でも巣でもなく、エキソボディ(exo-body、身体の外部にある身体)なのです。私たちの住まいは、自らを守るために、自分自身がクリエイティブに投影された空間です。このエキソコンストラクション(exo-construction)、つまり自らを外部に構築することを実現するのがベージュです。肌の色を模倣するベージュ系カラーは、心地よさや守られているという安心感を与え、精神的再生を促します。
また、翡翠色も「メタ・センシブル」のテーマをさらに発展させることができるでしょう。このあいまいな色は、透明、半透明、不透明の間を行き来して感覚を刺激します。翡翠が同じ色を二度見せることはありません。この特徴は、私たちの多様性の探求と一致しています。翡翠の筆舌しがたい詩的な価値は、私たちを超え、私たちを魅了し、そして夢へといざないます。これも「メタ」の定義としてふさわしいのではないでしょうか。
Maison DadaによるDu Roy
住まいの世界は、今後どのように進化していくのでしょうか。
私たちは、ファッションを超えたモードの世界に足を踏み入れています。私たちは、今このときを生きながら、昨日、現在、明日を再考すべきです。
また、デザインと歴史性、自然とテクノロジーといったアイデアを対比していかなければなりません。遺産という概念は、拡張現実が機能として必須になるのと同様に、現在から切り離された過去として経験するものではなくなるでしょう。
自然とそのテクスチャー、景色、テクノロジーは、私たちに驚きを与えつづけるでしょう。
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住まいの世界は、今後どのように進化していくのでしょうか。
私たちは、ファッションを超えたモードの世界に足を踏み入れています。私たちは、今このときを生きながら、昨日、現在、明日を再考すべきです。
また、デザインと歴史性、自然とテクノロジーといったアイデアを対比していかなければなりません。遺産という概念は、拡張現実が機能として必須になるのと同様に、現在から切り離された過去として経験するものではなくなるでしょう。
自然とそのテクスチャー、景色、テクノロジーは、私たちに驚きを与えつづけるでしょう。
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エリザベス・ルリッシュ
今回のメゾン・エ・オブジェのために設定したテーマについて教えてください。
今年のテーマである「Color Power(色彩の力)」は、現在の困難な状況を相殺する、華やぎと大胆さを探求しています。
この新しいトレンドを特に表しているのはどのような色彩、家具、材料でしょうか。
色の魅力は、モノクローム、カラーブロッキング、そしてオンブレ(ぼかし効果)などによって引き出されます。展示エリアでは、70年代のボヘミアン風ポップや、スタイルにマッチした幾何学模様、そしてデフォルメされた花模様などを取り入れながら、さまざまな配色方法を提案しています。展示のカラーパレットは、グリーン、パープル、モーヴのマリアージュで、イエローオークルが効果的なアクセントとして添えられています。