暖かい季節は害虫に気を付けて!庭によく現れる害虫と対処法
植物との暮らしを送る上で、避けては通れない害虫。虫が苦手という方も、適切な対処で乗り切りましょう!
舩村佳織
2022年8月3日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
気温の上昇とともに植物はぐんぐんと成長し、庭が活気づいてきます。庭が元気になると、虫たちも集まってきますが、「どうしても苦手……」という方も多いと思います。実際、「大切に育ててきた植物の葉が、ふと見ると穴だらけ!」「せっかく実ったトマトが、大きくなる前に腐ってしまった!」など、虫によって植物が被害を受けることも少なくありません。
では、ガーデニングを楽しむ上で、どんな虫に気を付けたら良いのでしょうか? この記事では、これからの季節によく発生する虫害をご紹介します。
では、ガーデニングを楽しむ上で、どんな虫に気を付けたら良いのでしょうか? この記事では、これからの季節によく発生する虫害をご紹介します。
アオムシ・ケムシ
チョウやガの幼虫であるアオムシやケムシは、春に現れ、主に葉を食害します。アブラナ科の植物(キャベツやカブ)は被害に遭いやすく、家庭菜園で栽培する葉野菜には注意が必要です。
毛のないアオムシが人間に害を為すことはありませんが、ケムシには有毒のものもいます。とくに、チャドクガというガの幼虫は、強いかぶれを起こすことで知られています。庭で見かけても、ケムシには触れないように気を付けましょう。
チョウやガの幼虫であるアオムシやケムシは、春に現れ、主に葉を食害します。アブラナ科の植物(キャベツやカブ)は被害に遭いやすく、家庭菜園で栽培する葉野菜には注意が必要です。
毛のないアオムシが人間に害を為すことはありませんが、ケムシには有毒のものもいます。とくに、チャドクガというガの幼虫は、強いかぶれを起こすことで知られています。庭で見かけても、ケムシには触れないように気を付けましょう。
<予防>
樹木の場合は、剪定して風通しや日当たりを良くすることで、産卵を予防する効果があります。家庭菜園の場合、アオムシの被害がとくに大きいアブラナ科の植物は、植え付け時に防虫ネットをかけることで、産卵を防ぎます。
<現れたら>
殺虫剤を使用するか、捕殺します。ケムシの場合は毒に注意して、なるべく肌を露出しない恰好で作業しましょう。
樹木の場合は、剪定して風通しや日当たりを良くすることで、産卵を予防する効果があります。家庭菜園の場合、アオムシの被害がとくに大きいアブラナ科の植物は、植え付け時に防虫ネットをかけることで、産卵を防ぎます。
<現れたら>
殺虫剤を使用するか、捕殺します。ケムシの場合は毒に注意して、なるべく肌を露出しない恰好で作業しましょう。
アブラムシ
暖かい時期によく表れる害虫です。アブラムシは植物の葉や茎の汁を吸う、吸汁性の虫です。アブラムシはとくに新芽や蕾を好み、吸汁して萎れさせてしまいます。ウイルス病を媒介したり、排せつ物で、すす病を発病させたりと、病気の原因になることも多いです。春や秋は毎日卵を産み、あっという間に増えてしまうので、現れたら早いうちに対処するようにしましょう。
暖かい時期によく表れる害虫です。アブラムシは植物の葉や茎の汁を吸う、吸汁性の虫です。アブラムシはとくに新芽や蕾を好み、吸汁して萎れさせてしまいます。ウイルス病を媒介したり、排せつ物で、すす病を発病させたりと、病気の原因になることも多いです。春や秋は毎日卵を産み、あっという間に増えてしまうので、現れたら早いうちに対処するようにしましょう。
<予防>
風通しを良くすることで、発生を防ぐことができます。剪定をして枝葉が茂りすぎないようにしましょう。また、光を嫌うため、畑ではアルミホイルを地面に敷くと予防になります。
<現れたら>
増えすぎる前に発見して殺虫することが、被害を最小限に留める方法です。日ごろから観察して、早期発見を心がけましょう。葉裏などの見えにくい場所にいることが多いため、上からだけでなく視点を変えて見るようにします。
薬を使って殺虫もできますが、農薬を使いたくない場合は、粘着テープなどで取り除くこともできます。アブラムシの天敵はテントウムシです。テントウムシは1日にアブラムシを100匹程度捕食すると言われています。庭にテントウムシが現れたら、ぜひ歓迎してあげてください。
風通しを良くすることで、発生を防ぐことができます。剪定をして枝葉が茂りすぎないようにしましょう。また、光を嫌うため、畑ではアルミホイルを地面に敷くと予防になります。
<現れたら>
増えすぎる前に発見して殺虫することが、被害を最小限に留める方法です。日ごろから観察して、早期発見を心がけましょう。葉裏などの見えにくい場所にいることが多いため、上からだけでなく視点を変えて見るようにします。
薬を使って殺虫もできますが、農薬を使いたくない場合は、粘着テープなどで取り除くこともできます。アブラムシの天敵はテントウムシです。テントウムシは1日にアブラムシを100匹程度捕食すると言われています。庭にテントウムシが現れたら、ぜひ歓迎してあげてください。
カメムシ
吸汁性の害虫です。カメムシは果実を好むため、家庭菜園や果樹栽培の天敵と言えます。小さい果実がカメムシに吸汁されると、落果してしまったり、中がスポンジ状になり奇形になったりします。大きい果実の場合は、そのまま腐ってしまうこともあります。
吸汁性の害虫です。カメムシは果実を好むため、家庭菜園や果樹栽培の天敵と言えます。小さい果実がカメムシに吸汁されると、落果してしまったり、中がスポンジ状になり奇形になったりします。大きい果実の場合は、そのまま腐ってしまうこともあります。
<予防>
カメムシは飛行能力が高いため、予防が難しいですが、草丈が低いものなら、防虫ネットをかけることで被害を防げます。隠れる場所を減らすため、雑草や落ち葉の掃除をきちんとすることも大切です。
<現れたら>
増える前にすぐに駆除するようにしましょう。手でつかむと悪臭がするので、粘着テープで捕まえるのがおすすめです。数が多い場合は殺虫剤の使用が有効です。
カメムシは飛行能力が高いため、予防が難しいですが、草丈が低いものなら、防虫ネットをかけることで被害を防げます。隠れる場所を減らすため、雑草や落ち葉の掃除をきちんとすることも大切です。
<現れたら>
増える前にすぐに駆除するようにしましょう。手でつかむと悪臭がするので、粘着テープで捕まえるのがおすすめです。数が多い場合は殺虫剤の使用が有効です。
ハムシ類
体長5ミリ程度の小さな甲虫で、主に葉を食害します。ハムシと名の付く虫は多く、それぞれが特定の植物を好みます。ウリハムシはウリ科の植物(キュウリやカボチャ)を好み、ダイコンハムシはダイコンやアブラナ科の植物を好みます。ハムシはみんな暑さを嫌うので、真夏は被害がおさまりますが、秋になるとまた活動を再開します。
体長5ミリ程度の小さな甲虫で、主に葉を食害します。ハムシと名の付く虫は多く、それぞれが特定の植物を好みます。ウリハムシはウリ科の植物(キュウリやカボチャ)を好み、ダイコンハムシはダイコンやアブラナ科の植物を好みます。ハムシはみんな暑さを嫌うので、真夏は被害がおさまりますが、秋になるとまた活動を再開します。
<予防>
ハムシは成虫が落葉の下で越冬し、春になると産卵するので、冬の間に落葉や剪定枝などは片付けると発生を防げます。また、成虫は反射光を嫌うため、アルミホイルや光るテープなどを設置することも有効です。
<現れたら>
成虫はハネがあるため、どこからか飛来してやってくることがあります。ハムシは葉が揺れるとすぐにポロリと落ちるので、捕まえるのが難しいですが、数が少ないうちは捕殺するのがてっとり早いです。捕殺が難しい場合は、オルトランなどの殺虫剤の使用も有効です。
ハムシは成虫が落葉の下で越冬し、春になると産卵するので、冬の間に落葉や剪定枝などは片付けると発生を防げます。また、成虫は反射光を嫌うため、アルミホイルや光るテープなどを設置することも有効です。
<現れたら>
成虫はハネがあるため、どこからか飛来してやってくることがあります。ハムシは葉が揺れるとすぐにポロリと落ちるので、捕まえるのが難しいですが、数が少ないうちは捕殺するのがてっとり早いです。捕殺が難しい場合は、オルトランなどの殺虫剤の使用も有効です。
カイガラムシ
年間を通して現れる害虫です。じっと動かず植物の茎や枝に張り付き、吸汁します。樹木に現れることも多いです。大きさは2~3ミリ前後で、一見しただけだと虫には見えないような姿をしています。白い綿のようなものや、茶色いイボのようなものなど、形はさまざまです。
大量発生すると、植物の生育が阻害され、最悪の場合は枯死に至ることもあります。また、すす病の原因になることもあります。
年間を通して現れる害虫です。じっと動かず植物の茎や枝に張り付き、吸汁します。樹木に現れることも多いです。大きさは2~3ミリ前後で、一見しただけだと虫には見えないような姿をしています。白い綿のようなものや、茶色いイボのようなものなど、形はさまざまです。
大量発生すると、植物の生育が阻害され、最悪の場合は枯死に至ることもあります。また、すす病の原因になることもあります。
<予防>
剪定をして、風通し・日当たりの良い状態にすることで被害の発生を防げます。
<現れたら>
カイガラムシは幼虫の段階では殺虫剤の効果がありますが、成虫になると体がロウ物質に覆われるため、殺虫剤が効かなくなってしまいます。幼虫のうちに発見すれば、殺虫剤で楽に駆除できます。成虫のカイガラムシは枝ごと処分するか、ブラシやヘラを用いて、剥がして駆除しましょう。
剪定をして、風通し・日当たりの良い状態にすることで被害の発生を防げます。
<現れたら>
カイガラムシは幼虫の段階では殺虫剤の効果がありますが、成虫になると体がロウ物質に覆われるため、殺虫剤が効かなくなってしまいます。幼虫のうちに発見すれば、殺虫剤で楽に駆除できます。成虫のカイガラムシは枝ごと処分するか、ブラシやヘラを用いて、剥がして駆除しましょう。
植物が健康に育つ環境を維持すれば、害虫が現れても大きな被害にならずに済みます。また、次のような庭の管理の基本的な部分をしっかりと行うことで、害虫の予防につながります。
- 風通しを確保するため、植物を茂らせすぎない
- 雑草や落葉を放置しない
- 早期発見、早期対応を心がける
コンパニオンプランツ
害虫対策として、自然を利用することもできます。
コンパニオンプランツとは、日本語では「共生植物」と言います。近くに植えることで、それぞれに良い影響を与え合う植物の組み合わせのことを指します。
例えば家庭菜園で、キャベツとともにネギ科の野菜やシュンギクを植えると、シュンギクの匂いでモンシロチョウの産卵を防ぐ効果があると言われています。薬品と比べると、強い効果のあるものではありませんが「なるべく農薬を使いたくない」という方は、コンパニオンプランツを利用してみてはいかがでしょうか。
害虫対策として、自然を利用することもできます。
コンパニオンプランツとは、日本語では「共生植物」と言います。近くに植えることで、それぞれに良い影響を与え合う植物の組み合わせのことを指します。
例えば家庭菜園で、キャベツとともにネギ科の野菜やシュンギクを植えると、シュンギクの匂いでモンシロチョウの産卵を防ぐ効果があると言われています。薬品と比べると、強い効果のあるものではありませんが「なるべく農薬を使いたくない」という方は、コンパニオンプランツを利用してみてはいかがでしょうか。
虫が苦手だから植物はいらない、というお声を耳にすることがあります。植物があるとどうしても虫を0にすることは不可能ですが、基本的な管理をきちんとすることで害虫の発生を抑えることは可能です。こちらの記事を参考に、植物のある暮らしを楽しんでいただければと思います。
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