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タホ湖の四季を楽しめる別荘。両親から譲り受けた築60年の家を大規模改修!
子どもの頃の思い出が詰まった別荘を、全面的にリノベーション。オーナーと旧知の建築家が、湖の景色を満喫できるバケーションホームに生まれ変わらせました。
Becky Harris
2022年11月2日
キツネ、ギース(雁)、植物柄、ナチュラルな手触り、チェック柄、そして犬と馬の合いの子のような生き物。そのすべてが、アメリカ・タホ湖のほとりに建つこの住宅に、森でのサマーキャンプを思わせる独特な雰囲気をもたらしています。
インテリアデザイナーのAlison Davin(アリソン・デーヴィン)さんによって全面的にリノベーションされたこの別荘は、夏は爽やかさを感じられるように、冬は暖かみを感じられるように、バランスよく仕上げられています。また、住まい手である4人家族が、親戚も含めた大家族を泊められることを望んだため、リノベーション後の建物には、16人がゆったりと宿泊することができます。
インテリアデザイナーのAlison Davin(アリソン・デーヴィン)さんによって全面的にリノベーションされたこの別荘は、夏は爽やかさを感じられるように、冬は暖かみを感じられるように、バランスよく仕上げられています。また、住まい手である4人家族が、親戚も含めた大家族を泊められることを望んだため、リノベーション後の建物には、16人がゆったりと宿泊することができます。
どんなHouzz?
住まい手: 4人家族
所在地: 米国カリフォルニア州タホ市
改修エリア:寝室5部屋、バスルーム4部屋
設計: Jute Interior Design(アリソン・デーヴィン)
写真:Lisa Romerein
2人の子どもをもつオーナーご夫妻は、ご主人のご両親からこの別荘を購入しました。「ご主人は子どもの頃に何度もこの家を訪れていただけに、懐かしさを感じておられました」とデーヴィンさん。
この写真のような、ファミリールームから木々越しに湖を臨む景色こそが、オーナーがこの物件を心から気に入った理由です。しかし内装は古くなっており、全面的に改修する必要がありました。加えて、親戚が一晩過ごすための部屋も必要でした。
「この住宅は1960年代後半から1970年代初頭に建てられたもので、外観や建築面積を変えることに対する厳しい規則がありました」とデーヴィンさん。「そのため、面積を増やすために下に掘り進んで下層階をつくる必要があったのです」
今回新しくつくられた空間には、ゲストルーム、メディアルーム、そしてカヌーなどの水遊び用の道具を収納するための大きな物置部屋が設けられています。この建物は斜面に建てられているため、下層階から直接外に出ることができます。また、これまできちんと仕上げられておらず、主に物置として使われてきた屋根裏も最大限に活用されています。
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住まい手: 4人家族
所在地: 米国カリフォルニア州タホ市
改修エリア:寝室5部屋、バスルーム4部屋
設計: Jute Interior Design(アリソン・デーヴィン)
写真:Lisa Romerein
2人の子どもをもつオーナーご夫妻は、ご主人のご両親からこの別荘を購入しました。「ご主人は子どもの頃に何度もこの家を訪れていただけに、懐かしさを感じておられました」とデーヴィンさん。
この写真のような、ファミリールームから木々越しに湖を臨む景色こそが、オーナーがこの物件を心から気に入った理由です。しかし内装は古くなっており、全面的に改修する必要がありました。加えて、親戚が一晩過ごすための部屋も必要でした。
「この住宅は1960年代後半から1970年代初頭に建てられたもので、外観や建築面積を変えることに対する厳しい規則がありました」とデーヴィンさん。「そのため、面積を増やすために下に掘り進んで下層階をつくる必要があったのです」
今回新しくつくられた空間には、ゲストルーム、メディアルーム、そしてカヌーなどの水遊び用の道具を収納するための大きな物置部屋が設けられています。この建物は斜面に建てられているため、下層階から直接外に出ることができます。また、これまできちんと仕上げられておらず、主に物置として使われてきた屋根裏も最大限に活用されています。
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デーヴィンさんは、ファミリールームの壁全体をさねはぎ継ぎで仕上げました。また、もとからあった暖炉のレンガは黒く塗り直し、再生木材でできたマントルピースで2面を囲んでいます。床はホワイトオークの堅木に張り替えました。ドアや窓は取り替えることができたため、眺望を改善し、カリフォルニア州の新しい建築法規に適合することが可能になりました。
「今回のオーナーとは過去にも何度か仕事をしていたので、『どうぞ自由に進めて』とだけ言われました」とデーヴィンさんは言います。デーヴィンさんは、シックななかにもオーナーが気に入るであろう一風変わったアイデアをいくつも取り入れています。そのひとつが窓まわりの布地。「洞窟画を彷彿とさせる、犬のような馬のような生き物の柄になっています」とデーヴィンさん。「近くに来てよく見てみるまで、何の柄なのかわからないでしょう?」
暖炉の写真を見る
「今回のオーナーとは過去にも何度か仕事をしていたので、『どうぞ自由に進めて』とだけ言われました」とデーヴィンさんは言います。デーヴィンさんは、シックななかにもオーナーが気に入るであろう一風変わったアイデアをいくつも取り入れています。そのひとつが窓まわりの布地。「洞窟画を彷彿とさせる、犬のような馬のような生き物の柄になっています」とデーヴィンさん。「近くに来てよく見てみるまで、何の柄なのかわからないでしょう?」
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「オーナーはこの家を1年中利用するため、夏は爽やかで、冬は暖かく居心地の良い場所にしたいと考えました」とデーヴィンさんは語ります。この2つのバランスを取るために、明るい色味の壁を使い、家具や建築にさまざまな色味の木を取り混ぜています。
また、チェック柄を用いることで、心地よい冬の雰囲気を加えながらも、サマーキャンプへの郷愁を洗練された形で取り入れています。日本人アーティストの佐藤時啓氏による雪景色の写真は、夏冬のバランスを冬に傾けています。深い森の緑を思わせるアームチェアは、回転すると、ガラス戸越しにタホ湖を見渡すことができます。
また、チェック柄を用いることで、心地よい冬の雰囲気を加えながらも、サマーキャンプへの郷愁を洗練された形で取り入れています。日本人アーティストの佐藤時啓氏による雪景色の写真は、夏冬のバランスを冬に傾けています。深い森の緑を思わせるアームチェアは、回転すると、ガラス戸越しにタホ湖を見渡すことができます。
この部屋で重要なのは会話、読書、そして景色を楽しむことです。デーヴィンさんはここにソファテーブルを追加しました。テーブルは2台のセラミック製読書ランプを置くのにぴったりです。
テレビはこの部屋には置かず、メディアルームとゲストスイートのために新たにつくられた下層階に設置しました。
テレビはこの部屋には置かず、メディアルームとゲストスイートのために新たにつくられた下層階に設置しました。
ファミリールームから数段あがると、キッチンと、部分的に面したイートインスペースがあります。この家を開かれた空間にするために、デーヴィンさんは内部をぎこちないものにしていた構造柱を何本も取り除き、代わりにスチール製の梁を設置しました。この写真に写っている、唯一残された柱は、イートインスペースに区切りをつけ、ファミリールームと視覚的に分けるために使われています。
落ち着いた雰囲気のダイニングテーブルはスウェーデン製のアンティークです。デーヴィンさんはソファをバンケット(クッションの入った長椅子)として調えており、リスなどの森の動物をあしらったTimorous Beasties(ティモロス・ビースティーズ)の植物柄の布で仕上げています。
北欧のダイニングテーブルの写真を見る
落ち着いた雰囲気のダイニングテーブルはスウェーデン製のアンティークです。デーヴィンさんはソファをバンケット(クッションの入った長椅子)として調えており、リスなどの森の動物をあしらったTimorous Beasties(ティモロス・ビースティーズ)の植物柄の布で仕上げています。
北欧のダイニングテーブルの写真を見る
キッチンの反対側には、ダイニングテーブルに対して垂直に配置された、背の高いキッチンアイランドがあります。「レンジはキャンプらしい雰囲気を出したかったので、オリーブドラブ色を選び、棚の間にはめ込みました」とデーヴィンさんは言います。
ファミリールーム同様、ここでもさねはぎ継ぎパネルと、アクセントとなる再生木材が使われています。バックスプラッシュには、手づくりの風合いを出すために、ゼリージュタイルが用いられています。
ファミリールーム同様、ここでもさねはぎ継ぎパネルと、アクセントとなる再生木材が使われています。バックスプラッシュには、手づくりの風合いを出すために、ゼリージュタイルが用いられています。
ホワイトオーク製のオープンな棚のおかげで、ゲストは朝になると、コーヒーカップやシリアル用のボウルを自分で取ることができます。カウンターの天板は石鹸石製です。
マッドルームには、スキー道具用のカスタムメイドの大きな造り付け戸棚があります。スキー板をしまうためのこの戸棚には、スキー靴用のラックと、ヘルメット用の特別な引き出しが設けられています。家の中に入る前に、ベンチに座って、雪のついたスキー靴を脱ぐことができます。
マッドルームの活用法。海外からヒントを得てみませんか?
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一風変わった森の動物の柄といえば、パウダールームにはキツネもいます。「なんと奥さんの旧姓がフォックスなんです」とデーヴィンさん。
壁掛け鏡を回転させることで、木製パネルの横向きの線や壁付けのダブルシンクの大きさと合わせています。
壁掛け鏡を回転させることで、木製パネルの横向きの線や壁付けのダブルシンクの大きさと合わせています。
下層階にあるメディアルームは、子どもたちに大人気です。「家が人で溢れていたとしても、誰もが自分の空間を見つける必要があります」とデーヴィンさんは言います。地下室を完成させたことで、家族が広々と過ごせるようになりました。
造り付けの棚にはテレビなどの機器類が置かれています。緑色、褐色、木材、チェック柄というパレットはここでもキャンプを思わせる雰囲気をつくり出しています。化粧梁には、ほかの部屋でも見られる再生木が使われており、黄麻で覆われたサーフボードが、ここでも一風変わった演出を生み出しています。
地下に広がる驚きの空間、「地下室」の可能性
造り付けの棚にはテレビなどの機器類が置かれています。緑色、褐色、木材、チェック柄というパレットはここでもキャンプを思わせる雰囲気をつくり出しています。化粧梁には、ほかの部屋でも見られる再生木が使われており、黄麻で覆われたサーフボードが、ここでも一風変わった演出を生み出しています。
地下に広がる驚きの空間、「地下室」の可能性
この下層階の入口からは、簡単に湖へアクセスすることができます。デーヴィンさんは、壁掛け用フックや椅子を取り入れることで、この空間を小さな玄関エリアとしています。
下層階のゲストルームでは、落ち着いたニュートラルな色調に、深いマスタードイエローのアクセントと植物柄のプリントを加えることで、華やかさがプラスされています。
ベッドとナイトスタンドは背の低いものを選ぶことで、天井が高く見えるよう工夫されています。
ベッドとナイトスタンドは背の低いものを選ぶことで、天井が高く見えるよう工夫されています。
当初2階は使いにくいレイアウトになっていました。「オフィスとバスルームとクローゼットが、湖に面した側の変な場所にあり、どの部屋からも素晴らしい眺望はありませんでした」とデーヴィンさんは言います。そこで、レイアウトを再構成し、主寝室から一番良い眺望を確保し、プライベートなバルコニーまで設けました。
暗い色味の木材、イグサ細工でできたヘッドボード、そして植物柄のプリントによって、主寝室にナチュラルなテイストを加えつつ、淡い色調によって軽快な雰囲気を保っています。
新しいレイアウトのおかげで、主寝室のバスルームにある浴槽からは素晴らしい眺望を臨むことができます。外側が黒い浴槽は、大理石のモザイクタイルの床と白い壁と強いコントラストをつくり出しています。また、かわいらしいカフェ風カーテンが、キャンプらしい雰囲気をもたらしています。
浴室・バスルームの記事を読む
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一番上の階は子ども部屋です。この家に16人も泊まることのできる大きな理由は、この部屋にある、ベッドの下に収納できる脚輪付き寝台にあります。「子どもたちは背が低いですから、天井が低くても平気なんです」とデーヴィンさん。
空を飛ぶギースの柄は壁だけでなく、天井も覆っています。暗い色味の木材とチェック柄のカーペット、そして明るい色の壁紙が、ここでも冬と夏のバランスを生み出しています。
空を飛ぶギースの柄は壁だけでなく、天井も覆っています。暗い色味の木材とチェック柄のカーペット、そして明るい色の壁紙が、ここでも冬と夏のバランスを生み出しています。
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