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オレゴン海岸の広大な海を望むモダンな別荘
崖の上という難しい傾斜地に、頑丈ながら自然素材をふんだんに使った住まいが完成。オーナーご夫妻念願の太平洋に沿って続く海岸線を見下ろせる別荘です。
Becky Harris
2022年10月30日
北米西海岸に位置するオレゴン・コーストの崖の上に佇む、太平洋の広大な景色を一望することができる住まいです。オーナーは、幼い子どもを持つオレゴン州の最大都市ポートランド在住のご夫妻。海岸沿いに自然素材を使った小さな別荘を建てたいと思って、建築デザイナーのVito Cerelli(ヴィト・セレーリ)さんに設計を依頼しました。
セレーリさんは、さまざまな敷地の制約を回避しながら、敷地の傾斜を利用するなどして、頑丈でモダンなカンチレバー構造の住宅を計画し、1,200平方フィート(111平方メートル)の建物の細部に至るまで、無駄のない設計をおこないました。
セレーリさんは、さまざまな敷地の制約を回避しながら、敷地の傾斜を利用するなどして、頑丈でモダンなカンチレバー構造の住宅を計画し、1,200平方フィート(111平方メートル)の建物の細部に至るまで、無駄のない設計をおこないました。
どんなHouzz?
住まい手:夫婦+子ども2人
所在地: 米国オレゴン州アーチケープ
面積: 1,200 平方フィート(111 平方メートル); 2ベッドルーム、3バスルーム
設計: O’Brien & Co(ヴィト・セレーリ)
施工: Bob Cerelli Construction
写真:Sally Painter Photography
写真は住宅を道路側から撮影したもの。当初、オーナーはコンパクトで効率的な家を希望していましたが、セレーリさんは道路からのセットバック要件と、約5.4メートルの高さ制限という難題に直面しました。「セットバック、高さ制限、そして地質学的な制約があったため、パズルを組み立てるように設計する必要がありました」
セレーリさんは家を敷地の斜面に配置し、メインのフロアをコンクリートの基礎から一方の側で支えた片持ち梁(カンチレバー)という戦略を採用しました。「地形を最大限に利用して、家を斜面に埋め込みました」とセレーリさん。
コンクリート造の1階には、2段ベッドの部屋とフルサイズのバスルームがあり、屋根付きのパティオにアクセスすることもできます。コンクリート造の基礎と共に、鉄骨造のフレームがメインフロアを支えています。ドーム状の屋根にはパラペットが付いていて、内側から排水する方式をとっています。
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住まい手:夫婦+子ども2人
所在地: 米国オレゴン州アーチケープ
面積: 1,200 平方フィート(111 平方メートル); 2ベッドルーム、3バスルーム
設計: O’Brien & Co(ヴィト・セレーリ)
施工: Bob Cerelli Construction
写真:Sally Painter Photography
写真は住宅を道路側から撮影したもの。当初、オーナーはコンパクトで効率的な家を希望していましたが、セレーリさんは道路からのセットバック要件と、約5.4メートルの高さ制限という難題に直面しました。「セットバック、高さ制限、そして地質学的な制約があったため、パズルを組み立てるように設計する必要がありました」
セレーリさんは家を敷地の斜面に配置し、メインのフロアをコンクリートの基礎から一方の側で支えた片持ち梁(カンチレバー)という戦略を採用しました。「地形を最大限に利用して、家を斜面に埋め込みました」とセレーリさん。
コンクリート造の1階には、2段ベッドの部屋とフルサイズのバスルームがあり、屋根付きのパティオにアクセスすることもできます。コンクリート造の基礎と共に、鉄骨造のフレームがメインフロアを支えています。ドーム状の屋根にはパラペットが付いていて、内側から排水する方式をとっています。
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駐車場は家の右手にあり、左手の階段はメインフロアの入口に通じています。廃材を利用した大きな丸太は車止めの役割をし、車が汚水処理エリアに進入するのを防いでいます。
「クライアントはできるだけ多くの自然素材を使いたいと考えていました」とセレーリさんは言います。これらには、コンクリート、特注の無着色の杉板の外壁材、そして銅を用いた要素(水切り、縦樋、写真の3連の縦長窓の枠)が含まれています。また、大型のコールテン鋼のプランターが銅の仕上げに引き立てています。窓は外壁材の強い水平のラインとのコントラストを生み出し、銅製の枠がファサードにスケール感をもたらしています。「これらの自然素材は、オレゴン海岸の気候によって風化し、月日の経過とともに、味わいのある表情をまとうようになるでしょう」(セレーリさん)
プランターの写真を見る
「クライアントはできるだけ多くの自然素材を使いたいと考えていました」とセレーリさんは言います。これらには、コンクリート、特注の無着色の杉板の外壁材、そして銅を用いた要素(水切り、縦樋、写真の3連の縦長窓の枠)が含まれています。また、大型のコールテン鋼のプランターが銅の仕上げに引き立てています。窓は外壁材の強い水平のラインとのコントラストを生み出し、銅製の枠がファサードにスケール感をもたらしています。「これらの自然素材は、オレゴン海岸の気候によって風化し、月日の経過とともに、味わいのある表情をまとうようになるでしょう」(セレーリさん)
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海側では、大きなガラス窓と扉ごしに、美しいファルコンコーブの海の景色を眺めることができます。2つのバルコニーからも、同様の景色が望めます。左側のバルコニーはオープンなLDKエリアから、右側のバルコニーは主寝室からアクセスすることが可能です。
この家はコーブビーチを見下ろす崖からすぐの場所に位置していて、公道を約100フィート(約30メートル)下った先にはビーチがあります。
この家はコーブビーチを見下ろす崖からすぐの場所に位置していて、公道を約100フィート(約30メートル)下った先にはビーチがあります。
「この住宅のデザインは、船のデザインのように、空間の隅々まで計画する必要がありました」と話すセレーリさんは、空間と景色を最大限に活用して、オープンプランの中にダイニングエリア、サービスルーム、キッチンを配置しました。ダイニングルームには2つの機能を持つテーブルがあり、なんと卓球台としても使えます。このテーブルは、家具店を経営しているご主人の家族からの、遊び心ある贈り物です。
ガラス窓を一方にスライドすると、空間がバルコニーに向けて広く開放されます。オレゴンの厳しい海岸性の気候に備えて、窓とドアは時速100マイル(約160キロメートル)の突風に耐えうる仕様になっています。
ガラス窓を一方にスライドすると、空間がバルコニーに向けて広く開放されます。オレゴンの厳しい海岸性の気候に備えて、窓とドアは時速100マイル(約160キロメートル)の突風に耐えうる仕様になっています。
バルコニーには、ステンレス製の手すりと支柱があり、支柱の間には眺望を可能な限り遮らないようデザインされたケーブルが張られています。
この写真手前の外壁の角とバルコニー上部の軒に、カスタム成形された銅製の見切材を見ることができます。
バルコニーの写真をもっと見る
この写真手前の外壁の角とバルコニー上部の軒に、カスタム成形された銅製の見切材を見ることができます。
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ダイニングエリアの後ろには、ガス暖炉と美しいウォールナット製の棚が備えられた、TVを観るための小さなサービスエリアがあります。ソファの後ろの袖壁(そでかべ)は、造り付けの棚と一体となって、空間の心地よさを演出しています。
セレーリさんは、自然素材を好むオーナーのために、家全体でさまざまな樹種を使用しました。造作家具とキャビネットはすべてブラックウォルナット。見切材は地元の米マツ。床はメープル。天井は杉です。それぞれの樹種を特定の要素に繰り返し使用し、白のボード壁とのバランスをとることで、さまざまな樹種が調和して機能しています。
セレーリさんは、アームに取り付けられたテレビを、キャビネット用の扉が付いた壁の開口の中に埋め込んで隠しました。暖炉の下にある折りたたみ式のチークの棚は、必要なときには追加の座席として使うことができます。
セレーリさんは、自然素材を好むオーナーのために、家全体でさまざまな樹種を使用しました。造作家具とキャビネットはすべてブラックウォルナット。見切材は地元の米マツ。床はメープル。天井は杉です。それぞれの樹種を特定の要素に繰り返し使用し、白のボード壁とのバランスをとることで、さまざまな樹種が調和して機能しています。
セレーリさんは、アームに取り付けられたテレビを、キャビネット用の扉が付いた壁の開口の中に埋め込んで隠しました。暖炉の下にある折りたたみ式のチークの棚は、必要なときには追加の座席として使うことができます。
一体感のあるキッチンはシンメトリーに構成されていて、見ていて心地のよいものになっています。また、キッチンには空間を明るくする天窓が設けられています。左側のガラスの扉は玄関の扉で、廊下はメインフロアに2つある寝室とバスルームにつながっています。キッチンの裏には、洗濯室が隠されています。
左側の壁は、セレーリさんがこの家のデザインに組み込まなければならなかった多くのパズルピースの1つ。それは、海の女神を描いた約2.4 x 2.4メートルの絵画を掛けるための壁です。「オーナーご夫妻はたくさんの素晴らしいアートを持っていて、この家にどの作品を置くかを前もって計画していたのです」
左側の壁は、セレーリさんがこの家のデザインに組み込まなければならなかった多くのパズルピースの1つ。それは、海の女神を描いた約2.4 x 2.4メートルの絵画を掛けるための壁です。「オーナーご夫妻はたくさんの素晴らしいアートを持っていて、この家にどの作品を置くかを前もって計画していたのです」
花崗岩からつくられた見事な門型のカウンタートップが、スツールを挟み込んでいます。「それはまた、廊下との境界を明確に定義してくれます」とセレーリさん。アイランドカウンターには、シンク、食洗機、収納スペースが収まっています。
美しいウォルナット製のキャビネットのおかげで、キッチンには必要な機能が効率的に収まっています。「地元の家具職人である、JB Custom Woodworksのジェイソン・バンクスさんが、素晴らしい仕事をしてくれました」とセレーリさん。
木調パネルが前面に貼られた家電がシームレスな外観をつくり出し、レンジ部分の美しい花崗岩製のバックスプラッシュは、フォーカルポイントとして機能。レンジフードはウォルナット製の幕板の後ろに収まっています。
さらに、オーナーは、お気に入りの電化製品であるスチームオーブンを隠しておきたいと思っていたのだそう。「彼は、スチームオーブンを扱うのは簡単ではないことを知っていて、家を誰かに貸したときなどに、万が一にも壊されないようにしたかったのです。そのため、私たちはそれを壁付けのオーブンの上の鍵付きのキャビネットに中に設置しました」とセレーリさんは話します。
美しいウォルナット製のキャビネットのおかげで、キッチンには必要な機能が効率的に収まっています。「地元の家具職人である、JB Custom Woodworksのジェイソン・バンクスさんが、素晴らしい仕事をしてくれました」とセレーリさん。
木調パネルが前面に貼られた家電がシームレスな外観をつくり出し、レンジ部分の美しい花崗岩製のバックスプラッシュは、フォーカルポイントとして機能。レンジフードはウォルナット製の幕板の後ろに収まっています。
さらに、オーナーは、お気に入りの電化製品であるスチームオーブンを隠しておきたいと思っていたのだそう。「彼は、スチームオーブンを扱うのは簡単ではないことを知っていて、家を誰かに貸したときなどに、万が一にも壊されないようにしたかったのです。そのため、私たちはそれを壁付けのオーブンの上の鍵付きのキャビネットに中に設置しました」とセレーリさんは話します。
セレーリさんは、コストを削減し、家全体に統一感を持たせるために、3つのバスルームの天板には、すべてキッチンで使用したのと同じ花崗岩を使用しました。
メインバスルームでは、ウォルナットの洗面台が、ほかの部屋との一体性を印象付けています。シャワー室には、スペース効率の良いチーク材の跳ね上げ式ベンチが備えられています。
シャワー室の写真をもっと見る
メインバスルームでは、ウォルナットの洗面台が、ほかの部屋との一体性を印象付けています。シャワー室には、スペース効率の良いチーク材の跳ね上げ式ベンチが備えられています。
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1階とパティオを部分的に地面に埋め込むことが、約5.4メートルの高さ制限を満たす上での鍵となりました。
「2段ベッドの部屋は、貯蔵庫とサウナが融合したようなものです」とセレーリさんは言います。彼はこの半地下空間を快適なものにするために、壁、天井、階段を杉材で覆いました。
コンクリートの床には、床暖房が入っています。高窓は自然光を取り入れるためのもので、パティオにつながるガラス扉も同様の目的を果たしています。また、この階にもフルサイズのバスルームがあります。
「2段ベッドの部屋は、貯蔵庫とサウナが融合したようなものです」とセレーリさんは言います。彼はこの半地下空間を快適なものにするために、壁、天井、階段を杉材で覆いました。
コンクリートの床には、床暖房が入っています。高窓は自然光を取り入れるためのもので、パティオにつながるガラス扉も同様の目的を果たしています。また、この階にもフルサイズのバスルームがあります。
この家は、1階のパティオに覆い被さるように建てられているので、パティオは雨風と日射しから守られています。
ガラス扉は2段ベッドの部屋と直接つながっています。写真左手の蛇口からは温水と冷水が出るので、足に付いた砂を洗い流すのには最適です。
インテリアデザイナー・コーディネーターに相談する
ガラス扉は2段ベッドの部屋と直接つながっています。写真左手の蛇口からは温水と冷水が出るので、足に付いた砂を洗い流すのには最適です。
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