コメント
ウェルネスを促進するのための庭づくり、7つのヒント
英国RHSチェルシーフラワーショーで見つけた、心身ともに健康を高めるための庭づくりのヒントをご紹介します。
Victoria Harrison
2022年6月28日
心がやすらぐ落ち着いた庭から、身体の健康を改善するべく設計された食に焦点をあてた庭にいたるまで、今年5月に開催された英国RHSチェルシーフラワーショーでは刺激的なアイデアやヒントをたくさん見つけることができました。この夏、屋外スペースを充実させて、心身ともに健康になるための庭づくりをしてみませんか。
1. 水を取り入れる
今年のフラワーショーで見られたガーデンデザインには、心を癒し、落ち着きと若返りをもたらすような「水の力」をテーマとするものが多く見られました。ニッキ・ホリエーによってデザインされたMandala, Meditation and Mindfulness Garden(写真)では、噴水が空間の中心的要素として扱われています。
このガーデンは「パンデミックによって生み出された状況」に着想を得た「避難のための場所」として提案されています。水の要素を中心としてデザインされた庭は、穏やかな音と動きをもたらし、小さな都市空間の中でもいかに効果を発揮するかを示しています。
今年のフラワーショーで見られたガーデンデザインには、心を癒し、落ち着きと若返りをもたらすような「水の力」をテーマとするものが多く見られました。ニッキ・ホリエーによってデザインされたMandala, Meditation and Mindfulness Garden(写真)では、噴水が空間の中心的要素として扱われています。
このガーデンは「パンデミックによって生み出された状況」に着想を得た「避難のための場所」として提案されています。水の要素を中心としてデザインされた庭は、穏やかな音と動きをもたらし、小さな都市空間の中でもいかに効果を発揮するかを示しています。
2. 軽い運動のための場所を設ける
トニー・ウッズによってデザインされたA Garden Sanctuary By Hamptons(写真)では「リラックス、プレイ、リセット」のために屋外空間を作ることが中心的テーマになっています。展示会では、焼き加工された外壁の小屋の外に、小さなデッキエリアが設置され、ヨガや瞑想、そして軽い運動の場所として使用されました。
このガーデンには、没入型の体験を演出するための木や水も配置されていますが、小規模なスペースでもこのような体験をすることは可能です。ヨガマットを敷くのに十分な静かなスペースを日陰に設け、近くに植物を配置するだけで、どのような規模のガーデンでも同様の体験が可能になります。
トニー・ウッズによってデザインされたA Garden Sanctuary By Hamptons(写真)では「リラックス、プレイ、リセット」のために屋外空間を作ることが中心的テーマになっています。展示会では、焼き加工された外壁の小屋の外に、小さなデッキエリアが設置され、ヨガや瞑想、そして軽い運動の場所として使用されました。
このガーデンには、没入型の体験を演出するための木や水も配置されていますが、小規模なスペースでもこのような体験をすることは可能です。ヨガマットを敷くのに十分な静かなスペースを日陰に設け、近くに植物を配置するだけで、どのような規模のガーデンでも同様の体験が可能になります。
3. 食のガーデンを育む
今年のトレンドのひとつとして、自家栽培の食材による身体的健康の促進もよく見られました。アン・トレネマンによってデザインされたThe Wild Kitchen Garden(写真)は、小規模のスペースで健康増進を目指す良い例でした。このデザインでは、鉢植えの植栽を使って、野生の食用植物や樹木をコンパクトな都会の環境に持ち込む方法が示されました。
生鮮な食材の採取は、ハワード・ミラーとヒュー・ミラーによってデザインされたThe Alder Hey Urban Foraging Stationのテーマでもありました。そこではさまざまなハーブがランドスケープデザインの中に組み込まれて育てられています。
こちらもあわせて
夏の料理をワンランクアップ! 基本のハーブ11種を育てよう
今年のトレンドのひとつとして、自家栽培の食材による身体的健康の促進もよく見られました。アン・トレネマンによってデザインされたThe Wild Kitchen Garden(写真)は、小規模のスペースで健康増進を目指す良い例でした。このデザインでは、鉢植えの植栽を使って、野生の食用植物や樹木をコンパクトな都会の環境に持ち込む方法が示されました。
生鮮な食材の採取は、ハワード・ミラーとヒュー・ミラーによってデザインされたThe Alder Hey Urban Foraging Stationのテーマでもありました。そこではさまざまなハーブがランドスケープデザインの中に組み込まれて育てられています。
こちらもあわせて
夏の料理をワンランクアップ! 基本のハーブ11種を育てよう
4. 会話のための空間を提供する
「会話を促進」する安全な空間としてのガーデン、というコンセプトは、ジェイミー・バターワースによってデザインされたThe Place2Be Securing Tomorrow Gardenのベースになっています。
このガーデンは、植物や自然界とのつながりが心の健康と幸福のために重要であるという考えにもとづき、意図的に緑あふれる環境が安心感を醸成するよう計画されており、子どもも大人も安心して会話ができる場所が多く設けられています。
小さなベンチや岩を設置したり、あるいは単純に花壇を延長したりするだけでも、屋外での会話の場は生まれます。また、生い茂る葉と常緑樹を多用すれば、繭のような親密な雰囲気を持つ特別なガーデンが作り出せるでしょう。
「会話を促進」する安全な空間としてのガーデン、というコンセプトは、ジェイミー・バターワースによってデザインされたThe Place2Be Securing Tomorrow Gardenのベースになっています。
このガーデンは、植物や自然界とのつながりが心の健康と幸福のために重要であるという考えにもとづき、意図的に緑あふれる環境が安心感を醸成するよう計画されており、子どもも大人も安心して会話ができる場所が多く設けられています。
小さなベンチや岩を設置したり、あるいは単純に花壇を延長したりするだけでも、屋外での会話の場は生まれます。また、生い茂る葉と常緑樹を多用すれば、繭のような親密な雰囲気を持つ特別なガーデンが作り出せるでしょう。
5. 子どもたちが遊べるスペースを作る
多くの家族向けのガーデンは芝生が中心になっていますが、少し創造的に考えてみることで、遊びや冒険を促すように設計された小さな隠れ家、楽しい要素、採取の機会を備えた、真に魔法のような屋外空間を作ることができるでしょう。
Alder Hey Urban Foraging Stationは、子どもたちの心身の健康を重視して設計されています。「食物を採取し、健康的な食事を共有し、共にリラックスし、その瞬間を共有することで、自然との関わりを促進する」ことを目的に、NHS(国民健康保健制度)の心の健康のための5つのステップに沿った、若い心を引き付ける刺激的な屋外世界を作り出しています。
こちらもあわせて
子どもが喜ぶ! 大人も子どもも思う存分遊べる庭
多くの家族向けのガーデンは芝生が中心になっていますが、少し創造的に考えてみることで、遊びや冒険を促すように設計された小さな隠れ家、楽しい要素、採取の機会を備えた、真に魔法のような屋外空間を作ることができるでしょう。
Alder Hey Urban Foraging Stationは、子どもたちの心身の健康を重視して設計されています。「食物を採取し、健康的な食事を共有し、共にリラックスし、その瞬間を共有することで、自然との関わりを促進する」ことを目的に、NHS(国民健康保健制度)の心の健康のための5つのステップに沿った、若い心を引き付ける刺激的な屋外世界を作り出しています。
こちらもあわせて
子どもが喜ぶ! 大人も子どもも思う存分遊べる庭
6. 他者とつながるためのスペースを作り出す
社会的なつながりを促すべくガーデンを組み合わせるというのは、アンディ・スミス-ウィリアムズがデザインしたThe Core Arts Front Garden Revolutionが提唱する興味深いコンセプトです。
2棟の別々の家にまたがる共同前庭のデザインは「インクルージョンを促進し、人とコミュニティの関係を再構築することによって、メンタルヘルスの問題を抱えている人々をサポートする」というコア・アーツのミッションを反映しています。
お互いの庭が見渡せるような金網フェンスをガーデン間に設置することから、コミュニティでの種の交換や植物の共有をすることに至るまで、屋外スペースをつなげて他者と交流する方法を見直せば、ガーデン作りのヒントが得られるかもしれません。
社会的なつながりを促すべくガーデンを組み合わせるというのは、アンディ・スミス-ウィリアムズがデザインしたThe Core Arts Front Garden Revolutionが提唱する興味深いコンセプトです。
2棟の別々の家にまたがる共同前庭のデザインは「インクルージョンを促進し、人とコミュニティの関係を再構築することによって、メンタルヘルスの問題を抱えている人々をサポートする」というコア・アーツのミッションを反映しています。
お互いの庭が見渡せるような金網フェンスをガーデン間に設置することから、コミュニティでの種の交換や植物の共有をすることに至るまで、屋外スペースをつなげて他者と交流する方法を見直せば、ガーデン作りのヒントが得られるかもしれません。
7. 一年中楽しめる植物を植える
多くのガーデンは春と夏にピークを迎えますが、少し頭を使うだけで、一年中に渡って心身の健康を養うように設計することもできるでしょう。
興味と食材を一年中提供する植物を採用しているThe Core Arts Front Garden Revolutionは、継続的にメンタルヘルスをサポートし、四季を通して関心を誘うようデザインされています。
開花と成長の季節を拡張することで、ガーデンができるだけ長い間興味深く、魅力的であるような花と木と食用植物の組み合わせを選択してみてはいかがでしょうか。
こちらの記事もあわせて
ガーデニングの最新トレンド【英国チェルシーフラワーショー2022報告】
多くのガーデンは春と夏にピークを迎えますが、少し頭を使うだけで、一年中に渡って心身の健康を養うように設計することもできるでしょう。
興味と食材を一年中提供する植物を採用しているThe Core Arts Front Garden Revolutionは、継続的にメンタルヘルスをサポートし、四季を通して関心を誘うようデザインされています。
開花と成長の季節を拡張することで、ガーデンができるだけ長い間興味深く、魅力的であるような花と木と食用植物の組み合わせを選択してみてはいかがでしょうか。
こちらの記事もあわせて
ガーデニングの最新トレンド【英国チェルシーフラワーショー2022報告】
おすすめの記事
専門家とのやりとり
庭づくりをプロに依頼する前に知っておきたい、コストとメリット
文/藤間紗花
庭づくりをプロに依頼するのには、どのようなメリットあるのでしょう?また、どのくらいの費用が必要になるのでしょう?4人の専門家の方々にインタビューしました。
続きを読む
庭づくり
お手入れが楽な庭をつくるには?
文/舩村佳織
忙しいと、ついつい後回しになってしまう庭のお手入れ。育てやすい植物や、水まきのアイテムなど、お手入れを少しでも楽にするためのアイデアをご紹介します。
続きを読む
庭づくり
冬にしかできない作業を忘れずに行い、来春に備えよう【12月のガーデニング】
文/舩村佳織
庭仕事の中でも大切な剪定や土づくりの時期。地味な作業をしっかり行って来春の景色をより良いものにしましょう。
続きを読む
造園・ガーデニング
「枯山水」入門。その成り立ち、鑑賞ポイントとは?
文/舩村佳織
日本の庭園を代表する枯山水。海外では「Zen Garden」と呼ばれ、庭のスタイルのひとつとして確立されています。枯山水の成り立ち、観賞ポイント、そして自宅への導入事例をコンパクトにまとめました。
続きを読む
植物
土が乾きやすく、植物もバテる夏。水切れに気をつけよう【8月のガーデニング】
文/舩村佳織
暑い日差しに植物も夏バテ気味になる厳しい季節。熱中症に気を付けながら、夏を乗り切りましょう!
続きを読む