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ガーデニングの最新トレンド【英国チェルシーフラワーショー2022報告】
毎年ガーデニングの最新トレンドが生まれるチェルシーフラワーショー。Houzz英国版編集部が会場で得た庭づくりのトレンド情報をお届けします。

Amanda Pollard
2022年6月13日
5月24日から28日まで開催された2022年のRHSチェルシーフラワーショーは、インスピレーションに溢れていました。美しい庭を作り上げ、心を豊かにし、野生の鳥や動物たちに食物が豊富な生息地を提供する方法が、多くのデザイナーによって紹介されていました。その中から、7つのガーデントレンドを見ていきましょう。
1.ライメート・ポジティブな庭
二酸化炭素の排出量よりも吸収量の方が多い状態をクライメート・ポジティブと言いますが、クライメート・ポジティブなお庭づくりをしてみませんか?
家の前庭や裏庭にある小さな土地は取るに足らないように映るかもしれませんが、たとえばイギリスの個人の庭をすべて足すと、4,330平方キロメートルのスペースにもなり、それはウェールズ州のほぼ5分の1のサイズに匹敵します。自分たちの庭の使い方が環境への貴重な貢献に直結していることを認識することも大切でしょう。
人々にもっと蜂に優しい植物を育ててもらえるようデザインした、ジョー・スウィフト(Joe Swift)によるBBC Studios Our Green Planet and RHS Bee Garden(写真)や、誰もが土を大切にし、ひょっとしたら自分で堆肥作りまで手掛けては、と提案しているジュリエット・サージェントさんによるThe New Blue Peter Garden – Discover Soilからヒントを得ることができるはずです。
二酸化炭素の排出量よりも吸収量の方が多い状態をクライメート・ポジティブと言いますが、クライメート・ポジティブなお庭づくりをしてみませんか?
家の前庭や裏庭にある小さな土地は取るに足らないように映るかもしれませんが、たとえばイギリスの個人の庭をすべて足すと、4,330平方キロメートルのスペースにもなり、それはウェールズ州のほぼ5分の1のサイズに匹敵します。自分たちの庭の使い方が環境への貴重な貢献に直結していることを認識することも大切でしょう。
人々にもっと蜂に優しい植物を育ててもらえるようデザインした、ジョー・スウィフト(Joe Swift)によるBBC Studios Our Green Planet and RHS Bee Garden(写真)や、誰もが土を大切にし、ひょっとしたら自分で堆肥作りまで手掛けては、と提案しているジュリエット・サージェントさんによるThe New Blue Peter Garden – Discover Soilからヒントを得ることができるはずです。
Flock Partyのアリソン・オレリャナ・マルーフとス‐ヨン・アンジェラ・チョェがデザインした、Jay Day Garden(写真)が示すように、小さなバルコニーにある庭でさえ環境にインパクトをもたらすことができるのです。鳥の餌になるヘーゼルナッツの木や、苔むす床下部分など、コンパクトな庭には様々な植物をまとめ上げるアイデアで一杯。カケスがナッツを苔の中に隠すこともできますよ。
庭・ランドスケープの写真を見る
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2.晴らしい野草の植栽
最近の自由で自然な植栽のトレンドは、今年のRHSチェルシーフラワーショーでも続いており、多年草や野草を組み合わせた庭がいくつも見受けられます。エレガントなモウズイカ(Verbascums)やダイコンソウ(Geums)、アイリス、キンポウゲ(写真に写っているのは、ルル・アーカートとアダム・ハントによる自然に回帰するイギリスのランドスケープガーデン)、カッコウセンノウ、フランスギクなど様々。
「何でもあり」のアプローチで感じたインスピレーションをご自宅の庭に活かし、ご自身や野生の鳥や動物たちが喜ぶ多様な種類の植物を取り入れてみてください。うまくいくようでしたら数種の「雑草」との組み合わせも楽しんでみてはいかがでしょうか。
最近の自由で自然な植栽のトレンドは、今年のRHSチェルシーフラワーショーでも続いており、多年草や野草を組み合わせた庭がいくつも見受けられます。エレガントなモウズイカ(Verbascums)やダイコンソウ(Geums)、アイリス、キンポウゲ(写真に写っているのは、ルル・アーカートとアダム・ハントによる自然に回帰するイギリスのランドスケープガーデン)、カッコウセンノウ、フランスギクなど様々。
「何でもあり」のアプローチで感じたインスピレーションをご自宅の庭に活かし、ご自身や野生の鳥や動物たちが喜ぶ多様な種類の植物を取り入れてみてください。うまくいくようでしたら数種の「雑草」との組み合わせも楽しんでみてはいかがでしょうか。
3.癒やしのためのアウトドアスペース
庭がメンタルヘルスケアに役立つということは広く知られており、2022年のチェルシーフラワーショーでも多く庭のテーマになっています。
興味深い例としては、アンディ・スミス-ウイリアムズのデザインしたCore Arts Front Garden Revolution(写真)があります。
Core Artsは1992年にロンドンで設立されたメンタルヘルスケアの重要性を啓蒙している団体で、ここでは、2軒の隣人同士がフロントガーデンの塀を取り除き、共有スペースを作り上げるなど、Core Artsの使命である、メンタルヘルスケアとソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)を反映した庭が提示されています。
子どもたちの心の健康に焦点を当てたジェイミー・バターワース)による、The Place2Be Securing Tomorrow Gardenは、様々な形の石や彫刻的なベンチ、飛び石の小道など、小さな子どもたちを庭に誘い出すアイデアに溢れています。
庭がメンタルヘルスケアに役立つということは広く知られており、2022年のチェルシーフラワーショーでも多く庭のテーマになっています。
興味深い例としては、アンディ・スミス-ウイリアムズのデザインしたCore Arts Front Garden Revolution(写真)があります。
Core Artsは1992年にロンドンで設立されたメンタルヘルスケアの重要性を啓蒙している団体で、ここでは、2軒の隣人同士がフロントガーデンの塀を取り除き、共有スペースを作り上げるなど、Core Artsの使命である、メンタルヘルスケアとソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)を反映した庭が提示されています。
子どもたちの心の健康に焦点を当てたジェイミー・バターワース)による、The Place2Be Securing Tomorrow Gardenは、様々な形の石や彫刻的なベンチ、飛び石の小道など、小さな子どもたちを庭に誘い出すアイデアに溢れています。
4.色彩心理学
賑やかなオレンジやマゼンタからクールなブルーや紫、ソフトピンクまで、様々な色彩が、ショー全体を彩ります。色は気分や感情の表現としてよく使われ、庭に出て気分を落ち着けたり、高めたりするのに役立ちます。
たとえば、田邑嘉浩(たむらよしひろ)のThe Circle of Life gardenには、人間の感情を表すような様々な色のハーブや野草、野菜が植えられています。癒しのグリーン、情熱的なレッド、温かみのあるイエローが、純粋さを表すホワイトや日常生活の悩みや心配を体現するブラックと組み合わされています。
ポリアンナ・ウィルキンソンによるThe Mothers for Mothers Garden – ‘This Too Shall Pass’(写真)は、そこに植えられた植物の色のグラデーションが、様々な段階での母親の感情を表現。憂鬱なブルーは穏やかな桃色やピンクになり、ついには生き生きと希望に満ちたマゼンタやレッドへと移り変わっていくのです。
賑やかなオレンジやマゼンタからクールなブルーや紫、ソフトピンクまで、様々な色彩が、ショー全体を彩ります。色は気分や感情の表現としてよく使われ、庭に出て気分を落ち着けたり、高めたりするのに役立ちます。
たとえば、田邑嘉浩(たむらよしひろ)のThe Circle of Life gardenには、人間の感情を表すような様々な色のハーブや野草、野菜が植えられています。癒しのグリーン、情熱的なレッド、温かみのあるイエローが、純粋さを表すホワイトや日常生活の悩みや心配を体現するブラックと組み合わされています。
ポリアンナ・ウィルキンソンによるThe Mothers for Mothers Garden – ‘This Too Shall Pass’(写真)は、そこに植えられた植物の色のグラデーションが、様々な段階での母親の感情を表現。憂鬱なブルーは穏やかな桃色やピンクになり、ついには生き生きと希望に満ちたマゼンタやレッドへと移り変わっていくのです。
5. マルチタスクスペース
多く人が庭で過ごす時間を増やしたいと望んでいるなかで、屋外でも室内での活動ができるスペースを創出することは当然の流れでしょう。ケイト・グールドによるOut of the Shadows gardenは、スイミングスパ、クライミングバー、ヨガスペース、シーティングエリアなど、たくさんのアイデアに溢れています。
あるいは、A Garden Sanctuary by Hamptonsの写真に見られるような、トニー・ウッズによるデザインのカーボンニュートラルなガーデンキャビンを自分で建ててはいかがでしょう。
多く人が庭で過ごす時間を増やしたいと望んでいるなかで、屋外でも室内での活動ができるスペースを創出することは当然の流れでしょう。ケイト・グールドによるOut of the Shadows gardenは、スイミングスパ、クライミングバー、ヨガスペース、シーティングエリアなど、たくさんのアイデアに溢れています。
あるいは、A Garden Sanctuary by Hamptonsの写真に見られるような、トニー・ウッズによるデザインのカーボンニュートラルなガーデンキャビンを自分で建ててはいかがでしょう。
6. イトタッチガーデニング
毎日のように水やりをしたり農薬を散布したりして、植物を無理やり育てる時代は過去のもの。今年のチェルシーでは、育てる側があまり手をかけることなく、特定の条件でよく育つ植物を提案している庭がいくつもあります。
ポール・ハーベイ-ブルックスによるデザインのBrewin Dolphin Gardenには、ブラウンフィールド(土壌汚染により再利用が困難な土地)に建つ家屋の劣悪な土壌条件でも育つ植物が植えられています。汚染された都市の土壌の修復や空気中のCO2の吸収に、在来種や固有種の植物の組み合わせが有効である一方で、手間がかからず、開花期間の長い低木や多年生植物は、花粉を集める動物や昆虫に蜜と生息環境を与えているのです。
ビー・タンによるEnchanted Rain Garden(写真)には、雨水を保ち濡れると輝く力強いテクスチャを持ち、湿潤な気候で育つ鉢植え植物がいっぱい。一方、アン・トレナマンのWild Kitchen Gardenには、育て易く手軽で食用になる植物や木が植えられています。ご自宅の庭の土壌や気候条件で簡単に育つ植物を選ぶということを忘れないでくださいね。
毎日のように水やりをしたり農薬を散布したりして、植物を無理やり育てる時代は過去のもの。今年のチェルシーでは、育てる側があまり手をかけることなく、特定の条件でよく育つ植物を提案している庭がいくつもあります。
ポール・ハーベイ-ブルックスによるデザインのBrewin Dolphin Gardenには、ブラウンフィールド(土壌汚染により再利用が困難な土地)に建つ家屋の劣悪な土壌条件でも育つ植物が植えられています。汚染された都市の土壌の修復や空気中のCO2の吸収に、在来種や固有種の植物の組み合わせが有効である一方で、手間がかからず、開花期間の長い低木や多年生植物は、花粉を集める動物や昆虫に蜜と生息環境を与えているのです。
ビー・タンによるEnchanted Rain Garden(写真)には、雨水を保ち濡れると輝く力強いテクスチャを持ち、湿潤な気候で育つ鉢植え植物がいっぱい。一方、アン・トレナマンのWild Kitchen Gardenには、育て易く手軽で食用になる植物や木が植えられています。ご自宅の庭の土壌や気候条件で簡単に育つ植物を選ぶということを忘れないでくださいね。
7. 都会の中の自然
今年のチェルシーでは、多くのデザイナーが自然を都市環境の中に取り込む方法を提案しており、都市生活者にとってインスピレーション溢れるショーとなっています。タイシャン・ヘイデン-スミスとダニー・クラークによる、Hands Off Mangrove by Grow2Know gardenには、都会の景観にうってつけで、花粉を集める動物や昆虫にも優しい食用の植物が植えられています。きっとインスピレーションが得られることでしょう。
The Cirrus balcony garden(写真)は、ビルの18階に自宅のバルコニーガーデンを所有するジェイソン・ウィリアムズがデザインしたもの。 彼はチェルシーショーで再現したスペースでは、野花や多年生植物、ハーブ、野菜畑、さらには魚のいる池までをも小さな都市空間の中に凝縮する方法を示しています。
造園・ガーデンデザインの専門家を探す
今年のチェルシーでは、多くのデザイナーが自然を都市環境の中に取り込む方法を提案しており、都市生活者にとってインスピレーション溢れるショーとなっています。タイシャン・ヘイデン-スミスとダニー・クラークによる、Hands Off Mangrove by Grow2Know gardenには、都会の景観にうってつけで、花粉を集める動物や昆虫にも優しい食用の植物が植えられています。きっとインスピレーションが得られることでしょう。
The Cirrus balcony garden(写真)は、ビルの18階に自宅のバルコニーガーデンを所有するジェイソン・ウィリアムズがデザインしたもの。 彼はチェルシーショーで再現したスペースでは、野花や多年生植物、ハーブ、野菜畑、さらには魚のいる池までをも小さな都市空間の中に凝縮する方法を示しています。
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