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眼下に広がる景色を家族みんなで楽しむ、兵庫県宝塚市の丘の上に建つ家
SE構法の性能を最大限に活かした、ビルトインガレージのある家。室内のどこに居ても、みごとな眺望が望めます。
永井理恵子
2022年4月20日
兵庫県宝塚市の丘の上にある土地との偶然の出会いをきっかけに、家を建てることを決めたオーナー夫妻。「これだけ景色がいい場所ならここに住むのもアリだなと考え、ある意味衝動的に家を建てることを決めました」とオーナーが語るように、窓の外には宝塚の街並みと連なる山並みを一望する景色が広がります。
実は、オーナー夫妻にとって我が家を新築するのは2度目のこと。以前暮らした家を建てた工務店との家づくりりもよいけれど、違うカタチで建てるのもいいかと考えたのだそう。ネット上で調べていくうちに、耐震性能に優れていて、開放的な空間が実現しやすい“SE構法"に興味を持ち、SE構法での施工が可能な株式会社WHALE HOUSEを見つけました。ホームページのテイストから、自分たちの感性と合うと直感し、家づくりのパートナーに選びました。
実は、オーナー夫妻にとって我が家を新築するのは2度目のこと。以前暮らした家を建てた工務店との家づくりりもよいけれど、違うカタチで建てるのもいいかと考えたのだそう。ネット上で調べていくうちに、耐震性能に優れていて、開放的な空間が実現しやすい“SE構法"に興味を持ち、SE構法での施工が可能な株式会社WHALE HOUSEを見つけました。ホームページのテイストから、自分たちの感性と合うと直感し、家づくりのパートナーに選びました。
どんなHouzz?
所在地:兵庫県宝塚市
住まい手:オーナー、奥さま、長女(16歳)、次女(13歳)、愛犬2匹
敷地面積:304.51㎡
建築面積:107.64㎡
延床面積:174.41㎡
構造:木造ラーメン法(SE構法)
竣工:2021年5月
設計・施工: 株式会社WHALE HOUSE
SE構法とは、独自開発のSE金物と信頼性の高い構造材を用いた木造ラーメン構造です。筋交いをなくし、耐力壁を最小限に抑えることができるため、木造住宅でありながら、この土地から見える景色を活かす広い空間を実現できるのではないかと考えたオーナーは、SE構法で家を建てたいと考えました。
所在地:兵庫県宝塚市
住まい手:オーナー、奥さま、長女(16歳)、次女(13歳)、愛犬2匹
敷地面積:304.51㎡
建築面積:107.64㎡
延床面積:174.41㎡
構造:木造ラーメン法(SE構法)
竣工:2021年5月
設計・施工: 株式会社WHALE HOUSE
SE構法とは、独自開発のSE金物と信頼性の高い構造材を用いた木造ラーメン構造です。筋交いをなくし、耐力壁を最小限に抑えることができるため、木造住宅でありながら、この土地から見える景色を活かす広い空間を実現できるのではないかと考えたオーナーは、SE構法で家を建てたいと考えました。
設計は、WHALE HOUSEの黒田知宏さんです。初めてこの土地を訪れた黒田さんは、上り坂から見上げるような面と、上りきって街中を見下ろす面の二面性があることに気付いたそうです。
窓は南側に、玄関は北側に面しています。特に土地の南側はがけ地のため、プライバシーと採光が十分に確保できること、眺望を活かすため南面に可能な限り大きな窓を設けることを考えました。
「ガラス手すりを活かすため、南側の外観は、黒い箱が跳ね出したようなデザインにしました」と黒田さん。
窓は南側に、玄関は北側に面しています。特に土地の南側はがけ地のため、プライバシーと採光が十分に確保できること、眺望を活かすため南面に可能な限り大きな窓を設けることを考えました。
「ガラス手すりを活かすため、南側の外観は、黒い箱が跳ね出したようなデザインにしました」と黒田さん。
プランニングにあたりオーナーがリクエストしたのは、長く所有している愛車を眺められること、シアタールームがあること、間取りにゆとりがあることの大きく3点でした。
この家が建つ敷地は2段になっており、建物自体は土地の下段に接し、2階部分が覆い被さるように跳ね出しているのが特徴です。北側の道路から玄関を見たときに少し浮いているように感じられるよう意識して設計したと、黒田さんは話します。
北側から見ると1階に見える玄関とリビングは、南側から見ると2階に位置します。
この家が建つ敷地は2段になっており、建物自体は土地の下段に接し、2階部分が覆い被さるように跳ね出しているのが特徴です。北側の道路から玄関を見たときに少し浮いているように感じられるよう意識して設計したと、黒田さんは話します。
北側から見ると1階に見える玄関とリビングは、南側から見ると2階に位置します。
玄関には2つの動線があります。1つは直接LDKヘ、もう1つはシューズクロークを介してダイニングへ向かいます。写真の右手はシューズクローク、手前の扉はトイレです。
玄関からLDKへ。南に面したLDKには一面ガラス窓を配し、街並みを一望できます。木造でありながら柱が少なく開放的な空間を実現できているのは、SE構法のおかげ。
「せっかくの眺めを活かすには家の中をできるだけシンプルにしたいと考えたときに、SE構法がしっくりきました」とオーナーは語ります。
コンクリートとは違う木の良さを感じながら、大開口の気持ちのいい空間を両立しています。
「せっかくの眺めを活かすには家の中をできるだけシンプルにしたいと考えたときに、SE構法がしっくりきました」とオーナーは語ります。
コンクリートとは違う木の良さを感じながら、大開口の気持ちのいい空間を両立しています。
ガレージとリビングが隣接しており、愛車を眺めることができます。
20年に渡り大切に乗り続けている旧いドイツ車は家族の一員でもあり「ふとしたときに視界に入ると、思わず笑顔になってしまいますね」とオーナーは目を細めます。
20年に渡り大切に乗り続けている旧いドイツ車は家族の一員でもあり「ふとしたときに視界に入ると、思わず笑顔になってしまいますね」とオーナーは目を細めます。
システムキッチンはハンセムを選びセミオーダーしました。
ダイニングキッチンの面積はおよそ14畳。「南側がガラス張りなので、もっと広く感じます」と夫妻は口をそろえます。
ダイニングキッチンの面積はおよそ14畳。「南側がガラス張りなので、もっと広く感じます」と夫妻は口をそろえます。
キッチンには壁面収納を採用し、扉を造作しています。食器のほか家電も収納できるので、キッチンをいつでもスッキリと保てます。
キッチンとダイニングテーブルがT字型に一体化しており、食事の時間が近づくと、料理を作る奥さまのそばに家族が自然と集います。「ダイニングに家族が集まる光景を理想として、大切な空間を作りました」と、オーナーは今回の家づくりの秘訣を教えてくれました。
キッチンとダイニングテーブルがT字型に一体化しており、食事の時間が近づくと、料理を作る奥さまのそばに家族が自然と集います。「ダイニングに家族が集まる光景を理想として、大切な空間を作りました」と、オーナーは今回の家づくりの秘訣を教えてくれました。
家の中から南に広がる眺望を余すことなく楽しめるように、バルコニーにはガラス手すりを採用しました
ここからは、玄関からのもう1つの動線をたどります。玄関からの2つの動線のうち、家族が日常的に使うのは、シューズクロークからダイニングへ向かう動線です。
スニーカーやワークシューズなどをこだわってコレクションしているオーナーにとって、十分な収納量を確保したシューズクロークは必須でした。ディスプレイできるように棚の背面に照明を取り付けました。
シューズクロークからダイニングへ向かう途中には、ファミリークローゼット、洗面室、浴室、ランドリールームが並びます。
シューズクロークのアイデアをもっと見る
スニーカーやワークシューズなどをこだわってコレクションしているオーナーにとって、十分な収納量を確保したシューズクロークは必須でした。ディスプレイできるように棚の背面に照明を取り付けました。
シューズクロークからダイニングへ向かう途中には、ファミリークローゼット、洗面室、浴室、ランドリールームが並びます。
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ファミリークローゼットへは、玄関からはもちろん、隣接する洗面室からも行き来できます。
クローゼットの中には鏡やベンチはもちろん、棚にはネクタイのような小物やアクセサリーをひと目で見つけられる引き出しを備えており、まるでショップのような空間に仕上がっています。
クローゼットの中には鏡やベンチはもちろん、棚にはネクタイのような小物やアクセサリーをひと目で見つけられる引き出しを備えており、まるでショップのような空間に仕上がっています。
ファミリークローゼットの隣は洗面室。さらに浴室へとつながります。南に面した浴室の窓からは、宝塚の街並みを一望できます。
バスルームの広さは4.44㎡。広すぎず、プライベート感があり、とても落ち着くといいます。夕暮れどき、山へと沈む夕陽が生み出す美しい景色が見えます。「その時間にお風呂に入るのがとても楽しみなんです」と奥さまは話します。
バスルームはオーナーもお気に入りの空間で、Bluetoothのスピーカーを持ち込み、その日の気分に合った音楽を選んで聴くのが楽しみだと言います。
バスルームの広さは4.44㎡。広すぎず、プライベート感があり、とても落ち着くといいます。夕暮れどき、山へと沈む夕陽が生み出す美しい景色が見えます。「その時間にお風呂に入るのがとても楽しみなんです」と奥さまは話します。
バスルームはオーナーもお気に入りの空間で、Bluetoothのスピーカーを持ち込み、その日の気分に合った音楽を選んで聴くのが楽しみだと言います。
バスルームの隣はランドリールームです。365日いつでもここで洗濯物を干して乾かします。ランドリールームの洗面台は、愛犬のシャンプーにも活躍します。
ランドリールームはキッチンとも隣接しており、玄関からダイニングキッチンへと抜ける動線に、家事に関する空間が集約されています。「家事動線は完璧です!」と奥さまは笑顔で語ります。
ランドリールームはキッチンとも隣接しており、玄関からダイニングキッチンへと抜ける動線に、家事に関する空間が集約されています。「家事動線は完璧です!」と奥さまは笑顔で語ります。
LDKがある2階と1階を、スケルトン階段がつなぎます。1階には家族の寝室やセカンドリビング、シアタールームが、3階にはロフトとフラットルーフがあります。
1階に配した坪庭は、吹き抜けになっています。
スケルトン階段のアイデアをもっと見る
1階に配した坪庭は、吹き抜けになっています。
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家族の寝室の中心にセカンドリビングとして家族が集うホールがあります。窓の外には、1階とは思えない眺望が広がります。
シアタールームは、1階のセカンドリビングの隣に位置します。音楽を聴いたり映画を観るのが趣味であるオーナーの希望で設けた一室です。スピーカーはKEF、アンプはマランツのものを選びました。
「大人のための空間のようですが、今は子ども達のほうがよく使っています」と奥さまが話すように、ライブを見たり、楽器の練習をしたり、家族みんなで活用しています。
「大人のための空間のようですが、今は子ども達のほうがよく使っています」と奥さまが話すように、ライブを見たり、楽器の練習をしたり、家族みんなで活用しています。
屋上には娘さん2人のスタディスペースであるロフトがあり、そこからフラットルーフに出られます。黒田さんが最初に提案したプランからほとんど変更しなかったのですが、唯一、途中で思いついて作ったのがこの空間です。
竣工からおよそ1年。季節が一巡し、この家の住み心地の良さを実感しているとオーナー夫妻は語ります。
「丘の上なので本来冬は寒いはずが、とても温かい。夏の夕方に窓を開けると風がスッと抜けて気持ちがいいんです」と奥さま。
そして何より、家に帰ってくるのが楽しくてたまらないと語るオーナー。「毎日、朝も夜も『なんとカッコイイ家なんだ!』と思いながら通勤しています。家を見ながら楽しく帰って来るというのはなかなかできない経験。本当に幸せですね。この気持ちは1年が過ぎる今も変わりません」
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「丘の上なので本来冬は寒いはずが、とても温かい。夏の夕方に窓を開けると風がスッと抜けて気持ちがいいんです」と奥さま。
そして何より、家に帰ってくるのが楽しくてたまらないと語るオーナー。「毎日、朝も夜も『なんとカッコイイ家なんだ!』と思いながら通勤しています。家を見ながら楽しく帰って来るというのはなかなかできない経験。本当に幸せですね。この気持ちは1年が過ぎる今も変わりません」
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