中庭によって自然へと開かれるムンバイのメゾネット
シームレスに流れる空間によって光や緑を取り込む、美しい住まいをご紹介します。
Vinita Kunnath
2022年6月7日
どんなHouzz?
住まい手: オーナーご夫妻と息子さん
所在地: マハーラーシュトラ州ムンバイ、インド
竣工時期: 2019年
面積: 290平方メートル(3つの寝室と3つのバスルーム・パウダールーム)
設計: Architecture BRIO
写真: PHX IndiaのIra Gosalia
ムンバイ郊外のにぎやかな街・ジュフーに新しく開発された集合住宅に、メゾネットを所有していたオーナー。デザイン事務所・Architecture BRIOへの依頼概要には、「屋内空間と屋外の関係を再定義する住宅の設計」という、緑の空間に対する、オーナーのあこがれが反映されていました。
Architecture BRIOの設立者兼ディレクターであるShefali Balwani(シェファリ・バルワニ)さんは、建物の建築家と協力して、2つの階にまたがる屋根付きの中庭を住戸の中央に設置しました。シームレスに流れる空間と、光と自然を大量に取り込む大きな窓によって、屋内外の強固なつながりがつくり出されています。
住まい手: オーナーご夫妻と息子さん
所在地: マハーラーシュトラ州ムンバイ、インド
竣工時期: 2019年
面積: 290平方メートル(3つの寝室と3つのバスルーム・パウダールーム)
設計: Architecture BRIO
写真: PHX IndiaのIra Gosalia
ムンバイ郊外のにぎやかな街・ジュフーに新しく開発された集合住宅に、メゾネットを所有していたオーナー。デザイン事務所・Architecture BRIOへの依頼概要には、「屋内空間と屋外の関係を再定義する住宅の設計」という、緑の空間に対する、オーナーのあこがれが反映されていました。
Architecture BRIOの設立者兼ディレクターであるShefali Balwani(シェファリ・バルワニ)さんは、建物の建築家と協力して、2つの階にまたがる屋根付きの中庭を住戸の中央に設置しました。シームレスに流れる空間と、光と自然を大量に取り込む大きな窓によって、屋内外の強固なつながりがつくり出されています。
一方をガラスに囲まれた玄関ホールは、開かれた中庭を左手に見ながらリビングへとつながります。下階は、流れるようにつながる独立した複数の空間で構成されています。この特徴は、むき出しのレンガ壁や工業的な金属窓、そしてコンクリート床と組み合わされることで、シックなロフトのような佇まいをつくり出しています。カラーテーマとしては茶系と緑系の色が選ばれており、この住宅を特徴付けるナチュラルな雰囲気と完璧に調和します。
レンガの壁とコンクリートの床によって、リビングとテレビルームがシームレスにつながります。テレビルームは、つくり付けの大きなデイベッド(写真外)を備えた普段使いの空間で、引き戸を閉めれば閉じられた空間になり、開ければリビングの延長としても使うことができます。
リビングのソファ: BoConcept(ボー・コンセプト)
リビングのソファ: BoConcept(ボー・コンセプト)
2層分の高さがある中庭は、このメゾネットに文字通り新しい風を吹き込み、屋内外のつながりを完成させます。
バルワニさんは、「石張りの床が持つ色合い、テクスチャ、明暗の変化が、この自然豊かな空間を引き立てています」と語ります。タイルが混在する芝生やカシワバゴムノキによって、緑がより豊かなものになっています。
アウトドアリビングの写真をもっと見る
バルワニさんは、「石張りの床が持つ色合い、テクスチャ、明暗の変化が、この自然豊かな空間を引き立てています」と語ります。タイルが混在する芝生やカシワバゴムノキによって、緑がより豊かなものになっています。
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中庭を取り囲みながら上階まで続くガラスの間仕切りが、この住戸に視覚的、空間的なまとまりをつくり出しています。
木製のダイニングテーブルと、天然繊維でつくられた照明を備えたダイニングは、アースカラーで仕上げられています。
「くすんだ緑色のダイニングチェアは、背景となる外の木々だけでなく、隣のキッチンアイランドの上に取り付けられた緑色の照明ともマッチしています」とバルワニさんは言います。
ダイニングテーブル: Blue Loft(ブルー・ロフト)、ダイニングチェア: Iqrup + Ritz
「くすんだ緑色のダイニングチェアは、背景となる外の木々だけでなく、隣のキッチンアイランドの上に取り付けられた緑色の照明ともマッチしています」とバルワニさんは言います。
ダイニングテーブル: Blue Loft(ブルー・ロフト)、ダイニングチェア: Iqrup + Ritz
キッチンアイランドのすぐ隣、金属とガラス製の蝶番式両開き扉の後ろには、深い青色の塗装仕上げとサテンニッケル金物が際立つメインキッチンがあります。
Caesarstone(シーザーストーン)の薄灰色のカウンター天板と頭上のモールガラスの扉が、青色の戸棚によく似合っています。
Caesarstone(シーザーストーン)の薄灰色のカウンター天板と頭上のモールガラスの扉が、青色の戸棚によく似合っています。
下階にあるパウダールームにはトロピカルな壁紙が使われており、本物の植物がそれを美しく引き立てます。
「軟鋼板を最小限に折ってつくられた階段にはオーク材の一枚板の踏板をしつらえました。高さを変えて連なる照明器具によって照らされ、上階へとつながります」とバルワニさんは話します。
階段のアイデアをもっと見る
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階段を上りきったところにある広いスペースは、ファミリールームとしても機能します。上階のすべての部屋の床にはオーク材を採用し、プライベートな空間に心地よいあたたかみをもたらしています。
ファミリールームと寝室は、家の中のさまざまな場所で使われているモールガラスの間仕切りによって遮断されており、プライバシーが守られています。
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ファミリールームから寝室へとつながる通路は、中央の中庭を取り囲むように配置されています。通路の脇には家族写真が飾られた収納棚が並びます。ここで使われている薄いオリーブグリーンは、ゲストルームへ続く色として選ばれました。
通路の奥に位置するゲストルームへは、ガラスと金属製の引き戸を開けて入ります。ベッドは壁収納式とすることで、ゲストが部屋を使っていない時には、オーナーがヨガをするのにこの空間を使うことができます。
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主寝室の壁には、金属の羽目板が施されています。壁のさわやかな薄灰色によって、オーク材の床と、モーブ色に塗装された羽目板の腰壁とのコントラストのバランスが保たれており、空間に様式的で落ち着いた雰囲気をもたらしています。
4本の柱を備えたカスタムデザインの金属製ベッドは、完全に分解可能です。
4本の柱を備えたカスタムデザインの金属製ベッドは、完全に分解可能です。
バスルームは全体が白い大理石張りで、そこにマット仕上げの真鍮金物がアクセントとして加えられています。
メインで使われているバスルームは、2台の洗面台、2台のシャワー、そしてつくり付けのバスタブで構成されています。
脱衣所・洗面室のアイデアをもっと見る
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中央のシャワーエリアの片側にはバスタブが、反対側には、バスルーム内のウェットエリアとドライエリアを分ける大理石とガラス製の間仕切り壁が設けられています。
白色、クリーム色、グレイ色の大理石で構成された幾何学的なモザイクが、シャワーエリアを彩っています。「床の排水溝は、モザイクの端部の境目に隠されており、真鍮製のリングを引き上げることで開けることができます」とバルワニさんは説明します。
白色、クリーム色、グレイ色の大理石で構成された幾何学的なモザイクが、シャワーエリアを彩っています。「床の排水溝は、モザイクの端部の境目に隠されており、真鍮製のリングを引き上げることで開けることができます」とバルワニさんは説明します。
子ども部屋は全体に素地研磨仕上げのバーチ合板を使用していますが、これは子どもが成長するにつれ変わっていく好みに対応できるよう、ニュートラルなパレットとしています。
うんていを備えたこの部屋は、進化する遊び場となるようデザインされています。家具の角部や端部には丸みをつけており、子どもたちが安全に使うことができます。
うんていを備えたこの部屋は、進化する遊び場となるようデザインされています。家具の角部や端部には丸みをつけており、子どもたちが安全に使うことができます。
スレート張りのバスルームは、子どもたちの寝室へとつながっています。
家全体で使用されているタイル:Micro(ミクロ)、コンクリートフロア: Greenheart Surfaces、フローリング材:FCML
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