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マッドルームの活用法。海外からヒントを得てみませんか?
玄関まわりをすっきり、便利にしたい方、必見!海外のお宅の"土間風空間"をご覧にいれます。
ブラッキン・ヘザー
2022年3月4日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
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北米の広い家では、メインの玄関以外に、家族が普段出入りするサブ玄関を設けることがあります。スポーツや遊びの後、雨の日、ペットの散歩の帰りなど、汚れていたり濡れている靴のまま入れるスペースを「マッドルーム」と呼びます。マッドとは「泥」。まさに、日本の「土間」と似たようなニュアンスのスペースです。
日本では玄関の段差があり、家の中と土間スペースとがはっきり分けられていますが、土足で家の中へ入る海外において、マッドスペースは、コートや汚れた靴を脱いだり、荷物を置いたりする、家の中に入る前にワンクッション置ける場所ともいえるでしょう。
最近では日本でも、玄関横に、マッドルームに近い「シューズインクローク」を設ける家も増えました。玄関まわりやシューズインクロークの計画の際にヒントとなる、海外のマッドルームをご紹介しましょう。
日本では玄関の段差があり、家の中と土間スペースとがはっきり分けられていますが、土足で家の中へ入る海外において、マッドスペースは、コートや汚れた靴を脱いだり、荷物を置いたりする、家の中に入る前にワンクッション置ける場所ともいえるでしょう。
最近では日本でも、玄関横に、マッドルームに近い「シューズインクローク」を設ける家も増えました。玄関まわりやシューズインクロークの計画の際にヒントとなる、海外のマッドルームをご紹介しましょう。
靴も収納したい日本の玄関
日本の玄関やシューズインクロークと、欧米の玄関やマッドルームとの大きな違いは、靴の収納です。
欧米では基本、靴のまま家の中に入るため、マッドルームに収納するのはレインブーツや汚れのついた靴ぐらいで、そのほかは、寝室やウォークインクローゼットに収納するのが一般的です。こちらの写真のマッドルームは、海外では珍しく靴がたくさん入っていますが、さらにコート掛けやベンチスペースも設け、マッドルームとして必要な収納もしっかりと確保しています。
日本の玄関やシューズインクロークと、欧米の玄関やマッドルームとの大きな違いは、靴の収納です。
欧米では基本、靴のまま家の中に入るため、マッドルームに収納するのはレインブーツや汚れのついた靴ぐらいで、そのほかは、寝室やウォークインクローゼットに収納するのが一般的です。こちらの写真のマッドルームは、海外では珍しく靴がたくさん入っていますが、さらにコート掛けやベンチスペースも設け、マッドルームとして必要な収納もしっかりと確保しています。
下は靴を収納する場所に、上はフックでジャケットを掛ける場所にと、縦のスペースを有効活用するアイデア。カウンター上には郵便物を一時的に入れるバスケット、壁には鍵を吊るせる小さなラックといった、つい置いてしまいがちな小物の収納スペースもしっかりと計画すれば、すっきりした状態が保ちやすくなります。
コートフックが交互に高さ違いに取り付けられているため、上着がかさばらず、バッグや帽子も掛けやすくなっているのも、真似したいスマートなアイディアですね。
マッドルームの写真をもっとみる
コートフックが交互に高さ違いに取り付けられているため、上着がかさばらず、バッグや帽子も掛けやすくなっているのも、真似したいスマートなアイディアですね。
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ベンチのあるマッドルーム
北米の多くのマッドルームの特徴は、ベンチがあることです。
ベンチは、小さな子供に靴を履かせてあげたり、ブーツを履くために、あると嬉しいアイテム。コートや靴を脱いでいる間に、荷物を一時的に置くのにも便利です。
ベンチ下収納、ベンチ、その上にコートフック、さらに上に棚といった、床から天井まで一体となった収納は、海外のマッドルームではポピュラーなスタイルです。
北米の多くのマッドルームの特徴は、ベンチがあることです。
ベンチは、小さな子供に靴を履かせてあげたり、ブーツを履くために、あると嬉しいアイテム。コートや靴を脱いでいる間に、荷物を一時的に置くのにも便利です。
ベンチ下収納、ベンチ、その上にコートフック、さらに上に棚といった、床から天井まで一体となった収納は、海外のマッドルームではポピュラーなスタイルです。
赤のアクセントが特徴的な、北欧インテリアのエッセンスが感じられるチャーミングな空間。造り付けだけでなく、市販のベンチでも素敵なアレンジになる例です。モノが増えたり、暮らしの変化に合わせて家具を置き換えたり、模様替えも自由にできるのが、置き家具のメリット。
こちらではフックを多めにつけて、掛ける収納が中心になっています。フックはコートや帽子などを掛けるだけではなく、ディスプレイとしても使うことで余裕ができ、玄関のおしゃれなあしらいになります。
こちらではフックを多めにつけて、掛ける収納が中心になっています。フックはコートや帽子などを掛けるだけではなく、ディスプレイとしても使うことで余裕ができ、玄関のおしゃれなあしらいになります。
家族一人一人の専用スペースを設ける
マッドルームは家族それぞれのものが集まってくる場所です。家族が多ければごたごたしてしまう可能性もあるので、それぞれの専用スペースに区切るのも一つのアイディアです。
おしゃれに色分けしたこちらのスペース。色のパワーで、自分のものは自分で片付けようという気合が入りそうですね。
マッドルームは家族それぞれのものが集まってくる場所です。家族が多ければごたごたしてしまう可能性もあるので、それぞれの専用スペースに区切るのも一つのアイディアです。
おしゃれに色分けしたこちらのスペース。色のパワーで、自分のものは自分で片付けようという気合が入りそうですね。
小さなのものでしたら、ロッカーやキャビネットがあればすっきりしまうことができます。こちらのマッドルームでは、ぬくもりのあるパネルの壁に、床のタイルと合わせたブルーのロッカーが、素敵なアクセントになっています。
もちろん、一人一人のスペースではなく、モノを種類ごとに分けて収納する使い方も。マフラー、手袋、マスク、おもちゃなど、カゴの代わりにロッカーを活用するのも洒落たアイディアです。
もちろん、一人一人のスペースではなく、モノを種類ごとに分けて収納する使い方も。マフラー、手袋、マスク、おもちゃなど、カゴの代わりにロッカーを活用するのも洒落たアイディアです。
フックを使って見せる収納に
左右の壁を有効利用している、細長いマッドルーム。入ってすぐにコートが掛けられたり、棚にバッグや小物類が置けたり、空間がフル活用されています。
壁のフックは、脱いだコートをハンガーにかける手間なく簡単に引っ掛けられ、出かける時にもさっと手に取って着られるメリットがあります。海外のマッドルームでは日々着るコートはこのように掛けるのが一般的とも言えるでしょう。
クロークのようなハンガーパイプの方がよりたくさん掛けられることもありますが、肩幅分のスペースが必要となるため、狭い空間では難しい場合もありますのでそのような場合でも是非フックを使ってみてはいかがでしょう。
左右の壁を有効利用している、細長いマッドルーム。入ってすぐにコートが掛けられたり、棚にバッグや小物類が置けたり、空間がフル活用されています。
壁のフックは、脱いだコートをハンガーにかける手間なく簡単に引っ掛けられ、出かける時にもさっと手に取って着られるメリットがあります。海外のマッドルームでは日々着るコートはこのように掛けるのが一般的とも言えるでしょう。
クロークのようなハンガーパイプの方がよりたくさん掛けられることもありますが、肩幅分のスペースが必要となるため、狭い空間では難しい場合もありますのでそのような場合でも是非フックを使ってみてはいかがでしょう。
フックのデザインで空間の表情が大きく変わります。せっかくなのでおしゃれなフック、インテリアに合わせてスタイルを選ぶと良いでしょう。こちらではライトグリーンが他の部分と合わせてマッドルームのチャーミングなアクセントになっています。
また、低い位置にフックを取り付ければ、小さなお子さんでも簡単に掛けたり取ったりができます。こちらのように上下につけるのも良いアイディアですね。
また、低い位置にフックを取り付ければ、小さなお子さんでも簡単に掛けたり取ったりができます。こちらのように上下につけるのも良いアイディアですね。
コートほどではなくても、ちょっとしたスペースにフックを取り付ければ、買い物バッグや愛犬の散歩用品、おもちゃ等、さまざまなモノが簡単に収納ができます。
棚の上に置くとぐちゃぐちゃになりがちだったり、その都度カゴにしまうのが面倒な小物類を、さっと掛けるのがどれだけ楽かは、私自身も、自宅の狭い玄関で実感しています。帽子や愛犬の散歩グッズは、今では寂しかった玄関のインテリアの一部として馴染んでいます。
棚の上に置くとぐちゃぐちゃになりがちだったり、その都度カゴにしまうのが面倒な小物類を、さっと掛けるのがどれだけ楽かは、私自身も、自宅の狭い玄関で実感しています。帽子や愛犬の散歩グッズは、今では寂しかった玄関のインテリアの一部として馴染んでいます。
様々な活用方法があるシンク
日本でも、最近では玄関近くに手洗い用のシンクを設ける住宅が増えてきました。マッドスペースにシンクがあるメリットはたくさん。手洗いはもちろん、ガーデニング用のジョウロやお掃除用のバケツの水汲みや、ペットの足洗いに、汚れた長靴やおもちゃの洗い場としても活用できます。マッドスペースのシンクといえば、多様に使えるスロップシンクがもっともポピュラーでしょう。
こちらも合わせて:帰宅後すぐに手洗い!玄関につくる洗面コーナーのアイデア
日本でも、最近では玄関近くに手洗い用のシンクを設ける住宅が増えてきました。マッドスペースにシンクがあるメリットはたくさん。手洗いはもちろん、ガーデニング用のジョウロやお掃除用のバケツの水汲みや、ペットの足洗いに、汚れた長靴やおもちゃの洗い場としても活用できます。マッドスペースのシンクといえば、多様に使えるスロップシンクがもっともポピュラーでしょう。
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ペットオーナーには嬉しいスペース
雨の日や、いつもより汚れた愛犬の散歩後は、マッドペースがあるとどれだけ助かることでしょう。浴室まで抱っこして連れて行く大変さは、私自身も長年経験してきました。土間スペースはペットのいる家庭にとっては、足洗い場以外にもたくさんのメリットがあります。
掃除が楽なことから、日頃のグルーミングや、トイレ置き場としても使え、リビングなど生活空間の中の汚れや匂いの心配も無用。また、暑い日本の夏には、ひんやりした土間はペットにとっては快適な空間です。
こちらのようなシャワースペースは、ワンちゃんだけにはもったいないぐらいですね。飼い主の、スポーツで汗をかいた後に使いたいぐらい立派です。
こちらも合わせて:わが家でもとり入れたい、ドッグ・フレンドリーなインテリアアイデア
雨の日や、いつもより汚れた愛犬の散歩後は、マッドペースがあるとどれだけ助かることでしょう。浴室まで抱っこして連れて行く大変さは、私自身も長年経験してきました。土間スペースはペットのいる家庭にとっては、足洗い場以外にもたくさんのメリットがあります。
掃除が楽なことから、日頃のグルーミングや、トイレ置き場としても使え、リビングなど生活空間の中の汚れや匂いの心配も無用。また、暑い日本の夏には、ひんやりした土間はペットにとっては快適な空間です。
こちらのようなシャワースペースは、ワンちゃんだけにはもったいないぐらいですね。飼い主の、スポーツで汗をかいた後に使いたいぐらい立派です。
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動線を考慮したマッドルーム
海外のマッドルームは、ランドリールームやユーティリティー、パントリーやキッチン、浴室の動線も考慮して計画されます。
汚れたものをすぐにランドリーバスケットに入れたり、外へ物干しへ行くための洗濯動線を考え、ランドリールームが隣接している場合もあれば、食品や生活用品のまとめ買いが多い家庭では、ガレージからマッドルーム、パントリーへのスムーズな動線が優先されることも。
スポーツをよくする家族の家では、シャワールームがすぐ横にあったり。欧米の広い家では、マッドルーム、シャワー、ユーティリティー、パントリーと、すべてが一つのエリアにまとまっているレイアウトも見られます。
新築にマッドルームやシューズインクロークを設ける際には、どのような要素が基準になるか、そして生活動線を考慮したいものです。
海外のマッドルームは、ランドリールームやユーティリティー、パントリーやキッチン、浴室の動線も考慮して計画されます。
汚れたものをすぐにランドリーバスケットに入れたり、外へ物干しへ行くための洗濯動線を考え、ランドリールームが隣接している場合もあれば、食品や生活用品のまとめ買いが多い家庭では、ガレージからマッドルーム、パントリーへのスムーズな動線が優先されることも。
スポーツをよくする家族の家では、シャワールームがすぐ横にあったり。欧米の広い家では、マッドルーム、シャワー、ユーティリティー、パントリーと、すべてが一つのエリアにまとまっているレイアウトも見られます。
新築にマッドルームやシューズインクロークを設ける際には、どのような要素が基準になるか、そして生活動線を考慮したいものです。
マッドスペースは、どのように使われたいかによって計画も変わってきます。収納したいものや、帰宅時の動線、ライフスタイルに合わせてプランニングしましょう。毎日出入りする大切なスペースとして、色や素材、置くものにもこだわって快適な空間を目指してください。
Houzzでは国内のシューズインクロークや、海外のマッドルームのたくさんの事例が見られますのでぜひご参考にされてはいかがでしょう。
インテリアコーディネーターに相談してみる
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