野鳥が遊びに来る庭づくり
ちょっとした工夫で野鳥と出会えるお庭ができます。自宅でバードウォッチングはいかかでしょうか?
舩村佳織
2022年2月17日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
緑がある場所にはさまざまな生き物が集まってきます。小さな虫や爬虫類、そして野鳥です。食べ物が少ない冬から早春には、街中でもたくさんの野鳥が見られます。
野鳥が訪れる庭をつくれば、自宅にいながらバードウォッチングを楽しむことができます。小さな体で懸命に飛び回る姿を眺めると、心がほっと安らぎますよ。この記事では、野鳥が遊びにくる庭づくりのアイデアをご紹介します。
野鳥が訪れる庭をつくれば、自宅にいながらバードウォッチングを楽しむことができます。小さな体で懸命に飛び回る姿を眺めると、心がほっと安らぎますよ。この記事では、野鳥が遊びにくる庭づくりのアイデアをご紹介します。
街中で見られる鳥といえば、カラスやハト、スズメが思い浮かびますが、よく探してみると、ほかにもたくさんの鳥が見つけられるはずです。とくに、自然界にエサが少なくなる冬~早春には、エサを探すために、人に近いところまで小さな野鳥がやってきます。
緑色の小さな体のメジロや、オレンジ色のお腹がきれいなジョウビタキ、白と黒のコガラ、少し大きな体のツグミなど……。これらの小さな野鳥はカラスやハトよりも警戒心が強く、人の気配を感じるとすぐに飛んでいってしまうため、目にする機会が少ないのです。
緑色の小さな体のメジロや、オレンジ色のお腹がきれいなジョウビタキ、白と黒のコガラ、少し大きな体のツグミなど……。これらの小さな野鳥はカラスやハトよりも警戒心が強く、人の気配を感じるとすぐに飛んでいってしまうため、目にする機会が少ないのです。
そのため、庭に野鳥が訪れたときには、そっと見守るのが鉄則。鳥を見つけて慌ててカーテンを開けると、びっくりして飛んで行ってしまいます。大きく動かずに、そっと覗いて観察しましょう。
また、警戒心が強いため、カラスやハトなどの大きい鳥がやって来ても逃げてしまいます。小さな野鳥は来るけれど、カラスやハトは寄ってこない庭が理想的。カラスやハトはゴミを漁ったり、フンで地面を汚したりと、時に人間にとって迷惑な存在となります。ご近所の方が嫌がることもありますので、こういった面でも大型の鳥がやってこないための工夫が必要です。
また、警戒心が強いため、カラスやハトなどの大きい鳥がやって来ても逃げてしまいます。小さな野鳥は来るけれど、カラスやハトは寄ってこない庭が理想的。カラスやハトはゴミを漁ったり、フンで地面を汚したりと、時に人間にとって迷惑な存在となります。ご近所の方が嫌がることもありますので、こういった面でも大型の鳥がやってこないための工夫が必要です。
実のなる木を植える
小さな野鳥が好む実のなる木を植えると、その実を食べに野鳥がやってきます。鳥は赤い色を認識しやすいため、エサが少ない冬に赤い実をつけるナンテンやマンリョウ、センリョウはおすすめです。
冬以外ではヤマボウシやハナミズキ、マユミなどの実を好みます。これらの小さい実は小さい野鳥が好み、カラスやハトはあまり興味を持たないようです。
人間も食べる実は当然野鳥にとってもごちそうになります。収穫するために育てている果樹を食べられてしまうのは困りものですが、一部分だけ、鳥たちへのプレゼントと考えてもいいかもしれませんね。大切な果樹は実が色づき始めたらネットを被せると安心です。
小さな野鳥が好む実のなる木を植えると、その実を食べに野鳥がやってきます。鳥は赤い色を認識しやすいため、エサが少ない冬に赤い実をつけるナンテンやマンリョウ、センリョウはおすすめです。
冬以外ではヤマボウシやハナミズキ、マユミなどの実を好みます。これらの小さい実は小さい野鳥が好み、カラスやハトはあまり興味を持たないようです。
人間も食べる実は当然野鳥にとってもごちそうになります。収穫するために育てている果樹を食べられてしまうのは困りものですが、一部分だけ、鳥たちへのプレゼントと考えてもいいかもしれませんね。大切な果樹は実が色づき始めたらネットを被せると安心です。
蜜の吸える花が咲く木を植える
メジロやツグミ、ヒヨドリなどは花の蜜を好みます。冬から早春に咲くツバキやウメを庭に植えれば、花にくちばしを入れて蜜を吸う姿に出会えます。
虫が活動しない寒い時期に咲く花は、鳥によって花粉を運ぶ鳥媒花(ちょうばいか)です。せっかく咲いた花がダメになるのでは、と心配になりますが、鳥が運んでくれる花粉でウメは結実するのです。ウメの実の収穫には野鳥の存在が重要ということですね。
メジロやツグミ、ヒヨドリなどは花の蜜を好みます。冬から早春に咲くツバキやウメを庭に植えれば、花にくちばしを入れて蜜を吸う姿に出会えます。
虫が活動しない寒い時期に咲く花は、鳥によって花粉を運ぶ鳥媒花(ちょうばいか)です。せっかく咲いた花がダメになるのでは、と心配になりますが、鳥が運んでくれる花粉でウメは結実するのです。ウメの実の収穫には野鳥の存在が重要ということですね。
果物や果汁を用意する
蜜を吸える花が用意できない場合は、果物や果汁を用意すると、野鳥がエサを求めてやってきます。リンゴやオレンジなどは枝に挿して、果汁は小さなコップに入れて置いておくとよいでしょう。
果物はカラスも寄ってきてしまいますので、カラスが止まれないような細い枝に挿すようにしましょう。止まる場所がないとうまく食べられないので、カラスは諦めて寄ってこなくなります。
蜜を吸える花が用意できない場合は、果物や果汁を用意すると、野鳥がエサを求めてやってきます。リンゴやオレンジなどは枝に挿して、果汁は小さなコップに入れて置いておくとよいでしょう。
果物はカラスも寄ってきてしまいますので、カラスが止まれないような細い枝に挿すようにしましょう。止まる場所がないとうまく食べられないので、カラスは諦めて寄ってこなくなります。
バードフィーダーを設置する
庭にバードフィーダー(エサ台)を設置して、鳥専用のエサを用意すれば、野鳥がエサを求めて訪れてくれます。こちらもカラスが止まれないようなバードフィーダーにすれば、カラスは食べられません。また、カラスが好まないようなカラ付きのエサを選ぶのもポイントです。
バードフィーダーは好きな場所に設置できるのがポイント。家の中から見えやすい場所に設置すれば、集まった野鳥をこっそり観察しやすいでしょう。
食べ物を与えるのは冬~早春の自然界に食べ物が少ない時期のみとし、過剰に野鳥へエサやりをすることは避けましょう。
庭にバードフィーダー(エサ台)を設置して、鳥専用のエサを用意すれば、野鳥がエサを求めて訪れてくれます。こちらもカラスが止まれないようなバードフィーダーにすれば、カラスは食べられません。また、カラスが好まないようなカラ付きのエサを選ぶのもポイントです。
バードフィーダーは好きな場所に設置できるのがポイント。家の中から見えやすい場所に設置すれば、集まった野鳥をこっそり観察しやすいでしょう。
食べ物を与えるのは冬~早春の自然界に食べ物が少ない時期のみとし、過剰に野鳥へエサやりをすることは避けましょう。
バードバスに水を溜める
鳥は体についた汚れや寄生虫を落とすために水浴びをします。バードバス(水浴び場)を用意して水を溜めておくと、嬉しそうに水浴びをしにやってきます。
高さのあるバードバスは周囲が認識しやすいので、警戒心の強い小さな鳥たちが安心して水浴びができます。水浴び自体は水たまりのような浅い水ならばどんな場所でもできるので、手作りのバードバスでも野鳥はやってきてくれるでしょう。
鳥は体についた汚れや寄生虫を落とすために水浴びをします。バードバス(水浴び場)を用意して水を溜めておくと、嬉しそうに水浴びをしにやってきます。
高さのあるバードバスは周囲が認識しやすいので、警戒心の強い小さな鳥たちが安心して水浴びができます。水浴び自体は水たまりのような浅い水ならばどんな場所でもできるので、手作りのバードバスでも野鳥はやってきてくれるでしょう。
水浴びだけでなく飲み水としても利用できるので、雨の少ない時期はバードバスの存在が鳥たちの助けになるはず。そのためにも、なるべく清潔な水を用意してあげたいものです。とくに、気温が高い時期はボウフラなどの虫が発生することもあるので、2~3日に一度は水を取り替えましょう。
バードバス自体が庭のアクセントにもなります。これぞというデザインのものを見つけたいですね。バードフィーダーと違って、バードバスは通年設置して大丈夫です。
バードバス自体が庭のアクセントにもなります。これぞというデザインのものを見つけたいですね。バードフィーダーと違って、バードバスは通年設置して大丈夫です。
巣箱を設置する
大きな木が少ない街では、安心して子育てができる巣をつくる場所が少なくなっています。小さな巣箱を庭に用意しておけば、鳥の子育ての助けになるかもしれません。
野鳥の繁殖は3~5月なので、それよりも前に設置しておきましょう。鳥の敵である猫や蛇が近付きづらいような、風通しが良く、やや人の気配がある場所にある樹木を選んで幹に取りつけます。高さは2m以上必要です。
うまく子育ての場として選んでもらえたら、とくに干渉はせずに、そっと見守りましょう。子どもたちが無事に巣立ってくれたら嬉しいですね。
大きな木が少ない街では、安心して子育てができる巣をつくる場所が少なくなっています。小さな巣箱を庭に用意しておけば、鳥の子育ての助けになるかもしれません。
野鳥の繁殖は3~5月なので、それよりも前に設置しておきましょう。鳥の敵である猫や蛇が近付きづらいような、風通しが良く、やや人の気配がある場所にある樹木を選んで幹に取りつけます。高さは2m以上必要です。
うまく子育ての場として選んでもらえたら、とくに干渉はせずに、そっと見守りましょう。子どもたちが無事に巣立ってくれたら嬉しいですね。
庭に野鳥の姿を見つけると、子どもも大人も胸が躍るもの。鳥の名前や生態を調べ自然に興味を持つきっかけになり、家族の会話も広がるはずです。庭の新しい楽しみとして、野鳥を呼ぶ庭のアイデアを取り入れてみてください。
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私は「日当たりのいい庭」でしたらジューンベリーをお勧めしています。人も食べられる実をつけるので、春にはたくさんの鳥が実を食べに寄ってきます。