コメント
リノベーションしたヴィクトリアン様式の住宅を、ブティックホテルの雰囲気に
「贅沢で楽しく、かつ快適な住宅」を生みだすこと。この物件の要件は、インテリアデザイナーにとって夢のようなものでした。

Sarah Alcroft
2022年5月10日
オーナーご夫妻がこのヴィクトリアン様式の住宅を見たときの第一印象は「非常に簡素」で、全くもって好みではなかったそうです。そこでご夫妻は大胆な提案をしてくれそうな会社を探すことにしました。Houzz(ハウズ)のサイトでアイデアを探っているときに、Golden Design(ゴールデン・デザイン)の作品が目に留まり、地下1階のキッチンダイニングは残しながら1階から3階までをリノベーションしたいと、彼らに連絡しました。
この住宅に色彩と暖かさを与えたいというのが、オーナーご夫妻の希望でした。「パーティーと、人を楽しませることが好きな彼らは、そのための素敵な空間を必要としていました」と話すのは、ゴールデン・デザインの創設者のエレン・カンバーさんです。「ブティックホテルの雰囲気でありながら、くつろげる空間にしたいと考えていたのです」
この住宅に色彩と暖かさを与えたいというのが、オーナーご夫妻の希望でした。「パーティーと、人を楽しませることが好きな彼らは、そのための素敵な空間を必要としていました」と話すのは、ゴールデン・デザインの創設者のエレン・カンバーさんです。「ブティックホテルの雰囲気でありながら、くつろげる空間にしたいと考えていたのです」
どんなHouzz?
住まい手:共働きの若いご夫妻
所在地:ロンドン東部のヴィクトリア・パーク(イギリス)
物件:4階建て、ヴィクトリア様式のタウンハウス
間取り:寝室3つ、バスルーム2つ
デザイナー:ゴールデン・デザインのエレン・カンバー、アリス・ベティントン
写真:Jonathan Bond Photography(ジョナサン・ボンド・フォトグラフィー)
デザイナーのカンバーさんとパートナーのペティントンさんは、初期のヴィクトリアン様式の雰囲気を取り戻すことを目指し、高級感のある色や豪華なファブリックを提案しました。「初回のムードボードを提示した後には、このプロジェクトは極めてラグジュアリーな方向に進んでいくだろうと思っていました。オーナーご夫妻も濃く強めの色合いや、贅沢な生地とアンティークを取り入れることを受け入れてくれました」とカンバーさんは言います。
1階にある2つの応接室はすでに壁が取り払われて繋がっていたため、作業はほとんど装飾的なものに終始しました。デザインの出発点となったのはカーテンだったそう。「最初に見つけたのがファブリックで、それを中心にデザインを計画していきました」
「ソファは深い緑色のコーデュロイ生地で張り直しました。ベルベット生地のような印象ではありますが、より面白い素材だと思います。信じられないほど快適で柔らかくありながら、とても新鮮なオプションであると感じました」
ペンダント照明の色ガラスのシェードは、輸入したアンティーク品です。「届いた実物が、写真で見たものと同じように素敵であることを祈っていました」とカンバーさんは振り返ります。
ソファの後ろにある細長い小窓は、以前のオーナーが応接室の間の壁を取り壊して扉を埋めた際に設置したものでした。小窓は廊下を照らす役割を果たしていたため、そのまま残すことに。「廊下を進む際に中の様子がちらりと見えるという、ちょっとした楽しみを加えてくれます」とカンバーさんは言います。
Pierre Frey(ピエール・フレイ)、Colefax(コールファックス)、Fowler(ファウラー)、Turnell & Gigon(ターネル&ギゴン)の素材でつくられたクッション
住まい手:共働きの若いご夫妻
所在地:ロンドン東部のヴィクトリア・パーク(イギリス)
物件:4階建て、ヴィクトリア様式のタウンハウス
間取り:寝室3つ、バスルーム2つ
デザイナー:ゴールデン・デザインのエレン・カンバー、アリス・ベティントン
写真:Jonathan Bond Photography(ジョナサン・ボンド・フォトグラフィー)
デザイナーのカンバーさんとパートナーのペティントンさんは、初期のヴィクトリアン様式の雰囲気を取り戻すことを目指し、高級感のある色や豪華なファブリックを提案しました。「初回のムードボードを提示した後には、このプロジェクトは極めてラグジュアリーな方向に進んでいくだろうと思っていました。オーナーご夫妻も濃く強めの色合いや、贅沢な生地とアンティークを取り入れることを受け入れてくれました」とカンバーさんは言います。
1階にある2つの応接室はすでに壁が取り払われて繋がっていたため、作業はほとんど装飾的なものに終始しました。デザインの出発点となったのはカーテンだったそう。「最初に見つけたのがファブリックで、それを中心にデザインを計画していきました」
「ソファは深い緑色のコーデュロイ生地で張り直しました。ベルベット生地のような印象ではありますが、より面白い素材だと思います。信じられないほど快適で柔らかくありながら、とても新鮮なオプションであると感じました」
ペンダント照明の色ガラスのシェードは、輸入したアンティーク品です。「届いた実物が、写真で見たものと同じように素敵であることを祈っていました」とカンバーさんは振り返ります。
ソファの後ろにある細長い小窓は、以前のオーナーが応接室の間の壁を取り壊して扉を埋めた際に設置したものでした。小窓は廊下を照らす役割を果たしていたため、そのまま残すことに。「廊下を進む際に中の様子がちらりと見えるという、ちょっとした楽しみを加えてくれます」とカンバーさんは言います。
Pierre Frey(ピエール・フレイ)、Colefax(コールファックス)、Fowler(ファウラー)、Turnell & Gigon(ターネル&ギゴン)の素材でつくられたクッション
棚板に代わるガラス扉付きのキャビネットを設計し、ひとつはこのアルコーブに、もうひとつは奥の応接室にある暖炉の左側に設置しました。
「後期ジョージアン様式、あるいは、初期ヴィクトリアン様式を思わせるデザインであり、私たちがこの家に取り戻そうとした雰囲気にぴったりでした」とエレンさん。「ガラスはミュージアムグレードのもので、反射はしません」
アート作品は丁寧に配置されました。「およそ50点のアートがあったので私たちは全員で打ち合わせをし、すべてのアートをどこに配置するかを一つ一つ決定していきました」
ピエール・フレイのカーテン、Abbott & Boyd(アボット&ボイド)のピンクのベルベッド『Métaphores』を施したJulian Chichester(ジュリアン・チチェスター)の椅子
こちらの記事もあわせて
ジョージアン様式とは?
「後期ジョージアン様式、あるいは、初期ヴィクトリアン様式を思わせるデザインであり、私たちがこの家に取り戻そうとした雰囲気にぴったりでした」とエレンさん。「ガラスはミュージアムグレードのもので、反射はしません」
アート作品は丁寧に配置されました。「およそ50点のアートがあったので私たちは全員で打ち合わせをし、すべてのアートをどこに配置するかを一つ一つ決定していきました」
ピエール・フレイのカーテン、Abbott & Boyd(アボット&ボイド)のピンクのベルベッド『Métaphores』を施したJulian Chichester(ジュリアン・チチェスター)の椅子
こちらの記事もあわせて
ジョージアン様式とは?
暖炉を除いて、たくさんの特徴が削ぎ落とされていたため、チームは複数の伝統的なラジエーターと、すべての左官壁を復活させ、住宅の建てられた時代に相応しい雰囲気を取り戻しました。
暖炉の反対側に作業机がありますが、暖炉の前にある長椅子が、ここがリラックス用の空間であることを示しています。「オーナーは横になって本を読んだり、昼寝をしたりする場所が欲しいとおっしゃっていて、その場所は特段快適でないといけないというのがご要望でしたので、私たちは一緒に買い物に行き、交代しながら長椅子に寝転んでみました」とカンバーさんは笑います。
Farrow & Ball(ファロー&ボール)の『Smoked Trout』を塗った壁、トローヴの寝椅子、Sophie Bayntun(ソフィー・ベイントゥン)のアート作品
暖炉の反対側に作業机がありますが、暖炉の前にある長椅子が、ここがリラックス用の空間であることを示しています。「オーナーは横になって本を読んだり、昼寝をしたりする場所が欲しいとおっしゃっていて、その場所は特段快適でないといけないというのがご要望でしたので、私たちは一緒に買い物に行き、交代しながら長椅子に寝転んでみました」とカンバーさんは笑います。
Farrow & Ball(ファロー&ボール)の『Smoked Trout』を塗った壁、トローヴの寝椅子、Sophie Bayntun(ソフィー・ベイントゥン)のアート作品
現在の廊下は、暖かい色合いが特徴です。チームはパネル式のラジエーターを伝統的な柱形のラジエーターに交換し、壁掛け棚とその上部に鏡を取り付けました。階段は塗装しなおし、サイザル麻のカーペットを敷きました。写真右側に、手前の応接室の細長い小窓が見えます。
廊下および両方の応接室では、もともとのブロンド色のフローリングを修復、着色しました。「オーナーご夫妻にはフローリングを剥がすつもりも、そこにかける予算もありませんでした」とカンバーは言います。
既存の巾木は修復が必要でした。「ところどころボロボロになっていたので、全体を綺麗にし、いくつかの箇所は交換しました」
ファロー&ボールの『Hardwick White』を塗った壁と巾木、『Off-Black』を塗った階段。
廊下および両方の応接室では、もともとのブロンド色のフローリングを修復、着色しました。「オーナーご夫妻にはフローリングを剥がすつもりも、そこにかける予算もありませんでした」とカンバーは言います。
既存の巾木は修復が必要でした。「ところどころボロボロになっていたので、全体を綺麗にし、いくつかの箇所は交換しました」
ファロー&ボールの『Hardwick White』を塗った壁と巾木、『Off-Black』を塗った階段。
小さい方の窓を潰すことで、コート用の収納や靴用の収納、ベンチ、靴の収納棚をなんとかこのスペースに設置することができました。
「この場所には広さの制約が多くあったため、私たちはハンガーの代わりに、フックや折戸を採用しました。そうしないと、扉を開けたときに段板にぶつかってしまうからです」とカンバーさん。
「今となっては、ちょっとした思いつきというよりは、作品の一部になっています」
窓際収納のアイデアをもっと見る
「今となっては、ちょっとした思いつきというよりは、作品の一部になっています」
窓際収納のアイデアをもっと見る
もともとの平面図が示すように、2階には寝室が2つありました。カンバーさんとベティントンさんは、その間にバスルームを差し込みました(次の写真参照)。
真の課題だったのは、寝室間の壁を取り払うこと。「既存の壁の施工方法が奇妙でした。既存壁が何回もいじられたことで、梁がきちんと支持されていない状態になっていたのです」とカンバーさん。「最悪の場合、新しいバスルームの中央に巨大な鉄骨梁が架かってしまう可能性もありましたが、構造エンジニアの力も借り、幸運にもその事態は回避できました」
真の課題だったのは、寝室間の壁を取り払うこと。「既存の壁の施工方法が奇妙でした。既存壁が何回もいじられたことで、梁がきちんと支持されていない状態になっていたのです」とカンバーさん。「最悪の場合、新しいバスルームの中央に巨大な鉄骨梁が架かってしまう可能性もありましたが、構造エンジニアの力も借り、幸運にもその事態は回避できました」
バスルームは小さな空間ですが、住まいに大きな変化をもたらしました。「2つ目のバスルームを追加するというのは、画期なアイデアでした。オーナーは十分に広い寝室を2つ確保しながら、程よい大きさのバスルームを手に入れることができたのです。私たちは、どの空間も使い勝手が良く、快適であると感じてもらえるよう注力しました」(カンバーさん)
豊かな色合いのゼリージュ・タイル、光沢感のある溝付きのボード、真鍮金物、ボタニカル柄の壁紙が新しいバスルームにラグジュアリーな雰囲気を与えています。「『とてつもなくワイルドな雰囲気にしたいので、自由にやってください』というご要望をいただいていたので、思い切ってデザインしました」とカンバーさんは言います。
壁紙は浴室仕様のものです。「House of Hackney(ハウス・オブ・ハックニー)社には、壁紙を浴室仕様に加工するオプションがありますが、バスルームに窓がないため、速乾性も重要なポイントでした」とカンバーさんは説明します。
空間にさらなる深みを与えているのが、真鍮です。「ラッカーなどの塗装を施していない真鍮(ヘアライン仕上げ)は、経年で美しいサビを纏い、触れるたびにその色を変えます」(カンバーさん)。
Mosaic del Sur(モザイク・デル・スル)のゼリージュタイル、ハウス・オブ・ハックニーの壁紙、Aston Matthews(アストン・マシューズ)の真鍮の継手と便器や洗面台などの衛生陶器
壁紙は浴室仕様のものです。「House of Hackney(ハウス・オブ・ハックニー)社には、壁紙を浴室仕様に加工するオプションがありますが、バスルームに窓がないため、速乾性も重要なポイントでした」とカンバーさんは説明します。
空間にさらなる深みを与えているのが、真鍮です。「ラッカーなどの塗装を施していない真鍮(ヘアライン仕上げ)は、経年で美しいサビを纏い、触れるたびにその色を変えます」(カンバーさん)。
Mosaic del Sur(モザイク・デル・スル)のゼリージュタイル、ハウス・オブ・ハックニーの壁紙、Aston Matthews(アストン・マシューズ)の真鍮の継手と便器や洗面台などの衛生陶器
洗面器の奥には、便利な台付きの、深い緑色をした美しいスプラッシュバックが設置されています。「ほんのわずかな欠片しか必要なかったため、私たちは大理石業者を訪れ、彼らの持っている切れ端の中から、この素晴らしい端材を見つけました」とカンバーさんは言います。
この棚とシャワー室のニッチには十分な収納量があります。「これはゲスト用のバスルームなので、大量の収納スペースは必要ありませんが、来客が洗顔料などを置く程度のスペースは必要でした」
「スペースを広く取ってしまう洗面台にはしたくありませんでした」と彼女は付け加えます。「それに、建具屋が制作してくれた光沢のある美しい溝付きのボードを使いたかったのです」。溝付きのボードは光沢度95%の艶ありスプレー塗料でコーティングされており、美しい光沢を放っています。
この棚とシャワー室のニッチには十分な収納量があります。「これはゲスト用のバスルームなので、大量の収納スペースは必要ありませんが、来客が洗顔料などを置く程度のスペースは必要でした」
「スペースを広く取ってしまう洗面台にはしたくありませんでした」と彼女は付け加えます。「それに、建具屋が制作してくれた光沢のある美しい溝付きのボードを使いたかったのです」。溝付きのボードは光沢度95%の艶ありスプレー塗料でコーティングされており、美しい光沢を放っています。
新しいバスルームの両側には、ゲスト用の寝室が2つあります。手前の寝室にはクローゼットがいくつかあり、機能面でも問題なかったので、カンバーさんは新しい建具を取り付けて、綺麗にすることを提案しました。「設計し、建具屋に制作してもらった建具は、スプレー塗装を施され既存の枠組みに取り付けられました。こうして、クローゼットがまったく新しいものになりました」
ファロー&ボールの『Red Earth』を塗ったワードローブ、Little Greene(リトル・グリーン)の『Portland Stone Pale』を塗った壁、『Portland Stone Deep』を塗った扉や窓枠など
ファロー&ボールの『Red Earth』を塗ったワードローブ、Little Greene(リトル・グリーン)の『Portland Stone Pale』を塗った壁、『Portland Stone Deep』を塗った扉や窓枠など
奥のゲストルームは少しの作業だけで済みました。「暖炉に新しい炉床を取り付け、塗装して綺麗にしました」とカンバーさんは言います。
Emily Forgot(エミリー・フォーゴット)のアート作品、ファロー&ボールの『Oval Room Blue』を塗った壁、『Inchyra』を塗ったワードローブや窓枠など
Emily Forgot(エミリー・フォーゴット)のアート作品、ファロー&ボールの『Oval Room Blue』を塗った壁、『Inchyra』を塗ったワードローブや窓枠など
ご夫妻の強い要望のひとつにラグジュアリーな主寝室があり、お2人は寝室を一つ犠牲にしてでも実現したいと考えていました。
室内に浴槽を置くことで、部屋がよりラグジュアリーな雰囲気となっています。「バスタブとシャワーを備えた広いバスルームをつくるためには、寝室について大きく譲歩する必要がありました」とカンバーさん。「その代わりにここにバスタブを置くことを提案したところ、ご夫妻はそのアイデアに大喜びしてくれました。この配置がブティックホテルの雰囲気をつくりだしたのです」
壁には落ち着いたピンク系のトープ色の塗装が施され、カンバーさんとベティントンさんがデザインしたヘッドボードは、マスタード色のぜいたくなベルベット生地で覆われています。
リトル・グリーンの『Hammock』を塗った壁、トローヴのベッド、Felix Lighting Specialists(フェリックス・ライティング・スペシャリスト) のベッドサイドランプ、骨董ショップで購入したヴィンテージのインディアンシネマチェア
室内に浴槽を置くことで、部屋がよりラグジュアリーな雰囲気となっています。「バスタブとシャワーを備えた広いバスルームをつくるためには、寝室について大きく譲歩する必要がありました」とカンバーさん。「その代わりにここにバスタブを置くことを提案したところ、ご夫妻はそのアイデアに大喜びしてくれました。この配置がブティックホテルの雰囲気をつくりだしたのです」
壁には落ち着いたピンク系のトープ色の塗装が施され、カンバーさんとベティントンさんがデザインしたヘッドボードは、マスタード色のぜいたくなベルベット生地で覆われています。
リトル・グリーンの『Hammock』を塗った壁、トローヴのベッド、Felix Lighting Specialists(フェリックス・ライティング・スペシャリスト) のベッドサイドランプ、骨董ショップで購入したヴィンテージのインディアンシネマチェア
天井が高いため、インテリアデザインは困難を極めました。「私たちはクローゼットをどうデザインするか、その高さを天井までとするべきか否かを検討するために、さまざまな家を見て回りました。結果には満足しています」とカンバーさんは言います。
「こちら側(衣装部屋側)はすべてが天井まで立ち上がっていますが、ベッドルーム側ではベッドの真上掛けられているアート作品を含めたすべてのものが目の高さまで下げられ、親密な雰囲気をつくりだしています」
中間に置かれたコンソールテーブルは、視線を遮らずに巧妙に2つの空間を仕切ります。「衣装部屋と寝室の境界があることは重要です」とカンバーさん。「キャンドルや本、フォトフレーム、靴下を履くために腰掛ける布張りのベンチを置くのに適した場所でもあります」
Hector Finch(ヘクターフィンチ)のウォールライト、 The Socialite Family(そーしゃライト・ファミリー)Tのテーブルランプ、David Seyfried(デビッド・セイフリード)のベンチ、リトル・グリーンの『Sage green』を塗ったワードローブ
「こちら側(衣装部屋側)はすべてが天井まで立ち上がっていますが、ベッドルーム側ではベッドの真上掛けられているアート作品を含めたすべてのものが目の高さまで下げられ、親密な雰囲気をつくりだしています」
中間に置かれたコンソールテーブルは、視線を遮らずに巧妙に2つの空間を仕切ります。「衣装部屋と寝室の境界があることは重要です」とカンバーさん。「キャンドルや本、フォトフレーム、靴下を履くために腰掛ける布張りのベンチを置くのに適した場所でもあります」
Hector Finch(ヘクターフィンチ)のウォールライト、 The Socialite Family(そーしゃライト・ファミリー)Tのテーブルランプ、David Seyfried(デビッド・セイフリード)のベンチ、リトル・グリーンの『Sage green』を塗ったワードローブ
オーク材の引き出しやワードローブは、夫婦のニーズに応じて設計されました。塗料には光沢度40%のものを使用し、深みを演出しています。右側の引き出しの中はヘッドボードと同じベルベット生地の底板となっていて、統一感のあるデザインとなっています。
床にはサイザル麻のカーペットが敷かれています。「ロフトを改装したものなので、もともとフローリングは合いませんでした。それに、寝室の足元は柔らかい方がいいですよね」とカンバーさんは言います。
床にはサイザル麻のカーペットが敷かれています。「ロフトを改装したものなので、もともとフローリングは合いませんでした。それに、寝室の足元は柔らかい方がいいですよね」とカンバーさんは言います。
バスルームに続く新しい開口の横には、洗面台と同じピンクがかった大理石の棚板があります。
バスルームには丸みを帯びたデザインを多く取り入れ、 直線の固い印象を和らげています。カンバーさんとベティントンさんは、オイル仕上げのオーク材で洗面台をデザインしました。
「それは穏やかな部屋の中で一際目立つもので、そこにドラマが生まれます」とカンバーさんは言います。
Douglas & Bec(ダグラス&ベック)のウォールライト
「それは穏やかな部屋の中で一際目立つもので、そこにドラマが生まれます」とカンバーさんは言います。
Douglas & Bec(ダグラス&ベック)のウォールライト
ゼリージュ・タイルが、シャワースペースに質感をもたらしています。
「以前のバスルームの水圧はとても低く、ひどいものでした。しかし、配管業者が地下の古い石炭置き場に機械室をつくって、水圧を強くできました。オーナーからは『素晴らしい水圧だ!』との反応をいただきました」とカンバーさんは言います。
アストン・マシューズの真鍮製品
「以前のバスルームの水圧はとても低く、ひどいものでした。しかし、配管業者が地下の古い石炭置き場に機械室をつくって、水圧を強くできました。オーナーからは『素晴らしい水圧だ!』との反応をいただきました」とカンバーさんは言います。
アストン・マシューズの真鍮製品
寝室手前の廊下にはチェストをはめ込みました。「フォトフレームやランプを置けるような素敵なコーナーをつくり、その空間に命を吹き込むことが目的でした。そうしなければ、ジム用のカバンが投げ捨てられたデッドスペースになっていたでしょう」とカンバーさんは笑います。
「最終的には華やかで美しい住まいに仕上げることができました」とオーナーご夫妻は言います。「快適でラグジュアリーな空間になりました。自分たちだけでは到底叶えられなかったでしょう」
Houzzでインテリアの専門家を探す
Houzzツアー(お宅訪問)記事をもっと見る
「最終的には華やかで美しい住まいに仕上げることができました」とオーナーご夫妻は言います。「快適でラグジュアリーな空間になりました。自分たちだけでは到底叶えられなかったでしょう」
Houzzでインテリアの専門家を探す
Houzzツアー(お宅訪問)記事をもっと見る
おすすめの記事
日本の家
人と猫と本に優しい、自然素材に包まれた住まい
グラフィックデザイナーの女性オーナーが、数学者のパートナーと2匹の愛猫と暮らす家。ご実家の思い出も息づく、温故知新を大切にしたお宅です。
続きを読む
Born on Houzz
出だしの失敗を乗り越えた、美しく機能的に改修した住まい
どうにもうまくいっていない進行中の改修プロジェクト。しびれを切らしたオーナーは、Houzzで見つけた専門家にプロジェクトへの参加を依頼しました。
続きを読む
Houzzがきっかけの家 (New!)
海の近くの築17年の家を大胆リフォーム。デザイン性と快適性を兼ね備えた美しい住まい
文/藤間紗花
2度目のリフォームの依頼を受けたインテリアデザイナー。何度も打ち合わせを重ねた末、オーナーご夫妻が「帰りたくなる」と語る、快適な住まいを完成させました。
続きを読む
日本の家
川や緑が映し出される曲面の天井。夫婦と愛猫が幸せに暮らす家
周囲の景色、川の音、光や風を取り込みながら、プライバシーも確保。地元・岩手県産の無垢材をふんだんに使った、五感で心地よさを感じられる住まいです。
続きを読む
造園・ガーデニング
Houzzでみつけた中庭のある住まい特集
これまでさまざまなお宅を取材してきた、Houzzツアー(お宅訪問)シリーズ。その中から、美しく居心地のよい中庭を備えた住まいの記事を、まとめてお届けします。
続きを読む
リノベーション
上へ、外へ。ユニークな方法で増築されたコテージ
1890年から1915年ごろにオーストラリアで流行した“フェデレーション様式”の住宅を、モダンにリノベーション。建物前面のミステリアスな増築と裏手に追加された、切妻屋根が特徴です。
続きを読む
近畿
眼下に広がる景色を家族みんなで楽しむ、兵庫県宝塚市の丘の上に建つ家
文/永井理恵子
SE構法の性能を最大限に活かした、ビルトインガレージのある家。室内のどこに居ても、みごとな眺望が望めます。
続きを読む
日本の家
家族のカラーを反映させた、明るく開放的な旗竿地の狭小住宅
文/藤間紗花
幼い2人のお子様を持つ若いご夫妻は、中古で購入した旗竿地の狭小住宅を自分たちらしい住まいにすべく、親しい建築家に相談しながらハーフリノベーションすることにしました。
続きを読む
リフォーム・リノベーションのヒント
間取りは変えずに真新しいスタイルに。インテリアデザイナーの自宅リノベーション
インテリアデザイナーの自宅リノベーションをご紹介します。ポイントは、高い勾配天井、室内から屋外への動線の改善、そしてモダンな雰囲気の実現でした。
続きを読む