インテリアコーディネーターと考える、赤ちゃんと快適に過ごせる住まい
赤ちゃんもママもパパも、家族みんなでハッピーに暮らせる部屋づくりのヒントをご紹介します。
ライフステージによって、住まいの快適な姿は異なります。それまで夫婦2人で何不自由なく暮らしてきた住まいが、赤ちゃんを迎えたことによって、突如使いづらく危険な場所に変わってしまうこともあるかもしれません。
小さな家族が増えても、今の住まいで快適に過ごすためにはどうすればよいのでしょうか? 今回は、4人のインテリアコーディネーターに、赤ちゃんの安全を守りつつも、インテリアの景観を保つ空間づくりのコツを伺いました。
小さな家族が増えても、今の住まいで快適に過ごすためにはどうすればよいのでしょうか? 今回は、4人のインテリアコーディネーターに、赤ちゃんの安全を守りつつも、インテリアの景観を保つ空間づくりのコツを伺いました。
誤飲防止のためにも、掃除しやすい部屋づくりを
「新生児・乳児の時期は、部屋の中の環境が大事なので、掃除をしやすいようにほこりが溜まりにくいような家具配置にすることが大切だと思います」と話すのは、RA-CREAの中西八枝佳さん。中西さんだけでなく、今回お話を伺った皆さんが、住まいの掃除の重要性について指摘していました。
「新生児・乳児の時期は、部屋の中の環境が大事なので、掃除をしやすいようにほこりが溜まりにくいような家具配置にすることが大切だと思います」と話すのは、RA-CREAの中西八枝佳さん。中西さんだけでなく、今回お話を伺った皆さんが、住まいの掃除の重要性について指摘していました。
「赤ちゃんの時期は、手で触り、舐めて遊ぶことが多いので、落ちている糸くずや小さな物を誤飲する可能性が高いです」と話すのは、Kumi Minegishi Luxe design art&interiorのみねぎしくみさん。
「私自身も、子どもがうっかり本から落ちていた栞のリボンを誤飲し、危うく窒息しそうになるという体験をしたことがあります。幸いにも一命を取り留めましたが、『ちょっとしたことで大切な息子を亡くしてしまうかもしれない』という、震えが止まらなくなるような体験でした。とにかく、床に物を置かない。兄姉のおもちゃも誤飲しないように気を付けてください」
Houzzでインテリアの専門家を探す
「私自身も、子どもがうっかり本から落ちていた栞のリボンを誤飲し、危うく窒息しそうになるという体験をしたことがあります。幸いにも一命を取り留めましたが、『ちょっとしたことで大切な息子を亡くしてしまうかもしれない』という、震えが止まらなくなるような体験でした。とにかく、床に物を置かない。兄姉のおもちゃも誤飲しないように気を付けてください」
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怪我や転倒を防ぐために見直したいポイント
HomeICの伊藤ゆかりさんは、「赤ちゃんの行動エリアの床にはカーペットやラグなどで転んでも怪我をしにくいようにしましょう。窓まわりの操作紐など、紐状のものをは手の届く高さより上にしておいたほうがいいです」と話します。
「つかまり立ちをしたときにひっくり返さないよう、家具は重いものや重心が下にあるものなど、安定感のあるものにしましょう」
HomeICの伊藤ゆかりさんは、「赤ちゃんの行動エリアの床にはカーペットやラグなどで転んでも怪我をしにくいようにしましょう。窓まわりの操作紐など、紐状のものをは手の届く高さより上にしておいたほうがいいです」と話します。
「つかまり立ちをしたときにひっくり返さないよう、家具は重いものや重心が下にあるものなど、安定感のあるものにしましょう」
みねぎしさんは、「リビングでは、ロータイプのソファがおすすめです」と話します。「ローソファは赤ちゃんが床に落ちる心配もなく、安全に過ごせます」
みねぎしさんは、コロナ禍で住まいで過ごす時間が増えたファミリー世帯には、あえてソファを提案しないこともあるのだそう。その場合は、代わりに大きめのダイニングテーブルを提案し、ゆったり過ごせるようにしているといいます。
みねぎしさんは、コロナ禍で住まいで過ごす時間が増えたファミリー世帯には、あえてソファを提案しないこともあるのだそう。その場合は、代わりに大きめのダイニングテーブルを提案し、ゆったり過ごせるようにしているといいます。
赤ちゃんがいても、観葉植物は置ける?
室内で観葉植物を育てている人は、赤ちゃんが自ら動き出す前に、対策を考えたほうがいいかもしれません。好奇心旺盛な赤ちゃんは鉢を倒して遊んだり、土や葉をつかんで口に入れてしまう可能性もあります。
一方で、Office SPIRALの水田恵子さんは、「赤ちゃんが生まれたからといって、観葉植物を諦める必要はないと思います」と話します。
「土を口に入れないようにバークなどで覆う、赤ちゃんの背が届かない棚の上などに鉢を置く、ハンギングするなどの方法があると思います」
室内で観葉植物を育てている人は、赤ちゃんが自ら動き出す前に、対策を考えたほうがいいかもしれません。好奇心旺盛な赤ちゃんは鉢を倒して遊んだり、土や葉をつかんで口に入れてしまう可能性もあります。
一方で、Office SPIRALの水田恵子さんは、「赤ちゃんが生まれたからといって、観葉植物を諦める必要はないと思います」と話します。
「土を口に入れないようにバークなどで覆う、赤ちゃんの背が届かない棚の上などに鉢を置く、ハンギングするなどの方法があると思います」
みねぎしさんも、ハンギンググリーンなど天井や窓辺に吊るして楽しむことを提案します。天井から吊り下げられている植物は、首すわり前の赤ちゃんでも楽しむことができます。
「ただし、天井専用の石膏ボード用の金具できちんと設置しましょう。ポットは割れない素材に。『赤ちゃんのお世話で植物まで手が回らず、枯らしてしまいそう』というご家庭には、フェイクグリーンもおすすめです」
「ただし、天井専用の石膏ボード用の金具できちんと設置しましょう。ポットは割れない素材に。『赤ちゃんのお世話で植物まで手が回らず、枯らしてしまいそう』というご家庭には、フェイクグリーンもおすすめです」
お世話しやすい動線づくり
赤ちゃんが生まれてから、住まいについて「なんだか不便だな」と感じるとしたら、動線に問題があるのかもしれません。とくに生まれたての赤ちゃんは睡眠時間が短く、授乳の頻度が高いため、ミルクをあげる・おむつを替える・寝かしつけるという一連の流れがスムーズに行える環境づくりが大切となるでしょう。
赤ちゃんが生まれてから、住まいについて「なんだか不便だな」と感じるとしたら、動線に問題があるのかもしれません。とくに生まれたての赤ちゃんは睡眠時間が短く、授乳の頻度が高いため、ミルクをあげる・おむつを替える・寝かしつけるという一連の流れがスムーズに行える環境づくりが大切となるでしょう。
「小さな赤ちゃんなら、リビングですべてができるように、お世話に必要なものをそろえて用意しましょう」とアドバイスするのは、水田さん。さらに水田さんは、「和室のない家も多くなりましたが、リビング横に和室があると、子育て中は重宝すると思います」と続けます。
赤ちゃんのいる家庭のリビングの写真をもっと見る
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「赤ちゃんに関わるものをなるべく一箇所にまとめられるように、とくに使う場所(ベビーベッドのそばなど)には、専用の収納家具を置くといいと思います」と話すのは、伊藤さん。「床にはなるべく何も置かず、赤ちゃんが安全に遊べるスペースを一箇所作りましょう」
みねぎしさんは、キャスター付きのベビーキャリーやバスケットに持ち手がついた“クーファン”を利用することを勧めます。
ベッドごと移動できるアイテムはキッチンで洗い物をしているときや、ランドリールームで洗濯を干しているときなど、家事や作業をする傍らで赤ちゃんを見守ることができるので、さまざまなシーンで活躍してくれることでしょう。
ベッドごと移動できるアイテムはキッチンで洗い物をしているときや、ランドリールームで洗濯を干しているときなど、家事や作業をする傍らで赤ちゃんを見守ることができるので、さまざまなシーンで活躍してくれることでしょう。
カラフルなおもちゃや赤ちゃん用品との、上手な付き合い方
赤ちゃんが成長し、おもちゃで遊べるようになってくると、ポップでカラフルなアイテムが増えていき、これまでこだわってきたインテリアのテイストが乱れてしまうことも。赤ちゃん向けのアイテムのテイストと大人好みのテイストのバランスをうまく保つためには、どうしたらいいのでしょうか?
赤ちゃんが成長し、おもちゃで遊べるようになってくると、ポップでカラフルなアイテムが増えていき、これまでこだわってきたインテリアのテイストが乱れてしまうことも。赤ちゃん向けのアイテムのテイストと大人好みのテイストのバランスをうまく保つためには、どうしたらいいのでしょうか?
中西さんは、「子どもの成長にとって、色は大事な要素です」と話します。
「色を認識し、色を感じることも、子どもの感覚形成に役立ちます。もし色が気になるようなら、子ども仕様にする部屋は、この場所と場所を限定し、その場所は色が溢れてもいいとしましょう」
子供部屋の写真をもっと見る
「色を認識し、色を感じることも、子どもの感覚形成に役立ちます。もし色が気になるようなら、子ども仕様にする部屋は、この場所と場所を限定し、その場所は色が溢れてもいいとしましょう」
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みねぎしさん、水田さん、伊藤さんは、プラスチック製のカラフルなおもちゃだけでなく、天然素材を使ったおもちゃを取り入れることも推奨します。
「できれば無垢の木のものに自然塗料で塗装したものは、安全かつ、色が落ち着いています」と中西さん。水田さんは、「プラスチック製品は安全面では優れていますが、木や布など自然の手触り、素材感のあるものを使って、感覚を育てることも大切だと思っています」と話します。
「できれば無垢の木のものに自然塗料で塗装したものは、安全かつ、色が落ち着いています」と中西さん。水田さんは、「プラスチック製品は安全面では優れていますが、木や布など自然の手触り、素材感のあるものを使って、感覚を育てることも大切だと思っています」と話します。
みねぎしさんは、「我が家では、無塗装の天然木積み木や100玉そろばんやわたしのお手製の綿のマペットがお気に入りでした」と振り返ります。
「ねんねの頃からの絵本の読み聞かせは、1万冊以上。大切な親子の時間になりました。今も子どもたちとの大切な思い出となっています。素敵な絵本棚コーナーをつくってみてはいかがでしょうか」
「ねんねの頃からの絵本の読み聞かせは、1万冊以上。大切な親子の時間になりました。今も子どもたちとの大切な思い出となっています。素敵な絵本棚コーナーをつくってみてはいかがでしょうか」
ここまで、赤ちゃんが暮らす住まいを快適にするコツをご紹介してきましたが、赤ちゃんが安全で快適に暮らせることと同じくらい、ママやパパが心穏やかに暮らせることも大切です。
赤ちゃんとの暮らしは、毎日が“初めて”だらけ。「赤ちゃんのために」と無理をするのではなく、ほっと一息つける空間をつくったり、気分の上がるアイテムをインテリアに取り入れてみてはいかがでしょう。ママやパパが楽しく穏やかに過ごせている姿が、何よりも赤ちゃんを安心させられるはずです。
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みねぎしです。わたくしの経験などお役に立てると嬉しいです。この度はありがとうございました。