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セカンド・リビングってどんな部屋? 専門家が解説する、特徴と使い方
メイン・リビングとセカンド・リビングは使い方も目的も違います。セカンド・リビングを考えることで、メイン・リビングの大切さを知ることができるかもしれません。
安井俊夫
2021年12月8日
天工舎一級建築士事務所主宰。神奈川県小田原市に事務所を構え、住宅や店舗などの設計監理業務を行っています。書評やコラムなども執筆中。
「セカンド・リビング」とは文字通り、二番目の居間のこと。「家に二つの居間があるのは無駄じゃないのか?」「それならば一つにまとめて広い居間にした方が良いのでは?」と疑問に感じられるかもしれませんが、実は目的や使い方が少し違います。まさに現代の家だからこそ、求められているといっても良いでしょう。そこで、今回はこの「セカンド・リビング」がどんな部屋で、どのように使われるのか、あるいはその部屋を設けることで、どんな利点があるのかをご説明いたします。
そもそも「リビング(居間)」とは、家族が集まって団らんするための場所で、とても重要な意味と役割を担っています。それなのになぜ、二番目の居間が必要とされるのでしょうか。
■リビングはプライベートな場所ではない
「セカンド・リビング」と聞いてすぐに思い浮かぶのは、二世帯住宅の場合です。例えば一階に設けた親世代・子世代が一緒に使える居間の場合、それとは別に子世代が使う小さな居間を二階に設けたいと、セカンド・リビングを欲しがる人も多いでしょう。家族の生活時間帯が違うことや、趣味を楽しみたいと思ったときに、家族に配慮しながら楽しめる空間を必要とするからです。
■リビングはプライベートな場所ではない
「セカンド・リビング」と聞いてすぐに思い浮かぶのは、二世帯住宅の場合です。例えば一階に設けた親世代・子世代が一緒に使える居間の場合、それとは別に子世代が使う小さな居間を二階に設けたいと、セカンド・リビングを欲しがる人も多いでしょう。家族の生活時間帯が違うことや、趣味を楽しみたいと思ったときに、家族に配慮しながら楽しめる空間を必要とするからです。
また、来客の多い家では、リビングが客間になることも多く、来客時に子供たちはリビングで過ごすことができなくなります。つまり、リビングがプライベートな空間ではないときがあるということなのです。
昔の家には玄関の傍に「客間」と呼ばれる部屋がありましたが、今は見かけることが少なくなりました。そんな客間の役割を兼ねているのが、現代の「リビング」なのです。
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昔の家には玄関の傍に「客間」と呼ばれる部屋がありましたが、今は見かけることが少なくなりました。そんな客間の役割を兼ねているのが、現代の「リビング」なのです。
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・玄関脇に設けてみる
例えば玄関脇に小さなスペースを確保し、椅子とテーブルを設けることで、そこを小さなセカンド・リビングとして活用することができます。
近所の知り合いや、「室内に通すほどではないけど、立ち話をちょっと……」なんて方とのお喋りの場として設ける空間。玄関を少しだけ広くして、明るさや風通しを考え、靴などを見せないように配慮された空間は、客間としての役割を担ったセカンド・リビングとして活躍するはずです。その際、ベンチやテーブルを、壁に設置した折り畳み式の簡易的なものにしておけば、使わないときには畳んで広い玄関として利用することも可能です。
例えば玄関脇に小さなスペースを確保し、椅子とテーブルを設けることで、そこを小さなセカンド・リビングとして活用することができます。
近所の知り合いや、「室内に通すほどではないけど、立ち話をちょっと……」なんて方とのお喋りの場として設ける空間。玄関を少しだけ広くして、明るさや風通しを考え、靴などを見せないように配慮された空間は、客間としての役割を担ったセカンド・リビングとして活躍するはずです。その際、ベンチやテーブルを、壁に設置した折り畳み式の簡易的なものにしておけば、使わないときには畳んで広い玄関として利用することも可能です。
・廊下に設けてみる
建物面積を大きくしないように工夫しながらセカンド・リビングを設けるためには、空間を兼用することが必要になります。例えば1階にリビングを設けた家の場合ならば、2階の廊下をセカンド・リビングしてみてはいかがでしょう。少しだけ広くした廊下に大きな机を設え、家中の本が並べられる本棚を設け、読書をしたりPCを開いたりすることができる空間。子供たちが勉強をすることもできれば、親が在宅ワークをすることもできる場所は、誰もが使えるセカンド・リビングとなります。
建物面積を大きくしないように工夫しながらセカンド・リビングを設けるためには、空間を兼用することが必要になります。例えば1階にリビングを設けた家の場合ならば、2階の廊下をセカンド・リビングしてみてはいかがでしょう。少しだけ広くした廊下に大きな机を設え、家中の本が並べられる本棚を設け、読書をしたりPCを開いたりすることができる空間。子供たちが勉強をすることもできれば、親が在宅ワークをすることもできる場所は、誰もが使えるセカンド・リビングとなります。
・部屋として設けてみる
将来、家族が増えることを考慮して、部屋を確保している住まいもあるでしょう。その部屋を当面セカンド・リビングとして利用するのも手です。
子供が部屋を必要と考える時期は、早くても小学校入学時だと思います。それまでの6年間はセカンド・リビングとして利用し、趣味の映画や音楽鑑賞などを家族に迷惑を掛けることなく、そして邪魔されずに楽しめる場所にしてみてはいかがでしょう。その時、可能ならば扉を設けた個室ではなく、誰もが使い易くするために開放感の高い部屋としておけば、より利用しやすくなると思います。
将来、家族が増えることを考慮して、部屋を確保している住まいもあるでしょう。その部屋を当面セカンド・リビングとして利用するのも手です。
子供が部屋を必要と考える時期は、早くても小学校入学時だと思います。それまでの6年間はセカンド・リビングとして利用し、趣味の映画や音楽鑑賞などを家族に迷惑を掛けることなく、そして邪魔されずに楽しめる場所にしてみてはいかがでしょう。その時、可能ならば扉を設けた個室ではなく、誰もが使い易くするために開放感の高い部屋としておけば、より利用しやすくなると思います。
・ルーフバルコニーを活用してみる
ルーフバルコニーを広く確保して、来客とくつろぐセカンド・リビングとして活用することもできます。椅子やテーブルを設え、日除けや雨除けとなる軒かオーニング、あるいはシェードなども用意できると良いでしょう。友人を招いたホームパーティや、ご家族だけで楽しむこともできます。給排水設備があると、なにかと便利ですね。
ルーフバルコニーを広く確保して、来客とくつろぐセカンド・リビングとして活用することもできます。椅子やテーブルを設え、日除けや雨除けとなる軒かオーニング、あるいはシェードなども用意できると良いでしょう。友人を招いたホームパーティや、ご家族だけで楽しむこともできます。給排水設備があると、なにかと便利ですね。
■フレキシブルでパーソナルな場所
ここまで、セカンド・リビングに関する、いくつかの参考例を挙げてみました。ほんの少し工夫するだけで、使う人と目的によって自由に変化する空間だということが、ご理解いただけましたでしょうか。
セカンド・リビングは家族がバラバラに楽しむことを目的としているのではなく、求める人が求めるときに利用できる空間を用意することで、「メインの居間での団らんをより快適に過ごすことを大切にしたい」と考えた結果、できたものだと思います。ほんの少しの工夫がつくり出すフレキシブルな空間は、家の中でのゆとりや快適さに繋がり、家族にとっての心地良さに繋がるはずです。
ぜひ家づくりの際は、セカンド・リビングに関して、建築家に相談してみてはいかがでしょう。
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ここまで、セカンド・リビングに関する、いくつかの参考例を挙げてみました。ほんの少し工夫するだけで、使う人と目的によって自由に変化する空間だということが、ご理解いただけましたでしょうか。
セカンド・リビングは家族がバラバラに楽しむことを目的としているのではなく、求める人が求めるときに利用できる空間を用意することで、「メインの居間での団らんをより快適に過ごすことを大切にしたい」と考えた結果、できたものだと思います。ほんの少しの工夫がつくり出すフレキシブルな空間は、家の中でのゆとりや快適さに繋がり、家族にとっての心地良さに繋がるはずです。
ぜひ家づくりの際は、セカンド・リビングに関して、建築家に相談してみてはいかがでしょう。
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