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2022年の住まいのトレンドは?Houzzのユーザー動向から読み解く
「おうち時間」が増えて3年目となる2022年。Houzzのユーザー動向から、これからのインテリア・デザインに求められる方向性を導き出してみました。
Miki Anzai
2022年1月21日
Houzz Japanでは、2021年中にユーザーにより多く保存された写真・よく読まれた記事・海外のインテリア・イベントで話題になったテーマなどを踏まえ、2022年に向けた8つのキーワードを抽出しました。また、2021年に施工事例が多かったインテリア・デザインを、Houzzの住まいの専門家から伺い、それらから見えてくる、2022年のデザイン・トレンドを予測してみました。
1.ホームオフィスを見栄えよく!
リモートワークが定着する中、2022年も引き続き、ホームオフィスの充実がテーマになりそうです。Houzzマガジンでも書類の収納・管理術やテレワーク用の家のリフォームについての記事がよく読まれています。
特に、ウェブ会議の背景のインテリアを気にされる方が多く、「壁面のリノベーションや、窓周りのカーテンの吊り替えが増えました」と話すのはstudio Ma(スタジオ・エムエー)代表の安藤眞代さんです。「ワークルームの壁面造作家具の色を、全てブルーにされた方もいらした」そうです。
リモートワークが定着する中、2022年も引き続き、ホームオフィスの充実がテーマになりそうです。Houzzマガジンでも書類の収納・管理術やテレワーク用の家のリフォームについての記事がよく読まれています。
特に、ウェブ会議の背景のインテリアを気にされる方が多く、「壁面のリノベーションや、窓周りのカーテンの吊り替えが増えました」と話すのはstudio Ma(スタジオ・エムエー)代表の安藤眞代さんです。「ワークルームの壁面造作家具の色を、全てブルーにされた方もいらした」そうです。
また、コロナ禍以前に比べて、壁面にアートを飾られる方や、カラーに重きを置いてインテリア・コーディネートを希望する方が目立ってきています。
2022年のトレンドカラーの薄紫色をインテリアに取り入れるには?
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2. 黒やグレーを用いたカウンターキッチン
Houzzが実施した「住宅リフォーム・リノベーション 2020年・2021年市場調査」によると、リフォーム・リノベーション、あるいは模様替えをした場所として多かったのがキッチンです。
「カウンターキッチン」は、2021年にHouzzで人気の検索ワードとなり、前年より約5倍も検索回数が増えました。
Houzzが実施した「住宅リフォーム・リノベーション 2020年・2021年市場調査」によると、リフォーム・リノベーション、あるいは模様替えをした場所として多かったのがキッチンです。
「カウンターキッチン」は、2021年にHouzzで人気の検索ワードとなり、前年より約5倍も検索回数が増えました。
Houzzで多く保存されたキッチンの傾向を見ても、カウンターキッチンで、ブラックとグレーを効かせた、シックなスタイルが好まれる傾向が続きそうです。
【2021年】世界のHouzzユーザーに最も人気だった、各国のキッチンは?
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3.ダウンライトでお部屋の印象を変える
「照明」は、2021年に最もよく検索されたキーワードの一つで、検索回数も2020年より6倍近く増えました。
そして、ダウンライトをセンスよく配灯するコツに関する記事がよく読まれました。ダウンライトは、陰影がスタイリッシュで、おしゃれな雰囲気をつくりだしてくれます。ですが、シーリングライトに比べて「上方向や横方向への光の広がりがないため、壁や天井が暗く見えがちなので、しっかりと配灯計画を立てることが大切です」と照明コンサルタントの本田綾子さんはいいます。
「照明」は、2021年に最もよく検索されたキーワードの一つで、検索回数も2020年より6倍近く増えました。
そして、ダウンライトをセンスよく配灯するコツに関する記事がよく読まれました。ダウンライトは、陰影がスタイリッシュで、おしゃれな雰囲気をつくりだしてくれます。ですが、シーリングライトに比べて「上方向や横方向への光の広がりがないため、壁や天井が暗く見えがちなので、しっかりと配灯計画を立てることが大切です」と照明コンサルタントの本田綾子さんはいいます。
その上、最近ではLEDダウンライトの選択肢が増え、「広角で光りが回るもの、狭角で空間をドラマチックに照らすものなど、色味や輝度もさまざまなため、プロに相談したほうがよいでしょう」と、HARU Interior Directionsのツジチハルさんはアドバイスしてくれました。施工面でも、「天井裏の断熱材に適応した規格のものでないと火災などの原因になるので要注意」とのことです。
また、多くの専門家が、照明のIoT化が進んでいると話してくれました。
たとえば、スイッチの切り替えをアレクサなどのAI音声認識サービス対応としたり、調理中でもテレビの音が聞こえるように「スピーカー付きダウンライト」などを導入するケースもあるそうです。
ダウンライトの配灯アイディアをもっとみる
たとえば、スイッチの切り替えをアレクサなどのAI音声認識サービス対応としたり、調理中でもテレビの音が聞こえるように「スピーカー付きダウンライト」などを導入するケースもあるそうです。
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4.リビングルームを多目的スペースにする
照明だけでなく、2022年はリビングの使い方も、「もっと自由になっていく予感がします」というのはClass S interior designの住吉さやかさんです。実際に、Houzzユーザーでも、リビングに大きなソファを置かない、あるいはテレビの代わりに、画像や映像を壁やスクリーンに投影できるプロジェクターを設置されている方が目立ち始めました。
また、リビングに置くアイテムとして人気急上昇中なのが、住吉さんいわく「パーソナルチェア」だそう。団らんの場であるリビングに、パーソナルチェアをプラスすれば、「家族と同じスペースを共有しながら、自分だけの空間がつくれるのがポイントです」(住吉さん)
こちらの記事もあわせて
・リビングにソファを置いていない家
・リビングに150インチのスクリーンとプロジェクタを完備した家
・リビングにパーソナルスペースをつくる方法
照明だけでなく、2022年はリビングの使い方も、「もっと自由になっていく予感がします」というのはClass S interior designの住吉さやかさんです。実際に、Houzzユーザーでも、リビングに大きなソファを置かない、あるいはテレビの代わりに、画像や映像を壁やスクリーンに投影できるプロジェクターを設置されている方が目立ち始めました。
また、リビングに置くアイテムとして人気急上昇中なのが、住吉さんいわく「パーソナルチェア」だそう。団らんの場であるリビングに、パーソナルチェアをプラスすれば、「家族と同じスペースを共有しながら、自分だけの空間がつくれるのがポイントです」(住吉さん)
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・リビングに150インチのスクリーンとプロジェクタを完備した家
・リビングにパーソナルスペースをつくる方法
5.上質な眠りを誘うベッドルーム
2021年のHouzzウェブマガジンでは、安眠できる寝室についての記事が人気を集めました。
「ステイホームが続き、ベッドルームは寝るだけの場所と考える方が減っている印象です」という住吉さん。就寝前にリラックスできるような照明、背もたれになるクッションや、「オリジナルのヘッドボードをご提案すると、みなさん大変喜ばれる」そうです。
2021年のHouzzウェブマガジンでは、安眠できる寝室についての記事が人気を集めました。
「ステイホームが続き、ベッドルームは寝るだけの場所と考える方が減っている印象です」という住吉さん。就寝前にリラックスできるような照明、背もたれになるクッションや、「オリジナルのヘッドボードをご提案すると、みなさん大変喜ばれる」そうです。
ツジさんは、睡眠の質に直結するベッドのマットレスも重要と語ります。「中が見えないものだからこそ、製造方法などをご説明して、信頼のあるメーカーのものをお勧めするようにしています」
6.暮らしに草木の可憐さを取り入れる
室内を殺風景にしない工夫として、癒やし効果のある観葉植物への人気も堅調でした。部屋別にグリーンを飾る方法や、バスルームで観葉植物を育てるポイントの記事がよく読まれ、Houzzで「植物」と検索された回数も、前年から3倍近く増えました。
室内を殺風景にしない工夫として、癒やし効果のある観葉植物への人気も堅調でした。部屋別にグリーンを飾る方法や、バスルームで観葉植物を育てるポイントの記事がよく読まれ、Houzzで「植物」と検索された回数も、前年から3倍近く増えました。
7.サステナブルで、本質的な心地よさを追求する
最後になりましたが、2021年秋には、1年半ぶりにミラノサローネをはじめとする欧州のインテリア見本市が対面で開催され、「環境や持続可能性」の課題とともに、「住まいの快適さ」が焦点となりました。
その中でも、メゾン・エ・オブジェ(2021年9月開催)で注目されていたのが、“ジャパンディ・スタイル”です。和(ジャパン)と北欧(スカンジナビア)らしさをミックスした、「本質的でシンプルなジャパンディ・スタイルの良さは、ステイホームを経て、世界中で人気となっています」(Color Design Firm代表の網村眞弓さん)
【メゾン・エ・オブジェ2021秋】から考察する、これからの住まい
最後になりましたが、2021年秋には、1年半ぶりにミラノサローネをはじめとする欧州のインテリア見本市が対面で開催され、「環境や持続可能性」の課題とともに、「住まいの快適さ」が焦点となりました。
その中でも、メゾン・エ・オブジェ(2021年9月開催)で注目されていたのが、“ジャパンディ・スタイル”です。和(ジャパン)と北欧(スカンジナビア)らしさをミックスした、「本質的でシンプルなジャパンディ・スタイルの良さは、ステイホームを経て、世界中で人気となっています」(Color Design Firm代表の網村眞弓さん)
【メゾン・エ・オブジェ2021秋】から考察する、これからの住まい
また、環境に配慮するという観点から、健康的な素材をインテリアに採用するニーズは相変わらず根強そうです。
たとえば昨年、和紙ソムリエの杉原吉良さんと越前和紙のセミナーを共同開催したインテリアデザイン R代表の笠原利恵さんは、「丈夫さと美しさを併せ持つ越前和紙や、デザイン性・耐久性・施工性に優れているエコフリース製の壁紙などをインテリアに取り入れていく動きに注目しています」と言います。
たとえば昨年、和紙ソムリエの杉原吉良さんと越前和紙のセミナーを共同開催したインテリアデザイン R代表の笠原利恵さんは、「丈夫さと美しさを併せ持つ越前和紙や、デザイン性・耐久性・施工性に優れているエコフリース製の壁紙などをインテリアに取り入れていく動きに注目しています」と言います。
8. 無垢のフローリング
環境負荷の少ない素材の利用は、快適性の向上にもつながります。「無垢のフローリング」が、Houzzで人気の検索ワードとなったのも、地球環境を大切にする人や、本物志向の人が増えてきて、天然の木材が持つ自然の魅力がよりいっそう見直されているからでしょう。
ツジさんもお施主さまから「単に家具を買い替えたいなど、おしゃれなカーテンにしたいという表面的なことではなく、『どう暮らせば、快適になるのか?』と、相談されることが多かった」と語ります。
環境負荷の少ない素材の利用は、快適性の向上にもつながります。「無垢のフローリング」が、Houzzで人気の検索ワードとなったのも、地球環境を大切にする人や、本物志向の人が増えてきて、天然の木材が持つ自然の魅力がよりいっそう見直されているからでしょう。
ツジさんもお施主さまから「単に家具を買い替えたいなど、おしゃれなカーテンにしたいという表面的なことではなく、『どう暮らせば、快適になるのか?』と、相談されることが多かった」と語ります。
なにをかくそう2021年に、Houzzで最も検索されたキーワードの一つが「注文住宅」でした。前年比から約8倍も多く検索されていたので、オーダーメードで、好みに合った家や空間をつくりたいと願う方が急増していることがわかります。
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