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暗い家を明るくしたい!そんな時のリフォーム、リノベーションの考え方
家の中が暗いと感じた時、どんな改善方法があるのかを考えてみましょう。

安井俊夫
2021年11月10日
天工舎一級建築士事務所主宰。神奈川県小田原市に事務所を構え、住宅や店舗などの設計監理業務を行っています。書評やコラムなども執筆中。
家の中で過ごす時間が増え、生活スタイルが変わられた方も多いと思います。家の中で過ごす時間が増えると、今までは気付かなかったことが、なんとなく気になるものです。例えば「室内の暗さ」も、その一つ。そこで今回は「暗い家を改善する方法」に、触れてみたいと思います。
家の中が何となく暗いと感じた時に、改善するための方法は大きく分けると二つです。一つは「壁や屋根などの骨組み部分には手を入れないリフォーム工事」と「壁や屋根を壊して改善する大規模なリノベーション」の二つです。後者は予算や工事期間も長く掛かります。そこで部分的なリフォームからご説明します。
部分的なリフォームで改善する
①カーテンを見直す
外からの視線の干渉をされるため、あるいは直射日光を遮るために、昼間からカーテンを下ろされている家を見かけます。そのカーテンが室内の暗さを助長しているようでしたら、一度カーテンを変えてみては如何でしょうか。
室内を明るくする色や素材に交換したり、今までは使っていなかったレースのカーテンを採用することも効果があります。レースのカーテンを利用することで、遮光用のカーテンを下ろす必要がなくなり、室内を明るくする効果が生まれます。ローマン・シェードやロール・ブラインドを利用されている方で、レースのカーテンを利用されていない方の場合には、大きな効果が期待できます。
①カーテンを見直す
外からの視線の干渉をされるため、あるいは直射日光を遮るために、昼間からカーテンを下ろされている家を見かけます。そのカーテンが室内の暗さを助長しているようでしたら、一度カーテンを変えてみては如何でしょうか。
室内を明るくする色や素材に交換したり、今までは使っていなかったレースのカーテンを採用することも効果があります。レースのカーテンを利用することで、遮光用のカーテンを下ろす必要がなくなり、室内を明るくする効果が生まれます。ローマン・シェードやロール・ブラインドを利用されている方で、レースのカーテンを利用されていない方の場合には、大きな効果が期待できます。
②壁や天井の色や素材を変える
家全体の壁や天井を変えなくても、家族が長く過ごす居間だけを、変えてみるだけでも効果は期待できます。その場合でも、壁の一面だけ彩度の高い色に変えるだけで、室内の明るさに対する印象が全く違うものになります。
例えば、窓の位置などを考慮して陽の光が一番射す壁の色を変えてみたり、あるいは家族が観るTV背面の壁の色だけを変えてみるという方法があります。色を変える素材として壁紙を選ぶと、短時間・低コストで変化を体感できると思います。
Houzzで住まいの専門家を探す
家全体の壁や天井を変えなくても、家族が長く過ごす居間だけを、変えてみるだけでも効果は期待できます。その場合でも、壁の一面だけ彩度の高い色に変えるだけで、室内の明るさに対する印象が全く違うものになります。
例えば、窓の位置などを考慮して陽の光が一番射す壁の色を変えてみたり、あるいは家族が観るTV背面の壁の色だけを変えてみるという方法があります。色を変える素材として壁紙を選ぶと、短時間・低コストで変化を体感できると思います。
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③庭を見直す
窓の外に設けられた大きな庭木が日差しを遮り、室内を暗くしている場合があります。そんな場合には庭木の剪定や樹種を見直して、室内に入る日差しの量を増やすことを考えましょう。庭木や遮蔽性の高い塀などを整理することで、室内の明るさが増すこともあります。
窓の外に設けられた大きな庭木が日差しを遮り、室内を暗くしている場合があります。そんな場合には庭木の剪定や樹種を見直して、室内に入る日差しの量を増やすことを考えましょう。庭木や遮蔽性の高い塀などを整理することで、室内の明るさが増すこともあります。
④窓ガラスを交換してみる
透明ガラスの窓を、型ガラス(擦りガラス)に変えてしまう方法もあります。透明ガラスは視認性が良く、直射日光をしっかりと室内に取り込み、そのために室内の陰影が強く表れます。ですが外部からの視認性が良いことが災いし、カーテンで視線を遮ろうとしてしまいます。
それならば視認性の低い型ガラスに交換し、カーテンを下ろさない生活をすることで、室内の暗さを解消することが出来る筈です。たしかに型ガラスは透明ガラスに比べて、透光性は落ちますが、その分カーテンを下ろさなくなることで、室内の印象を変えることが出来ると思います。
透明ガラスの窓を、型ガラス(擦りガラス)に変えてしまう方法もあります。透明ガラスは視認性が良く、直射日光をしっかりと室内に取り込み、そのために室内の陰影が強く表れます。ですが外部からの視認性が良いことが災いし、カーテンで視線を遮ろうとしてしまいます。
それならば視認性の低い型ガラスに交換し、カーテンを下ろさない生活をすることで、室内の暗さを解消することが出来る筈です。たしかに型ガラスは透明ガラスに比べて、透光性は落ちますが、その分カーテンを下ろさなくなることで、室内の印象を変えることが出来ると思います。
⑤照明器具や天井デザインを変えてみる
室内の暗さを感じることは、なにも昼間だけではありません。夜、照明を点けた際に、なんとなく以前よりも、室内が暗く感じてしまうことがあります。これは照明器具が古くなっていることが原因の場合もありますが、それ以外にも家人の加齢による目の機能の低下に原因がある場合も考えられます。そんな時には照明器具を、より明るい製品に交換したり、照明器具を増やすことで対応しなければならないケースもあるでしょう。
室内の暗さを感じることは、なにも昼間だけではありません。夜、照明を点けた際に、なんとなく以前よりも、室内が暗く感じてしまうことがあります。これは照明器具が古くなっていることが原因の場合もありますが、それ以外にも家人の加齢による目の機能の低下に原因がある場合も考えられます。そんな時には照明器具を、より明るい製品に交換したり、照明器具を増やすことで対応しなければならないケースもあるでしょう。
⑥室内扉のデザインを変える
室内扉のデザイン拠っては、閉めることで隣室との灯りを共有できない物があります。ガラス扉に交換することによって、閉めた状態でも隣室の明かりを共有することも考えてみましょう。例えば窓の無い暗い玄関ホールでも、隣接する居間との間の扉をガラス扉に交換することで、玄関ホールの明るさを確保できる場合もあります。また閉じた形の台所なども、暗いと言われる部屋の一つですが、大掛かりな改修工事を施さなくても、食器戸棚の形や大きさを変え、隣接する部屋側との壁に開口を設けることが出来れば、暗さを大きく解消することが出来るでしょう。
室内扉のデザイン拠っては、閉めることで隣室との灯りを共有できない物があります。ガラス扉に交換することによって、閉めた状態でも隣室の明かりを共有することも考えてみましょう。例えば窓の無い暗い玄関ホールでも、隣接する居間との間の扉をガラス扉に交換することで、玄関ホールの明るさを確保できる場合もあります。また閉じた形の台所なども、暗いと言われる部屋の一つですが、大掛かりな改修工事を施さなくても、食器戸棚の形や大きさを変え、隣接する部屋側との壁に開口を設けることが出来れば、暗さを大きく解消することが出来るでしょう。
大掛かりなリノベーションで改善する
今度は建物本体に手を加えることで、暗かった室内を改善する際の注意点を、ご説明します。
①窓を追加する
直ぐに思い付く方法は窓を追加することですが、その際に気を付けたいことが二つあります。一つは陽の差す方角を正しく把握すること。もう一つは設置する窓の高さを考えることです。夏は太陽高度が高くなるため窓の近くが明るくなり、冬は太陽高度が低くなるため、部屋の奥まで明るくさせることが可能になります。日差しには角度があることを理解し、陽を正しく室内に招き入れる位置に窓を設けることが大切です。
低い位置に設ける窓は、窓のそばを明るくし、高い位置に窓を設ければ、部屋の奥まで陽を届けることが出来ることを理解しましょう。可能なら吹き抜けを設けて、その上部に窓を設けることが出来れば、暗さを解消させることに繋がります。
今度は建物本体に手を加えることで、暗かった室内を改善する際の注意点を、ご説明します。
①窓を追加する
直ぐに思い付く方法は窓を追加することですが、その際に気を付けたいことが二つあります。一つは陽の差す方角を正しく把握すること。もう一つは設置する窓の高さを考えることです。夏は太陽高度が高くなるため窓の近くが明るくなり、冬は太陽高度が低くなるため、部屋の奥まで明るくさせることが可能になります。日差しには角度があることを理解し、陽を正しく室内に招き入れる位置に窓を設けることが大切です。
低い位置に設ける窓は、窓のそばを明るくし、高い位置に窓を設ければ、部屋の奥まで陽を届けることが出来ることを理解しましょう。可能なら吹き抜けを設けて、その上部に窓を設けることが出来れば、暗さを解消させることに繋がります。
②屋根にトップライトを設ける
壁に窓を設置するよりも、屋根にトップライトを設置する方が三倍の明るさを確保できると言われています。このトップライトを適切な場所に設置することが出来れば、暗さとはもう無縁となります。
壁に窓を設置するよりも、屋根にトップライトを設置する方が三倍の明るさを確保できると言われています。このトップライトを適切な場所に設置することが出来れば、暗さとはもう無縁となります。
③減築して明るくする
一般的に言えば、居間のような共有スペースは一階に設けられていることが多いため、壁の高い位置に窓を設けることや、屋根にトップライトを設けるという対策が取れない場合もあります。その場合には、思い切って2階を解体する減築や、居間の直上室を撤去して吹抜けを造ると言った大胆なリノベーションも考慮に入れる必要があるでしょう。
一般的に言えば、居間のような共有スペースは一階に設けられていることが多いため、壁の高い位置に窓を設けることや、屋根にトップライトを設けるという対策が取れない場合もあります。その場合には、思い切って2階を解体する減築や、居間の直上室を撤去して吹抜けを造ると言った大胆なリノベーションも考慮に入れる必要があるでしょう。
室内の暗い場所を明るくするための方法を、いくつかご紹介させていただきましたが、かつては家の中にも明るい所と暗い所があることが望ましいと考えられており、文豪・谷崎潤一郎は随筆の中で『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』と、唱えていました。
家の中には暗いことが相応しい場所があり、その対比として明るい場所がより明るさを持つ。そんな美意識が日本の住まいには相応しいと考えられていました。ですが住まいが洋風になり、生活様式が変われば、それに相応しい明るさが求められるのは当然のことです。
どうかご家族の皆さんが快適に過ごせる明るさが確保できるように、建築家とよくご相談下さい。
家づくりのヒントをもっと読む
家の中には暗いことが相応しい場所があり、その対比として明るい場所がより明るさを持つ。そんな美意識が日本の住まいには相応しいと考えられていました。ですが住まいが洋風になり、生活様式が変われば、それに相応しい明るさが求められるのは当然のことです。
どうかご家族の皆さんが快適に過ごせる明るさが確保できるように、建築家とよくご相談下さい。
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