家を建てるための土地探し。考え方の基本ポイントは?
注文住宅を建てる時の土地選びはなかなか難しいもの。自分が大切にしたいポイントを考えるほか、建築家の知恵も借りながら進めるのがオススメです。
安井俊夫
2021年10月6日
天工舎一級建築士事務所主宰。神奈川県小田原市に事務所を構え、住宅や店舗などの設計監理業務を行っています。書評やコラムなども執筆中。
家を建てるための土地探しの方法や、どんな点に注意すればよいのかが分からず、悩まれる方は少なくないと思います。そこで今回は土地探しの際に大切なポイントと、自分でも出来る土地の特性を知る方法などを、ご紹介いたします。
土地を探す際・決める際のポイントとは?
土地を探す際に大切なポイントは、人それぞれだと思いますが、簡単に箇条書きにすると下記のような項目になると思います。その中からご自分やご家族が、最も重要だと思える3項目程度を「こだわりポイント」として絞り込み、その上で土地を探すことが大切です。
土地を探す際に大切なポイントは、人それぞれだと思いますが、簡単に箇条書きにすると下記のような項目になると思います。その中からご自分やご家族が、最も重要だと思える3項目程度を「こだわりポイント」として絞り込み、その上で土地を探すことが大切です。
- ①住みたいエリアを決める
- ②こだわりたい理由を理解する
- ③交通の便を考える
- ④全体予算から土地の値段を考える
- ⑤周辺の施設を知る
購入する土地が宅地分譲された新しい区画の一区画なのか、それとも古くからコミュニティーが出来上がっている地域の中に、ポツンと売りに出された土地なのかによっては、ライフスタイルに大きく影響を与えてくるかもしれませんので、その辺りへの対応が出来るかどうかも考えておく必要があります。
また、万一の災害時には、近くの指定緊急避難場所との距離も大切です。各都道府県のHPでも詳細なデータは掲載されていると思いますが、大まかには国土地理院のHPにも掲載されているので、ご参考まで。
- ⑥傾斜地と平坦地の違いを知る
- ⑦建物へ与える法的規制を知る
ただし、全てを完全に理解することは、なかなか難しいと思います。そこで土地探しの段階から建築家に協力してもらい、一緒に探してもらう方法がオススメです。言ってみれば、土地探しのセカンド・オピニオンと言っても良いでしょう。
100点満点の土地は無いと考える
ここまで土地選びで考えておきたいポイントをいくつか書きだしてきましたが、もっとも大切なことが一つあります。それは「100点満点の土地は無い」ということです。
土地探しの際は、理想をすべて満足させる100点の土地を探すことと思いますが、必ず一つや二つは気になる点があるものです。唯一のマイナスポイントにこだわるあまり、95点の土地を買い損ねてしまうことはよくあることです。初めから「100点の土地は無い」と考えていれば、良い土地に巡り合った際に躊躇うこと無く、購入できるのではないかと思います。
ここまで土地選びで考えておきたいポイントをいくつか書きだしてきましたが、もっとも大切なことが一つあります。それは「100点満点の土地は無い」ということです。
土地探しの際は、理想をすべて満足させる100点の土地を探すことと思いますが、必ず一つや二つは気になる点があるものです。唯一のマイナスポイントにこだわるあまり、95点の土地を買い損ねてしまうことはよくあることです。初めから「100点の土地は無い」と考えていれば、良い土地に巡り合った際に躊躇うこと無く、購入できるのではないかと思います。
災害の危険性を調べてみる
いくつかの候補地が見つかった時、その土地の背景をご自分で確認することができます。一つは地名からの推察です。
例えば地名に低い場所を意味する窪・沢・沼と言った文字が含まれている土地。あるいは水を表すサンズイが含まれた波、津、洲、浜などは、昔、水辺だったことを表し、軟弱地盤の可能性があります。
他も川、河、海、湖、谷といった文字が含まれる地域も注意が必要です。もっともそれらの地名が、すべて軟弱地盤と言う意味ではありませんので、あくまでも参考です。地盤の強さや災害時の浸水被害の予測、避難場所などを確認するためにも、ハザードマップや地盤サポートマップなどを、ご自身で調べてみるのも良いでしょう。
いくつかの候補地が見つかった時、その土地の背景をご自分で確認することができます。一つは地名からの推察です。
例えば地名に低い場所を意味する窪・沢・沼と言った文字が含まれている土地。あるいは水を表すサンズイが含まれた波、津、洲、浜などは、昔、水辺だったことを表し、軟弱地盤の可能性があります。
他も川、河、海、湖、谷といった文字が含まれる地域も注意が必要です。もっともそれらの地名が、すべて軟弱地盤と言う意味ではありませんので、あくまでも参考です。地盤の強さや災害時の浸水被害の予測、避難場所などを確認するためにも、ハザードマップや地盤サポートマップなどを、ご自身で調べてみるのも良いでしょう。
土地探しから建築家と相談するのはオススメ
一般的に「土地は不動産会社と探す」と考えますが、最近は土地探しの段階から建築家に協力してもらう方が増えています。建物に関する夢や希望を伝え、理想の家に適した土地を一緒に探してもらう。セカンド・オピニオンよりも一歩踏み込んでもらった建築家の関わり方は、土地探しからの「二人三脚」と呼べます。建築家に土地探しから携わって貰う最大のメリットは、なんと言っても土地を探す段階で、建築工事の際のメリット・デメリットに関して、適切なアドバイスを貰えること。
例えば、建築主から見て難しそうな傾斜地や狭小地であっても、建築家は全く違った判断をすることがあります。建築主と建築家が意見や考え方を話し合うことで、マイナスだと思っていた土地への評価がプラスになる場合もあれば、その逆の場合もあるでしょう。不動産会社には無い「建築的な視点」を加味して土地を探すことは、とても重要なことなのです。
もちろん、最低限の費用は必要だと思いますが、大切な土地購入の際に、建築の専門家にアドバイスを貰えることは、とても心強いことです。購入を考えているエリアへのアクセスが良く、面倒見の良い建築家にご相談してみるのも、最良な土地探しへの一つの方法だと言えそうです。
Houzzで建築家を探す
一般的に「土地は不動産会社と探す」と考えますが、最近は土地探しの段階から建築家に協力してもらう方が増えています。建物に関する夢や希望を伝え、理想の家に適した土地を一緒に探してもらう。セカンド・オピニオンよりも一歩踏み込んでもらった建築家の関わり方は、土地探しからの「二人三脚」と呼べます。建築家に土地探しから携わって貰う最大のメリットは、なんと言っても土地を探す段階で、建築工事の際のメリット・デメリットに関して、適切なアドバイスを貰えること。
例えば、建築主から見て難しそうな傾斜地や狭小地であっても、建築家は全く違った判断をすることがあります。建築主と建築家が意見や考え方を話し合うことで、マイナスだと思っていた土地への評価がプラスになる場合もあれば、その逆の場合もあるでしょう。不動産会社には無い「建築的な視点」を加味して土地を探すことは、とても重要なことなのです。
もちろん、最低限の費用は必要だと思いますが、大切な土地購入の際に、建築の専門家にアドバイスを貰えることは、とても心強いことです。購入を考えているエリアへのアクセスが良く、面倒見の良い建築家にご相談してみるのも、最良な土地探しへの一つの方法だと言えそうです。
Houzzで建築家を探す
最後は、自分の目で見て、歩いてみる
土地探しに同行することがあります。土地を見ていると、ご近所さんが通り掛ることがありますが、その際に挨拶をしたら返してくれる方と、そうでない方が居ます。挨拶を交わせると、それだけでその土地に迎えられているような気がするし、挨拶を無視されると拒まれているように感じてしまいます。あくまでもパーソナルな問題ですが、意外とそういう印象って正しいような気がします。
またある場所では、近隣の家々の竪樋に有刺鉄線が巻き付けられている光景を見たことがあります。「治安が悪いのかな?」と思ったのですが、後日、そのエリアには猿が出る知り、その対策の一環だったことを理解しました。
土地探しに同行することがあります。土地を見ていると、ご近所さんが通り掛ることがありますが、その際に挨拶をしたら返してくれる方と、そうでない方が居ます。挨拶を交わせると、それだけでその土地に迎えられているような気がするし、挨拶を無視されると拒まれているように感じてしまいます。あくまでもパーソナルな問題ですが、意外とそういう印象って正しいような気がします。
またある場所では、近隣の家々の竪樋に有刺鉄線が巻き付けられている光景を見たことがあります。「治安が悪いのかな?」と思ったのですが、後日、そのエリアには猿が出る知り、その対策の一環だったことを理解しました。
土地はそこに行くことで初めてわかることや知ることが出来ること、感じられることがたくさんあります。道の狭さや坂道の角度をはじめ、近所で遊ぶ子供たちの声や、家の前の道を走る車の量や音。
風の向きや陽の差し方、雨が降った時の道路の様子と言った具合に、行くことで知る情報がそこにはあります。それを許容する・しないの判断は、あくまでも建築主の主観です。そこだけは誰も変わりに判断が出来ません。
土地の探し始めはネットでの検索かもしれませんが、見ること・触れることを大切にし、出来れば不動産視点だけで購入することなく、建築視点の大切さを考慮して決められることをお薦めいたします。
Houzzで住まいの専門家を探す
家づくりのヒントをもっと読む
風の向きや陽の差し方、雨が降った時の道路の様子と言った具合に、行くことで知る情報がそこにはあります。それを許容する・しないの判断は、あくまでも建築主の主観です。そこだけは誰も変わりに判断が出来ません。
土地の探し始めはネットでの検索かもしれませんが、見ること・触れることを大切にし、出来れば不動産視点だけで購入することなく、建築視点の大切さを考慮して決められることをお薦めいたします。
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