陶芸工房がある、帰ってきたくなる家
夫婦2人の「好き」が詰め込まれた、朝起きてから夜寝るまで心地よく過ごせる住まいです。

杉田真理子
2021年12月12日
コンパクトな平屋の家を希望していた施主夫妻。設計を依頼できる建築家を、それぞれがインターネットで探したところ、持ち寄った候補は2人とも同じ「悠らり建築事務所」だったのだそうです。
奥さまは、陶芸家として活躍しています。結婚して家づくりをするタイミングで、自宅を工房としても良いのでは、というアイデアを思いつきました。
奥さまは、陶芸家として活躍しています。結婚して家づくりをするタイミングで、自宅を工房としても良いのでは、というアイデアを思いつきました。
どんなHouzz?
所在地:愛知県尾張旭市
住まい手:会社員のご主人と陶芸家の奥さま
敷地面積:111.54㎡
建築面積:55.60㎡
延床面積:84.08㎡
構造:木造2階建
設計:悠らり建築事務所のの安藤亨英さん、安藤節子さん
施工:株式会社 菊原
竣工時期:2020年6月
悠らり建築事務所に声をかける前から、自分たちで土地探しをしていたという夫妻。「ただ、旗竿地や崖の横など、建築法規的に難しい場所や条件が悪い土地が多く、土地探しからプロの視点で入らせて頂きました」と悠らり建築事務所の建築家、安藤亨英さんは話します。
「条件の悪い土地だと、例えば崖に対する擁壁を作ることにお金がかかってしまいます。せっかくなら土地に余計なお金はかけず、家そのものにお金をかけたいですよね」
まずは希望の家を作るための予算を洗い出し、そこから土地にかけられる金額を算出するのがオススメだと話します。
所在地:愛知県尾張旭市
住まい手:会社員のご主人と陶芸家の奥さま
敷地面積:111.54㎡
建築面積:55.60㎡
延床面積:84.08㎡
構造:木造2階建
設計:悠らり建築事務所のの安藤亨英さん、安藤節子さん
施工:株式会社 菊原
竣工時期:2020年6月
悠らり建築事務所に声をかける前から、自分たちで土地探しをしていたという夫妻。「ただ、旗竿地や崖の横など、建築法規的に難しい場所や条件が悪い土地が多く、土地探しからプロの視点で入らせて頂きました」と悠らり建築事務所の建築家、安藤亨英さんは話します。
「条件の悪い土地だと、例えば崖に対する擁壁を作ることにお金がかかってしまいます。せっかくなら土地に余計なお金はかけず、家そのものにお金をかけたいですよね」
まずは希望の家を作るための予算を洗い出し、そこから土地にかけられる金額を算出するのがオススメだと話します。
片付けも家事も好きだというご夫婦。陶芸作品を飾る場所を作ったり、料理は2人並んでできるように、2人が気持ちよく過ごすための仕組みを家中に散りばめました。
玄関の前に立つと、工房の窓に設置されている飾り棚から、奥さまの陶芸作品が見えるようになっています。
外壁には焼杉を使用。「煤を落とした焼杉素材は、落ち着きのある雰囲気があります。メンテナンスにも手がかからないのが魅力です」と安藤さんは説明します。
アプローチは、糟谷庭園デザイン室が手がけました。「森の小道のようなイメージで、シンボルツリーとしてのジュンベリーや、ハーブもあります」春には花が咲き、秋は紅葉やススキも楽しめ、四季を楽しめます。
造園・ガーデニングの専門家を探す
玄関の前に立つと、工房の窓に設置されている飾り棚から、奥さまの陶芸作品が見えるようになっています。
外壁には焼杉を使用。「煤を落とした焼杉素材は、落ち着きのある雰囲気があります。メンテナンスにも手がかからないのが魅力です」と安藤さんは説明します。
アプローチは、糟谷庭園デザイン室が手がけました。「森の小道のようなイメージで、シンボルツリーとしてのジュンベリーや、ハーブもあります」春には花が咲き、秋は紅葉やススキも楽しめ、四季を楽しめます。
造園・ガーデニングの専門家を探す
玄関土間の壁には、2人の趣味である自転車がかかっています。奥さまの作品である花器に生けられたススキが、季節を室内に取り込んでいます。
玄関収納はたっぷり設け、靴だけでなく、スノーボードなども格納できるようにしました。「大きな納戸を一か所に設けるのではなく、所々に収納を分散させることで、延べ床面積を最大限利用できる収納計画としました」と安藤さんは説明します。
玄関から左に行くと工房に、まっすぐ行くと居住空間となっています。「居住空間を通らなくても工房に直接アクセスできるようにすることで、住居と工房を区別し、気持ちを切り替えられるようにしています。工房への来客があった時も、リビングを通らずに行けるのが便利です」と安藤さん。
玄関収納はたっぷり設け、靴だけでなく、スノーボードなども格納できるようにしました。「大きな納戸を一か所に設けるのではなく、所々に収納を分散させることで、延べ床面積を最大限利用できる収納計画としました」と安藤さんは説明します。
玄関から左に行くと工房に、まっすぐ行くと居住空間となっています。「居住空間を通らなくても工房に直接アクセスできるようにすることで、住居と工房を区別し、気持ちを切り替えられるようにしています。工房への来客があった時も、リビングを通らずに行けるのが便利です」と安藤さん。
工房は玄関から土間でつながっているため、粘土などの土埃が生活空間に行くことはないそうです。
電気釜、机、水場、棚やろくろなど、置きたいものが明確だったため、設計はスムーズだった、と安藤さんは振り返ります。。「電気釜はそこまでサイズが大きくないのですが、使用するための電圧だけは苦労しましたね。電気職人と話して進めました」
天井を斜めにすることで、狭さを感じさせないような工夫もされています。
土間のアイディアをもっとみる
電気釜、机、水場、棚やろくろなど、置きたいものが明確だったため、設計はスムーズだった、と安藤さんは振り返ります。。「電気釜はそこまでサイズが大きくないのですが、使用するための電圧だけは苦労しましたね。電気職人と話して進めました」
天井を斜めにすることで、狭さを感じさせないような工夫もされています。
土間のアイディアをもっとみる
明るい窓のそばのデスクは、アイデアを練ったりする場所。レッドシダーの窓枠とリネンのカーテンがついた窓が風景を作っています。
陶芸工房とリビングダイニングは、それぞれ中庭に面していて、緩やかにつながっています。
「生活スペースと工房スペースの遮断されすぎず、同一空間になりすぎない、程よい棲み分けが気に入っています」と奥さま。
「細長い土地なので、光をどう室内に届けるのかが課題でした。中庭を入れることで、居住空間に光を入れています」と安藤さん。
茶花や山野草、伊勢砂利などが使われて和の雰囲気が感じられる中庭は、光取りとしてだけでなく、奥さまの陶芸作品を乾燥させるのに使用したり、植栽を植えたりと、多機能に使用されています。
「生活スペースと工房スペースの遮断されすぎず、同一空間になりすぎない、程よい棲み分けが気に入っています」と奥さま。
「細長い土地なので、光をどう室内に届けるのかが課題でした。中庭を入れることで、居住空間に光を入れています」と安藤さん。
茶花や山野草、伊勢砂利などが使われて和の雰囲気が感じられる中庭は、光取りとしてだけでなく、奥さまの陶芸作品を乾燥させるのに使用したり、植栽を植えたりと、多機能に使用されています。
リビングダイニングには、中庭からの自然光がふんだんに入ります。
マンション時代に買い揃えていた家具がうまく配置されたリビングダイニングです。既に持っていた照明器具に合うように空間を設計した、と安藤さんは話します。
長さがほぼ4mある長い造作キッチンは、夫婦2人が並んで料理ができるように工夫されています。シナ合板に天板はステンレスで、つまみを真鍮にするなど、細かい工夫が行き渡っています。
「キッチンの窓は差し込む光や眺めが気持ちよく、毎朝じんわりと幸せな気持ちなります」と奥さま。
所々に配置された棚に飾られた食器や花器が、空間に個性をプラスしてくれています。
「キッチンの窓は差し込む光や眺めが気持ちよく、毎朝じんわりと幸せな気持ちなります」と奥さま。
所々に配置された棚に飾られた食器や花器が、空間に個性をプラスしてくれています。
階段の下はデスクスペースとなっており、主にご主人の仕事に用いられています。振り向けばすぐにキッチンでお茶を入れられるので、リラックスした環境で使用できます。
スケルトンで浮遊感のある階段には鉄の手すりを用い、ナチュラルな空間にアクセントを加えています。
「階段まわりのスペースプラン」についての記事を読む
スケルトンで浮遊感のある階段には鉄の手すりを用い、ナチュラルな空間にアクセントを加えています。
「階段まわりのスペースプラン」についての記事を読む
昇降式の室内物干しが設置された2階の寝室。洗濯をした後、バルコニーを通って物干しにかけるまでの導線がスムーズになるよう計画されています。
バルコニーでは夫婦の趣味である多肉植物が育てられており、お風呂上がりに外のベンチで休憩するのがお気に入りの過ごし方なんだそう。バルコニーの柵は高めに設定し、外からの視線を遮ります。
バルコニーでは夫婦の趣味である多肉植物が育てられており、お風呂上がりに外のベンチで休憩するのがお気に入りの過ごし方なんだそう。バルコニーの柵は高めに設定し、外からの視線を遮ります。
キッチンと色違いのタイルが使用された洗面スペース。朝寝癖を治すための簡易シャワーも、洗面台に取り付けられています。
低層住宅地域で見晴らしの良い場所に作られた、のびのび過ごせる夫婦の家。「ここちよカフェに行かなくても、家でコーヒーを淹れてゆったりするだけで満足しています」と奥さまは話していました。
Houzzツアー (お宅紹介) の記事をもっと読む
低層住宅地域で見晴らしの良い場所に作られた、のびのび過ごせる夫婦の家。「ここちよカフェに行かなくても、家でコーヒーを淹れてゆったりするだけで満足しています」と奥さまは話していました。
Houzzツアー (お宅紹介) の記事をもっと読む
おすすめの記事
キッチンの記事
さえないキッチンが、シックでモダンなスカンジナビア風に変身!
使い勝手の良くないレイアウトに、無駄なスペース、どんよりとくすんだ配色。このキッチンがどのように変わったかをご覧ください。
続きを読む
世界の家
複数世代が生活し、この地で年齢を重ねていくために裏庭に建てられた「付属居住ユニット」
娘の住宅の敷地内に建てられた新しい建物。ミニマリスト風でありつつ温かみのある空間と、美しいプライベートな庭を母親に提供します。
続きを読む
Houzzがきっかけの家(海外)
広々と暮らせるカリフォルニアの家
1組の夫婦と1人の建築家がHouzzを通じてつながり、「大きいことが常に良いわけではない」ことを証明するような、無駄のない、緑にあふれた家を建てました。
続きを読む
世界の家
重厚なダークカラーと穏やかなホワイトが美しいコントラストを描く家
初のリモートプロジェクトにより、鮮やかなコントラストとスタイリッシュで快適な空間が実現した、南カルフォルニアの一軒家をご紹介します。
続きを読む
Houzzがきっかけの家(海外)
大胆な色使いとアートが活気を与える、若い家族のための住まい
楽しいことが大好きな若いオーナー家族は、Houzzで見つけたデザイナーに、ワシントンD.C.の住まいのコーディネートを依頼しました。
続きを読む
地域別特集
古都・鎌倉に建つオリジナリティあふれる家5選
文/小川のぞみ
リモートワークが増え、最近ではさらなる移住者で賑わう鎌倉。オリジナリティのある住まいや大邸宅など、街に溶け込む家々の一例をご紹介します。
続きを読む
ミニマルでとても雰囲気のいい家だと思います。