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住まいを開いて街を楽しむ、住居費ゼロの家
オーナー住戸の一部をシェアしたり、賃貸部分を抱えたりすることにより、街と繋がりながら住居費ゼロを実現しました。
杉田真理子
2021年10月12日
神奈川県・横浜市。半地下を含む3階建の本物件は、オーナー住戸と賃貸住宅2戸で構成された共同住宅です。賃貸住宅に加え、公園が隣接する立地を活かし、住宅の大半を時間によって誰もが使えるシェアスペースとして開きました。気持ちの良い空間を独占するのではなく、街との繋がり、人との繋がりを保った新しい住まいのあり方の提案です。
どんなHouzz?
所在地:神奈川県横浜市
住まい手:オーナーご夫婦とお子さま2人(2F)、パーソナルトレーナーのテナント1人(1F)、333architectsの事務所(B1F)
敷地面積:100.11㎡
建築面積:59.93㎡
延床面積:183.84㎡
構造:木造+RC造
設計:333architects / 株式会社トリプルスリーアーキテクツ
施工:株式会社 昭和未来
竣工時期:2019年5月〜2019年11月
333architects(株式会社トリプルスリーアーキテクツ)の建築家・宇津木さんの大学時代の同期だったという施主・高橋さん。奥さまと小学生・中学生の2人のお子さまたちと4人暮らしです。
建築のバックグラウンドと不動産の知識が既にあった高橋さんは、「住居費ゼロ」の家づくりを実現させようと動き出しました。土地探し・コンセプトづくりをしてから、基本設計の段階で住宅設計の経験が豊富な宇津木さんに声をかけました。
住居費ゼロを実現させるためには賃貸スペースを住居内に入れることが前提だったため、立地は特に重要でした。高橋さんが見つけた土地は、駅のすぐ近く。マンションの公開空地や公園に面した、好条件の立地でした。
所在地:神奈川県横浜市
住まい手:オーナーご夫婦とお子さま2人(2F)、パーソナルトレーナーのテナント1人(1F)、333architectsの事務所(B1F)
敷地面積:100.11㎡
建築面積:59.93㎡
延床面積:183.84㎡
構造:木造+RC造
設計:333architects / 株式会社トリプルスリーアーキテクツ
施工:株式会社 昭和未来
竣工時期:2019年5月〜2019年11月
333architects(株式会社トリプルスリーアーキテクツ)の建築家・宇津木さんの大学時代の同期だったという施主・高橋さん。奥さまと小学生・中学生の2人のお子さまたちと4人暮らしです。
建築のバックグラウンドと不動産の知識が既にあった高橋さんは、「住居費ゼロ」の家づくりを実現させようと動き出しました。土地探し・コンセプトづくりをしてから、基本設計の段階で住宅設計の経験が豊富な宇津木さんに声をかけました。
住居費ゼロを実現させるためには賃貸スペースを住居内に入れることが前提だったため、立地は特に重要でした。高橋さんが見つけた土地は、駅のすぐ近く。マンションの公開空地や公園に面した、好条件の立地でした。
間取りは、工事費と賃料のバランスのなかで宇津木さんと相談をしながら形にしていきました。
公園に面して1階にコーヒースタンド、地下にシェアオフィス、2階にシェアリビングを配置。スマートロックで時間によって切り替わるセキュリティー計画を施しています。ライフスタイルに共感しあえる入居者を集うほか、イベントの利用や貸しスペースなど、これまでの一般的な住宅ではあまりない使い方を実現。キャッシュポイントを増やしつつも、楽しめる住居のあり方を提案しています。
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公園に面して1階にコーヒースタンド、地下にシェアオフィス、2階にシェアリビングを配置。スマートロックで時間によって切り替わるセキュリティー計画を施しています。ライフスタイルに共感しあえる入居者を集うほか、イベントの利用や貸しスペースなど、これまでの一般的な住宅ではあまりない使い方を実現。キャッシュポイントを増やしつつも、楽しめる住居のあり方を提案しています。
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宇津木さんは、公園に面した気持ち良い空間をどう活用するか、まずは考えたと話します。「斜面のある公園側に空間を大きく開き、少し道路から上がった高さでコーヒースタンドを設けました。地下を少し持ち上げることで1階部分を高くし、より風通しと開放感をアップさせました」
周辺環境に合わせて、屋根の形、日射の入り方にも配慮がなされています。
周辺環境に合わせて、屋根の形、日射の入り方にも配慮がなされています。
コーヒースタンドの周りにある手摺りはベンチにもなり、人数が多く集まっても広々と使用できるようになっています。近隣住民にお茶やコーヒーを振る舞うことも。「今後は、テイクアウトや物販などのイベントも展開しようと考えています」(宇津木さん)
コンクリートの打ちっぱなしの床で、コストを削減しつつもおしゃれな雰囲気を作りました。木製フレームの引き戸は壁の中に引き入れ、全開放することができます。
地下一階はシェアオフィスとなっています。その横に位置する賃貸スペースは、現在、333architectsが賃貸し、事務所として利用しています。
「借りているスペースだけでなく、その隣のシェアオフィスと2つの空間を行き来できるのがいいですね」と宇津木さん。
「借りているスペースだけでなく、その隣のシェアオフィスと2つの空間を行き来できるのがいいですね」と宇津木さん。
地下とはいえ窓から自然光も入りあり、閉鎖感を感じることなく使用できる地下一階。家具や本棚は、333architectsのメンバーがDIYでつくりました。
1階のテナントスペースは現在、パーソナルジムとして使用されています。住宅として設計されているため、トイレやお風呂、キッチンなどの設備も揃っています。
2階のシェアリビングは、共働きの施主夫婦が日中使わない時間帯は、スペースマーケットで貸し出しています。ハウススタジオや撮影、パーティー利用など、多岐に渡って使用されています。
気持ちの良い空間を作るため、窓を大きく開放的な空間とし、窓辺にベンチを置いて居場所を複数作りました。ベンチの下は、全て収納になっています。
気持ちの良い空間を作るため、窓を大きく開放的な空間とし、窓辺にベンチを置いて居場所を複数作りました。ベンチの下は、全て収納になっています。
「夜は家族のための空間で、日中は誰かに使ってもらう。ホテルのロビーのような感覚で、抵抗感はあまりないですね」と高橋さん。定期的に掃除はしなければいけませんが、それも苦にならないと話します。
ロフトの上には、8〜9平米ほどの子供の工作スペースがあります。
子供の成長に伴い、寝室をまじきって子供部屋にしたり、1階の賃貸スペースを子供部屋として使用するなども想定していると高橋さん。家族やライフスタイルの変化に合わせて使用用途を変えられるのも、この家の魅力のひとつです。
子供の成長に伴い、寝室をまじきって子供部屋にしたり、1階の賃貸スペースを子供部屋として使用するなども想定していると高橋さん。家族やライフスタイルの変化に合わせて使用用途を変えられるのも、この家の魅力のひとつです。
建築系のお仕事をされている高橋さんの奥さまは、キッチンと収納スペースのデザインを担当しました。
家族が専用するスペースは60平米。ここに4人で住んでいるため、ものを減らすこと、作り付け収納に全て収めるようにすることを意識しました。「廊下を作らず広々とした空間を確保することで、人に貸せる面積を増やす、ということも意識しました」と高橋さん。
「住宅ローンを使用して賃貸スペースを含めた住宅を作り、住居費に縛られない生活をする。これは、他の人にも提案したいやり方です。」
家中に居場所が複数あるので、子供がいても仕事ができる場所を自由に選べたり、気分を変えたい時に部屋を変えることができるのも魅力です。「複数居場所がある、というのは、今後の住宅のあり方への提案でもあります」と高橋さん。これからの住まいに関するヒントが詰まった住宅となりました。
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家族が専用するスペースは60平米。ここに4人で住んでいるため、ものを減らすこと、作り付け収納に全て収めるようにすることを意識しました。「廊下を作らず広々とした空間を確保することで、人に貸せる面積を増やす、ということも意識しました」と高橋さん。
「住宅ローンを使用して賃貸スペースを含めた住宅を作り、住居費に縛られない生活をする。これは、他の人にも提案したいやり方です。」
家中に居場所が複数あるので、子供がいても仕事ができる場所を自由に選べたり、気分を変えたい時に部屋を変えることができるのも魅力です。「複数居場所がある、というのは、今後の住宅のあり方への提案でもあります」と高橋さん。これからの住まいに関するヒントが詰まった住宅となりました。
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