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鎌倉の緑に溶け込む、焼杉外壁の3階建て住宅
急勾配の坂道を上がった先の、山の中腹に建てられた家。和の要素をセンス良く取り込んだ、モダンなインテリアのお住まいです。
田中祥子
2021年9月14日
株式会社a3のインテリアデザイナー新谷憲司さんは、お子さんが生まれたのを機に実家に近く自然豊かな鎌倉への転居を決めました。不動産探しを通じて出会ったのは、山に向かう坂道の途中にある土地。理想の戸建てとして思い描いていた3階建てにぴったりだと感じ、この地に寄り添った家づくりを始めました。
どんなHouzz?
住まい手:ご夫婦、お子さん(4歳)、犬(7歳)
所在地:神奈川県鎌倉市
敷地面積:210.04m²
延床面積:120m²
建築面積:117.95m²
構造:木造3階建て
インテリア設計:株式会社a3
建築設計、施工:アークコントラスト
竣工時期:2018年5月
住まい手:ご夫婦、お子さん(4歳)、犬(7歳)
所在地:神奈川県鎌倉市
敷地面積:210.04m²
延床面積:120m²
建築面積:117.95m²
構造:木造3階建て
インテリア設計:株式会社a3
建築設計、施工:アークコントラスト
竣工時期:2018年5月
それまでは、ご自身でリノベーション設計された都内のマンションにお住まいになられていた新谷さんご夫婦。「住んでいたマンションはキッチンも使いやすく、収納も十分あったので、かなり気に入っていました。なので、その暮らしをそのまま戸建てにもっていきたいというのが希望でしたね」と奥さま。
当初は新築ではなく、戸建てリノベーションをしようと考えていたご夫妻。「リノベーション前提で探していくと、気に入る物件がすべて3階建てだったんです。この土地を見た時に、まさに3階建てを建てるのにぴったりだと感じて、即決しました」と新谷さんは振り返ります。
当初は新築ではなく、戸建てリノベーションをしようと考えていたご夫妻。「リノベーション前提で探していくと、気に入る物件がすべて3階建てだったんです。この土地を見た時に、まさに3階建てを建てるのにぴったりだと感じて、即決しました」と新谷さんは振り返ります。
家づくりは、基本的な要望を、インテリアデザイナーである新谷さんがスケッチし、設計と施工をアークコントラストが担当する形で進められていきました。「要件を落とし込むと、平面図はすぐに決まりました。一方で、開口部から周囲の緑を見渡せるようにするため、どのように切り取るのかは結構考えました」
さらに設計を進めていくと、3階部分の3面に消防の侵入口が必要なことが判明します。「2面は窓から、1面は壁に隠し扉を作る方法で対応しました」と、ご主人は設計時の苦労を語ります。
外壁は、焼杉の表面を樹脂で固めた建材を使用。塗装とは異なる、表情のある黒が周囲の自然に寄り添っています。
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さらに設計を進めていくと、3階部分の3面に消防の侵入口が必要なことが判明します。「2面は窓から、1面は壁に隠し扉を作る方法で対応しました」と、ご主人は設計時の苦労を語ります。
外壁は、焼杉の表面を樹脂で固めた建材を使用。塗装とは異なる、表情のある黒が周囲の自然に寄り添っています。
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「1階はDIYや子どもと工作をする多目的スペースとして設計しましたが、コロナ禍でステイホームになてってからは、仕事場として使用しています」と語る新谷さん。壁一面の書棚は2階の天井まで続いています。
1階の床は、すべてモルタルの土間仕上げ。この場所は湘南の海風が山の山頂から吹き込むので湿度が高くなるそうで、カビ防止のためにも全面を水洗いできるようにしました。
1階の床は、すべてモルタルの土間仕上げ。この場所は湘南の海風が山の山頂から吹き込むので湿度が高くなるそうで、カビ防止のためにも全面を水洗いできるようにしました。
洗面と浴室は、1階の床とフラットにつながっています。「モルタルの床はタイルのような冷たさがありません。裸足で触れても、心地良くひんやりする程度。汚れも目立たず、使い勝手の良い浴室になりました」(奥さま)
2階は仕切りのない広いLDK。大きな開口部の向こうには、木々の緑が広がります。外にはよしずを取り付けて、和洋折衷のスタイルに。
LDKの奥に設置した薪ストーブは寒がりの奥さまのリクエスト。長野県で暮らすチェコ人のイエルカさんが作るイエルカストーブを選びました。
「薪ストーブを買うために、長野の工房を訪れました。工房のオーナーが住まわれている古民家のセンスに惹かれ、そこから一気に意匠が決まっていきましたね」と新谷さんは振り返ります。「モダンなインテリアの中に和の意匠を取り入れたいと考えて、天井は黒に塗装することにしました」
LDKの奥に設置した薪ストーブは寒がりの奥さまのリクエスト。長野県で暮らすチェコ人のイエルカさんが作るイエルカストーブを選びました。
「薪ストーブを買うために、長野の工房を訪れました。工房のオーナーが住まわれている古民家のセンスに惹かれ、そこから一気に意匠が決まっていきましたね」と新谷さんは振り返ります。「モダンなインテリアの中に和の意匠を取り入れたいと考えて、天井は黒に塗装することにしました」
「薪ストーブは空気もきれいだし、ほっこりとした温かさがいいんです。寝る前に消すと、朝起きてもほんのりぬくもりが残っていますよ。3階は暖房器具がいりません」と奥さまは嬉しそうに話します。
キッチンは新谷さんのオリジナル。コンロはガスとIHのそれぞれの特徴を活かして調理するために、ガスとIHの2口コンロを並べて設置しました。天板は黒の人造大理石、側板には黒皮鉄板を貼っています。
コンロの横にはトルコ製のコンテナボックスを引き出し代わりに設置しました。料理上手な新谷さんが集めたスパイスと調味料がぎっしりと詰まっているのだとか。
コンロの横にはトルコ製のコンテナボックスを引き出し代わりに設置しました。料理上手な新谷さんが集めたスパイスと調味料がぎっしりと詰まっているのだとか。
エアコンの目隠しと階段への落下防止を兼ねたアイアンのフェンスは、藤沢のさいとう工房にオーダー。ソファは造作で作っています。「ソファって、お客さんが来てなかったら、横になってごろごろしていることが多いですよね。なので、デイベットとしても使えるように設計しました。小さな子供と犬がいるので、汚れ防止としてカバーはビニールレザーにしています」(新谷さん)
リビングの吹き抜けの上には、南に向いた明り取りの窓を設置。軒を深く伸ばして直射日光を入れないように設計されています。
吹き抜けの手すりは新築当初は子どもの転落防止にネットを貼っていましたが、その後DIYで桟として竹材を取り付けています。
吹き抜けの手すりは新築当初は子どもの転落防止にネットを貼っていましたが、その後DIYで桟として竹材を取り付けています。
3階は、大きな空間の真ん中をクローゼットにし、居室との間をカーテンで仕切っています。「3階のソファに寝転がると、吹き抜けの上の窓から緑だけが見えます。別荘気分が味わえるんですよ」と新谷さん話します。
ライフステージの変化に合わせて、引き戸をつければ個室にもできるように計画。エアコンの設置も考えて、先行配管をしてあります。
「コロナが流行り始めた時は仕事がフルリモートになり、この仕切りのある環境には助かりました」と奥さま。「主人は1階、私は3階と、お互いに干渉せずに仕事ができました」と振り返ります。
ライフステージの変化に合わせて、引き戸をつければ個室にもできるように計画。エアコンの設置も考えて、先行配管をしてあります。
「コロナが流行り始めた時は仕事がフルリモートになり、この仕切りのある環境には助かりました」と奥さま。「主人は1階、私は3階と、お互いに干渉せずに仕事ができました」と振り返ります。
「普段は、子どもがLDKのある2階で遊んでいて、私たちはその上下階で仕事していること多いです。スケルトンの間取りなので気配は感じられますし、声を掛ければ聞こえる距離感がいいですね」(新谷さん)
緑あふれる立地にしっくりと馴染む3階建ての住宅。和の意匠をモダンに解釈して、落ち着きと安らぎを感じさせる住まいとなりました。
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