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光と影の移り変わりを楽しむ、レンガ壁が美しいインドの週末住宅
積み方を工夫したレンガ壁により、自然の動きを感じながら過ごせる空間が生まれました。

Vinita Kunnath
2021年8月12日
Houzzで見つけた建築デザイン会社・HomesbyDesignに、施主であるカップルは「『室内外に様々な居場所があり、気取らない雰囲気の週末住宅』を作って欲しい」と、依頼しました。建築と周辺環境が一体になることも、彼らにとって重要なポイントでした。
プロジェクトは、円形の守衛室、立方体のポンプ室(写真なし)、2つの住居ブロックという4つの構造体によって成り立っています。
プロジェクトは、円形の守衛室、立方体のポンプ室(写真なし)、2つの住居ブロックという4つの構造体によって成り立っています。
写真: Suryan Dang、Rahoul B. Singh
どんなHouzz?
住まい手:カップルとその息子家族
所在地:ニューデリー(インド)
竣工年: 2020年
面積:敷地面積 6780㎡、建築面積400㎡、ランドスケープ・テラス面積750㎡、寝室4部屋、浴室4箇所、トイレ1か所
設計:HomesbyDesign(RLDA design l architecture l researchの子会社)
どんなHouzz?
住まい手:カップルとその息子家族
所在地:ニューデリー(インド)
竣工年: 2020年
面積:敷地面積 6780㎡、建築面積400㎡、ランドスケープ・テラス面積750㎡、寝室4部屋、浴室4箇所、トイレ1か所
設計:HomesbyDesign(RLDA design l architecture l researchの子会社)
HomesbyDesignの共同創業者であるラクシュミー・チャンド・シンとラウール・シンは、主な建築材料としてレンガを選択しました。また、陽のあたる場所とあたらない場所が移り変わる中で影が揺らぐ様子が引き立ち、動きが感じられるよう、積み方を工夫しています。
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「この積み方だと、様々な形の影が落ちるのを楽しめます。涼しさを保ってくれるという利点もあります」とラウール。「下は密で、上にいくほど疎になっています。レンガの凸凹は均等な3つの帯で構成されており、模様と日陰の両方を生みだしながら、全体としてはパッシブな冷却装置として機能します」
住宅には東側の出入口から出入りすることができます。メインの玄関にたどり着くには、円形の中庭を通っていきます。
「壁に使われている複数のタイプのレンガは、1日、もしくは1年の様々な時間帯に影を生みだします。布地の縦糸と横糸を模したレンガ壁は、素焼きの布地のようであり、壁とスクリーンにもなり、透過性と不透過性の両方を叶えてくれます」とラクシュミーは言います。
「中庭と庭は、建物を内包するとともに内在し、その中庭と庭に向かって開く建物は時に拡張し、時に収縮します。建物は周辺環境の一部であり、またそこから分かれたものでもあるのです」とラウールは付け加えます。
メインの玄関はホワイエへとつながり、そこから中庭を経て住居ブロックを見通すことができます。「金属製のフレームワークが樹木が壁にグラフィカルで抽象的な影を落としてくれます。こういった情景が『この場所・空間に存在しているという感覚』を、私たちが実感するのを促してくれます」とラクシュミーは説明します。
グレーチングの中庭の端には、屋根へ続く階段があります。
もう一方の端にはプールがあり、その先にはスロープ状の庭園があります(プールや建物の基礎を作る際に掘り起こされた土を使用しています)。
プールは、2つの住居ブロックが向き合う場所に配置され、建物ボリュームとランドスケープを調和させています。それとともに、建物の設計戦略のもう一面である蒸発冷却用の貯水槽という2つの役割を果たしています。
リビングルームでは住宅のコンセプトに合わせてレンガ壁を露出させています。部屋の中央にはダーリ(インドの絨毯)を模した模様付きのセメントタイルが配置されています。同じようなデザインは住宅の他の部分でも使われています。
ダイニング空間はシンプルでありながら、エレガントなしつらえになっており、鳥かごのようなペンダントライトがデザインのアクセントになっています。
ダイニングルームの先にはキッチンがあり、そこから庭を見渡すことができます。シームレスな白のキャビネットと木製のアイランド兼朝食用カウンターがミニマリストな空間を構成しています。
この建物のトレードマークであるレンガ造りの円形の守衛室。庭の端のフォリーとして雑木林の中に鎮座しながら、手入れの行き届いたランドスケープを特徴付ける要素となっています。
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