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世界各地の“ウッドショック”が家づくりに与えている影響は?
日本で大きな問題となっているウッドショックですが、世界各国でも木材不足が起きています。各地の対応や今後の方向性などについて、Houzzの各国編集部が取材しました。
Houzz Japan
2021年6月4日
Houzz Japan 公式アカウント
コロナ禍による休業に加え、住宅ブーム、さらに山火事や虫害の発生が重なり、世界的に住宅建設用木材が品薄になっています。この問題の原因と影響、住まい手や専門家たちがどのように考えて対応しているのか、日本を含む6カ国で聞きました。
世界的な木材不足の原因と影響
コロナ禍で世界中のホームオーナーが、在宅勤務などの急激な生活の変化に対応した住空間を求めた結果、住宅ブームが到来しています。米Houzzのシニアエコノミストであるマリン・サルグシアンは、「アメリカでは、建築関連の専門家たちが記録的な特需を迎えたことが、第2四半期Houzzリノベーション・バロメーターの調査結果で分かっています」といいます。パンデミック下の経済刺激策が住宅ブームを後押ししている国もあり、その結果、世界中で建築資材の需要が急増しているのです。
同時に、多くの問題が世界中の建築用木材の供給を阻んでいます。カナダのブリティッシュ・コロンビア州は、アメリカで流通する木材の約3分の1を供給していますが、樹皮を食害するアメリカマツノキクイムシや、数シーズンにわたる大規模な森林火災が針葉樹の供給に壊滅的な打撃を与えています。
パンデミックに関連した操業制限により、製材所が加工できる木材量も減っています。例えば、ヨーロッパでは現在、製材前の木材(伐採された丸太で製材を待っているもの)が余っています。イギリス木材貿易連合(TTF)は、コロナ禍によるヨーロッパの製材所の減速が、現在のイギリスにおける木材不足の要因の一つであると指摘しています。
コロナ禍で世界中のホームオーナーが、在宅勤務などの急激な生活の変化に対応した住空間を求めた結果、住宅ブームが到来しています。米Houzzのシニアエコノミストであるマリン・サルグシアンは、「アメリカでは、建築関連の専門家たちが記録的な特需を迎えたことが、第2四半期Houzzリノベーション・バロメーターの調査結果で分かっています」といいます。パンデミック下の経済刺激策が住宅ブームを後押ししている国もあり、その結果、世界中で建築資材の需要が急増しているのです。
同時に、多くの問題が世界中の建築用木材の供給を阻んでいます。カナダのブリティッシュ・コロンビア州は、アメリカで流通する木材の約3分の1を供給していますが、樹皮を食害するアメリカマツノキクイムシや、数シーズンにわたる大規模な森林火災が針葉樹の供給に壊滅的な打撃を与えています。
パンデミックに関連した操業制限により、製材所が加工できる木材量も減っています。例えば、ヨーロッパでは現在、製材前の木材(伐採された丸太で製材を待っているもの)が余っています。イギリス木材貿易連合(TTF)は、コロナ禍によるヨーロッパの製材所の減速が、現在のイギリスにおける木材不足の要因の一つであると指摘しています。
さらに、ニュージーランドやアメリカといった国々では、数年来の業績不振に続き、パンデミック後も景気が後退するかもしれないという懸念により、製材所が操業を減速していました。
他にもパンデミック関連の資材不足や制限が木材供給に影響を及ぼしています。例えば、国際熱帯木材機関(ITTO)の報告によると、日本と中国への木材輸入は輸送用コンテナの不足による打撃を受けており、また、英国のEU離脱により英国への輸入手続きが複雑化しています。
供給が制限されているのは木材だけではありません。鉄鋼や銅など、数々の建設資材が影響を受けています。この現状は、専門家や一部の住まい手にとって、建設資材の流通価格が驚異的に高騰し、現在も深刻化していることを意味します。全米ホームビルダー協会(NAHB)の計算によると、木材不足だけで新築住宅の平均価格が36,000米ドル(約400万円)近く上昇しました。
残念なことに、建設プロジェクトは長期にわたるものであるため、価格の乱高下の影響を特に受けやすいのです。「建設会社の大半は固定価格で契約しているため、請負業者が価格変動のあおりを受け、その損益にも影響が生じます。木材の流通価格の変動が続く中、利益率の縮小を避けるために、ビジネスモデルを見直す専門家もいます」とサルグシアンは説明します。
Houzzで住まいの専門家を探す
他にもパンデミック関連の資材不足や制限が木材供給に影響を及ぼしています。例えば、国際熱帯木材機関(ITTO)の報告によると、日本と中国への木材輸入は輸送用コンテナの不足による打撃を受けており、また、英国のEU離脱により英国への輸入手続きが複雑化しています。
供給が制限されているのは木材だけではありません。鉄鋼や銅など、数々の建設資材が影響を受けています。この現状は、専門家や一部の住まい手にとって、建設資材の流通価格が驚異的に高騰し、現在も深刻化していることを意味します。全米ホームビルダー協会(NAHB)の計算によると、木材不足だけで新築住宅の平均価格が36,000米ドル(約400万円)近く上昇しました。
残念なことに、建設プロジェクトは長期にわたるものであるため、価格の乱高下の影響を特に受けやすいのです。「建設会社の大半は固定価格で契約しているため、請負業者が価格変動のあおりを受け、その損益にも影響が生じます。木材の流通価格の変動が続く中、利益率の縮小を避けるために、ビジネスモデルを見直す専門家もいます」とサルグシアンは説明します。
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それでは、世界各国の木材の調達状況や、木材不足が建築業界、ひいては家づくりを計画している人たちにどのような影響を与えているのかみていきましょう。
【日本】
日本で建設される低層住宅の約8割は木造です。一方、日本の国土の約66%が森林であるにもかかわらず、安価な輸入木材に頼っているのも現実です。世界的に木材の需要が高まる中、日本では建設が予定されている住宅ための輸入材を十分に確保することができなくなりました。これは、国産材の確保も難しくするという状況を生み、"ウッドショック"という言葉を産むほど深刻です。
西日本で住宅建築を計画しているフィリップ・ローさんによると、自宅の工事スケジュールが3カ月遅れ、木材コストが50%上昇した、といいます。「銀行のローンのスケジュールも押してしまい、来年の1月までに家が完成できなければ、またローンの申請をし直さなければなりません」
【日本】
日本で建設される低層住宅の約8割は木造です。一方、日本の国土の約66%が森林であるにもかかわらず、安価な輸入木材に頼っているのも現実です。世界的に木材の需要が高まる中、日本では建設が予定されている住宅ための輸入材を十分に確保することができなくなりました。これは、国産材の確保も難しくするという状況を生み、"ウッドショック"という言葉を産むほど深刻です。
西日本で住宅建築を計画しているフィリップ・ローさんによると、自宅の工事スケジュールが3カ月遅れ、木材コストが50%上昇した、といいます。「銀行のローンのスケジュールも押してしまい、来年の1月までに家が完成できなければ、またローンの申請をし直さなければなりません」
ウッドショック以降、地域に根差した木材の流通が改めて注目されています。その一例が2012年に始まった、東京都小金井市を拠点とする小嶋工務店のTOKYO WOODという取り組みです。これは、林業から住宅の設計・施工までの家づくりの全工程に関わる人たちが協力し、地元(この場合は東京・多摩地域)の木材を使って家を建てる、というものです。
「私たちが建てる家は、構造の横架材には輸入材を使いますが、それ以外の柱、土台、床、天井、パネルなどはすべて東京の山で採れた木を使っています」と話すのはTOKYO WOODの金久保誠さんです。また、住宅購入を検討されている人たちに、どこでどのように木材が調達されているかを知ってもらおうと、東京の森を案内するツアーも実施しているそうです。「お客様から『地元の木で建てたい』と言っていただければ、日本の住宅建築に国産材がもっと使われるようになるでしょう」
木材価格が高騰?不足?ウッドショックについて建主が理解しておきたいこと
「私たちが建てる家は、構造の横架材には輸入材を使いますが、それ以外の柱、土台、床、天井、パネルなどはすべて東京の山で採れた木を使っています」と話すのはTOKYO WOODの金久保誠さんです。また、住宅購入を検討されている人たちに、どこでどのように木材が調達されているかを知ってもらおうと、東京の森を案内するツアーも実施しているそうです。「お客様から『地元の木で建てたい』と言っていただければ、日本の住宅建築に国産材がもっと使われるようになるでしょう」
木材価格が高騰?不足?ウッドショックについて建主が理解しておきたいこと
【アメリカ】
新築やリノベーションが活況を呈するアメリカでは、製品や材料の価格が高騰し、納品が遅れています。労働力が不足し、業者の待ち時間が長くなっていることで、建設中のプロジェクトを抱える人々は苦戦しています。
プロジェクトを予定通り進めるために、代替案を採用する住まい手もいます。「この春、サンルームとスクリーン付きポーチの間にデッキを作ろうと思っていました。ところが木材の価格が急騰したので、一時しのぎとしてその部分に砂利を敷くことにしました」と、話すのは、ペンシルベニア州のジョー・アダンさんです。「砂利敷きがとても気に入ったので、そのまま残すかもしれません。メンテナンスは間違いなく楽です」
ランス・グレンジャーさんは、ワシントン州の土地に家を新築しようとしていましたが、木材価格が高騰したため、自身の土地に生えている木を規格サイズに製材することにしたそうです。「ここのところ、サプライチェーンが打撃を受けているのは残念ですが、今回の件は私たちにとって素晴らしい経験になりそうです」
新築やリノベーションが活況を呈するアメリカでは、製品や材料の価格が高騰し、納品が遅れています。労働力が不足し、業者の待ち時間が長くなっていることで、建設中のプロジェクトを抱える人々は苦戦しています。
プロジェクトを予定通り進めるために、代替案を採用する住まい手もいます。「この春、サンルームとスクリーン付きポーチの間にデッキを作ろうと思っていました。ところが木材の価格が急騰したので、一時しのぎとしてその部分に砂利を敷くことにしました」と、話すのは、ペンシルベニア州のジョー・アダンさんです。「砂利敷きがとても気に入ったので、そのまま残すかもしれません。メンテナンスは間違いなく楽です」
ランス・グレンジャーさんは、ワシントン州の土地に家を新築しようとしていましたが、木材価格が高騰したため、自身の土地に生えている木を規格サイズに製材することにしたそうです。「ここのところ、サプライチェーンが打撃を受けているのは残念ですが、今回の件は私たちにとって素晴らしい経験になりそうです」
Graves Constructionのオーナーであるジョセフ・グレイブスさんは、材料費の変動や、契約入札プロセスの管理に余分な時間がかかることを踏まえて契約書や行動計画を作り直さなければならなかったと話します。「高額な材料については、手ごろな価格の代替物がある場合、価格の比較結果を添えて代替案をクライアントに提案することもあります。私たちは、あらゆる工程で損失を最小限に抑え、住まい手の意識を高めるよう働きかけてきました」とグレイブスは語ります。
バージニア州を拠点とするDecorum Home Improvementでプロジェクトマネージャーを務めるアル・パンテさんは、今回の材料価格の劇的な上昇を受けて、契約を労働力についてのみ取り決める内容に変更したそうです。「住まい手が十分な情報に基づいて判断できるように、事前に見積価格の内訳を提供しています」
バージニア州を拠点とするDecorum Home Improvementでプロジェクトマネージャーを務めるアル・パンテさんは、今回の材料価格の劇的な上昇を受けて、契約を労働力についてのみ取り決める内容に変更したそうです。「住まい手が十分な情報に基づいて判断できるように、事前に見積価格の内訳を提供しています」
【オーストラリア】
オーストラリアでは、2019年から2020年にかけての壊滅的な山火事で1,860万ヘクタールが焼失し、2,000軒以上の住宅が破壊されました。これに加え、連邦政府が新型コロナウイルス感染症への対策として「ホームビルダー スキーム(連邦政府の建設業界向け補助金制度)を導入したことで、リノベーションや新築の需要がかつてないほど高まっています。
「今年、オーストラリアで着工される住宅数は、昨年より30%増加するでしょう」と、オーストラリア住宅産業協会のチーフエコノミストであるティム・リアドンさんは語ります。「オーストラリアは例年、木材需要の約20%を輸入しています。現時点での木材輸入量は、昨年の同時期より10%増加しています」
オーストラリアでは、2019年から2020年にかけての壊滅的な山火事で1,860万ヘクタールが焼失し、2,000軒以上の住宅が破壊されました。これに加え、連邦政府が新型コロナウイルス感染症への対策として「ホームビルダー スキーム(連邦政府の建設業界向け補助金制度)を導入したことで、リノベーションや新築の需要がかつてないほど高まっています。
「今年、オーストラリアで着工される住宅数は、昨年より30%増加するでしょう」と、オーストラリア住宅産業協会のチーフエコノミストであるティム・リアドンさんは語ります。「オーストラリアは例年、木材需要の約20%を輸入しています。現時点での木材輸入量は、昨年の同時期より10%増加しています」
すでに建設やリノベーションに着手した人々は何か月もの遅延に苦しんでいます。木材価格も最大30%高騰しましたが、ほとんどの住宅建築は固定価格契約であることから、大抵の場合、建築業者がコスト増加分を負担しています。
その一方で、朗報もあります。オーストラリアの製材所は増産しており、二交代制で操業する工場もあれば、新しい工場も稼働しています。2021年後半には、これから建設される膨大な数の住宅に対応できる供給量になる、とリアドンさんは考えています。
その一方で、朗報もあります。オーストラリアの製材所は増産しており、二交代制で操業する工場もあれば、新しい工場も稼働しています。2021年後半には、これから建設される膨大な数の住宅に対応できる供給量になる、とリアドンさんは考えています。
【フランス】
ロックダウン中の生産停止と需要増加によって引き起こされた資材不足は、木材だけでなく、鉄鋼や冶金製品、ポリウレタン、コンクリート、ガラスなどの原材料にも波及しています。さらに、木材や天然素材に特化した建設業界を代表するフランスの木材・バイオソース産業建設連合(Union des Industriels et Constructeurs Bois et Biosourcés)によると、近々施行されるフランスの環境規制(RE2020)が、新築やリノベーションの際に木材を多用して低酸素化に対応するよう奨励しているため、事態が悪化しているそうです。また、木材や合板、中密度繊維板(MDF)製のオーダーメイドの内装品への関心も高まっています。
現在、パリ周辺でMDFの在庫を持つサプライヤーがないため、「プロジェクトのために、家具を作るのは不可能な状況です」と、話すのは、住宅の施工を手がけるSweet Home Parisのバーナデット・クラシーコフさんです。「MDFは代替が難しいのです。例えば、オーク突板をMDFの代わりに使うと値段が跳ね上がるので、代替できません」
「蝶番も不足しています。たとえ板があってもドアを取り付けられません。原料の一部が中国から輸入されている塗料も不足しています。また、銅管エルボなどの配管製品も不足しています。これがないとバスルームは完成せず、代替することもできません」
クラシーコフさんは、価格が5〜10%上昇したと言い、「原料価格の高騰に加え、コンテナ輸送のコストが4倍になっています」とも明かしました。
ロックダウン中の生産停止と需要増加によって引き起こされた資材不足は、木材だけでなく、鉄鋼や冶金製品、ポリウレタン、コンクリート、ガラスなどの原材料にも波及しています。さらに、木材や天然素材に特化した建設業界を代表するフランスの木材・バイオソース産業建設連合(Union des Industriels et Constructeurs Bois et Biosourcés)によると、近々施行されるフランスの環境規制(RE2020)が、新築やリノベーションの際に木材を多用して低酸素化に対応するよう奨励しているため、事態が悪化しているそうです。また、木材や合板、中密度繊維板(MDF)製のオーダーメイドの内装品への関心も高まっています。
現在、パリ周辺でMDFの在庫を持つサプライヤーがないため、「プロジェクトのために、家具を作るのは不可能な状況です」と、話すのは、住宅の施工を手がけるSweet Home Parisのバーナデット・クラシーコフさんです。「MDFは代替が難しいのです。例えば、オーク突板をMDFの代わりに使うと値段が跳ね上がるので、代替できません」
「蝶番も不足しています。たとえ板があってもドアを取り付けられません。原料の一部が中国から輸入されている塗料も不足しています。また、銅管エルボなどの配管製品も不足しています。これがないとバスルームは完成せず、代替することもできません」
クラシーコフさんは、価格が5〜10%上昇したと言い、「原料価格の高騰に加え、コンテナ輸送のコストが4倍になっています」とも明かしました。
フランス政府は、切迫した事態を受けて企業への支援策を打ち出しました。これには納品遅れへの違約金の凍結や、搾取行為を特定し、供給を確保するための調停プロセスの確立などが含まれます。
建築家のティナ・メルケスさんは、この供給不足で、良くも悪くも材料供給のワークフローを調整しなければならなくなった、と語ります。メルケスさんは以下の3つのポイントを押さえることが重要であると彼女はいいます。
建築家のティナ・メルケスさんは、この供給不足で、良くも悪くも材料供給のワークフローを調整しなければならなくなった、と語ります。メルケスさんは以下の3つのポイントを押さえることが重要であると彼女はいいます。
- 材料は、新型コロナ危機以前のように、プロジェクトの途中で発注するのではなく、プロジェクトの最初に発注すること。
- タイルや水栓、キッチンのファサードなどは、クライアントの顧客と一緒にできるだけ早い段階で決めてしまうこと。以前は、作業の最終段階で設置する製品については、決定するまでに時間的な余裕がありましたが、今はありません。
- 技術的に同等な他の材料での代替について、ある程度の柔軟性を持つこと。
【ドイツ】
ドイツは木材不足のほか、ヨーロッパやアジアでの生産不足によるラッカーやハードワックスオイルなどの塗料の不足という問題も抱えていると、Hokonの大工、イェルン・ブレンシャイトさんはいいます。「(例えば)塗装缶の構成部品は複数あり、それぞれが違う国で製造されています。そこで部品が不足すると、塗料用の缶が製造できず、したがって塗料も供給できなくなるのです」
ドイツは木材不足のほか、ヨーロッパやアジアでの生産不足によるラッカーやハードワックスオイルなどの塗料の不足という問題も抱えていると、Hokonの大工、イェルン・ブレンシャイトさんはいいます。「(例えば)塗装缶の構成部品は複数あり、それぞれが違う国で製造されています。そこで部品が不足すると、塗料用の缶が製造できず、したがって塗料も供給できなくなるのです」
バイエルン州を拠点とするプロジェクト管理会社・Lebensraum Holz)のアディ・ブランドルさんによると、現在、断熱材は、木材と同様に納品まで10週間かかっているそうです。「スチールは入手可能ですが高価です。プラスチックについては、すでに不足しており、価格が高騰していると通知されました」
ブレンシャイトさんは、供給を確保するための専門家ネットワークの重要性を指摘します。「塗料、接着剤、オイル、ネジなどの不足が明らかな場合、私たちは前もって注文と支払いを済ませていました。幸いにも、私たちには塗料メーカーとの個人的なつながりがあり、良い話があれば教えてくれるし、注文もできます。また、大きな製材所とのつながりもあって、こういったご時勢ではネットワークが役立っています」
ブレンシャイトさんは、資材不足の根本原因としてグローバル化を挙げる一方、将来的には市場が価格を落ち着かせるだろうと予想しています。「そういった意味では、材料不足は緩和されるでしょう。価格が上がれば需要も低下するからです」
ブレンシャイトさんは、資材不足の根本原因としてグローバル化を挙げる一方、将来的には市場が価格を落ち着かせるだろうと予想しています。「そういった意味では、材料不足は緩和されるでしょう。価格が上がれば需要も低下するからです」
【イタリア】
木製家具産業の業界団体である フェダーレグノ・アレド(FederlegnoArredo)の副会長を務めるパオロ・ファントーニさんは、イタリアの木材生産流通が全体的な打撃を受けていると語ります。「この事態は去年から続いています。木材価格は20〜30%高騰しています」
フェダーレグノ・アレドに加盟している、イタリアの一次木材加工・建設会社約500社を代表するAssolegnoのアンジェロ・マルケッティ社長は、この状況が、切望されている変化のきっかけをもたらすかもしれないといいます。「過去70年間で、イタリアの森林面積は60〜70%増加し、現在では国土の38%を占めています。しかし、木材が国家経済に占める割合は0.08%に過ぎません」
木製家具産業の業界団体である フェダーレグノ・アレド(FederlegnoArredo)の副会長を務めるパオロ・ファントーニさんは、イタリアの木材生産流通が全体的な打撃を受けていると語ります。「この事態は去年から続いています。木材価格は20〜30%高騰しています」
フェダーレグノ・アレドに加盟している、イタリアの一次木材加工・建設会社約500社を代表するAssolegnoのアンジェロ・マルケッティ社長は、この状況が、切望されている変化のきっかけをもたらすかもしれないといいます。「過去70年間で、イタリアの森林面積は60〜70%増加し、現在では国土の38%を占めています。しかし、木材が国家経済に占める割合は0.08%に過ぎません」
イタリアは現在、家具や建築に使う木材の80%を輸入しています。「より安価な木材を入手する方法として、新たな国土の計画的管理体制を整えた上で、地元の木材を使い始めるよう提案します」とマルケッティ社長。
「他国から大量の木材を輸入するのを避けて、自国の木材に回帰し、新しい経済の出発点として考えなければなりません」
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