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自然と深くつながる庭をデザインする10の方法
香りのいい植物を植えたり、野生の生きものを迎え入れたり……。庭を通じて、自然とつながる方法をご紹介します。
Lauren Dunec Hoang
2021年5月11日
季節の木の実を摘んでいるとき、枝葉の間を飛ぶ野鳥を眺めているとき。庭という空間は、私たちを自然界へとつなげてくれます。
ランドスケープデザインといえば、生け垣、小道、水引きシステムなどの実務的なことについて語られがちですが、今回はより感覚的に、自然とのつながりを育むようなデザインについて探ってみましょう。
ランドスケープデザインといえば、生け垣、小道、水引きシステムなどの実務的なことについて語られがちですが、今回はより感覚的に、自然とのつながりを育むようなデザインについて探ってみましょう。
1.子どものころを思い出す植物を植える
庭は自分のルーツとのつながりを感じさせてくれる場所。おばあちゃんが育てていた花の香りを嗅いだり、自家栽培のトマトをかじったり、お気に入りの木に登ったり……。そんなノスタルジックな情景が浮かぶような植物を庭に植えて、懐かしい日々や愛する人々を思い出してみるのもいいでしょう。
庭は自分のルーツとのつながりを感じさせてくれる場所。おばあちゃんが育てていた花の香りを嗅いだり、自家栽培のトマトをかじったり、お気に入りの木に登ったり……。そんなノスタルジックな情景が浮かぶような植物を庭に植えて、懐かしい日々や愛する人々を思い出してみるのもいいでしょう。
2. 五感を刺激する
香りというのは、強力な記憶の引き金です。人生のある時期や、愛する人を連想させるような香りがあるのなら、庭に加えることで瞬時に記憶が蘇るでしょう。
とくに植えたいものがない場合は、イングリッシュローズを代表するバラ、「ガートルード・ジェキル」がおすすめ。中心部がキャベツのような、昔ながらのバラの香りのする、ピンク色の美しい花です。
また、シロタエギクのような庭に質感を与えてくれるような植物を植えたり、わずかな風でも揺れる草のような動きのある植物を植えることも、感覚を刺激し、庭とよりつながりを感じることができます。
香りというのは、強力な記憶の引き金です。人生のある時期や、愛する人を連想させるような香りがあるのなら、庭に加えることで瞬時に記憶が蘇るでしょう。
とくに植えたいものがない場合は、イングリッシュローズを代表するバラ、「ガートルード・ジェキル」がおすすめ。中心部がキャベツのような、昔ながらのバラの香りのする、ピンク色の美しい花です。
また、シロタエギクのような庭に質感を与えてくれるような植物を植えたり、わずかな風でも揺れる草のような動きのある植物を植えることも、感覚を刺激し、庭とよりつながりを感じることができます。
3. ゆったりとした時間をつくる
庭は、日常生活のせわしなさから離れ、リラックスするための場所でもあります。ゆったりとした時間を過ごすための構成を考えてみましょう。瞑想するための迷路を作ったり、庭の小道にカーブを増やしたりするだけでもいいかもしれません。
庭は、日常生活のせわしなさから離れ、リラックスするための場所でもあります。ゆったりとした時間を過ごすための構成を考えてみましょう。瞑想するための迷路を作ったり、庭の小道にカーブを増やしたりするだけでもいいかもしれません。
平らな舗装材ではなく、飛び石を置くことは、庭をゆっくり散策するのに効果的です。
敷石の間に生えた地被植物(たとえば、写真のタイムのような植物)は、踏み潰されるたびにピリッとしたハーブの香りが、感覚を刺激してくれるでしょう。小道の両脇に植えられたビロードのようなラムズイヤーは、屈んで葉っぱに触れてみたくなるような、そんな気分にさせてくれます。
敷石の間に生えた地被植物(たとえば、写真のタイムのような植物)は、踏み潰されるたびにピリッとしたハーブの香りが、感覚を刺激してくれるでしょう。小道の両脇に植えられたビロードのようなラムズイヤーは、屈んで葉っぱに触れてみたくなるような、そんな気分にさせてくれます。
4. 自分にとって特別なオブジェを置く
自分にとって大切な意味のあるオブジェを置く場所を、庭の中に見つけましょう。それはたとえば宗教的な置物であったり、友人や家族から受け継がれた作品であったり、あるいは、旅先で見つけた特別なものかもしれません。台座に取り付けたり、成熟した木の幹を背景にして根元に設置したりすることで、そのオブジェの存在感を高めることができます。
愛する人から譲ってもらった小さな庭用の彫像など、大事なオブジェは庭の花壇に埋め込むのも効果的です。目線を落としてそれが見えたとき、その人を思い出すかもしれません。
自分にとって大切な意味のあるオブジェを置く場所を、庭の中に見つけましょう。それはたとえば宗教的な置物であったり、友人や家族から受け継がれた作品であったり、あるいは、旅先で見つけた特別なものかもしれません。台座に取り付けたり、成熟した木の幹を背景にして根元に設置したりすることで、そのオブジェの存在感を高めることができます。
愛する人から譲ってもらった小さな庭用の彫像など、大事なオブジェは庭の花壇に埋め込むのも効果的です。目線を落としてそれが見えたとき、その人を思い出すかもしれません。
5. 野生の生きものを迎える
動物や昆虫は庭に命を吹き込んでくれます。蜂の羽音や、鳥が噴水で水浴びをしている音は、自然の中にいるという実感をより深く与えてくれるでしょう。
在来種の植物を植えれば、花粉を運ぶ生きものの宿主として役立ったり、鳥に食物を提供することもできます。巣箱を吊るし、水を張ったバードバスや受皿などで水源を提供したり、地元の生きものをサポートするような庭をつくることで、小規模ですが自然の生態系につなげることができるのです。
動物や昆虫は庭に命を吹き込んでくれます。蜂の羽音や、鳥が噴水で水浴びをしている音は、自然の中にいるという実感をより深く与えてくれるでしょう。
在来種の植物を植えれば、花粉を運ぶ生きものの宿主として役立ったり、鳥に食物を提供することもできます。巣箱を吊るし、水を張ったバードバスや受皿などで水源を提供したり、地元の生きものをサポートするような庭をつくることで、小規模ですが自然の生態系につなげることができるのです。
6. 敷地の歴史を大切にする
自分では選ばなかったような敷地的特徴を引き継いだ人もいるかもしれません。それらの要素を目障りと思わず、代わりに、その背景にある物語を想像してみてください。考え方を変えることで、家や庭の歴史、以前住んでいた人々とのつながりをより強く感じられるかもしれません。
自分では選ばなかったような敷地的特徴を引き継いだ人もいるかもしれません。それらの要素を目障りと思わず、代わりに、その背景にある物語を想像してみてください。考え方を変えることで、家や庭の歴史、以前住んでいた人々とのつながりをより強く感じられるかもしれません。
たとえば、イリノイ州オールド・ミル・クリークにある農家の庭を見てみましょう。持ち主は敷地の一部として、古い乳牛舎の廃墟と、コンクリートの穀物サイロを受け継ぎました。
持ち主は敷地を更地に戻さず、その場所の歴史を保存すべく、廃墟を壁に囲われた庭空間に作り変え、ボッチャゲーム用のコートを設けました。そしてそこは、単に新しい壁を建設するよりも、ずっと意義のある空間となったのです。
持ち主は敷地を更地に戻さず、その場所の歴史を保存すべく、廃墟を壁に囲われた庭空間に作り変え、ボッチャゲーム用のコートを設けました。そしてそこは、単に新しい壁を建設するよりも、ずっと意義のある空間となったのです。
7. 隠れた場所に座席スペースを置く
庭の大半を娯楽に充てたとしても、人が集まるメインの空間から離れた場所に、少人数向けのベンチや座席を置くことはできます。静かに過ごし、ただ座って庭を眺めたいときには、この空間に引き寄せられるでしょう。
側庭や、物置小屋の陰に隠れた場所、または植物の後ろなどの部分的に隠された場所など、より親密で、少し隠れた場所を探してみましょう。
庭の大半を娯楽に充てたとしても、人が集まるメインの空間から離れた場所に、少人数向けのベンチや座席を置くことはできます。静かに過ごし、ただ座って庭を眺めたいときには、この空間に引き寄せられるでしょう。
側庭や、物置小屋の陰に隠れた場所、または植物の後ろなどの部分的に隠された場所など、より親密で、少し隠れた場所を探してみましょう。
8. 水場を取り入れる
五感を刺激したり、野鳥を招き入れたりすることに加えて、水は庭にいる実感を与えてくれます。都会の庭園では、絶え間ない水の滴りやしぶきのある噴水は、車の音から気をそらし、落ち着いた隠れ家のような気分を味わわせてくれます。
屋外空間に水を引くための装置は、豪華な噴水である必要はありません。亜鉛メッキタンクや、水が飛び散ってもいいように穴を開けた石材や舗装材、そして安価な噴水ポンプを使って、写真のような生き生きとした循環式の噴水をつくることもできます。
五感を刺激したり、野鳥を招き入れたりすることに加えて、水は庭にいる実感を与えてくれます。都会の庭園では、絶え間ない水の滴りやしぶきのある噴水は、車の音から気をそらし、落ち着いた隠れ家のような気分を味わわせてくれます。
屋外空間に水を引くための装置は、豪華な噴水である必要はありません。亜鉛メッキタンクや、水が飛び散ってもいいように穴を開けた石材や舗装材、そして安価な噴水ポンプを使って、写真のような生き生きとした循環式の噴水をつくることもできます。
9. 季節の些細な変化に目を向ける
庭の魅力のひとつは、絶え間なく変化し、進化していくということです。春にバラが格子垣の上に咲き始めたり、夏の終わりに草が黄褐色に変わったりと、歩みを緩めて小さな変化に目を留めることで、季節をより感じることができます。
庭の魅力のひとつは、絶え間なく変化し、進化していくということです。春にバラが格子垣の上に咲き始めたり、夏の終わりに草が黄褐色に変わったりと、歩みを緩めて小さな変化に目を留めることで、季節をより感じることができます。
10. 新しい伝統を作る
次の世代に庭をつなぐアイデアを探してみましょう。子どもや姪っ子・甥っ子、または孫の誕生と同時に木を植えたり、コンクリートの飛び石に子どもたちの手形を付けて名前と日付を書いたりすることで、家族全員にとって庭がより意味のあるものになりますよ。
次の世代に庭をつなぐアイデアを探してみましょう。子どもや姪っ子・甥っ子、または孫の誕生と同時に木を植えたり、コンクリートの飛び石に子どもたちの手形を付けて名前と日付を書いたりすることで、家族全員にとって庭がより意味のあるものになりますよ。
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