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広大な敷地に佇む、アウトドア愛好家のための夢の家
アメリカ太平洋岸北西部の自然と太陽、そして季節を楽しむために設計された、モダンな住宅をご紹介します。
Julie Sheer
2021年5月31日
熱心なハイカーであり自然観察者でもある元・航空宇宙エンジニアのオーナーは、建築的におもしろく、シンプルかつ現代的な住まいを求めていました。また、デザインと同じくらいに敷地を重視しており、眺めがよく、ハイキングコースに近い敷地を強く希望していました。そこで読書や考えごとをしたり、リラックスしたいと考えていたのです。
探し求めた末に辿り着いたのは、米ワシントン州シアトルから北東に1時間ほどのところにある、4ヘクタールの敷地。オーナーは馬の愛好家ではなかったものの、敷地は厩舎や馬術センターに囲まれていて、カスケード山脈への景色が望める牧草地にあります。
探し求めた末に辿り着いたのは、米ワシントン州シアトルから北東に1時間ほどのところにある、4ヘクタールの敷地。オーナーは馬の愛好家ではなかったものの、敷地は厩舎や馬術センターに囲まれていて、カスケード山脈への景色が望める牧草地にあります。
写真:Lara Swimmer
どんなHouzz?
住まい手:引退した航空宇宙エンジニア
所在地:ワシントン州(アメリカ合衆国)
面積:室内空間139平米、総床面積186平米(屋外デッキ3つ含む)、敷地4ヘクタール
設計:David Coleman / Architecture
施工:SBI Construction
オーナーがDavid Coleman / Architectureの建築家、デヴィッド・コールマンに依頼したのは、ドラマチックな角度や、複数のベランダ、多数の窓、そして広々とした眺めを備えた、モダンな住まいでした。コールマンのチームに課されたのは、広い敷地に控えめなサイズの住宅を設計することです。
「このような敷地における課題の一つは、巨大なランドスケープの中に小さな家を作らなくてはならない、ということです」とコールマンは語ります。建物が適切な存在感を持つようにするには、どうしたらいいのでしょうか?
どんなHouzz?
住まい手:引退した航空宇宙エンジニア
所在地:ワシントン州(アメリカ合衆国)
面積:室内空間139平米、総床面積186平米(屋外デッキ3つ含む)、敷地4ヘクタール
設計:David Coleman / Architecture
施工:SBI Construction
オーナーがDavid Coleman / Architectureの建築家、デヴィッド・コールマンに依頼したのは、ドラマチックな角度や、複数のベランダ、多数の窓、そして広々とした眺めを備えた、モダンな住まいでした。コールマンのチームに課されたのは、広い敷地に控えめなサイズの住宅を設計することです。
「このような敷地における課題の一つは、巨大なランドスケープの中に小さな家を作らなくてはならない、ということです」とコールマンは語ります。建物が適切な存在感を持つようにするには、どうしたらいいのでしょうか?
この家にあるのは、ベッドルームとバスルーム、リビングルーム、ダイニングエリア、オフィスとして使用される書斎、そしてオーナーが木工工作をするためのワークスペースです。コールマンによると、この家は省エネルギー設計でできているそうです。建築面積が小さくて断熱性が高い上に、扉や窓に断熱性の高いガラスを使用し、オンデマンドの給水システムを備え、冷暖房にはルームエアコンを採用しています。
ルームエアコンはダクトレスであり、米国エネルギー省によると、「ボイラーやベースボードヒーターと比べて電力使用量を50%削減できる」とされています。「エネルギー需要と環境負荷をできる限り抑えました」とコールマン。
ルームエアコンはダクトレスであり、米国エネルギー省によると、「ボイラーやベースボードヒーターと比べて電力使用量を50%削減できる」とされています。「エネルギー需要と環境負荷をできる限り抑えました」とコールマン。
オーナーからは「リラックスしながら読書ができるようなポーチがいくつか欲しい」という依頼がありました。これを受け、設計チームはドラマチックな三角形のコーナーを作り、屋根に円形の天窓を開けることによって、下のデッキに日陰と日向の両方を実現したのです。
「それぞれのポーチに変わった特性を持たせるというアイデアを、施主は気に入ってくれました」とコールマン。「彼は真に遊び心のあるものを求めていたので、それが最大の基準となりました」
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「それぞれのポーチに変わった特性を持たせるというアイデアを、施主は気に入ってくれました」とコールマン。「彼は真に遊び心のあるものを求めていたので、それが最大の基準となりました」
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天窓のデッキは、パッシブソーラー設計の要素としても機能します。「天窓のデッキが南向きであることによって、ガラス壁がありながら、大きな庇が夏の太陽の放射熱を軽減してくれるんです」とコールマンは説明します。
この目を引くポーチのデザインは、住まいのテーマの延長線上にあります。「建物の形状と上手く調和して、視覚的な特徴を生み出しました」とコールマン。「太陽光がこの開口部を通して、美しい光のパターンを作りだします。影の落とし方も素敵でしょう?」
この目を引くポーチのデザインは、住まいのテーマの延長線上にあります。「建物の形状と上手く調和して、視覚的な特徴を生み出しました」とコールマン。「太陽光がこの開口部を通して、美しい光のパターンを作りだします。影の落とし方も素敵でしょう?」
施主は、外的要因から植物を守りながら育てられるような、屋内の中庭も希望していました。そこで建築家チームは、中庭のすべての側面にさまざまなサイズの窓を利用することで、自然光や景色を取り込みました。
たくさんの窓とドラマチックな角度が、リビングエリア、中庭、屋外の天窓のポーチからなる空間を支配しています。
この写真では、中庭の窓から家の中に光が入っている様子が見られます。
この住宅を設計するにあたって、コールマンは彼の設計事務所の基本理念である“住宅が光とどのように作用するか”を考慮しました。「光、場所、そして時間が、私たちの作品のテーマです。日光と、日光が建物と相互作用する方法を常に探求しているのです」と彼は語ります。
この住宅を設計するにあたって、コールマンは彼の設計事務所の基本理念である“住宅が光とどのように作用するか”を考慮しました。「光、場所、そして時間が、私たちの作品のテーマです。日光と、日光が建物と相互作用する方法を常に探求しているのです」と彼は語ります。
平面図を見てみると、この建物が2つに分かれて構成されていることがわかります。左部分には、リビングルーム、キッチン、ダイニングルーム、中庭、そして天窓のポーチ。そして右側には寝室エリアがあり、バスルーム、洗濯室、スタジオ、オフィス、そしてもう1つのデッキがあります。玄関ポーチは、平面図の上部にある駐車場に向かって配置されています。
「この建築の芯を作成するにあたって、長方形に対して角度をつけた構造を配置しました」とコールマンは説明します。「そうすることによって、シンプルな外形に対して、内側に幾何学的でダイナミックな状況をつくり出しました。建物に、よりドラマチックな雰囲気を与えたのです」
「この建築の芯を作成するにあたって、長方形に対して角度をつけた構造を配置しました」とコールマンは説明します。「そうすることによって、シンプルな外形に対して、内側に幾何学的でダイナミックな状況をつくり出しました。建物に、よりドラマチックな雰囲気を与えたのです」
この写真はリビングダイニングを写したもので、右側にはガラス張りの中庭が見えます。
ホワイトオーク材のフローリングとシンプルな家具が、この住まいのミニマルな美しさを演出しています。写真の奥にある背の高い白のキャビネットは上着の収納用であり、その奥には寝室エリアがあります。
ホワイトオーク材のフローリングとシンプルな家具が、この住まいのミニマルな美しさを演出しています。写真の奥にある背の高い白のキャビネットは上着の収納用であり、その奥には寝室エリアがあります。
キッチンは効率的なオープンプランになっています。壁側にはキャビネットとビルトインの冷蔵庫があり、珪岩天板の大きなアイランドにはシンク、コンロ、吊り下げ式レンジフードが付いています。
全長3.6メートルのアイランドユニットには、食器洗浄機と電子レンジも組み込まれており、コンロとシンクの両側にある、塗装されオーク材で飾られたキャビネットが、十分な収納スペースを提供しています。
こちらの写真では、キッチンから中庭を抜けて外を見ることができます。「すべてのものを屋外への眺めに向けて配置するよう、施主からの要望がありました」とコールマン。
設計チームは建物の向きを決めるにあたって、太陽の動きと見晴らしのきく地点を考慮しました。プライバシーを確保するために、一枚の壁を建物の外形の外まで伸ばしました。「この壁は素敵な西日があたりつつ、道路からのプライバシーも担保してくれます」とコールマンはいいます。
こちらは住宅の立面ダイアグラムで、日光と景色に関する計画を示しています。コールマンいわく、設計段階では敷地内を歩き回って、家の形状や角度を計画するのに多くの時間を費やしたそう。「数ある見晴らしのいい地点でそれぞれ体験できることや、どの部屋がそれぞれの地点に隣接するのかなどから設計しました」と彼は話します。
寝室エリアの先にあるデッキは、時間帯ごとの景色をどれだけ考慮したかがわかるいい例でしょう。「東側のポーチは、朝にコーヒーを飲みながら草原を眺めるのに最適な場所です」とコールマン。
寝室と廊下は2枚の大きな吊り戸で仕切られています。吊り戸の間の木の固定部分は、ベッドのヘッドボードです。
また、寝室エリアにはホームオフィスがあります。南向きの水平窓が壁いっぱいに伸びており、机の前に座ったときの目線に合わせて、景色が切り取られています。
この住宅の外装には、ジェームス・ハーディー社の“Aspyre”コレクションより、繊維強化セメント板のアイジャクリ羽目板が採用されています。これは腐敗、湿気、害虫に強い耐久性のある素材です。モダンな住宅でありながら、コールマンの設計事務所のほかの作品と同様に、「時代に左右されないデザインである」とコールマンは考えています。
「我々は場所の感覚をつくり出していて、設計する建築はダイナミックであると同時に、穏やかでもあります」とコールマン。「声高に主張したり、流行りの素材やディテールをふんだんに盛り込んだりはしていません。常にタイムレスな建築物をつくるように努めてきましたから、モダンでありながら、きっと10年後にも時代遅れに見えることはないでしょう」
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