世界各地の女性建築家たちに聞く、キャリアとインスピレーション
3月8日は国際女性デーです。Houzzでは、世界の女性建築家たち11名に、建築の仕事をする中で目の当たりにしてきた課題、変化、希望などについて聞きました。
Houzz Japan
2022年3月8日
Houzz Japan 公式アカウント
3月8日は国際女性デー。Houzz編集部は世界各国で活動する女性建築家たちに、2つの質問をしました。
- 建築家として歩み出してから今に至るまで、女性建築家に対する周囲の反応はどのように変化してきたとお考えですか?これまでご自身で実感してきたことを踏まえて、教えてください。
- 尊敬する女性建築家はいますか?それは誰で、どういうところを尊敬していますか?
建築家:カルメ・ピノスさん
事務所:Estudio Carme Pinós
活動拠点: バルセロナ(スペイン)
女性建築家に対する態度はこれまで変化してきましたし、これからも変化していくでしょう。
他の専門分野と同様、建築においても、自分自身と自分の仕事を信じる必要があります。女性の場合、男性に比べ仕事に対して評価を受けるのが難しい、と感じることがあるかもしれません。しかし、私たちが努力をしなければ、次の世代に女性たちへの影響があるのだということを認識しておく必要があります。
事務所:Estudio Carme Pinós
活動拠点: バルセロナ(スペイン)
女性建築家に対する態度はこれまで変化してきましたし、これからも変化していくでしょう。
他の専門分野と同様、建築においても、自分自身と自分の仕事を信じる必要があります。女性の場合、男性に比べ仕事に対して評価を受けるのが難しい、と感じることがあるかもしれません。しかし、私たちが努力をしなければ、次の世代に女性たちへの影響があるのだということを認識しておく必要があります。
世界は女性の視点を必要としています。女性は、柔軟性や共感性があり、人の話を聞くのが得意であることが多いです。私が信じているのは、正直で責任感のある仕事ぶりです。悪い噂に振り回されたり、上手くいかない状況に不満をいったり気を取られないように気をつけながら、前に進むことを大切にしています。
私は、自分の仕事で尊敬されたいと思っていますし、それを達成してきている、と思っています。
私は、自分の仕事で尊敬されたいと思っていますし、それを達成してきている、と思っています。
建築家:マティルデ・マーラーさん
事務所: Mathilde Mahler Architecte
活動拠点: パリ(フランス)
この業界で働き始めて20年、独立して10年目になります。独立前はさまざまなスタジオで働いており、全て順調だったのですが、子供を産んだことを機に状況が変わりました。定時前に職場を出て子供を迎えにいくことが、ネガティブに見られたからです。
これは建築家に関わらず、フランスで働く多くの女性に共通した課題でしょう。
事務所: Mathilde Mahler Architecte
活動拠点: パリ(フランス)
この業界で働き始めて20年、独立して10年目になります。独立前はさまざまなスタジオで働いており、全て順調だったのですが、子供を産んだことを機に状況が変わりました。定時前に職場を出て子供を迎えにいくことが、ネガティブに見られたからです。
これは建築家に関わらず、フランスで働く多くの女性に共通した課題でしょう。
私は建築設計とインテリアデザインもどちらもできますが、独立後、クライアントの多くがインテリアデザインや装飾プロジェクトで私に仕事を依頼してくることに気付きました。
また、装飾や室内のしつらえなど、プロジェクトの仕上げの部分で私を頼ってくる傾向もあったと思います。これは、クライアントとの密な関係性を築く私のスキルによるところが大きいかもしれません。
また、装飾や室内のしつらえなど、プロジェクトの仕上げの部分で私を頼ってくる傾向もあったと思います。これは、クライアントとの密な関係性を築く私のスキルによるところが大きいかもしれません。
私は、建築を勉強していた頃の恩師の1人であり、当時から著名であったオディール・デックさんの影響を受け、独立して自分の会社を持ちたいと思うようになりました。彼女のパートナーであったブノワ・コルネさんが亡くなった後、デックさんはビジネスを1人で引き継いだだけでなく、パリの建築特殊学校(École Spéciale d’Architecture)のディレクターにもなりました。
建築家: 大塚泰子さん
事務所名: yasuko otsuka|ノアノア空間工房
活動拠点: 東京(日本)
私は18年前に建築事務所を立ち上げてから建築・アート・教育の3本の柱で活動しています。以前は、女性が家事をすることを前提に住宅デザインをしていましたが、共働きが主体の現代では「夫婦で家事を楽しむ」前提でのデザインに変わりつつあります。
そして、住宅設計において、女性である私に求められるのは、決してワンマンな設計とならない、クライアントのライフスタイルを尊重する、親切できめ細かな配慮のある姿勢だと感じています。
事務所名: yasuko otsuka|ノアノア空間工房
活動拠点: 東京(日本)
私は18年前に建築事務所を立ち上げてから建築・アート・教育の3本の柱で活動しています。以前は、女性が家事をすることを前提に住宅デザインをしていましたが、共働きが主体の現代では「夫婦で家事を楽しむ」前提でのデザインに変わりつつあります。
そして、住宅設計において、女性である私に求められるのは、決してワンマンな設計とならない、クライアントのライフスタイルを尊重する、親切できめ細かな配慮のある姿勢だと感じています。
家づくりの現場で働く職人たちの多くは男性です。一方で、司令塔となる監理者が女性の私となるので、指示の仕方などに、昔は苦労していました。
しかし、自分なりに、女性としての指示の仕方、コミュニケーションの取り方があると気が付いてからは、少し力を抜き、自分らしく仕事ができるようになりました。現場が明るくなるよう笑顔で挨拶をし、柔軟に対応することで、現場のクオリティも上がったように思います。
しかし、自分なりに、女性としての指示の仕方、コミュニケーションの取り方があると気が付いてからは、少し力を抜き、自分らしく仕事ができるようになりました。現場が明るくなるよう笑顔で挨拶をし、柔軟に対応することで、現場のクオリティも上がったように思います。
尊敬する女性建築家は妹島和代さんです。妹島さんは、初めて海外で認められた日本の女性建築家。国内外で、多くの作品をつくられてきました。
彼女の作品は、オリジナルな世界感を持ちながら、常に未来の社会の在り方を提示してくれます。しなやかさや透明さなど、女性らしさの中に建築という強さを併せ持つ、素晴らしい建築家だと心より尊敬しております。
女性建築家として働くということ【日本の場合】
彼女の作品は、オリジナルな世界感を持ちながら、常に未来の社会の在り方を提示してくれます。しなやかさや透明さなど、女性らしさの中に建築という強さを併せ持つ、素晴らしい建築家だと心より尊敬しております。
女性建築家として働くということ【日本の場合】
建築家: タニア・ウダオンドさん
事務所: EMR Architecture
活動拠点: ロンドン(イギリス)
私はスペインのマドリードで勉強し、卒業後はロンドンに引越しました。にぎやかで、特に建築の分野で物事が早く変化するロンドンに惹かれました。
学生時代を過ごした大学では、国際的に認められ、成功をおさめている多くの女性教授に恵まれました。しかし、全ての学校が私の母校と同じような状況ではない、ということにも気付きました。
現在、ヨーロッパの建築学生の半分が女性ですが、労働市場において男女平等が実現しているかというと、そうではありません。特にリーダーや管理職に女性は十分いません。
事務所: EMR Architecture
活動拠点: ロンドン(イギリス)
私はスペインのマドリードで勉強し、卒業後はロンドンに引越しました。にぎやかで、特に建築の分野で物事が早く変化するロンドンに惹かれました。
学生時代を過ごした大学では、国際的に認められ、成功をおさめている多くの女性教授に恵まれました。しかし、全ての学校が私の母校と同じような状況ではない、ということにも気付きました。
現在、ヨーロッパの建築学生の半分が女性ですが、労働市場において男女平等が実現しているかというと、そうではありません。特にリーダーや管理職に女性は十分いません。
刺激的な女性に囲まれ、私は幸運だと思います。もっと多くの女性リーダーを見てみたいと思います。状況はよい方向へ変化していて、数年前に比べ、建築業界は以前ほど男性中心的ではなくなってきました。
ただ、技術的なことに関しては男性、デザイン全般やインテリアデザインに関しては女性に聞くのがよいとされる傾向は、今だにはあるようです。
ただ、技術的なことに関しては男性、デザイン全般やインテリアデザインに関しては女性に聞くのがよいとされる傾向は、今だにはあるようです。
私は建築家の妹島和世さんから、常にインスピレーションを受けています。ミニマルでエレガント、かつクリーンなアプローチに加え、周囲の環境と建築を統合させるやり方が私は好きです。
彼女の建築に対するアプローチは、とても美しいと思います。彼女から多くを学びましたし、彼女の作品について、可能な限りチェックするようにしています。
女性建築家として働くということ【イギリスの場合】
彼女の建築に対するアプローチは、とても美しいと思います。彼女から多くを学びましたし、彼女の作品について、可能な限りチェックするようにしています。
女性建築家として働くということ【イギリスの場合】
建築家: エヴァ・ナッシュさん(左)、ケイト・ローガンさん(質問の回答者)
事務所:Rogan Nash Architects
活動拠点:オークランド(ニュージーランド)
女性であるというだけで、物事の事情が実は違ったり、難しかったりすることがある点について、私は常に意識してきました。
私が建築を学ぶために通っていた大学では、女性を支援する文化が根付いていました。ただ、このような恵まれた状況は、前の世代の女性達が必死に働きかけてくれたからこそ存在するのだということも、理解していました。
事務所:Rogan Nash Architects
活動拠点:オークランド(ニュージーランド)
女性であるというだけで、物事の事情が実は違ったり、難しかったりすることがある点について、私は常に意識してきました。
私が建築を学ぶために通っていた大学では、女性を支援する文化が根付いていました。ただ、このような恵まれた状況は、前の世代の女性達が必死に働きかけてくれたからこそ存在するのだということも、理解していました。
初めての仕事先では「女性建築家」と呼ばれました。おかしいな、と思ったことを覚えています。ただ、女性だからといって、何か機会を喪失したことはないと私自身は思っています。自分の会社を立ち上げる時も、女性であることは妨げになりませんでした。
男性建築家に対しての女性建築家、という考え方はいまだにあります。女性は、インテリアデザインについてより多く知っているかもしれませんし、超高層ビルにはあまり興味がない。確かにそういうケースもあるでしょう。ただ、どんなタイプの建築をつくるかは、その建築家次第。女性であるか男性であるかは関係ありません。
私たちは、ただ素晴らしい建築家になりたいだけ。私は「女性建築家」ではなく、常に「建築家」として活動してきたつもりです。
男性建築家に対しての女性建築家、という考え方はいまだにあります。女性は、インテリアデザインについてより多く知っているかもしれませんし、超高層ビルにはあまり興味がない。確かにそういうケースもあるでしょう。ただ、どんなタイプの建築をつくるかは、その建築家次第。女性であるか男性であるかは関係ありません。
私たちは、ただ素晴らしい建築家になりたいだけ。私は「女性建築家」ではなく、常に「建築家」として活動してきたつもりです。
尊敬する建築家は、アイリーン・グレイさんです。家具から建築まで、彼女の作品はどれも非常に面白いです。彼女のスタイルは、時代を超えて愛されています。エヴァと私は、彼女の家具が使われている家を訪ねることがありますが、特にE-1027テーブルはとても素晴らしいと思います。
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建築家:デビ・デュッタ・チョードリーさん
事務所:Devi Dutta Architecture
活動拠点: カリフォルニア州バークレー(アメリカ)
私が勉強したテュレーン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の建築学部は、25年前にも関わらずとても平等な場所でした。学長は女性でしたし、教授や批評家にも女性がいたので、当時は女性であることに問題を感じませんでした。努力してデザインで面白いことをすれば、基本的に尊重されましたし、真剣に受け止めてもらえました。
この業界における男女間の格差に気付いたのは、仕事を始めてからです。建築だけでなく、建設業、技術職、市役所など、デザインや建設プロセスに関わる全ての側面において、男性が支配的であることに気付きました。
だからでしょうか、女性が経営するデザイン会社に自然と惹かれるようになりました。格差を相殺したかったのか、こうした会社の方がより私を歓迎してくれるように感じたからです。どんな理由があったにせよ、キャリアの駆け出しの時期に、女性のメンター達に囲まれたのは、とてもよい経験でした。
事務所:Devi Dutta Architecture
活動拠点: カリフォルニア州バークレー(アメリカ)
私が勉強したテュレーン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の建築学部は、25年前にも関わらずとても平等な場所でした。学長は女性でしたし、教授や批評家にも女性がいたので、当時は女性であることに問題を感じませんでした。努力してデザインで面白いことをすれば、基本的に尊重されましたし、真剣に受け止めてもらえました。
この業界における男女間の格差に気付いたのは、仕事を始めてからです。建築だけでなく、建設業、技術職、市役所など、デザインや建設プロセスに関わる全ての側面において、男性が支配的であることに気付きました。
だからでしょうか、女性が経営するデザイン会社に自然と惹かれるようになりました。格差を相殺したかったのか、こうした会社の方がより私を歓迎してくれるように感じたからです。どんな理由があったにせよ、キャリアの駆け出しの時期に、女性のメンター達に囲まれたのは、とてもよい経験でした。
よくいわれることですが、存在感を示すことは重要です。競争が激しいこの業界で、ダーリーン・ヤンさん、トビー・レビーさん、アン・フージェロンさんはそれぞれが独自の方法で、今の地位を獲得されています。私自身、キャリアを築く道のりのなかで、彼女達の存在を常に心に留めてきました。
私が独立したのは、約12年前です。3人目の子供の出産をひかえ、マイホームのリノベーションを行っていたときに、不況に見舞われました。これは、結果的に私にとって最高の機会となりました。不況をきっかけに、自分自身のプロジェクトに取り組むことを決めたからです。
赤ん坊を抱えながら、Devi Dutta Architectureは生まれました。まずは友人や家族の小規模なプロジェクトを手伝い始め、最終的に今日のフルサービスの会社に発展しました。
キャリアを通して出会った人たちとは、連絡をとり続けるようにしています。こうすることで、コラボレーションや紹介を通して会社を成長させることに役立っています。
私が独立したのは、約12年前です。3人目の子供の出産をひかえ、マイホームのリノベーションを行っていたときに、不況に見舞われました。これは、結果的に私にとって最高の機会となりました。不況をきっかけに、自分自身のプロジェクトに取り組むことを決めたからです。
赤ん坊を抱えながら、Devi Dutta Architectureは生まれました。まずは友人や家族の小規模なプロジェクトを手伝い始め、最終的に今日のフルサービスの会社に発展しました。
キャリアを通して出会った人たちとは、連絡をとり続けるようにしています。こうすることで、コラボレーションや紹介を通して会社を成長させることに役立っています。
私は、初期のモダニズムがずっと好きでした。デザインからデモクラシーまで、知っている全てのものが再考される時代を想像してみてください。建築界でモダニズム運動を形成した男性たちの作品については、多くを学びました。モダニズム運動には女性もおり、彼らと同じように懸命に活動をしていましたが、彼らほどの認知を得ることはできませんでした。
アイリーン・グレイさんはそのような女性のひとりです。当時、女性にとっては存在していなかった道を、彼女は一から開拓する必要がありました。彼女の作品は今や白黒写真でしか確認することは出来ませんが、形状と色、素材を非常に面白い方法で使っています。当時の男性デザイナーたち以上に革新的なところもある、画期的なデザインを生み出しました。
一世紀におよぶ女性建築家たちの業績をたたえる『ブレイキング・グラウンド』
アイリーン・グレイさんはそのような女性のひとりです。当時、女性にとっては存在していなかった道を、彼女は一から開拓する必要がありました。彼女の作品は今や白黒写真でしか確認することは出来ませんが、形状と色、素材を非常に面白い方法で使っています。当時の男性デザイナーたち以上に革新的なところもある、画期的なデザインを生み出しました。
一世紀におよぶ女性建築家たちの業績をたたえる『ブレイキング・グラウンド』
建築家:ジェーン・キャメロンさん
事務所:Jane Cameron Architects
活動拠点: メルボルン(オーストラリア)
建築学校を卒業してから今まで、現場で働く女性建築家としての私に対する周囲からの態度は、全体としてポジティブなものでした。ほかの多くの女性建築家に比べ、私の体験は、大変珍しいものだと認識しています。
これは、私個人の状況や実践、働いた分野、男性と女性の割合のほか、私自身の小規模な活動への移行を通して、特に感じていることです。
事務所:Jane Cameron Architects
活動拠点: メルボルン(オーストラリア)
建築学校を卒業してから今まで、現場で働く女性建築家としての私に対する周囲からの態度は、全体としてポジティブなものでした。ほかの多くの女性建築家に比べ、私の体験は、大変珍しいものだと認識しています。
これは、私個人の状況や実践、働いた分野、男性と女性の割合のほか、私自身の小規模な活動への移行を通して、特に感じていることです。
リサーチを基盤としたアドボカシー団体・Parlourの素晴らしい活動など、より大きなコミュニティのなかで、本質的な変化を体験しました。
オーストラリア建築家協会(Australian Institute of Architects)の変化も目の当たりにしました。私が卒業した当時は「ボーイズクラブ」といわれていた協会でしたが、今では女性建築家に支援的で、インクルーシブな存在へと変化しました。おかげで、私はアクティブなメンバーとして、講演を行ったり、アワードの審査員やメンターなど、活動する機会を得ています。
オーストラリア建築家協会(Australian Institute of Architects)の変化も目の当たりにしました。私が卒業した当時は「ボーイズクラブ」といわれていた協会でしたが、今では女性建築家に支援的で、インクルーシブな存在へと変化しました。おかげで、私はアクティブなメンバーとして、講演を行ったり、アワードの審査員やメンターなど、活動する機会を得ています。
私はロンドンに7年間住み、その間、チェコ出身でロンドンを拠点に活動するエヴァ・ジリクナさんのもとで働きました。彼女は、ガラスと鉄の階段でよく知られています。彼女の建築界への貢献は、多くの団体に認知されています。
ジリクナさんのことは、ビジネスだけでなく個人的にも尊敬しています。仕事においては、技術的な能力だけでなく、細部に対する彼女のこだわりに敬意を持っています。これは、特に彼女の素材の扱いにおいていえることです。
彼女はとても温かく、話しかけやすい人です。20歳から32歳までの若いメンバーが3分の1を占める職場でしたが、私たち全員が家族のように感じられる環境を彼女はつくり出してくれました。
世界のHouzzから:アボリジニの伝統に根ざした女性アーティストたちがつくる新しいデザイン
ジリクナさんのことは、ビジネスだけでなく個人的にも尊敬しています。仕事においては、技術的な能力だけでなく、細部に対する彼女のこだわりに敬意を持っています。これは、特に彼女の素材の扱いにおいていえることです。
彼女はとても温かく、話しかけやすい人です。20歳から32歳までの若いメンバーが3分の1を占める職場でしたが、私たち全員が家族のように感じられる環境を彼女はつくり出してくれました。
世界のHouzzから:アボリジニの伝統に根ざした女性アーティストたちがつくる新しいデザイン
建築家:アレッサンドラ・パロリーニさん
事務所:Archimentelab
活動拠点: モンツァ(イタリア)
1988年に建築学校を卒業し、独立するまでいくつかの建築スタジオで働きました。同僚たちは私の仕事を尊重してくれていたと思いますが、外部の建設業者とのやり取りの中では偏見を感じる時もありました。私には、建設プロセスに関する技術的な詳細を把握することが出来ないと思われていたようです。
事務所:Archimentelab
活動拠点: モンツァ(イタリア)
1988年に建築学校を卒業し、独立するまでいくつかの建築スタジオで働きました。同僚たちは私の仕事を尊重してくれていたと思いますが、外部の建設業者とのやり取りの中では偏見を感じる時もありました。私には、建設プロセスに関する技術的な詳細を把握することが出来ないと思われていたようです。
今までずっと小さなスタジオで働いてきたこともあり、独立して自身のビジネスを立ち上げたのは、私のとって自然の流れでした。自分のスタジオを持つ前は、自分の好きなようにクライアントと向き合うのが難しい部分もありました。
また、私はこれまで、家庭を持ちながらキャリアを切り開く、という課題にも直面してきました。多くの働く女性たちも同じでしょう。
また、私はこれまで、家庭を持ちながらキャリアを切り開く、という課題にも直面してきました。多くの働く女性たちも同じでしょう。
尊敬する建築家は、ガエ・アウレンティさんです。建築における過去と現在の融合、という彼女の考えには、とても共感します。彼女の作品には、その場所にかつてあったものに対する敬意が常に表現されています。パトリシア・ウルキオラさんの作品も、色使いや形の使い方が好みです。
建築家: エヴァ・ペトリさん(写真手前、横向き)とビルテ・ラフさん(写真奥、正面向き)
事務所名: Pur Architekten
活動拠点: ミュンヘン(ドイツ)
学生時代は、職場における男女平等を信じていました。仕事を始めてからは、オフィスの日常のなかで、男性の上司は若い男性を引き上げる傾向があることにすぐに気付きました。
私と、パートナーであるエヴァ・ペトリが主宰する今の事務所では、そのようなやり方は無いようにしています。今では私たち自身が上司です。クライアントや、一緒に仕事をしている専門家の多くが、私たちのやり方に賛同してくれています。
事務所名: Pur Architekten
活動拠点: ミュンヘン(ドイツ)
学生時代は、職場における男女平等を信じていました。仕事を始めてからは、オフィスの日常のなかで、男性の上司は若い男性を引き上げる傾向があることにすぐに気付きました。
私と、パートナーであるエヴァ・ペトリが主宰する今の事務所では、そのようなやり方は無いようにしています。今では私たち自身が上司です。クライアントや、一緒に仕事をしている専門家の多くが、私たちのやり方に賛同してくれています。
尊敬する女性建築家はアンナ・へリンガーさんです。彼女は最近、中国における竹を使ったホステルで、ArchDailyの「Building of the Year 2021 」賞を受賞されていました。へリンガーさん、おめでとうございます!
粘土や竹で出来た彼女のサステナブルな建物は、素晴らしいです。伝統工芸と社会文化を統合する彼女の作品は、非常に質の高い建築で、全ての作品がアートのようです。
北欧デザインに革命を起こす女性たち
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インスパイアリングなお言葉ばかりで、非常に励みになります。バイアスを壊し続けることで、皆さんが女性建築家ではなく、建築家と呼ばれるのが当たり前の世の中になることを心から願っています。