コメント
世界の専門家に聞く、ビジネスをサステナブルにするヒント
持続可能なかたちで事業を進めるために行っていることや、取り組んでいる課題について、世界各国の専門家にお話を伺いました。
Houzz Japan
2021年2月23日
Houzz Japan 公式アカウント
環境への配慮が求められる今、サステナビリティ(持続可能性)を事業やプロジェクトに組み入むための方法が、世界各地で模索されています。持続可能な事業経営のコツや、現在取り組んでいる課題について、世界の専門家に聞きました。
事業をサステナブルするために心がけていること
「可能な限り化石燃料に頼らず、自然エネルギーを活用することです」と語るのは、すわ製作所の眞田大輔さんです。「使用する材料は可能な限り自然由来の材料であり、最終的に微生物分解され土に戻るものであるのが理想です」
空設計工房の江藤眞理子さんは「エネルギー使用とCO2排出量の削減、森林再生の促進、そして石油由来のゴミを減らすことに、直接つながるような方法を取るようにしています」と話します。
イギリスを拠点とするインテリデザイナー、クローデン葉子さんは、違った角度からこの問題に取り組みます。「持続可能な事業であるためには、採算が取れなくてはいけません。手抜きをする建設業者は、手抜きをしないことには採算が取れないと考えているために、常に持続可能ではない選択肢に頼ってしまうのでしょう」
「事業を持続可能にするには、いろいろな方法があります」と話すのは、Bonsai Arquitectos(スペイン)のエヴァ・チャコンさんです。「自分なりのやり方があることを理解し、それぞれがささやかな貢献をすることが重要なのです」
「可能な限り化石燃料に頼らず、自然エネルギーを活用することです」と語るのは、すわ製作所の眞田大輔さんです。「使用する材料は可能な限り自然由来の材料であり、最終的に微生物分解され土に戻るものであるのが理想です」
空設計工房の江藤眞理子さんは「エネルギー使用とCO2排出量の削減、森林再生の促進、そして石油由来のゴミを減らすことに、直接つながるような方法を取るようにしています」と話します。
イギリスを拠点とするインテリデザイナー、クローデン葉子さんは、違った角度からこの問題に取り組みます。「持続可能な事業であるためには、採算が取れなくてはいけません。手抜きをする建設業者は、手抜きをしないことには採算が取れないと考えているために、常に持続可能ではない選択肢に頼ってしまうのでしょう」
「事業を持続可能にするには、いろいろな方法があります」と話すのは、Bonsai Arquitectos(スペイン)のエヴァ・チャコンさんです。「自分なりのやり方があることを理解し、それぞれがささやかな貢献をすることが重要なのです」
ビジネスの持続可能性はオフィスから始まります。「事業においては、物事をきちんと実行することが非常に重要だと思います。自分が手本を示すことで、施主を刺激し導くことができるよう常に心がけています。そうでなければ、施主も正しいことをしたいと思ってくれないでしょう」と語るのは、Melbourne Design Studios(オーストラリア)の建築家、マーク・バーンスタインさんです。
バーンスタインさんは現在パッシブハウスの自宅を建設中で、そこでは年間の消費エネルギー以上のエネルギーを作りだすことができるといいます。完成後は、モデルハウス、そしてサステナブル建築を一般の人々に教えるためのワークショップ空間として使用する予定です。
Spreeplan Projekt UG(ドイツ)の建設エンジニア、ダグ・シャファクジクさんは、1911年に建設され、のちに彼の会社がリノベーション工事をおこなった建物内にある自分の事務所(写真)に、持続可能な技術を取り入れました。「このリノベーションでは、基本的に屋根瓦や木造軸組などの既存の特色を再利用または維持することに努めました。従来の建築資材の代わりに、わらのパネル・粘土や石灰ベースの石膏・麻繊維の断熱材・粒状コルクのパネル・石灰塗料・地元産のオークやKEBONYウッドなどの自然の材料を使用しました」
「すべてのスペースは、壁内および床下の輻射暖房パネルによって温められます」と彼は続けます。「(事務所の)暖房は、建物全体の暖房システムの還気を利用しています。冷房も同じ原理です。…私たちの事務所はモデルハウスにもなっているんですよ」
バーンスタインさんは現在パッシブハウスの自宅を建設中で、そこでは年間の消費エネルギー以上のエネルギーを作りだすことができるといいます。完成後は、モデルハウス、そしてサステナブル建築を一般の人々に教えるためのワークショップ空間として使用する予定です。
Spreeplan Projekt UG(ドイツ)の建設エンジニア、ダグ・シャファクジクさんは、1911年に建設され、のちに彼の会社がリノベーション工事をおこなった建物内にある自分の事務所(写真)に、持続可能な技術を取り入れました。「このリノベーションでは、基本的に屋根瓦や木造軸組などの既存の特色を再利用または維持することに努めました。従来の建築資材の代わりに、わらのパネル・粘土や石灰ベースの石膏・麻繊維の断熱材・粒状コルクのパネル・石灰塗料・地元産のオークやKEBONYウッドなどの自然の材料を使用しました」
「すべてのスペースは、壁内および床下の輻射暖房パネルによって温められます」と彼は続けます。「(事務所の)暖房は、建物全体の暖房システムの還気を利用しています。冷房も同じ原理です。…私たちの事務所はモデルハウスにもなっているんですよ」
チャコンさんは「スタジオで消費する電気は再生可能エネルギー由来のものとし、他にも再生紙や持続可能な製品を使っています。また、紙・トナー・消耗品には責任あるリサイクル計画があり、不要なものは削減します」と話します。
「さらに、私たちとコラボレーターは、環境負荷が少ない移動の方針も作成しています。我々はスタジオから限られた距離内に住み、自転車や公共交通機関を利用することに同意しています。また、この新型コロナウイルスの流行の前からすでにリモートワークを促進するオンラインシステムを取り入れていました。公正な給与方針を適用し、コラボレーターの仕事を評価しています。これもまた持続可能性の一環であるといえるでしょう」
「私たちはサンプルの利用を制限しています」と話すのは、Ouvrage(フランス)のインテリアデザイナーであるマイッサ・エル・ファキアさんです。「クライアントごとにサンプルの作成を依頼するのではなく、できる限り再利用するためにサンプルを預かり、マテリアルライブラリの作成を試みています。また、輸送にかかるのCO2の排出量を抑えるために、フランスの業者を選んでいます。同様に、電気設備の購入を避け、レンタルするか、あるいは長い寿命を確保すべく再生された製品を買うことにしています」
「さらに、私たちとコラボレーターは、環境負荷が少ない移動の方針も作成しています。我々はスタジオから限られた距離内に住み、自転車や公共交通機関を利用することに同意しています。また、この新型コロナウイルスの流行の前からすでにリモートワークを促進するオンラインシステムを取り入れていました。公正な給与方針を適用し、コラボレーターの仕事を評価しています。これもまた持続可能性の一環であるといえるでしょう」
「私たちはサンプルの利用を制限しています」と話すのは、Ouvrage(フランス)のインテリアデザイナーであるマイッサ・エル・ファキアさんです。「クライアントごとにサンプルの作成を依頼するのではなく、できる限り再利用するためにサンプルを預かり、マテリアルライブラリの作成を試みています。また、輸送にかかるのCO2の排出量を抑えるために、フランスの業者を選んでいます。同様に、電気設備の購入を避け、レンタルするか、あるいは長い寿命を確保すべく再生された製品を買うことにしています」
プロジェクトをサステナブルにするためにしていること
私たちがインタビューした専門家の多くが、持続可能性の目安となる既存の枠組みを頼りにしています。「パッシブハウスやBREEAMといった最高レベルの認証基準をもとに、自身たちの方法論を適用します」とチャコンさん。「認証を取得するのが目的でないとしても、設計・施工プロセスを通じてこれらの要件に忠実であれば、プロジェクトは与えられた場所や施主の要望内で最大限に持続可能なものになるのです」
「私たちの近年のプロジェクトの大部分は、実質的にパッシブハウスの手順に従って進められています」とバーンスタインさんはいいます。「パッシブハウスは健康・快適・結露などの問題も考えているので、実際のところ快適性を担保する設計手法なのです。それに、長年にわたって社内で開発した『DEEP』という方法論を組み合わせます。このように、持続可能な材料選びを始める前から、デザインの特徴づけと微調整をおこなっています」
「(トイレや冷暖房装置等に使用するために雨水の再利用など)システムレベルにおいて、より一層の取り組みが必要です」と話すフランスの建築家、ティナ・メルケさんは、「持続可能な発展に理解のある企業とともに仕事をすること」が重要であることを指摘します。
エル・ファキアさんも同様のアプローチをとっています。「ヴィンテージや中古の家具が以前よりもはるかに簡単に入手できるようになりました。こういった家具を使用できるのは喜ばしいことだと思います」
私たちがインタビューした専門家の多くが、持続可能性の目安となる既存の枠組みを頼りにしています。「パッシブハウスやBREEAMといった最高レベルの認証基準をもとに、自身たちの方法論を適用します」とチャコンさん。「認証を取得するのが目的でないとしても、設計・施工プロセスを通じてこれらの要件に忠実であれば、プロジェクトは与えられた場所や施主の要望内で最大限に持続可能なものになるのです」
「私たちの近年のプロジェクトの大部分は、実質的にパッシブハウスの手順に従って進められています」とバーンスタインさんはいいます。「パッシブハウスは健康・快適・結露などの問題も考えているので、実際のところ快適性を担保する設計手法なのです。それに、長年にわたって社内で開発した『DEEP』という方法論を組み合わせます。このように、持続可能な材料選びを始める前から、デザインの特徴づけと微調整をおこなっています」
「(トイレや冷暖房装置等に使用するために雨水の再利用など)システムレベルにおいて、より一層の取り組みが必要です」と話すフランスの建築家、ティナ・メルケさんは、「持続可能な発展に理解のある企業とともに仕事をすること」が重要であることを指摘します。
エル・ファキアさんも同様のアプローチをとっています。「ヴィンテージや中古の家具が以前よりもはるかに簡単に入手できるようになりました。こういった家具を使用できるのは喜ばしいことだと思います」
イギリスのクローデンさんも、リサイクルを重視しています。現在、あるプロジェクトで施主が必要としなくなった数多くの古い家具を購入してくれる人を捜しているところだといいます。
「可能な限りリサイクルが不可能な材料を仕様書に含めないようにする、というのが、私のスタジオのポリシーです。これは私に深く根付いたデザイン精神であり、いままでも暗黙におこなってきたことですが、チームが成長してきたため、次のステップとしてポリシーを文書化し、プロジェクトの仕上げを特定する際に使用する社内チェックリストを作成することにしました」
South Hill Interiors(カナダ)のバーバラ・ミルナーさんは、自分の専門分野のことは何でも知っているようにすることが重要といいます。「新製品の最新情報を入手し、常に多様なオプションを施主に提供します」。こういった専門知識に基づくクライアントエクスペリエンスが、彼女のサービスを他と差別化するポイントとなります。「すべての人が専門的なことを理解するために時間を費やしたいわけではないですから」と彼女は話します。
「可能な限りリサイクルが不可能な材料を仕様書に含めないようにする、というのが、私のスタジオのポリシーです。これは私に深く根付いたデザイン精神であり、いままでも暗黙におこなってきたことですが、チームが成長してきたため、次のステップとしてポリシーを文書化し、プロジェクトの仕上げを特定する際に使用する社内チェックリストを作成することにしました」
South Hill Interiors(カナダ)のバーバラ・ミルナーさんは、自分の専門分野のことは何でも知っているようにすることが重要といいます。「新製品の最新情報を入手し、常に多様なオプションを施主に提供します」。こういった専門知識に基づくクライアントエクスペリエンスが、彼女のサービスを他と差別化するポイントとなります。「すべての人が専門的なことを理解するために時間を費やしたいわけではないですから」と彼女は話します。
製品をサステナブルな方法で調達するには
「使用する木材は地産地消を基本に、近隣の山で採れた国産材を使用しています」と話すのは眞田さんです。「木材や石材などは、地域の製材業者や石工との連携を、継続的に保ちながら調達」していると続けます。
私たちが話を伺った専門家の多くは、木材を好んで使用しています。「私たちが建築に使用する自然の材料の割合はどんどん増えています。特に木材に関しては、わたしたちはマニアだといえます」とチャコンさんは話ます。
「どの材料または製品を選ぶというだけではなく、全体的にそれがどのように建設に適合し、そして構築しようとしている建物のライフサイクル分析にどのような『履歴』を提供するかという問題なのです」とチャコンさん。すべての段階において、環境への影響を縮小することに努めているというチャコンさんは、各プロセスにおいて次のような点を重視しているといいます。
「使用する木材は地産地消を基本に、近隣の山で採れた国産材を使用しています」と話すのは眞田さんです。「木材や石材などは、地域の製材業者や石工との連携を、継続的に保ちながら調達」していると続けます。
私たちが話を伺った専門家の多くは、木材を好んで使用しています。「私たちが建築に使用する自然の材料の割合はどんどん増えています。特に木材に関しては、わたしたちはマニアだといえます」とチャコンさんは話ます。
「どの材料または製品を選ぶというだけではなく、全体的にそれがどのように建設に適合し、そして構築しようとしている建物のライフサイクル分析にどのような『履歴』を提供するかという問題なのです」とチャコンさん。すべての段階において、環境への影響を縮小することに努めているというチャコンさんは、各プロセスにおいて次のような点を重視しているといいます。
- 場所:輸送の影響を縮小、地域の文化と経済の促進、消えていく職人技術を取り戻します。
- 製造:多くの木材製品のようなプラスの環境影響のある材料を常に使うことを推奨します。
- 施工:最小限のフットプリント、現場で使うのにほとんどエネルギーまたは水を要しない、そして大気汚染に寄与しない製品を望みます。
- 使用:健全な環境に貢献する低メンテナンスで無毒な材料を使用します。
- 廃棄:自然の循環に戻る、または他の材料・エネルギーに変換するように設計された材料を使用します。
バーンスタインさんもまた、徹底的に製造工程を調査したうえで、内包エネルギーを分析し、完全循環型にできるか考察する、といった総合的なアプローチを取ります。
「この建物内での寿命がきたらその製品はその後どうなるのか。何か新しい物にリサイクルまたはアップサイクルが可能か。オーストラリアでは、通常ヨーロッパなどと比べると、建物の寿命がはるかに短いくなります。その寿命の終わりにリサイクルすることができるか検討することは非常に重要です」
「持続可能な製品は常に環境と健康の双方に配慮されているものでなくてはなりません」と彼は話します。「例えば、クライアントの住宅のために建具をデザインし、家具を指定する場合には、必ず環境に低排出の材料を指定するようにします。…また、空気を浄化し、排出ガスを少量であれば排除できる植物もあるので、できる限り設計に植栽を含めることを試みています。非常に安価ながら、住宅の持続可能性を高めてくれるすばらしい方法です」
ミルナーさんは、新たな進歩に遅れを取らないようにすることの重要性を強調します。「私の施主たちは常に最新のイノベーションに興味を持っています。そして現在、持続可能な製品がこれまで以上に求められ、検討されていることを実感しています。この手の製品は、高価格帯であることがほとんどであるにもかかわらずです」とミルナーさんはいいます。
しかしながら、持続可能な材料が全体として手に入りにくいという訳ではありません。「自然製品のみを生産する企業と、二次的な商品としてオーガニック製品を取り扱う企業があります」と話すのはイタリアの建築家マリア・エリサ・ヴィラ(Maria Elisa Villa)です。
「この建物内での寿命がきたらその製品はその後どうなるのか。何か新しい物にリサイクルまたはアップサイクルが可能か。オーストラリアでは、通常ヨーロッパなどと比べると、建物の寿命がはるかに短いくなります。その寿命の終わりにリサイクルすることができるか検討することは非常に重要です」
「持続可能な製品は常に環境と健康の双方に配慮されているものでなくてはなりません」と彼は話します。「例えば、クライアントの住宅のために建具をデザインし、家具を指定する場合には、必ず環境に低排出の材料を指定するようにします。…また、空気を浄化し、排出ガスを少量であれば排除できる植物もあるので、できる限り設計に植栽を含めることを試みています。非常に安価ながら、住宅の持続可能性を高めてくれるすばらしい方法です」
ミルナーさんは、新たな進歩に遅れを取らないようにすることの重要性を強調します。「私の施主たちは常に最新のイノベーションに興味を持っています。そして現在、持続可能な製品がこれまで以上に求められ、検討されていることを実感しています。この手の製品は、高価格帯であることがほとんどであるにもかかわらずです」とミルナーさんはいいます。
しかしながら、持続可能な材料が全体として手に入りにくいという訳ではありません。「自然製品のみを生産する企業と、二次的な商品としてオーガニック製品を取り扱う企業があります」と話すのはイタリアの建築家マリア・エリサ・ヴィラ(Maria Elisa Villa)です。
サステナブルなソリューションを広めるために
「私たちは、世界的に深刻な環境問題を社会に意識させること、そして施主が可能な解決策を自ら評価して最適な決断をする手助けをすることがクリエイティブかつ技術を持った専門家としての責任であると考えています」とチャコンさんは話します。
エル・ファキアさんは「施主に対する教育にも力を入れています。長持ちする高品質の材料を用いることは、売却の際だけではなく、物件を子どもたちに残すことを望んでいる場合にメリットがあることを説明するのです」話します。
またクローデンさんは「時折、住宅をリノベーション直後の状態のまま保ちたいというクライアントに出会います。このタイプの施主が希望しているのは人工材料です」といいます。「私たちは常に時間に追われているため、施主の好きなようにさせてしまいたくもなりますが、これは私たちの信念に関わる大事なことですので、施主の教育に時間をとる価値があります」
「施主の意思に反するかたちではなく、チームとして施主とともに可能性を広げていくことを常に意識しています」と話すのはバーンスタインさんです。「最終的に、施主のライフスタイルに合い、施主の希望よりずっとグリーンで持続可能な、期待以上の家にたどり着いてほしいと思っています」
「私たちは、世界的に深刻な環境問題を社会に意識させること、そして施主が可能な解決策を自ら評価して最適な決断をする手助けをすることがクリエイティブかつ技術を持った専門家としての責任であると考えています」とチャコンさんは話します。
エル・ファキアさんは「施主に対する教育にも力を入れています。長持ちする高品質の材料を用いることは、売却の際だけではなく、物件を子どもたちに残すことを望んでいる場合にメリットがあることを説明するのです」話します。
またクローデンさんは「時折、住宅をリノベーション直後の状態のまま保ちたいというクライアントに出会います。このタイプの施主が希望しているのは人工材料です」といいます。「私たちは常に時間に追われているため、施主の好きなようにさせてしまいたくもなりますが、これは私たちの信念に関わる大事なことですので、施主の教育に時間をとる価値があります」
「施主の意思に反するかたちではなく、チームとして施主とともに可能性を広げていくことを常に意識しています」と話すのはバーンスタインさんです。「最終的に、施主のライフスタイルに合い、施主の希望よりずっとグリーンで持続可能な、期待以上の家にたどり着いてほしいと思っています」
一方でヴィラさんは、持続可能性に興味のないクライアントに対しては妥協することも必要になると指摘します。何もないよりは少しでもあったほうがまし、というのが彼女の哲学です。
通常は主張する必要がない、と話すのはシャファクジクさんです。「施主は、私たちを選んだ時点で、そういった問題について理解しています。だいたい施主が驚くのは、私たちの持続可能で健康的な建築においてどんなことが達成できるのか知った時ぐらいで、『もっと早くに知っていたら』という声をよくいただきます」
ミルナーさんもまた、最近はクライアント側から、持続可能な建築について多くの関心がよせられていると話します。「プロジェクトの施工段階で、持続可能な製品について話をする機会が多くなっています。責任をもって建設し、『健康的な』ものを完成させたいという要望が高まっているのです」と彼女は言います。
「リノベーションの場合は、古いの製品を、持続可能でスマートなものと交換したいという要望をもとに、耐久性や揮発性有機化合物(VOC)などの健康要因についお話しさせていただくことがよくあります。その結果、製品の製造方法にも目が向けられるようになり、それが製品の持続可能性に対する意識につながります。製品がどのように作られているかを理解すると、価格以外のことにも考慮するようになります」
通常は主張する必要がない、と話すのはシャファクジクさんです。「施主は、私たちを選んだ時点で、そういった問題について理解しています。だいたい施主が驚くのは、私たちの持続可能で健康的な建築においてどんなことが達成できるのか知った時ぐらいで、『もっと早くに知っていたら』という声をよくいただきます」
ミルナーさんもまた、最近はクライアント側から、持続可能な建築について多くの関心がよせられていると話します。「プロジェクトの施工段階で、持続可能な製品について話をする機会が多くなっています。責任をもって建設し、『健康的な』ものを完成させたいという要望が高まっているのです」と彼女は言います。
「リノベーションの場合は、古いの製品を、持続可能でスマートなものと交換したいという要望をもとに、耐久性や揮発性有機化合物(VOC)などの健康要因についお話しさせていただくことがよくあります。その結果、製品の製造方法にも目が向けられるようになり、それが製品の持続可能性に対する意識につながります。製品がどのように作られているかを理解すると、価格以外のことにも考慮するようになります」
事業の持続可能性を高めようとして直面した課題
「建設業界の伝統として、労働者の多くは『グリーンなもの』にとりたてて関心があるわけではないため、現場で廃材をリサイクル用に仕分けするというシンプルなことでさえ、全員に従ってもらうのは大変なこともあります」とバーンスタインさんは話します。「ですが、とにかく一歩一歩進めていくしかないわけですし、業界もついにこのような変化を受け入れ始めたことを感じています。それを私たちが先頭に立って引っぱっていけばいいのです」
「文化的、、そして残念ながら経済的課題があります」と話すのは、Melle-Metzen Architects(イタリア)の建築家フルヴィオ・クローディオ・メレさんです。「常にそうであるとは限りませんが、持続可能な製品はやや高価です」
メルケさんも同じ意見です。「しかし、cycleup.frのようなサイトを使うことで節約することが可能です。建築家側で、標準的な製品を使う通常のプロジェクトに比べて、すべての段階においてリサーチに時間をかける必要がありますが…これは実りの多い時間ですので前向きにとらえるべきでしょう」
「建設業界の伝統として、労働者の多くは『グリーンなもの』にとりたてて関心があるわけではないため、現場で廃材をリサイクル用に仕分けするというシンプルなことでさえ、全員に従ってもらうのは大変なこともあります」とバーンスタインさんは話します。「ですが、とにかく一歩一歩進めていくしかないわけですし、業界もついにこのような変化を受け入れ始めたことを感じています。それを私たちが先頭に立って引っぱっていけばいいのです」
「文化的、、そして残念ながら経済的課題があります」と話すのは、Melle-Metzen Architects(イタリア)の建築家フルヴィオ・クローディオ・メレさんです。「常にそうであるとは限りませんが、持続可能な製品はやや高価です」
メルケさんも同じ意見です。「しかし、cycleup.frのようなサイトを使うことで節約することが可能です。建築家側で、標準的な製品を使う通常のプロジェクトに比べて、すべての段階においてリサーチに時間をかける必要がありますが…これは実りの多い時間ですので前向きにとらえるべきでしょう」
「設備、特にキッチンに関しては、いまだに選択肢が限られていて、環境にやさしいソリューションを見つけるのは難しいのが実情です」とエル・ファキアさんは話します。「職人に特注で製作してもらうか、高級品を使用しなければ、非常に難しいといえるでしょう。既成の材料と仕上げの選択肢も限られています」
「私たちの施工方法には、従来の施工にあるような標準はありません。材料と専門職人を調達するには大変な手間がかかります。…場合によっては、職人に遠方から来てもらわなければなりません。計画には相当の努力がともない、プロジェクトのコストも上がります」とシャファクジクさんは語ります。
「しかしこれは、空調であれHVACであれ光熱費を大幅に削減することができるため、長期的には帳尻が合います。私たちの事務所が入っている建物では、維持費を71.8%抑えることができました。また、室内気候も向上し、空気中に含まれる有害な化学物質がなくなりました」
「私たちの施工方法には、従来の施工にあるような標準はありません。材料と専門職人を調達するには大変な手間がかかります。…場合によっては、職人に遠方から来てもらわなければなりません。計画には相当の努力がともない、プロジェクトのコストも上がります」とシャファクジクさんは語ります。
「しかしこれは、空調であれHVACであれ光熱費を大幅に削減することができるため、長期的には帳尻が合います。私たちの事務所が入っている建物では、維持費を71.8%抑えることができました。また、室内気候も向上し、空気中に含まれる有害な化学物質がなくなりました」
コロナ禍を受け、事業のあり方は変化したか
「新型コロナウイルスの影響で全員が自宅で仕事をしており、車の利用が減少し、冷暖房などの利用や余分なオフィススペースもなくなりました。 私たちは以前よりも『よりグリーン』に生活しているといえるのではないでしょうか」とバーンスタインさん。「コロナ禍で、メディアが持続可能性をあまり取り上げなくなったにも関わらず、いまだそれについて考えている人々がいることを知りました。私たちの施主のほとんどは、正しいことをしたいと考えています。こうしたことを励みに、施主とともにより良い住宅、より良い世界を作っていきたいと考えています」
「新型コロナウイルスが知性面で私たちに与えた影響、それは地球や私たちの未来、さらには私たちの生き方を問う時間が与えられたということだと思います」とメルケさんは話します。
「新型コロナウイルスの影響で全員が自宅で仕事をしており、車の利用が減少し、冷暖房などの利用や余分なオフィススペースもなくなりました。 私たちは以前よりも『よりグリーン』に生活しているといえるのではないでしょうか」とバーンスタインさん。「コロナ禍で、メディアが持続可能性をあまり取り上げなくなったにも関わらず、いまだそれについて考えている人々がいることを知りました。私たちの施主のほとんどは、正しいことをしたいと考えています。こうしたことを励みに、施主とともにより良い住宅、より良い世界を作っていきたいと考えています」
「新型コロナウイルスが知性面で私たちに与えた影響、それは地球や私たちの未来、さらには私たちの生き方を問う時間が与えられたということだと思います」とメルケさんは話します。
おすすめの記事
事例写真撮影のコツ
プロの写真家に撮影を頼むべきケースとは?
プロだからこそ撮れる美しい写真には、人の心に訴える大きな力があります。写真を通して作品の魅力を伝えることは、次の施主との出会い、作品づくりにもつながります。
続きを読む
エコ・サステナブル
サーキュラーエコノミー研究家・建築家に聞く、日本でも実践できるサステナブルな住まいづくりのヒント
文/杉田真理子
サーキュラーエコノミーを意識した住まいづくりについて、オランダの動きを参考に、考えてみましょう。
続きを読む
Houzzの使い方
「Best of Houzz」とは? どうすれば受賞できるの?
Houzzユーザーの支持を集めた専門家に贈られる「Best of Houzz」。どんな専門家が受賞するのでしょうか。
続きを読む
Houzzからのお知らせ
注目を集めた15のデザイン賞受賞作品【Best of Houzz 2023】
今年もBest of Houzzデザイン賞が発表されました。ユーザーの注目を集めた15の事例写真をご紹介します。
続きを読む
照明
世界が注目するJapanブランドの照明。ミラノサローネ凱旋展で見た灯りの可能性
今年60周年記念だったミラノサローネ国際家具見本市。その晩餐会を飾ったのは、日本人アーティストによるコラボレーションでした。今秋、東京でもその夢の共演が実現しました。
続きを読む
カラー
2023年のトレンドカラーは深紅色!インテリアにどう取り入れる?
パントン社の2023年トレンド色は「Viva Magenta(ビバ・マゼンタ)」に決定。Houzzの専門家にインテリアに取り入れる方法を聞きました。
続きを読む