Houzzから予測する2021年の住まいトレンド
住まいとの向き合い方が大きく変わった2020年。いまHouzzユーザーが住まいに求めていることから予想される、これからの住まいとは?

Mamiko Nakano
2020年12月1日
Houzz Japan Editor
Houzz日本版では、2020年中にHouzzユーザーに多く保存された写真、よく読まれた記事のデータ、海外のインテリアイベントで話題になったテーマなどを踏まえ、2021年に向けた8つのキーワードを抽出しました。5人のインテリアの専門家のコメントとともにキーワードをたどりながら、2021年の住まいについて予測してみましょう。
1. さらに使いやすいホームオフィス
2020年のHouzzでは「ホームオフィス」や「ワークスペース」といったキーワードがよく検索され、在宅ワークがはかどるデスク環境の整え方や、ウェブ会議の際にすっきり見えるインテリアについての記事が人気を集めました。
リモートワークは浸透しました。自分にとってさらに使いやすくなるよう、ホームオフィスを整えたいというニーズは来年以降も続くのではないでしょうか。
「書類だけでなく、プリンター設置を前提とした収納計画、特に壁面に造り付ける大容量の収納のご要望が多いです」と話すのは、Class S interior designの住吉さやかさん。
住吉さんによると「壁面を利用したホワイトボードの設置や、仕事中にふと息抜きをするためのアートのご要望などもある」とのこと。こういった壁面のアイテムは、ウェブ会議の際のコミュニケーションにも役立ちそうです。
2020年のHouzzでは「ホームオフィス」や「ワークスペース」といったキーワードがよく検索され、在宅ワークがはかどるデスク環境の整え方や、ウェブ会議の際にすっきり見えるインテリアについての記事が人気を集めました。
リモートワークは浸透しました。自分にとってさらに使いやすくなるよう、ホームオフィスを整えたいというニーズは来年以降も続くのではないでしょうか。
「書類だけでなく、プリンター設置を前提とした収納計画、特に壁面に造り付ける大容量の収納のご要望が多いです」と話すのは、Class S interior designの住吉さやかさん。
住吉さんによると「壁面を利用したホワイトボードの設置や、仕事中にふと息抜きをするためのアートのご要望などもある」とのこと。こういった壁面のアイテムは、ウェブ会議の際のコミュニケーションにも役立ちそうです。
2. リラックスできるパーソナルスペース
在宅勤務をしていると、家の中にも、ほっと一息つける場所が欲しくなります。ホームオフィスの普及は、1人で「オフ」できる空間の重要性も浮かび上がらせます。とはいえ、ひと部屋まるごと自分用の空間が確保できるとは限りません。
そんな時、インセンスの斉藤克雄さんは「簡単に移動できるパーソナルチェアを提案しています」と話します。1人用の椅子があれば、たとえ小さくても「自分の居場所」がつくれますね。
仕事用に使っている部屋を多目的に使ってしまうこともできます。その際の住吉さんのおすすめは、照明の色を切り替えることだといいます。
「仕事中はしっかりと明るい昼白色を使っていただき、夕方には自動的に明るさや色が変わるように設定できるものもあります。照明の機能を最大限に活用してみてはいかがでしょうか?」(住吉さん)
在宅勤務をしていると、家の中にも、ほっと一息つける場所が欲しくなります。ホームオフィスの普及は、1人で「オフ」できる空間の重要性も浮かび上がらせます。とはいえ、ひと部屋まるごと自分用の空間が確保できるとは限りません。
そんな時、インセンスの斉藤克雄さんは「簡単に移動できるパーソナルチェアを提案しています」と話します。1人用の椅子があれば、たとえ小さくても「自分の居場所」がつくれますね。
仕事用に使っている部屋を多目的に使ってしまうこともできます。その際の住吉さんのおすすめは、照明の色を切り替えることだといいます。
「仕事中はしっかりと明るい昼白色を使っていただき、夕方には自動的に明るさや色が変わるように設定できるものもあります。照明の機能を最大限に活用してみてはいかがでしょうか?」(住吉さん)
3. 植物のある暮らし
おうち時間が増え、多くの人が植物を暮らしに取り入れ始めました。
野菜を育て始めた人、植木鉢の数が増えた人、花を欠かさなくなった人。さまざまな向き合い方があるようですが、Houzzでも「家庭菜園」や「造園」は人気の検索ワードとなりました。植物を取り入れた住まいづくりの記事もよく読まれています。
「コロナ以前から、グリーンの提案は必ずしています」と話すのは、HARU Interior Directionsのツジチハルさん。今後は、専門家のサポートのもとで植物や庭から発想する家づくりが、もっと増えるかもしれません。
庭づくり・植物の記事を読む
おうち時間が増え、多くの人が植物を暮らしに取り入れ始めました。
野菜を育て始めた人、植木鉢の数が増えた人、花を欠かさなくなった人。さまざまな向き合い方があるようですが、Houzzでも「家庭菜園」や「造園」は人気の検索ワードとなりました。植物を取り入れた住まいづくりの記事もよく読まれています。
「コロナ以前から、グリーンの提案は必ずしています」と話すのは、HARU Interior Directionsのツジチハルさん。今後は、専門家のサポートのもとで植物や庭から発想する家づくりが、もっと増えるかもしれません。
庭づくり・植物の記事を読む
4. 住まいと繋がる「外」スペース
自宅の範囲内にありながら外を感じられる場として、ベランダやテラス、バルコニーのニーズが高まっています。「インナーテラス」「デッキ」など、家の内と外の間にある空間に関するキーワードも、よく検索されました。
ベランダライフのアイデアの記事や、自宅の庭を満喫するコツの記事はとてもよく読まれました。
このほか、今年Houzzツアー記事の取材でお話を伺った住まい手の方からは、テラスやベランダでピクニックをして楽しんでいる、というエピソードも聞くことができました。春ごろにはまた、屋外スペースで楽しい時間をすごすために工夫を凝らす人も増えるのではないでしょうか。
自宅の範囲内にありながら外を感じられる場として、ベランダやテラス、バルコニーのニーズが高まっています。「インナーテラス」「デッキ」など、家の内と外の間にある空間に関するキーワードも、よく検索されました。
ベランダライフのアイデアの記事や、自宅の庭を満喫するコツの記事はとてもよく読まれました。
このほか、今年Houzzツアー記事の取材でお話を伺った住まい手の方からは、テラスやベランダでピクニックをして楽しんでいる、というエピソードも聞くことができました。春ごろにはまた、屋外スペースで楽しい時間をすごすために工夫を凝らす人も増えるのではないでしょうか。
5. 木をすっきりと取り入れる
2020年にHouzzで人気だったキッチンの写真の多くは、コンクリートのような無機質な素材感に木のぬくもり感をプラスした、クールさとあたたかみを両立させた事例が目立っていました。
モダンスタイルや北欧スタイルなどのすっきり感のある雰囲気の写真は、Houzzでは常に人気です。木の素材感をほっこりしすぎない形で住まいに取り入れたいというニーズは、引き続きありそうです。
Houzzでは、天井に木をすっきりモダンに取り入れた事例写真もよく見られます。一級建築士事務所 遊設計室【YU PLANNING】の石黒祐子さんは「メンテナンスが比較的少なくて済むので、天井材での板材の使用などは提案しています」と話してくれました。
2020年にHouzzで人気だったキッチンの写真の多くは、コンクリートのような無機質な素材感に木のぬくもり感をプラスした、クールさとあたたかみを両立させた事例が目立っていました。
モダンスタイルや北欧スタイルなどのすっきり感のある雰囲気の写真は、Houzzでは常に人気です。木の素材感をほっこりしすぎない形で住まいに取り入れたいというニーズは、引き続きありそうです。
Houzzでは、天井に木をすっきりモダンに取り入れた事例写真もよく見られます。一級建築士事務所 遊設計室【YU PLANNING】の石黒祐子さんは「メンテナンスが比較的少なくて済むので、天井材での板材の使用などは提案しています」と話してくれました。
6.自宅のエクササイズスペース
「ホームジム」も、今年Houzzで最も多く検索されたキーワードのひとつです。外出しづらくても、家の中のスペースが限られていても、なんとか体を動かしたい。このようなニーズは、多くの人たちの間で高まりました。自宅にクライミングウォールをつくる際のコツについての記事も人気です。
斉藤さんは「洗面所を広くし、家庭用の器具を置くか、ストレッチのできる空間にしたい」という相談を受けたそうです。
石黒さんは、ランニングマシンやバイクの導入、スパのような浴室のある本格的なプライベートジムの事例を手掛けたとのこと。
どんな形であれ、エクササイズのためのスペースを確保できると、籠りがちな日々のストレス解消が叶い、健康維持のモチベーションもアップします。運動のためのスペースのニーズは、今後も続きそうです。
人気記事でたどる、Houzzユーザーが「おうち時間」に知りたかった6つのこと
「ホームジム」も、今年Houzzで最も多く検索されたキーワードのひとつです。外出しづらくても、家の中のスペースが限られていても、なんとか体を動かしたい。このようなニーズは、多くの人たちの間で高まりました。自宅にクライミングウォールをつくる際のコツについての記事も人気です。
斉藤さんは「洗面所を広くし、家庭用の器具を置くか、ストレッチのできる空間にしたい」という相談を受けたそうです。
石黒さんは、ランニングマシンやバイクの導入、スパのような浴室のある本格的なプライベートジムの事例を手掛けたとのこと。
どんな形であれ、エクササイズのためのスペースを確保できると、籠りがちな日々のストレス解消が叶い、健康維持のモチベーションもアップします。運動のためのスペースのニーズは、今後も続きそうです。
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7. 家を清潔に保つための工夫
玄関に設ける手洗いコーナーの記事は、今年最もよく読まれた記事の一つでした。
「手洗いコーナーについては、動線はもちろん、目立つ場所にあるとインテリアの部分も考えたいところです。また、手洗い器で使うハンドタオルやハンドソープの予備など、ちょっとした物がしまえる場所も大切です」と、ヘザー・ブラッキンさんはいいます。
「新しい生活様式」の世の中では、清潔感を保てる住まいのデザインは必要不可欠になると考えられます。汚れに強い素材などを選ぶことも重要ですが、不要なものをなるべく家の中に持ち込まないための収納やデザインの工夫も必要でしょう。
石黒さんは「手洗いと共に、消毒をしてコートなどをすぐに掛けられるクローゼットなどがあるといいですね」と話してくれました。
清潔感を持続しやすいインテリアのポイント
玄関に設ける手洗いコーナーの記事は、今年最もよく読まれた記事の一つでした。
「手洗いコーナーについては、動線はもちろん、目立つ場所にあるとインテリアの部分も考えたいところです。また、手洗い器で使うハンドタオルやハンドソープの予備など、ちょっとした物がしまえる場所も大切です」と、ヘザー・ブラッキンさんはいいます。
「新しい生活様式」の世の中では、清潔感を保てる住まいのデザインは必要不可欠になると考えられます。汚れに強い素材などを選ぶことも重要ですが、不要なものをなるべく家の中に持ち込まないための収納やデザインの工夫も必要でしょう。
石黒さんは「手洗いと共に、消毒をしてコートなどをすぐに掛けられるクローゼットなどがあるといいですね」と話してくれました。
清潔感を持続しやすいインテリアのポイント
8. 住む人自身にとっての本質的な心地よさ
今年、欧州の秋のインテリア見本市の多くはオンライン開催となり、コロナ以降の住環境についてのさまざまな議論が交わされました。
イギリスのインテリアデザイナーや精神科学の専門家たちが参加したデザインスケープでは、「見た目を超えた心地よさ」の重要性が強調されていました。同じくオンライン開催されたメゾン・エ・オブジェでも、安らぎや安心感のあるインテリアへの言及がありました。
長い「おうち時間」によって、住まいとの関係が変化した人は多いでしょう。2020年は「自分にとって、本当に心地よい住まいとは、何なのか?」を、あらためて考えるきっかけにもなりました。
でも、いざ「自分らしくて心地よい空間」を実現するとなると、さまざまなアイデアや知識が必要です。
理想の家をつくりたい。そんな思いを抱く人が増えれば増えるほど、専門家の果たす役割も、よりいっそう大きくなっていきそうです。
Houzzで住まいの専門家を探す
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今年、欧州の秋のインテリア見本市の多くはオンライン開催となり、コロナ以降の住環境についてのさまざまな議論が交わされました。
イギリスのインテリアデザイナーや精神科学の専門家たちが参加したデザインスケープでは、「見た目を超えた心地よさ」の重要性が強調されていました。同じくオンライン開催されたメゾン・エ・オブジェでも、安らぎや安心感のあるインテリアへの言及がありました。
長い「おうち時間」によって、住まいとの関係が変化した人は多いでしょう。2020年は「自分にとって、本当に心地よい住まいとは、何なのか?」を、あらためて考えるきっかけにもなりました。
でも、いざ「自分らしくて心地よい空間」を実現するとなると、さまざまなアイデアや知識が必要です。
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