冬こそ換気が大切な理由と、その時になるべく寒くならない方法
寒くなると、どうしても換気が疎かになってしまうのではないでしょうか?実は寒い冬こそ換気が大切です。その理由と、少しでも寒さを感じずに済む換気の方法をご紹介しましょう。
安井俊夫
2022年11月19日
天工舎一級建築士事務所主宰。神奈川県小田原市に事務所を構え、住宅や店舗などの設計監理業務を行っています。書評やコラムなども執筆中。
はじめに、寒い冬こそ換気が大切な3つの理由をご説明します。
換気が必要な三つの理由
これらのウィルスは空気より軽いため、人の衣服に付着したものが家の中に持ち込まれてしまいます。また咳やくしゃみに含まれたウィルスが、空気中に漂っているケースもあります。換気をして、ウイルスや家庭内のハウスダストなどを屋外に排出し、新鮮な空気を取り入れる。このことが感染対策として有効です。長い時間過ごした室内の空気よりも、屋外の空気の方が新鮮だということを理解しましょう。
換気が必要な三つの理由
- その1:ウィルスの除去
これらのウィルスは空気より軽いため、人の衣服に付着したものが家の中に持ち込まれてしまいます。また咳やくしゃみに含まれたウィルスが、空気中に漂っているケースもあります。換気をして、ウイルスや家庭内のハウスダストなどを屋外に排出し、新鮮な空気を取り入れる。このことが感染対策として有効です。長い時間過ごした室内の空気よりも、屋外の空気の方が新鮮だということを理解しましょう。
- その2:結露の防止 夏と違い、冬は屋外が寒く、室内との温度差が大きくなります。その境界線とも言える窓ガラスなどに水分を多く含んだ空気が触れることによって、結露が生じます。これら結露の原因となるのは室内の湿度で、結露を防ぐには換気が重要です。
換気をしない室内では、調理などによる水蒸気の発生、加湿器の使用により、湿度が高くなってしまいます。私たちの体からも、一日に呼気を含めた約1ℓの水分が放出されといわれています。
加湿器や水蒸気を発生される石油ストーブを使っていないご家庭でも、適切な換気を行うことが重要となるのです。
- その3:新鮮空気の確保
もう少しわかりやすくいえば、1分間に約9ℓ程度の空気を吸い、吐き出しているということになります。1時間に直すと約540ℓ=0.54㎥。例えば6畳の部屋の容積は約24㎥なので、44.5時間で新鮮空気を吸い尽くしてしまう計算になります。
大人2人ならば、その半分の22.2時間で新鮮空気が無くなってしまいます。少し極端な例ですが人が必要とする空気の量は、想像している以上に多いのです。ですから室内の汚れた空気を表に出し、屋外の新鮮空気を取り入れる必要があるのです。
以上の3つの理由から、冬は夏以上に換気が大切と言えるのです。
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必要な換気量と回数の目安
建築基準法では、24時間換気量として1時間で0.5回の空気の入れ替わりを定めています。つまり、必要な換気量の目安は、1時間で室内の空気の半分が入れ替わる量です。少し分かりにくいですか? では「2時間に一度、室内の空気がすべて入れ替わる程度」ではいかがでしょう。
時間の目安を設けるなら、10分間ほど窓を開けるのでよいでしょう。家の対角の窓をすべて解放した場合、3分も開けていれば十分だと思います。空気が入れ替わった、と感じられればOKです。
少しは必要な換気量のイメージがご理解いただけましたでしょうか。この時間を長いと感じるのか、そんなに短くて良いのか? と、感じるのかは人それぞれだと思いますが、実際に試すと室内環境が格段に向上しますので、どうかお試しください。
建築基準法では、24時間換気量として1時間で0.5回の空気の入れ替わりを定めています。つまり、必要な換気量の目安は、1時間で室内の空気の半分が入れ替わる量です。少し分かりにくいですか? では「2時間に一度、室内の空気がすべて入れ替わる程度」ではいかがでしょう。
時間の目安を設けるなら、10分間ほど窓を開けるのでよいでしょう。家の対角の窓をすべて解放した場合、3分も開けていれば十分だと思います。空気が入れ替わった、と感じられればOKです。
少しは必要な換気量のイメージがご理解いただけましたでしょうか。この時間を長いと感じるのか、そんなに短くて良いのか? と、感じるのかは人それぞれだと思いますが、実際に試すと室内環境が格段に向上しますので、どうかお試しください。
効率的な換気方法
できれば窓を全開にする時間は、短くしたいですよね。せっかく温まった部屋が、また寒くなってしまうのは嫌ですからね。そのためには効率の良い換気をしましょう。それは空気の入り口と出口の2か所を、明確にイメージして窓を開けることです。
例えば南側の窓を開ける際には、同時に必ず北側の窓も開けること。さらに言えば、1階の南側の窓を開ける際には、2階の北側の窓を開けることです。その際、室内のどこを風が通り抜けるかをイメージして、廊下や部屋の扉も一緒に開けて、風が抜けやすくしてあげることが大切です。またその際、風の入り口側の窓は小さく、出口側の窓は大きく開けることをイメージして換気することが出来れば、より効果的な換気が短い時間で行うことに繋がりますので、覚えておきましょう。
家族を健康にする住まいの換気とは?その種類と方法
できれば窓を全開にする時間は、短くしたいですよね。せっかく温まった部屋が、また寒くなってしまうのは嫌ですからね。そのためには効率の良い換気をしましょう。それは空気の入り口と出口の2か所を、明確にイメージして窓を開けることです。
例えば南側の窓を開ける際には、同時に必ず北側の窓も開けること。さらに言えば、1階の南側の窓を開ける際には、2階の北側の窓を開けることです。その際、室内のどこを風が通り抜けるかをイメージして、廊下や部屋の扉も一緒に開けて、風が抜けやすくしてあげることが大切です。またその際、風の入り口側の窓は小さく、出口側の窓は大きく開けることをイメージして換気することが出来れば、より効果的な換気が短い時間で行うことに繋がりますので、覚えておきましょう。
家族を健康にする住まいの換気とは?その種類と方法
24時間換気ではだめなのか?
2003年に建築基準法が改訂され、住宅には24時間換気システムの設置が義務付けされました。換気に必要な時間の部分でも触れましたが、これは1時間に0.5回、家中の空気を入れ替える換気システムを設置することで、室内環境を良好に保とうという趣旨のもとに考えられたものです。2003年以降に建てられた家には必ず設置されています。
たいていの場合は、自然に外気が入ってくる吸気口が居室に設置され、トイレや洗面所に設けられた換気扇が一日中換気し続けることで、その役割を果たします。
が!本当にそれらの換気システムは正しく使われているのでしょうか? 例えば吸気口には開閉のレバーが設けられており、風の侵入を閉じることが可能ですが、寒いときには閉めていないでしょうか。
またトイレや洗面所設けられた換気扇には、「換気扇24H切らないでください」と書かれたシールが貼られていますが、電気代がもったいないからと切っていませんか? 我が家は24時間換気の趣旨を正しく理解しているので、換気扇を切ることはないといわれるご家庭でも、吸気口を定期的に掃除し、フィルターにゴミや埃が詰まらないように掃除されることは意外と難しいと思います。
2003年に建築基準法が改訂され、住宅には24時間換気システムの設置が義務付けされました。換気に必要な時間の部分でも触れましたが、これは1時間に0.5回、家中の空気を入れ替える換気システムを設置することで、室内環境を良好に保とうという趣旨のもとに考えられたものです。2003年以降に建てられた家には必ず設置されています。
たいていの場合は、自然に外気が入ってくる吸気口が居室に設置され、トイレや洗面所に設けられた換気扇が一日中換気し続けることで、その役割を果たします。
が!本当にそれらの換気システムは正しく使われているのでしょうか? 例えば吸気口には開閉のレバーが設けられており、風の侵入を閉じることが可能ですが、寒いときには閉めていないでしょうか。
またトイレや洗面所設けられた換気扇には、「換気扇24H切らないでください」と書かれたシールが貼られていますが、電気代がもったいないからと切っていませんか? 我が家は24時間換気の趣旨を正しく理解しているので、換気扇を切ることはないといわれるご家庭でも、吸気口を定期的に掃除し、フィルターにゴミや埃が詰まらないように掃除されることは意外と難しいと思います。
他にも吸気・換気ともに機械を利用した第一種換気と呼ばれる換気方法もあります。いずれの場合でも24時間換気の意味を知り、機器類の日頃のメンテナンスを行ったうえでもなお、手で窓を開け換気することは効果的に優れており、素早く換気が行えることを理解しましょう。
また空気清浄機では換気は行えませんので、ご注意ください。空気清浄機とはフィルターを利用してチリや埃を取るものであり、湿度を低くすることや、新鮮な外気を室内に取り込むことは出来ません。
冬の換気の重要性を理解するためにも、ご家庭には温度計・湿度計を置き、部屋の状況を気にする習慣を付けましょう。そしてウィルスから家族を守り、カビや結露から家を守る冬の換気を心掛け、どうか健康で快適な冬をお過ごしください。
暮らしを快適にする湿度とは?
帰宅後すぐに手洗い!玄関につくる洗面コーナーのアイデア
また空気清浄機では換気は行えませんので、ご注意ください。空気清浄機とはフィルターを利用してチリや埃を取るものであり、湿度を低くすることや、新鮮な外気を室内に取り込むことは出来ません。
冬の換気の重要性を理解するためにも、ご家庭には温度計・湿度計を置き、部屋の状況を気にする習慣を付けましょう。そしてウィルスから家族を守り、カビや結露から家を守る冬の換気を心掛け、どうか健康で快適な冬をお過ごしください。
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ご感想ありがとうございます。私も寒がりで、窓を開けたくない側の人間です。なので書きながら反省していました。窓を開けることは気持ち良いことを思い出し、家もご家族の皆様も健康的にお過ごし下さい。
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SNSで話題になりました。 CO2モニター※を使います。
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も緊急提言の中でCO2モニターについて言及しました。
※ 残念なことに売り切れ店続出です
※ 換気 視覚化 CO2モニター togetter
ご意見いただき、ありがとうございます。
CO2モニターは、ライブ会場などで試験的に用いられていましたね。値段も5000円程度から4万円程度と比較的安価で、手に入れやすい値段ですね。参考にさせていただきます。
また日本産業衛生学会のHP内には、エクセルシートを利用した簡単な換気シュミレーターもあり、どなたでも利用できます。ただしこれは家庭用ではないのかもしれません。ご家庭で窓を開けることで行う換気は、昔ながらのシンプルで効率の良い方法ですので、この時期、あらためてご理解いただけると良いのですが。