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短い夏を満喫、長い冬も快適に。街と自然を楽しむ札幌の家11選
雪まつりやジンギスカンで知られる、北海道札幌市。Houzzでみつけた札幌市内に建つ住まいの事例を、手がけた専門家の解説とともにご紹介します。

藤間紗花
2020年10月23日
大都市でありながら、市域の6割が山林に占められているという、豊かな自然に恵まれた札幌市。冬には雪によって銀世界に包まれるこの街には、どのような住まいが建っているのでしょうか。実際に札幌市で住まいの設計を手がけた専門家の方々にお話を伺ってみると、以下のような特徴がみえてきました。
写真をクリックすると、それぞれの事例の写真をもっとみることができ、手がけた専門家の詳細もチェックできます。
- 冬の積雪を考慮した、雪を落とさない箱型(無落雪屋根)の住まい
- 寒い季節も快適に過ごせる、高気密・高断熱の住まい
- 周囲の住宅や道路からプライバシーを守れる住まい
- 寒い季節も快適に使える工夫がなされた、半屋外空間のある住まい
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カメハウス
札幌市北区に建つ木造平屋建てのこちらの住宅は、「雑木林の中に住みたい」というオーナーの強い希望によりつくられたもの。住宅地の端に位置する河川沿いの場所で、どうしたら雑木林の中に住んでいるような感覚を得られるのか試行錯誤したと、エム・アンド・オーの大塚達也さんは話します。
「玄関・納戸・個室と水回りを合わせた計5つのボックスを、使いやすい動線順にリビングを囲うように配置させ、さらにボックスとボックスの間に間隔を空けて窓をはめ込むことで、リビングから周辺をぐるりと360度見渡せるように計画しました」と大塚さん。
札幌市北区に建つ木造平屋建てのこちらの住宅は、「雑木林の中に住みたい」というオーナーの強い希望によりつくられたもの。住宅地の端に位置する河川沿いの場所で、どうしたら雑木林の中に住んでいるような感覚を得られるのか試行錯誤したと、エム・アンド・オーの大塚達也さんは話します。
「玄関・納戸・個室と水回りを合わせた計5つのボックスを、使いやすい動線順にリビングを囲うように配置させ、さらにボックスとボックスの間に間隔を空けて窓をはめ込むことで、リビングから周辺をぐるりと360度見渡せるように計画しました」と大塚さん。
“カメハウス”というネーミングは、上空から見るとまるで手足を伸ばしたカメのような形状であることが由来しているのだそう。当初は、まわりに樹木を植える計画があったものの、月日の経過とともにオーナーの考えも変化。今では畑にして家庭菜園をしたり、DIYした小屋でニワトリを飼ったりと、自給自足への道を楽しんでいるといいます。
CHTN 太平の家
こちらはアーキラボ・ティアンドエムが手がけた住まい。オーナーの実家を解体し、新たに二世帯住宅を建てるという計画でしたが、2つの世帯が日常生活のほとんどの場所や時間を共有していることがヒアリングでわかり、住宅を分けてしまうのはもったいないと考え、最終的には家族5人と犬1匹が集まって住む家になったのだそう。
設計を担当した大坂美保子さんは、「ご家族は皆さん大人だった上、個室にこもる生活ではないとのことでしたので、最小限ベッドとクローゼットが納まる四畳半を1グリッドとして、計18グリッドから成る立方体を敷地のほぼ中央に配置しました。中心の6グリッドを吹き抜けの集合場所にして、三世代が時間や場所をシェアしながら集まって住む、グリッドの家ができました」と話します。
こちらはアーキラボ・ティアンドエムが手がけた住まい。オーナーの実家を解体し、新たに二世帯住宅を建てるという計画でしたが、2つの世帯が日常生活のほとんどの場所や時間を共有していることがヒアリングでわかり、住宅を分けてしまうのはもったいないと考え、最終的には家族5人と犬1匹が集まって住む家になったのだそう。
設計を担当した大坂美保子さんは、「ご家族は皆さん大人だった上、個室にこもる生活ではないとのことでしたので、最小限ベッドとクローゼットが納まる四畳半を1グリッドとして、計18グリッドから成る立方体を敷地のほぼ中央に配置しました。中心の6グリッドを吹き抜けの集合場所にして、三世代が時間や場所をシェアしながら集まって住む、グリッドの家ができました」と話します。
家の中心に設けられた大きな吹き抜けは高気密・高断熱住宅において、暖房効率を高める要素としての役割も果たします。その吹き抜けと、吹き抜けに面した個室の開口部により暖気が循環するため、2階には暖房は設けられていないにも関わらず、暖かな空間を実現しています。
「構成人数が多いからといって、生活の機能を納めるだけに終わらないよう、18グリッドの中には吹抜だけでなくテラス空間も設け、“住まう”という機能にゆとりも感じられるような構成にしています」
札幌市に暮らすひとたちは、ジンギスカンなど、庭でバーベキューをして短い夏を満喫したいという希望を持つ人も多く「アウトドアダイニングの要望も少なくありません」と大坂さん。また、除雪道具の収納場所、食料保存庫として使える、断熱をしていない空間の必要性も高いそうです。
「構成人数が多いからといって、生活の機能を納めるだけに終わらないよう、18グリッドの中には吹抜だけでなくテラス空間も設け、“住まう”という機能にゆとりも感じられるような構成にしています」
札幌市に暮らすひとたちは、ジンギスカンなど、庭でバーベキューをして短い夏を満喫したいという希望を持つ人も多く「アウトドアダイニングの要望も少なくありません」と大坂さん。また、除雪道具の収納場所、食料保存庫として使える、断熱をしていない空間の必要性も高いそうです。
神社山の家
自然豊かな住宅街に建つこちらのアトリエ兼住まいを手がけたのは、アトリエモノゴト。北海道産のカラマツと札幌軟石からつくられた外観は、新築でありながら背景の自然の中に溶け込んでいます。
敷地は“土砂災害特別警戒区域内”に入るため、1階のアトリエには土砂を受ける3mの擁壁を作らなければならなかったそう。1階をRC造のアトリエ、2、3階を木造の住居とし、吹き抜けた上部からの光と杉板の打ちっ放し型枠によって、あえて擁壁の存在を意匠的に際立たせています。
自然豊かな住宅街に建つこちらのアトリエ兼住まいを手がけたのは、アトリエモノゴト。北海道産のカラマツと札幌軟石からつくられた外観は、新築でありながら背景の自然の中に溶け込んでいます。
敷地は“土砂災害特別警戒区域内”に入るため、1階のアトリエには土砂を受ける3mの擁壁を作らなければならなかったそう。1階をRC造のアトリエ、2、3階を木造の住居とし、吹き抜けた上部からの光と杉板の打ちっ放し型枠によって、あえて擁壁の存在を意匠的に際立たせています。
「北側に大きな共同住宅が隣接しており、半屋外階段は季節風と視線を遮る緩衝帯として機能しています」と話すのは、設計を担当したヨシダオサムさん。「LDKは階段や吹抜けに囲われ、熱的に最も安定した環境に位置し、そこから慎重に外部へと視線をつないでいます」
ヨシダさんは、札幌市の住まいの特徴について「屋根が無落雪であること、除雪道具や自転車などを置ける広めの土間などがあること、冬期に洗濯物府干せる場所としての家事室、屋根付きの駐車場が望まれることが多い」と話します。
また、自宅でジンギスカンを楽しむ機会が多い札幌市の人たちの間では、半屋外空間の需要も多いそう。アトリエモノゴトでは「“ウィンターテラス”という半屋外の部屋を設え、冬は閉じてサンルームに、夏は開いてテラスになる空間」を提案することも増えているそうです。
ヨシダさんは、札幌市の住まいの特徴について「屋根が無落雪であること、除雪道具や自転車などを置ける広めの土間などがあること、冬期に洗濯物府干せる場所としての家事室、屋根付きの駐車場が望まれることが多い」と話します。
また、自宅でジンギスカンを楽しむ機会が多い札幌市の人たちの間では、半屋外空間の需要も多いそう。アトリエモノゴトでは「“ウィンターテラス”という半屋外の部屋を設え、冬は閉じてサンルームに、夏は開いてテラスになる空間」を提案することも増えているそうです。
大きなテラスのある家
大開口とその向こうにあるテラスが印象的なこちらの住まいを手がけたのは、堀部太建築設計事務所。「寒冷地である札幌市でありながら、いかに外部空間と関わる住宅が設計できるかを考えました」と、設計者の堀部太さんは話します。
「高断熱な住宅でありながら、南面に大きな窓を計画し、外部と内部が視覚的に一体に感じられる計画としています」と堀部さん。
南面の窓を大きくすることで熱が逃げやすくなるものの、日射取得は増えるため、暖房費に大きな影響を与えることはないのだそう。
大開口とその向こうにあるテラスが印象的なこちらの住まいを手がけたのは、堀部太建築設計事務所。「寒冷地である札幌市でありながら、いかに外部空間と関わる住宅が設計できるかを考えました」と、設計者の堀部太さんは話します。
「高断熱な住宅でありながら、南面に大きな窓を計画し、外部と内部が視覚的に一体に感じられる計画としています」と堀部さん。
南面の窓を大きくすることで熱が逃げやすくなるものの、日射取得は増えるため、暖房費に大きな影響を与えることはないのだそう。
計画地はT字道路の交差部に位置しており、道路からの視線を遮り、プライバシーを確保することがオーナーからの要望だったといいます。そのため道路側には窓を設けず、外壁を敷地いっぱいまで延長したところ、外壁で囲われたテラス空間が実現したのだとか。
「札幌では、寒冷地であることが設計の主題となることが多いです。寒冷地でありながら、どう心地よい外部との関係を作れるかが共通の課題だと思います」と堀部さんは語ります。また北国であるものの都市部のため、開放的なだけでなく、プライバシーをしっかり確保できることも重要となるでしょう。
「札幌では、寒冷地であることが設計の主題となることが多いです。寒冷地でありながら、どう心地よい外部との関係を作れるかが共通の課題だと思います」と堀部さんは語ります。また北国であるものの都市部のため、開放的なだけでなく、プライバシーをしっかり確保できることも重要となるでしょう。
北窓の家
富谷洋介建築設計が手がけたのは、高台から北方向に街並みと山並みを望むこちらの住まい。敷地の持つ特性を活かした景色を存分に楽しめるよう、直射を得られる南側ではなく、北側にLDKなどの主要室が配されています。
リビング、キッチン、ダイニング、小上がりスペース、中二階のスキップフロアのスタディスペースと、生活空間が北窓に接するように配置されているため、家の中を移動するたびに美しい景観を楽しむことができます。
富谷洋介建築設計が手がけたのは、高台から北方向に街並みと山並みを望むこちらの住まい。敷地の持つ特性を活かした景色を存分に楽しめるよう、直射を得られる南側ではなく、北側にLDKなどの主要室が配されています。
リビング、キッチン、ダイニング、小上がりスペース、中二階のスキップフロアのスタディスペースと、生活空間が北窓に接するように配置されているため、家の中を移動するたびに美しい景観を楽しむことができます。
「北側全幅にわたる大きな吹き抜けを配し、心地よい拡散光が各階に満遍なく得られるような開口部計画としました」と話すのは、設計者の富谷洋介さん。建物の南から北方向にかけて動線を兼ねた風と光の通り道が作られており、方位に偏って閉じすぎない抜け感を与えています。
富谷さんは、札幌市の住宅の特徴について「高断熱、高気密で、様々な気候に耐えうる外装材を基本としているところが、寒冷地以外の地域との街並みへの違いを与えている」と話します。こちらの住まいも「厳しい気候から家族を守るシェルターとしての役割を強く果たしながら、四季を感じるライフスタイルを存分に楽しめる住空間として設計した」と語ってくれました。
富谷さんは、札幌市の住宅の特徴について「高断熱、高気密で、様々な気候に耐えうる外装材を基本としているところが、寒冷地以外の地域との街並みへの違いを与えている」と話します。こちらの住まいも「厳しい気候から家族を守るシェルターとしての役割を強く果たしながら、四季を感じるライフスタイルを存分に楽しめる住空間として設計した」と語ってくれました。
MAGARIYA
70代のオーナー夫婦の“終の住処”として建てられたこちらの住まいは、TAO建築設計が手がけたもの。オーナー夫婦のご要望は、平屋のように1階のみで日常生活が完結できること、そしてカーテンがなくても近隣の目が気にならないことだったといいます。
メインテーマは“外と内のつながり”だと話すのは、設計を担当した川村弥恵子さん。「50坪の変形敷地に平屋感覚で暮らす答えとして、中庭を取り囲むように敷地なりにコの字に折り曲げたプラン、そして奥に進むに従って高く広がる空間を導き出しました」
70代のオーナー夫婦の“終の住処”として建てられたこちらの住まいは、TAO建築設計が手がけたもの。オーナー夫婦のご要望は、平屋のように1階のみで日常生活が完結できること、そしてカーテンがなくても近隣の目が気にならないことだったといいます。
メインテーマは“外と内のつながり”だと話すのは、設計を担当した川村弥恵子さん。「50坪の変形敷地に平屋感覚で暮らす答えとして、中庭を取り囲むように敷地なりにコの字に折り曲げたプラン、そして奥に進むに従って高く広がる空間を導き出しました」
「外部のような内部空間、あるいは内部のような外部空間をしつらえることで、伸びやかな空間にさりげなく気持ちのゆとりと遊び心がとけこんでいき、日々の暮らしに楽しさがあふれる、そんな豊かさをイメージし、カタチにしています」と川村さんは続けます。
terauchi house
印象的な配色とデザインのこちらの住まいを手がけたのは、アウラ建築設計事務所の山下一寛さんです。大きな車とキャンピングカーを持つご主人、パン作りが得意な奥様、ガーデニングが趣味のご両親、そして2匹の犬と2匹の猫が暮らす二世帯住宅です。
「敷地は高台のちょうど一番高くなった角地にある事から、地域のシンボルになってほしいと考え、インパクトのあるカラー配色としています」と話すのは山下さん。
印象的な配色とデザインのこちらの住まいを手がけたのは、アウラ建築設計事務所の山下一寛さんです。大きな車とキャンピングカーを持つご主人、パン作りが得意な奥様、ガーデニングが趣味のご両親、そして2匹の犬と2匹の猫が暮らす二世帯住宅です。
「敷地は高台のちょうど一番高くなった角地にある事から、地域のシンボルになってほしいと考え、インパクトのあるカラー配色としています」と話すのは山下さん。
「2階には完全な個室はなく、リビングと寝室は間仕切り壁のみで仕切られているだけ。 連続したハイサイドライトを採用していることから、解放的でスッキリとしたデザインでまとめています」と山下さんは続けます。
写真の奥の間仕切りの向こうは寝室になっていて、ペットたちもそれぞれの空間を自由に行き来できるようになっています。
写真の奥の間仕切りの向こうは寝室になっていて、ペットたちもそれぞれの空間を自由に行き来できるようになっています。
森の素形
札幌市西部の手稲山麓に位置し、遠景にはピンネシリから暑寒別岳、近景には四季折々の緑という借景に恵まれた土地に建つこちらの住まいを手がけたのは、一級建築士事務所GLAの高野現太さん。「森の原型ともいえる形を建築で表現し、内外を意識的につなげることはできないだろうか、と考えました」と高野さんは話します。
外の森と対を為すように挿入された収納家具に沿って玄関を進むと、やや下がったところに居間があり、床が外の地面と同じ高さに設定されているため、庭の草花を近くに愛でることができます。
札幌市西部の手稲山麓に位置し、遠景にはピンネシリから暑寒別岳、近景には四季折々の緑という借景に恵まれた土地に建つこちらの住まいを手がけたのは、一級建築士事務所GLAの高野現太さん。「森の原型ともいえる形を建築で表現し、内外を意識的につなげることはできないだろうか、と考えました」と高野さんは話します。
外の森と対を為すように挿入された収納家具に沿って玄関を進むと、やや下がったところに居間があり、床が外の地面と同じ高さに設定されているため、庭の草花を近くに愛でることができます。
「3つの中庭的“外の間”が住宅に内包されることで、それぞれの間は内外が曖昧となりながら外へ連なっていきます。さらに、木々に架けられた廻廊のような2階は森の空中を歩くような感覚を与え、4つの吹抜けは上下にいる家族の存在を紡ぎます」と高野さん。
こちらの住まいは外から見るとシンプルな長方形をしています。高野さんは、札幌市によくみられる住宅の特徴についても「落雪の問題から、箱型の住宅として雪を落とさない形状が多いです」と語ってくれました。
こちらの住まいは外から見るとシンプルな長方形をしています。高野さんは、札幌市によくみられる住宅の特徴についても「落雪の問題から、箱型の住宅として雪を落とさない形状が多いです」と語ってくれました。
雁木のある家
豊かな自然に囲まれたこちらの住まいを手がけたのは、照井康穂建築設計事務所の照井康穂さん。傾斜地であることを活かして、森を満喫できるよう、外とのつながりを大切にして設計したそうです。
「南北に大きな窓を設けていることがポイントで、冬は落葉した木々の合間から陽が射すため室内が明るく、南に雁木を配したことで夏は直射日光を遮ります。そのため冷房なしでも適温で過ごせるようになっています」
豊かな自然に囲まれたこちらの住まいを手がけたのは、照井康穂建築設計事務所の照井康穂さん。傾斜地であることを活かして、森を満喫できるよう、外とのつながりを大切にして設計したそうです。
「南北に大きな窓を設けていることがポイントで、冬は落葉した木々の合間から陽が射すため室内が明るく、南に雁木を配したことで夏は直射日光を遮ります。そのため冷房なしでも適温で過ごせるようになっています」
さらに、安定した室内の温熱環境をつくることも重要だったため、構造は鉄筋コンクリート造とし、地中熱ヒートポンプシステムを取り入れることで、冬でも快適な住み心地を実現しています。
照井さんは札幌という土地について「北海道の中でもコンパクトな街。土地は比較的小さいことと、街の中心部が住宅地からほど近く、見える範囲に山々があります」と話します。「戸建に住む家庭は車を持つ家が多いので、これからの家づくりでは、中心部の“都会的な要素”と中心部から外れた“緑のあるところ”をうまく調和させられるといいのではと思います」
照井さんは札幌という土地について「北海道の中でもコンパクトな街。土地は比較的小さいことと、街の中心部が住宅地からほど近く、見える範囲に山々があります」と話します。「戸建に住む家庭は車を持つ家が多いので、これからの家づくりでは、中心部の“都会的な要素”と中心部から外れた“緑のあるところ”をうまく調和させられるといいのではと思います」
KB Residence
大開口から広大な庭を望むこちらの住まいを手がけたのは、ヒココニシアーキテクチュアの小西彦仁さん。来客が多く、周囲の自然環境を活かしながら、室内外でホームパーティを楽しめることが、オーナーの要望だったといいます。
「リビングダイニング部分は吹き抜けとし、大開口サッシを設けることにより室内にいながらして、季節ごとに色付く豊かな木々のある庭と、その先の自然環境に身を置くように感じられる空間を提案しました」と小西さんは話します。
大開口から広大な庭を望むこちらの住まいを手がけたのは、ヒココニシアーキテクチュアの小西彦仁さん。来客が多く、周囲の自然環境を活かしながら、室内外でホームパーティを楽しめることが、オーナーの要望だったといいます。
「リビングダイニング部分は吹き抜けとし、大開口サッシを設けることにより室内にいながらして、季節ごとに色付く豊かな木々のある庭と、その先の自然環境に身を置くように感じられる空間を提案しました」と小西さんは話します。
また、周囲は住宅街であり、プライバシーを尊重することも重要だったと小西さんは振り返ります。
「道路面からは庭を含む建物の内部が見えないように心がけ、一方で建物の内側に、大開口部や庭を配置し、外部とのつながりを持たせることにより、周辺環境を存分に取り入れることができる開放的な空間を目指しました」
札幌市の住宅の特徴について「豪雪都市であるため、安全性やメンテナンス性の高い陸屋根(無落雪屋根)を採用した箱型の形状の住宅が一般的」と小西さん。さらに「高気密・高断熱、開口部の断熱性など、雪国に対応した住宅性能を備えるための工夫もなされています。冬季の快適な環境を実現すると同時に、夏の間の冷房効率など、熱エネルギーの負荷を低減した、省エネ住宅も多いです」と説明してくれました。
「道路面からは庭を含む建物の内部が見えないように心がけ、一方で建物の内側に、大開口部や庭を配置し、外部とのつながりを持たせることにより、周辺環境を存分に取り入れることができる開放的な空間を目指しました」
札幌市の住宅の特徴について「豪雪都市であるため、安全性やメンテナンス性の高い陸屋根(無落雪屋根)を採用した箱型の形状の住宅が一般的」と小西さん。さらに「高気密・高断熱、開口部の断熱性など、雪国に対応した住宅性能を備えるための工夫もなされています。冬季の快適な環境を実現すると同時に、夏の間の冷房効率など、熱エネルギーの負荷を低減した、省エネ住宅も多いです」と説明してくれました。
新川 桜並木の家
最後にご紹介するのは、atelier momoの櫻井百子さんが手がけた住まい。オーナーはもともと旭川に40年以上暮らしており、札幌でも快適に暮らせる住まいを希望していたのだそう。
北海道の中央に位置する盆地である旭川は、夏の日中は30度を超えることもあるものの、日没後は涼しくなり、夜は過ごしやすいことが特徴。「蒸し暑い夜の多い札幌の気候に馴染むのが大変だと思い、湿度を調節しやすい土壁を採用しました」と櫻井さんは話します。
最後にご紹介するのは、atelier momoの櫻井百子さんが手がけた住まい。オーナーはもともと旭川に40年以上暮らしており、札幌でも快適に暮らせる住まいを希望していたのだそう。
北海道の中央に位置する盆地である旭川は、夏の日中は30度を超えることもあるものの、日没後は涼しくなり、夜は過ごしやすいことが特徴。「蒸し暑い夜の多い札幌の気候に馴染むのが大変だと思い、湿度を調節しやすい土壁を採用しました」と櫻井さんは話します。
これまであまり台風が上陸することのなかった北海道でも台風が増えていること、そして2年前の震災で大規模な停電が起こったことから、万一電気が使えなくなった際に備え、小さなオフグリッドのソーラーとペレットストーブを組み合わせて、補助暖房として採用されています。
「小さなバッテリーに溜まった電気は日頃から、携帯電話の充電などで使っていけますので、いざという時も慌てず、使うことができると思います」と櫻井さん。
冬の積雪対策だけでなく、夏の暑さや災害対策など、札幌でもさまざまな季節に対応する備えが求められているようです。
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「小さなバッテリーに溜まった電気は日頃から、携帯電話の充電などで使っていけますので、いざという時も慌てず、使うことができると思います」と櫻井さん。
冬の積雪対策だけでなく、夏の暑さや災害対策など、札幌でもさまざまな季節に対応する備えが求められているようです。
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