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見本市がなくても。欧州のブランドが発信する、2020年インテリアトレンド
新型コロナウイルスの影響で、欧州でのインテリア見本市は減ってしまいましたが、素晴らしいアイデアが発表され続けています。
Leonora Sartori
2020年7月14日
この何か月かの間、全世界が困難な状況に見舞われたことは疑いようもありません。ロックダウンや社会的隔離の後「新しい日常」に向けて再開した国もあれば、まだ緊急事態の只中にある国もあります。では、これまで国際見本市でインテリアデザインのトレンドを打ち出してきた欧州の企業は、どうしているのでしょうか?
実は、発表間際で止まっていた新製品の多くが正式に準備を再開し、発売も間近になっています。これまでとは違うプロセスかもしれませんが、今年の後半に向けた新提案も各メーカーから打ち出されています。大規模な見本市を中止せざるを得なくなった中、自社サイトを中心とした新たな経路で顧客に訴求する方法が模索されています。
Houzzでは、世界の大手メーカー数社に新製品のトレンドについて聞きました。これらの製品をチェックすることで、私たち自身のことや好きなもの、家でどんな暮らし方をしたいのか、そしてここ数か月間で見逃してしまったものは何なのかが、見えてくるかもしれません。
ミラノサローネ代表に聞く、コロナ後の見本市のすがたとは?
実は、発表間際で止まっていた新製品の多くが正式に準備を再開し、発売も間近になっています。これまでとは違うプロセスかもしれませんが、今年の後半に向けた新提案も各メーカーから打ち出されています。大規模な見本市を中止せざるを得なくなった中、自社サイトを中心とした新たな経路で顧客に訴求する方法が模索されています。
Houzzでは、世界の大手メーカー数社に新製品のトレンドについて聞きました。これらの製品をチェックすることで、私たち自身のことや好きなもの、家でどんな暮らし方をしたいのか、そしてここ数か月間で見逃してしまったものは何なのかが、見えてくるかもしれません。
ミラノサローネ代表に聞く、コロナ後の見本市のすがたとは?
ヴィトラ社2020年秋のディスプレイ。ジャスパー・モリソンのMocaチェアとブルレック兄弟のVases Découpageがある。
新たなフローラル
フローラルを取り入れた模様やテクスチャが多く見受けられます。花柄、植物モチーフの照明、オリジナルの花器や花模様のラグ。明るい色と春らしい雰囲気は、多くのブランドで取り入れられています。
新たなフローラル
フローラルを取り入れた模様やテクスチャが多く見受けられます。花柄、植物モチーフの照明、オリジナルの花器や花模様のラグ。明るい色と春らしい雰囲気は、多くのブランドで取り入れられています。
サンティ・モイシュによる、ナニマルキーナ社のFlora Promenadeラグ
ヴィトラ社2020年秋のディスプレイ 写真:Taylor Colantonio
アースカラーの多用
色に関しては、クリーム色からテラコッタ色まで、豊かなバリエーションのアースカラーが戻ってきました。
明るいパステルブラウンのダイニングチェアから、赤系のアースカラーを全体に使ったコア社の色遣い、あるいはナニマルキーナ社の黄、赤、深みのある桃色、濃緑色の新しいラグに至るまで。アースカラーはあちこちで見られます。
アースカラーの多用
色に関しては、クリーム色からテラコッタ色まで、豊かなバリエーションのアースカラーが戻ってきました。
明るいパステルブラウンのダイニングチェアから、赤系のアースカラーを全体に使ったコア社の色遣い、あるいはナニマルキーナ社の黄、赤、深みのある桃色、濃緑色の新しいラグに至るまで。アースカラーはあちこちで見られます。
ナニマルキーナ社の新コレクションのカラーバリエーションを示すイメージ写真
リエヴォレ+アルテール・デジール・パークによる、アルペール社のAdellアームチェア
オド・フィオラヴァンティによるペドラリ社のBabila XLチェア アートディレクション:Studio FM 写真:Andrea Garuti
大胆な青の再来
トレンドとして長続きするのはアースカラーだけではありません。黒の人気が落ちる一方で、青がそれに取って代わりつつあります。青は用途が広く、長い自宅待機の中にある私たちの感情を受け止めてくれる色なのです。
大胆な青の再来
トレンドとして長続きするのはアースカラーだけではありません。黒の人気が落ちる一方で、青がそれに取って代わりつつあります。青は用途が広く、長い自宅待機の中にある私たちの感情を受け止めてくれる色なのです。
デビッド・ロペス・クインコセス(David Lopez Quincoces)によるリビングディバーニ社のEra Scrittoio
過去への回帰
19世紀や1950年代のデザインが復活しています。スクールチェアやライティングデスクのような非常にシンプルなデザインから、リーン・ロゼ社のソファに見られるようなエレガントなフォルムのものまで、さまざまです。
過去への回帰
19世紀や1950年代のデザインが復活しています。スクールチェアやライティングデスクのような非常にシンプルなデザインから、リーン・ロゼ社のソファに見られるようなエレガントなフォルムのものまで、さまざまです。
マシュー・ドラクロワ(Mathieu Delacroix)による、リーン・ロゼ社のDueppo
ストーンやストーン調の人気が復活
ランプや屋外用洗面台の主材料として、ストーンやストーン調の仕上げが使用されています。例えば、フォンタナ・アルテ社はランプの全色に大理石を使い、アガペ社は洗面台にグレーの石を取り入れました。
ストーンやストーン調の人気が復活
ランプや屋外用洗面台の主材料として、ストーンやストーン調の仕上げが使用されています。例えば、フォンタナ・アルテ社はランプの全色に大理石を使い、アガペ社は洗面台にグレーの石を取り入れました。
ガブリエーレ&オスカー・ブラッティによる、フォンタナアルテ社のTropicoテーブルランプ(黒)
アンゲレッティ・ルッツァ・デザイン(Angeletti Ruzza Design)のアートディレクションによる、セラミカグロボ(Ceramica Globo)社のデクトン®製洗面台Bob
ブティックのようなバスルーム
バスルームはミニマルスタイルを抜け出し、もっと居心地が良くて飾りつけられた空間へと変化しつつあります。今年は、バスルームを家の中でも特にかわいらしい空間に仕立て上げることが注目されています。
ブティックのようなバスルーム
バスルームはミニマルスタイルを抜け出し、もっと居心地が良くて飾りつけられた空間へと変化しつつあります。今年は、バスルームを家の中でも特にかわいらしい空間に仕立て上げることが注目されています。
フェルーチョ・ラヴィアーニによる、フォスカリーニ社のTobiaフロアランプ(ゴールド)
コンパクトでポータブル
ランプのような遊び心あるオブジェクトや、さらにはミニポータブルキッチンといったものは、変化を続ける住まいにおいても使いやすいようにています。
長時間を自宅で過ごす時間を経た今、狭いスペースを最大限に活用しようとしている人がたくさんいます。多機能製品やポータブル製品も、さらに人気になっています。
コンパクトでポータブル
ランプのような遊び心あるオブジェクトや、さらにはミニポータブルキッチンといったものは、変化を続ける住まいにおいても使いやすいようにています。
長時間を自宅で過ごす時間を経た今、狭いスペースを最大限に活用しようとしている人がたくさんいます。多機能製品やポータブル製品も、さらに人気になっています。
ジャン=マリー・マッソーによるアルペール社のAston Club 写真:Frederik Vercruysse
あらゆるフォルムのラウンジチェアやダイニングチェア
2020年上半期の家具の王者であり、最も多く生産されたアイテムは、ラウンジチェアとダイニングチェアです。座り心地の良い椅子や軽やかなアームチェアといったさまざまな新製品が登場しました。
あらゆるフォルムのラウンジチェアやダイニングチェア
2020年上半期の家具の王者であり、最も多く生産されたアイテムは、ラウンジチェアとダイニングチェアです。座り心地の良い椅子や軽やかなアームチェアといったさまざまな新製品が登場しました。
パトリシア・ウルキオラによるモローゾ社のRuffアームチェア 写真:Alessandro Paderni
リエヴォレ+アルテール・デジール・パークによるアルペール社のAdell 写真:Frederick Vercruysse
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