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【メゾン・エ・オブジェ2020年9月展】デザイナー・オブ・ザ・イヤー受賞のフランクリン・アジに聞く
今年9月、バーチャル開催されるメゾン・エ・オブジェのデザイナー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた建築家、フランクリン・アジ。彼が描く、ヒューマンスケールの都市とは。
Agnès Carpentier
2020年7月7日
建築家にならなければ、医師である祖父の遺志を継いで外科医になっていたでしょう、と語るフランクリン・アジ(Franklin Azzi)。45歳を迎えた彼は「症状を分析して、治療方針を見出すことを目指す」という点では、建築の世界もそう違わない、といいます。
アジは、フランスの高校を卒業後にパリ建築大学へ進学。ポール・ヴィリリヨ、フレデリック・ボレル、ルディ・リチオッティらによる講義の影響を強く受けます。その後、スコットランドのグラスゴー美術大学で学び、そこからインドのニューデリー、トルコのアンカラへと旅をしました。フランスに帰国したあとは、ジャン・ヌーヴェルとの協働によるパリのアラブ世界研究所などで知られるアーキテクチャ・スタジオ(Architecture Studio)に就職、9年間にわたり”実務”を学びました。さらに、その子会社のディレクターを2年間務め、2006年に31歳で独立しました。
アジは、フランスの高校を卒業後にパリ建築大学へ進学。ポール・ヴィリリヨ、フレデリック・ボレル、ルディ・リチオッティらによる講義の影響を強く受けます。その後、スコットランドのグラスゴー美術大学で学び、そこからインドのニューデリー、トルコのアンカラへと旅をしました。フランスに帰国したあとは、ジャン・ヌーヴェルとの協働によるパリのアラブ世界研究所などで知られるアーキテクチャ・スタジオ(Architecture Studio)に就職、9年間にわたり”実務”を学びました。さらに、その子会社のディレクターを2年間務め、2006年に31歳で独立しました。
フランクリン・アジ © NoelManalili
アジは、60名の社員と自らのために、フランスの生地メーカーであるブサック社の倉庫だった鋳鉄とガラスの建物を改装し、オフィスを構えました。そのデザインを通じてアジは、彼が言うところの、まっさらな状態から始めて「無駄にあれこれデザインする」アーティスト寄りの建築家との違いを示しました。未来の都市を創造するために、過去を白紙に戻すよりも、建物を改修することを好む、とアジは話します。
新型コロナウィルスの影響で、9月のメゾン・エ・オブジェはにオンラインで開催予定です(次回、メゾン・エ・オブジェが実際に会場で開催されるのは2021年1月となりました)。その9月展のデザイナー・オブ・ザ・イヤーにアジが選ばれたのは、ここ数年で手掛けたプロジェクトが評価されたからです。ナントのアルストム社の倉庫を高等美術学校(Higher School of Fine Arts in Nantes)に改修したプロジェクト、パリのウェルネスと美食の複合施設「ボーパッサージュ」、バリバレ、イザベルマラン、ジェローム・ドレフュスなど世界のブティック、そして多数のオフィスなどがあります。
また、今後予定されているトゥール・モンパルナスの改修にも、フランクリン・アジ・アーキテクチャ(Franklin Azzi Architecture)、シャルティエ・ダリックス・アーキテクツ(Chartier Dalix Architects)、ハーデル・エ・ル・ビアン・アーキテクツ(Hardel and Le Bihan Architects)で構成される、ヌーヴェルAOMコレクティブ(Nouvelle AOM collective)の一員として参加します。
そんなアジに、ヒューマニストとしてのビジョンと、建築分野での取り組みについて伺いました。
アジは、60名の社員と自らのために、フランスの生地メーカーであるブサック社の倉庫だった鋳鉄とガラスの建物を改装し、オフィスを構えました。そのデザインを通じてアジは、彼が言うところの、まっさらな状態から始めて「無駄にあれこれデザインする」アーティスト寄りの建築家との違いを示しました。未来の都市を創造するために、過去を白紙に戻すよりも、建物を改修することを好む、とアジは話します。
新型コロナウィルスの影響で、9月のメゾン・エ・オブジェはにオンラインで開催予定です(次回、メゾン・エ・オブジェが実際に会場で開催されるのは2021年1月となりました)。その9月展のデザイナー・オブ・ザ・イヤーにアジが選ばれたのは、ここ数年で手掛けたプロジェクトが評価されたからです。ナントのアルストム社の倉庫を高等美術学校(Higher School of Fine Arts in Nantes)に改修したプロジェクト、パリのウェルネスと美食の複合施設「ボーパッサージュ」、バリバレ、イザベルマラン、ジェローム・ドレフュスなど世界のブティック、そして多数のオフィスなどがあります。
また、今後予定されているトゥール・モンパルナスの改修にも、フランクリン・アジ・アーキテクチャ(Franklin Azzi Architecture)、シャルティエ・ダリックス・アーキテクツ(Chartier Dalix Architects)、ハーデル・エ・ル・ビアン・アーキテクツ(Hardel and Le Bihan Architects)で構成される、ヌーヴェルAOMコレクティブ(Nouvelle AOM collective)の一員として参加します。
そんなアジに、ヒューマニストとしてのビジョンと、建築分野での取り組みについて伺いました。
ロンドンにあるジェローム・ドレフュスのブティック © Alexandre Tabaste
2020年のデザイナー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたことに、どんな意義を感じていますか?
例年、デザイナーのキャリアを評価するこの賞に(建築家でありながら)選ばれたことは、嬉しくもあり、驚きでもありました。この受賞は、都市開発から建築、インテリアアーキテクチャからデザインまで、実にさまざまな規模のプロジェクトで実践してきた、弊社の幅広いアプローチをあらためて強調するものです。私たちはプロジェクトを構想し、さらに全体を見通すことのできる、他に類を見ない存在だと自負しています。
自然の色、素材、形に注目。メゾン・エ・オブジェ2020年1月展の見どころ
2020年のデザイナー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたことに、どんな意義を感じていますか?
例年、デザイナーのキャリアを評価するこの賞に(建築家でありながら)選ばれたことは、嬉しくもあり、驚きでもありました。この受賞は、都市開発から建築、インテリアアーキテクチャからデザインまで、実にさまざまな規模のプロジェクトで実践してきた、弊社の幅広いアプローチをあらためて強調するものです。私たちはプロジェクトを構想し、さらに全体を見通すことのできる、他に類を見ない存在だと自負しています。
自然の色、素材、形に注目。メゾン・エ・オブジェ2020年1月展の見どころ
© Aethion
(メゾン・エ・オブジェが会場で開催される)2021年1月展では、何を展示されますか?
見本市のテーマは「WORK!」です。ワークスペースに特化した、弊社の第三次産業と小売業のプロジェクトと通じる内容だと思います。
見本市では、300平方メートルの展示スペースが与えられますので、閉鎖的なオフィスからオープンプランのオフィスまで、時代を反映して変遷するワークスペースをフレスコ画のように展示するなど、教育的な意味を持ったものにしたいと考えていました。
新型コロナウイルスよって仕事をする場所と空間について根本的な見直しが必要となった今、ワークステーションの進化と建築の進化の関係に焦点をあてるのは興味深いですね。画像を徹底的にリサーチし、その延長で、このテーマに関する本の中でもこの取り組みを紹介しました。
ミラノサローネ代表に聞く、コロナ後の見本市のすがたとは?
(メゾン・エ・オブジェが会場で開催される)2021年1月展では、何を展示されますか?
見本市のテーマは「WORK!」です。ワークスペースに特化した、弊社の第三次産業と小売業のプロジェクトと通じる内容だと思います。
見本市では、300平方メートルの展示スペースが与えられますので、閉鎖的なオフィスからオープンプランのオフィスまで、時代を反映して変遷するワークスペースをフレスコ画のように展示するなど、教育的な意味を持ったものにしたいと考えていました。
新型コロナウイルスよって仕事をする場所と空間について根本的な見直しが必要となった今、ワークステーションの進化と建築の進化の関係に焦点をあてるのは興味深いですね。画像を徹底的にリサーチし、その延長で、このテーマに関する本の中でもこの取り組みを紹介しました。
ミラノサローネ代表に聞く、コロナ後の見本市のすがたとは?
ナントのアルストム社倉庫の改修プロジェクト。現在はナント高等美術学校となっている。2017年竣工。 © Luc Boegly
建築に対するビジョンをお聞かせください。
80年代に見られたアート寄りの建築家の時代は終わりました。建築家は謙虚さをもって、ヘルツォーク&ド・ムーロンが名付けたところの「平凡な建築」が都市の99%を構成し、大きな仕事を任せてくれるようなパトロンはまれであることを認識する必要があります。
地域のコンテクストを学ばずに、まっさらな状態から始めて無駄にあれこれデザインするだけならば、パリからビルバオ、シカゴからニューヨークまで、同じような建築材料(特にコンクリート)でできた、同じような建築だらけになってしまうことでしょう。
最近の建築家は、建物によって自己顕示しようとすることはまったくなく、良い意味でスーパー技術者に変わってきたと思います。より安価で耐久性のある建物とするため、あるいは改修という選択肢を選ぶために、建築家も詳細な科学的リサーチを取り入れる必要があります。
AOMコレクティブで改築に挑戦するトゥール・モンパルナス(フランス、パリ)のように酷評されている建物でも、再利用が可能であるなら、白紙に戻すことを私は好みません。その機能を通じて居住者に長期的な幸福をもたらすような建物こそ、美しい建物であると私は思うからです。
建築に対するビジョンをお聞かせください。
80年代に見られたアート寄りの建築家の時代は終わりました。建築家は謙虚さをもって、ヘルツォーク&ド・ムーロンが名付けたところの「平凡な建築」が都市の99%を構成し、大きな仕事を任せてくれるようなパトロンはまれであることを認識する必要があります。
地域のコンテクストを学ばずに、まっさらな状態から始めて無駄にあれこれデザインするだけならば、パリからビルバオ、シカゴからニューヨークまで、同じような建築材料(特にコンクリート)でできた、同じような建築だらけになってしまうことでしょう。
最近の建築家は、建物によって自己顕示しようとすることはまったくなく、良い意味でスーパー技術者に変わってきたと思います。より安価で耐久性のある建物とするため、あるいは改修という選択肢を選ぶために、建築家も詳細な科学的リサーチを取り入れる必要があります。
AOMコレクティブで改築に挑戦するトゥール・モンパルナス(フランス、パリ)のように酷評されている建物でも、再利用が可能であるなら、白紙に戻すことを私は好みません。その機能を通じて居住者に長期的な幸福をもたらすような建物こそ、美しい建物であると私は思うからです。
Deskopolitan ® We are content(s)
新型コロナウィルスの世界的な流行は、建築に影響を及ぼしますか?
そう思います。新型コロナウイルスにより、私たちは健康危機と環境危機の関連性を知ることになりました。ふたつはつながっていませんが、互いに依存する現象です。昨今の健康危機がもたらした恐怖により、環境の価値に耳を傾けようとする意志がより強くなります。以前の状態に戻ることができないのは明らかな今、皆が良識を持ち、具体的な変化をもたらすことを私も望んでいます。
建設に関しては、戦後以来何も変わっていません。1945年以降、迅速かつ大量に建設する必要性に対応するために作成されたサプライチェーンであるコンクリートを使用して今も多くの建設を行っているため、建設業界は自動車産業と並んで、世界で最も汚染を進めている業界であると言えます。
このような状況において、コンクリート業界からの圧力を規制するために、国家がしっかりと介入することが早急に必要です。オスマンの時代、パリ盆地には採石場があったため、パリは石造りで改造されました。サステナブルな形で建設するためには、コンテクストにあわせた建設をおこない、地域の建材と短めのサプライチェーンを優先する、という感覚を取り戻す必要があります。
コロナ以降の家はどうなる?3人の建築家が、いま思うこと
新型コロナウィルスの世界的な流行は、建築に影響を及ぼしますか?
そう思います。新型コロナウイルスにより、私たちは健康危機と環境危機の関連性を知ることになりました。ふたつはつながっていませんが、互いに依存する現象です。昨今の健康危機がもたらした恐怖により、環境の価値に耳を傾けようとする意志がより強くなります。以前の状態に戻ることができないのは明らかな今、皆が良識を持ち、具体的な変化をもたらすことを私も望んでいます。
建設に関しては、戦後以来何も変わっていません。1945年以降、迅速かつ大量に建設する必要性に対応するために作成されたサプライチェーンであるコンクリートを使用して今も多くの建設を行っているため、建設業界は自動車産業と並んで、世界で最も汚染を進めている業界であると言えます。
このような状況において、コンクリート業界からの圧力を規制するために、国家がしっかりと介入することが早急に必要です。オスマンの時代、パリ盆地には採石場があったため、パリは石造りで改造されました。サステナブルな形で建設するためには、コンテクストにあわせた建設をおこない、地域の建材と短めのサプライチェーンを優先する、という感覚を取り戻す必要があります。
コロナ以降の家はどうなる?3人の建築家が、いま思うこと
ラスペイル ® Luc Boegly
お気に入りの素材はありますか?
素材に関しては、特にこだわりはありません。状況に合わせて柔軟に対応するようにしています。建物のカーボンフットプリントは、最初の素材の抽出から解体および再利用まで計算されます。しかしながら、カーボンフットプリントに最も負荷をかけているのは素材の輸送です。コンクリートは非常に環境を汚染するので好きではありません。私は木材や金属を導入することによって、乾式工法を優先しますが、これは、完全に地域の資源に関連した建設の状況によって変わります。
改修の件数も増え、新しい熱的基準が義務付けられるようになりました。繰り返しになりますが、改修するのに大量のコンクリートは必要ありません。軽量の組立構造を使えばよいのです。さらに、建設業界の主要な事業者は、建物の新しい熱規制であるRE 2020の枠組みの中で、リサイクル義務を順守するための準備をすでに始めています。
「サステナブルな素材」の本質とは?
お気に入りの素材はありますか?
素材に関しては、特にこだわりはありません。状況に合わせて柔軟に対応するようにしています。建物のカーボンフットプリントは、最初の素材の抽出から解体および再利用まで計算されます。しかしながら、カーボンフットプリントに最も負荷をかけているのは素材の輸送です。コンクリートは非常に環境を汚染するので好きではありません。私は木材や金属を導入することによって、乾式工法を優先しますが、これは、完全に地域の資源に関連した建設の状況によって変わります。
改修の件数も増え、新しい熱的基準が義務付けられるようになりました。繰り返しになりますが、改修するのに大量のコンクリートは必要ありません。軽量の組立構造を使えばよいのです。さらに、建設業界の主要な事業者は、建物の新しい熱規制であるRE 2020の枠組みの中で、リサイクル義務を順守するための準備をすでに始めています。
「サステナブルな素材」の本質とは?
Yportの個人邸 ® Franklin Azzi
長持ちする建築をつくることは重要ですか?
建物に耐久性は欠かせません。資源の消費を抑えることを重視する私にとっては、優れた建築をつくるために最も大切な要素と言えます。建設した建物に生涯保証を提供する方法の検討も進めています。
私は基本的に長持ちする耐久性の高いものが好きなようで、オフィスには軍用ペンケースがありますし、個人的には軍服を収集しています。私が軍国主義だからではなく、効率的で耐久性に優れ、完璧な計画のもとに大量生産されているものは素晴らしいと思うからです。私たちは建物の完成度と耐久性を重視し、計画的陳腐化を避けるべきです。建物の耐久性は、消費文化への応答であり、政治的な選択が建築家に委ねられているのです。
長持ちする建築をつくることは重要ですか?
建物に耐久性は欠かせません。資源の消費を抑えることを重視する私にとっては、優れた建築をつくるために最も大切な要素と言えます。建設した建物に生涯保証を提供する方法の検討も進めています。
私は基本的に長持ちする耐久性の高いものが好きなようで、オフィスには軍用ペンケースがありますし、個人的には軍服を収集しています。私が軍国主義だからではなく、効率的で耐久性に優れ、完璧な計画のもとに大量生産されているものは素晴らしいと思うからです。私たちは建物の完成度と耐久性を重視し、計画的陳腐化を避けるべきです。建物の耐久性は、消費文化への応答であり、政治的な選択が建築家に委ねられているのです。
モンパルナス・プロジェクト – アベニュー・デュ・メイン(Avenue du Maine)からの眺め® Collectif Nouvelle AOM (Franklin Azzi Architecture, Chartier Dalix Architectes, Hardel et Le Bihan Architectes)
現在進行中のトゥール・モンパルナスの改修についてお話いただけますか?
トゥール・モンパルナスは老朽化していました、石油危機の前である1973年の建設時に熱規制による制限はなく、寒いときには加熱し、暑いときには冷却し、さらに何階分かは機械室に充てられていたため、オフィスを構える個人の共同所有者70名は高額な維持費を負担していました。
解体を望む人もいましたが、私たちはヌーヴェルAOMと協働し、シャルティエ・ダリックス・アーキテクツ、ハーデル・エ・ル・ビアン・アーキテクツの協力のもと、改修計画を提示したいと考えました。
現在進行中のトゥール・モンパルナスの改修についてお話いただけますか?
トゥール・モンパルナスは老朽化していました、石油危機の前である1973年の建設時に熱規制による制限はなく、寒いときには加熱し、暑いときには冷却し、さらに何階分かは機械室に充てられていたため、オフィスを構える個人の共同所有者70名は高額な維持費を負担していました。
解体を望む人もいましたが、私たちはヌーヴェルAOMと協働し、シャルティエ・ダリックス・アーキテクツ、ハーデル・エ・ル・ビアン・アーキテクツの協力のもと、改修計画を提示したいと考えました。
モンパルナス・プロジェクト - カフェと中庭のレンダリング® Collectif Nouvelle AOM (Franklin Azzi Architecture, Chartier Dalix Architectes, Hardel et Le Bihan Architectes)
建物をスーパーマシンに変える、建築のハイテク化には賛成ではありません。逆に、私たちは自然の要素と、トゥール・モンパルナスはすでに50年かけてカーボンフットプリントを清算したという事実を強調しています。
黒い単板ガラスの外皮は熱効率的には悪夢でした。タワーが南北の風に常にさらされていることを分析した結果、風によって自然にリフレッシュされる新しい複層ガラスのスキンを計画しました。複層ガラスに組み込まれたブラインドのシステムは、暑すぎるとセンサーにより作動します。
建物をスーパーマシンに変える、建築のハイテク化には賛成ではありません。逆に、私たちは自然の要素と、トゥール・モンパルナスはすでに50年かけてカーボンフットプリントを清算したという事実を強調しています。
黒い単板ガラスの外皮は熱効率的には悪夢でした。タワーが南北の風に常にさらされていることを分析した結果、風によって自然にリフレッシュされる新しい複層ガラスのスキンを計画しました。複層ガラスに組み込まれたブラインドのシステムは、暑すぎるとセンサーにより作動します。
Franklin Azzi © NoelManalili
不要になった機械室は中庭になり、ファサードに降った雨水を利用して散水することにより、街への雨水の流出を防ぎます。最後に、既存の黒いガラスが取り外され、建物内30カ所のエレベーターシャフトと階段の吹き抜けの仕上げとして利用されます。
私たちもそのガラスを捨てたくなかったですし、ゴミ箱に持って行く姿を近隣の住民に見せたくもありませんでした。建築家は、リサイクル問題のPR大使と教師の役割を果たさなくてはいけません。それが、建築家の市民としての責任だと思います。
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不要になった機械室は中庭になり、ファサードに降った雨水を利用して散水することにより、街への雨水の流出を防ぎます。最後に、既存の黒いガラスが取り外され、建物内30カ所のエレベーターシャフトと階段の吹き抜けの仕上げとして利用されます。
私たちもそのガラスを捨てたくなかったですし、ゴミ箱に持って行く姿を近隣の住民に見せたくもありませんでした。建築家は、リサイクル問題のPR大使と教師の役割を果たさなくてはいけません。それが、建築家の市民としての責任だと思います。
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