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ガラスでゆるやかに間仕切る。室内窓のある開放的な住まいの事例集
解放的で、家族がお互いの存在を感じられる住まいにしたいけれど、仕事や勉強のことを考えれば、集中できるプライベートなスペースも必要。それなら、室内窓を間仕切りに採用してみてはいかがでしょうか?

LDK一体型の住まいが人気を博し、家族がひとつのスペースで過ごす時間が長くなりました。その一方で、それぞれの作業に集中できるスペースの重要性も高まっています。
開放的で、家族の存在を感じられつつも、自分一人だけのプライベートな空間を保ちたい。相反するその希望を叶えるには、室内窓やガラスのパーテーションが役立つかもしれません。
今回は、室内窓を取り入れた住まいの事例写真を、担当した専門家の声とともにまとめてお届けします。
開放的で、家族の存在を感じられつつも、自分一人だけのプライベートな空間を保ちたい。相反するその希望を叶えるには、室内窓やガラスのパーテーションが役立つかもしれません。
今回は、室内窓を取り入れた住まいの事例写真を、担当した専門家の声とともにまとめてお届けします。
室内窓はマンションリノベの強い味方
こちらはひかリノベが手がけた住まい。全体に“海”をテーマとしてデザインされた住まいで、波のような色と柄をした寝室のアクセントクロスが、リビング側から見えるよう室内窓が配されています。
「こちらの室内窓は、主にリビング側からの効果を狙ったものです。『広々としたLDKにしたい』というご要望でしたので、マンションの限られた空間を実際以上に広く開放的に感じられるように窓を取り付けました」と話すのは、大宮良明さんです。
こちらはひかリノベが手がけた住まい。全体に“海”をテーマとしてデザインされた住まいで、波のような色と柄をした寝室のアクセントクロスが、リビング側から見えるよう室内窓が配されています。
「こちらの室内窓は、主にリビング側からの効果を狙ったものです。『広々としたLDKにしたい』というご要望でしたので、マンションの限られた空間を実際以上に広く開放的に感じられるように窓を取り付けました」と話すのは、大宮良明さんです。
大宮さんは室内窓について、「見た目の開放感もそうですが、採光や換気の面でもメリットが大きいと思います」と話します。
「とくにマンションでは自然光を取り入れられる窓が一面にしかなく、玄関側には窓がないというケースも少なくありません。室内窓を設けて光と風が家じゅうをめぐるように工夫するのは、当社でマンションリノベをお受けする際によく用いる手法です」
「とくにマンションでは自然光を取り入れられる窓が一面にしかなく、玄関側には窓がないというケースも少なくありません。室内窓を設けて光と風が家じゅうをめぐるように工夫するのは、当社でマンションリノベをお受けする際によく用いる手法です」
高窓なら、寝室のプライバシーもしっかり守れる
エイチ・アーキテクツが手がけたこちらの室内窓も、寝室とリビングの間仕切りとして採用されたもの。寝室側からは、リビングに設置された天井扇が眺められます。
橋本啓太さんは「窓自体はオーナー様のご要望ではありません。ちょうど主寝室からゆっくりと回る天井扇が見える位置に、リビングの気配が感じられる高窓を設置することを私から提案しました。高窓としたのは、リビングから主寝室内が見えないようプライバシーを配慮したためです」と話します。
エイチ・アーキテクツが手がけたこちらの室内窓も、寝室とリビングの間仕切りとして採用されたもの。寝室側からは、リビングに設置された天井扇が眺められます。
橋本啓太さんは「窓自体はオーナー様のご要望ではありません。ちょうど主寝室からゆっくりと回る天井扇が見える位置に、リビングの気配が感じられる高窓を設置することを私から提案しました。高窓としたのは、リビングから主寝室内が見えないようプライバシーを配慮したためです」と話します。
「個室は孤立しがちですが、室内窓によって隣の部屋の気配が感じられて、一体感が生まれると思います」と橋本さん。
一方で、橋本さんは「ガラスの安全性やプライバシー、光が漏れる心配等も、設計者は十分配慮して計画しなければならないと思います」とアドバイスします。
一方で、橋本さんは「ガラスの安全性やプライバシー、光が漏れる心配等も、設計者は十分配慮して計画しなければならないと思います」とアドバイスします。
キッチンの室内窓からは、家事をしながら家族の様子が確認できる
こちらはan cubeが手がけた住まい。室内窓は、ダイニングとキッチンとの間仕切りに採用されています。
山下羊子さんは、『既存の壁付けキッチンを再利用しながら、対面スタイルに変更すること』『格子をポイントに取り入れること』が、オーナーからの要望だったと振り返ります。「格子窓とその下の腰壁は、ブロック積にあえて白のペンキ仕上げで無造作なイメージに仕上げた事がポイントです」と山下さん。
こちらはan cubeが手がけた住まい。室内窓は、ダイニングとキッチンとの間仕切りに採用されています。
山下羊子さんは、『既存の壁付けキッチンを再利用しながら、対面スタイルに変更すること』『格子をポイントに取り入れること』が、オーナーからの要望だったと振り返ります。「格子窓とその下の腰壁は、ブロック積にあえて白のペンキ仕上げで無造作なイメージに仕上げた事がポイントです」と山下さん。
「対面キッチンでありながら独立キッチンでもあり、ダイニングスペースや横に配置したワンちゃんスペースの様子を、家事をしながら確認することができます。油飛びや料理のにおい問題が回避でき、ダイニングとの距離感をうまく取れることも大きなメリットです」
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ご近所気分で、窓越しにコミュニケーション
細江英俊建築設計事務所が手がけたのは、熟年夫妻が二人きりで暮らす住まい。オーナー夫妻のご要望は、「夫婦二人ともが安心に生活でき、それぞれのライフスタイルを大切にできる住まい」だったそう。
「リビングやキッチンなどの基本的な日常生活機能は1階に配置しています。玄関ホールにはトップライトを設け、光庭のような空間としました。そこに2階へ上る階段を設け、その左右に奥様、ご主人の個室を配置しました」と細江英俊さんは話します。
細江英俊建築設計事務所が手がけたのは、熟年夫妻が二人きりで暮らす住まい。オーナー夫妻のご要望は、「夫婦二人ともが安心に生活でき、それぞれのライフスタイルを大切にできる住まい」だったそう。
「リビングやキッチンなどの基本的な日常生活機能は1階に配置しています。玄関ホールにはトップライトを設け、光庭のような空間としました。そこに2階へ上る階段を設け、その左右に奥様、ご主人の個室を配置しました」と細江英俊さんは話します。
「個室は各自が一人で楽しむ空間です。当然窓はありますが、光庭との間に室内窓を設け、そこから入るトップライトの拡散光も感じられます」と細江さん。
「また、それぞれの室内窓を介して会話することも可能です。入れ子状の空間構成によって、コミュニケーションの多様化だけでなく、温熱、調湿環境の制御も可能にしています」
「また、それぞれの室内窓を介して会話することも可能です。入れ子状の空間構成によって、コミュニケーションの多様化だけでなく、温熱、調湿環境の制御も可能にしています」
プライバシーを守りながら、光を送り込むガラスブロック
最後にご紹介するのは、空間社が手がけたこちらの住まい。ガラスブロックの室内窓は玄関の土間および廊下、寝室の間に造作されており、明かりの入りにくい玄関へ光を送りつつも、寝室のプライバシーを確保しています。
最後にご紹介するのは、空間社が手がけたこちらの住まい。ガラスブロックの室内窓は玄関の土間および廊下、寝室の間に造作されており、明かりの入りにくい玄関へ光を送りつつも、寝室のプライバシーを確保しています。
またこちらの住まいでは、廊下とLDK空間を仕切る扉にも窓付きのものを採用。窓付きの扉は空間に圧迫感や閉塞感を与えず、向こう側にいる家族の存在を確認することも可能にします。
宮本梨絵さんは、「室内窓を取り入れることで空間に連続性ができるので、家族との繋がりを感じやすくなることはメリットだと感じます」と話します。それぞれが住まいの違う空間にいてもお互いの存在を感じられるというのは、室内窓最大の魅力といえるでしょう。
家づくりのヒントをもっと読む
宮本梨絵さんは、「室内窓を取り入れることで空間に連続性ができるので、家族との繋がりを感じやすくなることはメリットだと感じます」と話します。それぞれが住まいの違う空間にいてもお互いの存在を感じられるというのは、室内窓最大の魅力といえるでしょう。
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