家の中にひとやすみスペースをつくろう
仕事もそれ以外の時間も自宅で過ごすことが多くなった今。ワークスペース以外に、ちょっと休憩するスペースがあると"ほっとできる家"がつくれます。
街に出て仕事の打合せが終わった後。ショッピングですいぶん歩いた後。遊びで夢中になって過ごした後。「ちょっとやすみたい」と思ったら、どこで 「ひとやすみ」しますか?
ベンチを探したり、どこかのお店に入って座ってやすみたいと思ったりしますね。
でも、その場所がなかなか見つからない時があります。イライラしたりして余計に疲れが増します。 思った時にやすめる場所があれば、「次の仕事」への活力が湧いたり、「楽しかったこと」の余韻に浸れます。
ベンチを探したり、どこかのお店に入って座ってやすみたいと思ったりしますね。
でも、その場所がなかなか見つからない時があります。イライラしたりして余計に疲れが増します。 思った時にやすめる場所があれば、「次の仕事」への活力が湧いたり、「楽しかったこと」の余韻に浸れます。
働き方が変わっていくこれからは、家にいる時間が増えていきます。限られた空間で家族がいっしょにいる時間が長くなると、イライラしたり、居場所がなくなったりすることも出てくるでしょう。
でも、それぞれ、ひとやすみできる場所があって、気持ちを穏やかにする事ができれば、お互いに優しくいられます。
ひとやすみできるスペースは、大袈裟な事も特別なスペースもいりません。それが多くあれば、家がますます楽しくて、ほっとできる場所になります。
今回は、ひとやすみできるスペースについて考えてみました。
でも、それぞれ、ひとやすみできる場所があって、気持ちを穏やかにする事ができれば、お互いに優しくいられます。
ひとやすみできるスペースは、大袈裟な事も特別なスペースもいりません。それが多くあれば、家がますます楽しくて、ほっとできる場所になります。
今回は、ひとやすみできるスペースについて考えてみました。
ほっとできる家、ほっとできない家
家は、日常の仕事や人間関係から開放され「ほっと」できる場所だと思います。
ただ、どんな家も「ほっと」できる場所なのかというと、そうでもありません。
「ほっとできない」「落ち着かない」家があります。
ほっとできない家の理由1(通路になっている部屋)
個室は別にして、家のどこでほっとできるかと言えば、基本的にリビングやダイニングでしょう。そこにあらゆる導線が集中し、交わると、ほんとうに落ち着きません。
リビング(リビングダイニング)を通ってそれぞれの部屋に行くのは必然ですが、その動線は整理されていないといけません。あえて動線から外れる場所を作って、落ち着ける場所を作る必要があるのです。
部屋が大きければ、自然とそういう空間ができるかもしれません。でも、限られたスペースの中で暮らす場合、プランの段階で家族がどういうふうに動くかを考えておかないと、動線に乗らない場所の確保は難しくなります。
家は、日常の仕事や人間関係から開放され「ほっと」できる場所だと思います。
ただ、どんな家も「ほっと」できる場所なのかというと、そうでもありません。
「ほっとできない」「落ち着かない」家があります。
ほっとできない家の理由1(通路になっている部屋)
個室は別にして、家のどこでほっとできるかと言えば、基本的にリビングやダイニングでしょう。そこにあらゆる導線が集中し、交わると、ほんとうに落ち着きません。
リビング(リビングダイニング)を通ってそれぞれの部屋に行くのは必然ですが、その動線は整理されていないといけません。あえて動線から外れる場所を作って、落ち着ける場所を作る必要があるのです。
部屋が大きければ、自然とそういう空間ができるかもしれません。でも、限られたスペースの中で暮らす場合、プランの段階で家族がどういうふうに動くかを考えておかないと、動線に乗らない場所の確保は難しくなります。
ほっとできない家の理由2(使える壁がない)
壁は、「暮らし方」を考える時に結構重要です。構造体となる壁は当然ですが、間仕切り壁もです。
壁は、暮らしの中で「拠り所」になります。壁があるから家具を置けます。壁を背にして座るととても落ち着けます。
ダイニングテーブルやソファがあるところが「暮らしの重心」になります。壁があると、その重心を壁のほうへ寄せる事ができます。そうすると部屋に余白が生まれ広がりを感じるとともに気持ちが楽(らく)になります。
どの壁にも(無造作に)大きな窓やドアがあったりすると、使えない壁になってしまいます。つまり拠り所がなくなり、落ち着けないのです。
ほっとできない家の理由3(部屋の機能しか考えてない)
家には「一つの機能」のための部屋があります。玄関、廊下、階段、トイレ、浴室などは「機能を満たす」ことばかり考えて作られがちです。
ただ、通ることが目的の廊下や階段も、一瞬であっても「人のいる場所」なのです。そういう視点があって配慮されていると、やさしい感じがしてきます。
壁は、「暮らし方」を考える時に結構重要です。構造体となる壁は当然ですが、間仕切り壁もです。
壁は、暮らしの中で「拠り所」になります。壁があるから家具を置けます。壁を背にして座るととても落ち着けます。
ダイニングテーブルやソファがあるところが「暮らしの重心」になります。壁があると、その重心を壁のほうへ寄せる事ができます。そうすると部屋に余白が生まれ広がりを感じるとともに気持ちが楽(らく)になります。
どの壁にも(無造作に)大きな窓やドアがあったりすると、使えない壁になってしまいます。つまり拠り所がなくなり、落ち着けないのです。
ほっとできない家の理由3(部屋の機能しか考えてない)
家には「一つの機能」のための部屋があります。玄関、廊下、階段、トイレ、浴室などは「機能を満たす」ことばかり考えて作られがちです。
ただ、通ることが目的の廊下や階段も、一瞬であっても「人のいる場所」なのです。そういう視点があって配慮されていると、やさしい感じがしてきます。
ひとやすみできるスペースが、家を豊かにする
上記の1~3の問題がなければ、ほっとできる家です。それだけで十分かもしれません。
でも、ひと工夫で、さらに家を”気持ちよく、ゆったり”できるようにもできます。それが「ひとやすみ」できるスペースを家のあちこちに作ることです。
ひとやすみできるスペースはどこ?
ひとやすみできる場所は、家の中のどこにあってもいいんです。たとえば、トイレで本や新聞を読む人がいますが、その人にとって、トイレは「ひとやすみできる場所」ですね。
「リビングのソファ」のように誰もが「ゆったりできる」と思う場所ではなく、「こんなところで!」という意外な場所です。
ひとやすみできるスペースの特徴
ひとやすみできる場所の特徴は「片隅」「こじんまり」「陰のある」です。「狭い」「小さい」も付け加えていいかもしれません。
上記の1~3の問題がなければ、ほっとできる家です。それだけで十分かもしれません。
でも、ひと工夫で、さらに家を”気持ちよく、ゆったり”できるようにもできます。それが「ひとやすみ」できるスペースを家のあちこちに作ることです。
ひとやすみできるスペースはどこ?
ひとやすみできる場所は、家の中のどこにあってもいいんです。たとえば、トイレで本や新聞を読む人がいますが、その人にとって、トイレは「ひとやすみできる場所」ですね。
「リビングのソファ」のように誰もが「ゆったりできる」と思う場所ではなく、「こんなところで!」という意外な場所です。
ひとやすみできるスペースの特徴
ひとやすみできる場所の特徴は「片隅」「こじんまり」「陰のある」です。「狭い」「小さい」も付け加えていいかもしれません。
①階段
階段を利用しないのは、とってももったいないんです。階段は座ってもいいんです。
座って本を読んだり、お茶を飲んだりするのにちょうどいいと思います。階段は、「狭さ」「暗さ」があって落ち着ける場所です。じゃまにならない程度に壁に本棚や飾り棚を作ってみましょう。
階段を利用しないのは、とってももったいないんです。階段は座ってもいいんです。
座って本を読んだり、お茶を飲んだりするのにちょうどいいと思います。階段は、「狭さ」「暗さ」があって落ち着ける場所です。じゃまにならない程度に壁に本棚や飾り棚を作ってみましょう。
②窓
木造住宅で、2階以上のバルコニーに面した大きな窓は、防水の納まりの関係で、窓下が室内床より1段上ります。
私は、窓の下枠を、奥行のある板にします。そうするとそこがそこをベンチになります。窓際に座って、ぼぉ~っとするのにちょうどいいです。子供にもちょうどいい高さで、勉強机にもなります。
またそのベンチが、一段の床になりバルコニーの出入りも楽になります。
自宅に快適なワークスペースをつくるには?
木造住宅で、2階以上のバルコニーに面した大きな窓は、防水の納まりの関係で、窓下が室内床より1段上ります。
私は、窓の下枠を、奥行のある板にします。そうするとそこがそこをベンチになります。窓際に座って、ぼぉ~っとするのにちょうどいいです。子供にもちょうどいい高さで、勉強机にもなります。
またそのベンチが、一段の床になりバルコニーの出入りも楽になります。
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③部屋の角
部屋の角は2方向壁があるので、ちょっと囲われた感じがある場所。でもたいがい、家具が置かれます。
もし余裕があるなら部屋の角に家具を置かずそこに椅子を置いてみましょう。座ると落ち着きます。電車に乗ると、たぶんシートの一番端に座りますよね。そんな感じです。
家具と家具の間が空くなら、そこも同じ感じになりますね。そのすき間の使い道がないなら、スツールを置いてみてください。
部屋の角は2方向壁があるので、ちょっと囲われた感じがある場所。でもたいがい、家具が置かれます。
もし余裕があるなら部屋の角に家具を置かずそこに椅子を置いてみましょう。座ると落ち着きます。電車に乗ると、たぶんシートの一番端に座りますよね。そんな感じです。
家具と家具の間が空くなら、そこも同じ感じになりますね。そのすき間の使い道がないなら、スツールを置いてみてください。
④壁
家の心地良さをつくる要素はいろいろありますが、「壁」もとても重要です。どこかの壁を、本物の素材で仕上げてみてください。木、しっくいや珪藻土の壁、タイル、レンガ、コンクリートなどで。そういう本物の素材のそばにいるとやすらげます。
家の心地良さをつくる要素はいろいろありますが、「壁」もとても重要です。どこかの壁を、本物の素材で仕上げてみてください。木、しっくいや珪藻土の壁、タイル、レンガ、コンクリートなどで。そういう本物の素材のそばにいるとやすらげます。
⑤小さなテーブル
カフェにあるような小さなテーブルと椅子があれば、それだけ十分な「ひとやすみ」の場所になります。
⑥お気に入りの椅子
椅子そのものがひとつの「場所」です。お気に入りの椅子ならば「お気に入りの場所」ということ。そこならほっとしてやすむことができます。どこにでも移動できますし、一番簡単な「ひとやすみ」スペースです。
⑦床に座る
本格的に在宅で仕事するとなると専用の椅子が必要です。ひとやすみする時、床に座ると視点が変わりゆったりできます。上に書いたように、本物の素材で作った壁に寄り掛ると、心が落ち着きます。
在宅勤務を快適にする6つの方法
カフェにあるような小さなテーブルと椅子があれば、それだけ十分な「ひとやすみ」の場所になります。
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知ればアイデアが浮かぶ
「ひとやすみできるスペースって、そんなこと!」と思うかもしれません。その通り、そんなことです。
でもそれを知れば、きっといろいろなアイデアが浮かぶと思います。「どんな状態が気持ちいいのか?」「安らげるのか?」は一人ひとり違います。照明や小物でも気持ちは変わります。
考えて工夫して、あちこちに「ひとやすみできるスペース」を作ってください。家での暮らしはもっともっと楽しくなります。
Houzzで建築家を探す
「ひとやすみできるスペースって、そんなこと!」と思うかもしれません。その通り、そんなことです。
でもそれを知れば、きっといろいろなアイデアが浮かぶと思います。「どんな状態が気持ちいいのか?」「安らげるのか?」は一人ひとり違います。照明や小物でも気持ちは変わります。
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設計者はそれぞれ「断熱と耐震」性能をどこにおくか、明確にしないといけないんでしょうね。それが標準なので、そこについて多くを語らなくても済むように。
志田茂建築設計事務所 様 初めまして。
とても貴重な記事を有難うございます。 参考になります。
元々、家は必須の機能とともに安心であることから始まったのかなと思います。 そこから、歴史、時代とともに、それぞれ生活レベルや環境にも依って変遷してきました。 今の時代には、志田茂設計事務所さんのおっしゃる ひとやすみスペース はご家族それぞれの部屋、個室とは少し違った 気持ちとか気分とかほっこりする、とかそうした<間>として、とても大切なことに思います。 ストレスがどの世代もが抱えやすい時代での住まいのあり方、それを考えるのに大きなヒントになります。 ありがとうございます。
吉田さん、ありがとうございます。
基本的に家というものが安心できてほっとできる場所だと思います。
プラスアルファの事ですが、それが「居心地」の良さにつながります。
街には「(自分の)好きな場所」…お店とか、見える景色が好きな場所とか、、あると思います。家にもそんな場所が、家族それぞれにあっていいと思います。
住む人が「何かを気付く事」です。そうすると暮らしが楽しくなります。
私達設計者が「こうあるべき」と何かを作り込むのではなくて、むしろそういう欲を抑え、住む人が発想する「余白」つくる事といえるかもしれません。