コロナ以降の家はどうなる?3人の建築家が、いま思うこと
五十嵐淳さん、成瀬友梨さん、石上純也さん。3人の建築家に、アフターコロナの住まいについて、2020年5月の時点で感じていることを聞きました。
Mamiko Nakano
2020年6月8日
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新型コロナウイルスの影響で、世界も、日本の暮らしも、大きな変化を余儀なくされました。特に都市部では、店舗の営業自粛、リモートワークなど、「密」を避けるために、大きな努力がなされてきました。感染症対策を踏まえた、新しい生活様式も提唱されています。
コロナ以降の家づくりには、どのような変化があり得るのでしょうか。Houzzウェブマガジン編集部は、2020年秋に開かれる「「ハーフェレ学生デザインコンペティション」で、建築学生たちが考える「家」を審査する建築家の五十嵐淳さん、成瀬友梨さん、石上純也さんの3人に、いまの考え・思いを伺いました。
コロナ以降の家づくりには、どのような変化があり得るのでしょうか。Houzzウェブマガジン編集部は、2020年秋に開かれる「「ハーフェレ学生デザインコンペティション」で、建築学生たちが考える「家」を審査する建築家の五十嵐淳さん、成瀬友梨さん、石上純也さんの3人に、いまの考え・思いを伺いました。
五十嵐淳さん:「あらゆる建築タイプが再考されることになるだろう」
ーー新型コロナによって、家に対する考え方に、変化はありましたか?
家に限らず、建築を考える要素に、疫病が加わるのだろうか。
震災の後、耐震構造に対する関心が高まり、法律も変わった。津波に対しては建物単体での対応が難しいので、他の対応・対策が行われた。
放射能について当時、ヒステリックに騒ぎ立てられていたが、今は忘れ去られたかのようにヒステリックに語られることはあまりないし、放射能に対応しましたという建築をそれほど聞いたことがない。
家や建築に対する僕自身の普遍的な考えは変わらないが、地球環境も変化し続けている中で、対応する事柄が、もしかすると一つ増えるのかも、とは考えている。
ーー新型コロナによって、家に対する考え方に、変化はありましたか?
家に限らず、建築を考える要素に、疫病が加わるのだろうか。
震災の後、耐震構造に対する関心が高まり、法律も変わった。津波に対しては建物単体での対応が難しいので、他の対応・対策が行われた。
放射能について当時、ヒステリックに騒ぎ立てられていたが、今は忘れ去られたかのようにヒステリックに語られることはあまりないし、放射能に対応しましたという建築をそれほど聞いたことがない。
家や建築に対する僕自身の普遍的な考えは変わらないが、地球環境も変化し続けている中で、対応する事柄が、もしかすると一つ増えるのかも、とは考えている。
ーー新型コロナ以降は、どのような家が求められていくとお考えですか? 人々が住む場所、家での過ごし方、建物のかたち、素材などについて、理由とともに教えてください。
今回のコロナにより、家だけではなくオフィス・飲食店・娯楽施設など、あらゆる建築タイプが再考されることになるだろう。通気や換気、座席配置といった密への応答など、膨大に。
例えば、空気の状態を常に視覚化しモニターしたり、コックピット的なオフィスや飲食店が増えたり、住環境の中にもコクピット的な場所が設置されたり。
トレンドはビジネスのチャンスになるので、例えば疫病対応リノベーション需要が増えたり、空間的に離れた人と人を繋ぐ技術の開発と販売が加速したり、ハウスメーカー系は職住一体型の住宅を開発販売したり、既存住宅への疫病対策商品が大量に出回るようになったり、疫病対策リフォーム会社が増えたりする。
都市から、郊外の空き家や空きビルなどをリノベーションし再設計した、密にならない作業空間へ引っ越す、先進的な企業が増えるかも知れない。
建築の設備設計による、環境のテクニカル面は加速するだろう。空間内部を加圧状態にすることで、外部空間からのウイルスを含んだ空気の侵入を軽減したり、風除室のような空間を出入口に必ず設置し、精密機械工場に入る時のように空気で衣類を洗浄するスペースが増えたり、空調換気に対する法律も変化するかも知れない。
都市や都市圏や地方でも、色々と変化が起きていく。今回の出来事の影響を受けて、今自分の働いている空間や家がウイルスに対して不十分だと考えた人は、対応している空間に移るか、自分の空間を改善していくだろう。
住む場所や働く場所の価値観も変化するだろう。都心やステイタスのある土地よりも、自然豊かで都市へのアクセスなどが重要視され、地価も変化するかも知れない。
しかし都市はそう簡単に消滅しないし、変化しない。なぜなら人類にとって最も魅力的な空間であるからだ。
色々な想像を書いてみたが、全てが巨大なビジネスの機会であるために、多様な試行錯誤が繰り返され、結局のところ経済主導で色々なものが実現されていくのではないだろうか。
ただ、これを機会に、人類の生きる価値観の再設定を各々がしっかりと考え、実践出来れば、本当に世界が大きく変わるキッカケになるかもしれない。
今回のコロナにより、家だけではなくオフィス・飲食店・娯楽施設など、あらゆる建築タイプが再考されることになるだろう。通気や換気、座席配置といった密への応答など、膨大に。
例えば、空気の状態を常に視覚化しモニターしたり、コックピット的なオフィスや飲食店が増えたり、住環境の中にもコクピット的な場所が設置されたり。
トレンドはビジネスのチャンスになるので、例えば疫病対応リノベーション需要が増えたり、空間的に離れた人と人を繋ぐ技術の開発と販売が加速したり、ハウスメーカー系は職住一体型の住宅を開発販売したり、既存住宅への疫病対策商品が大量に出回るようになったり、疫病対策リフォーム会社が増えたりする。
都市から、郊外の空き家や空きビルなどをリノベーションし再設計した、密にならない作業空間へ引っ越す、先進的な企業が増えるかも知れない。
建築の設備設計による、環境のテクニカル面は加速するだろう。空間内部を加圧状態にすることで、外部空間からのウイルスを含んだ空気の侵入を軽減したり、風除室のような空間を出入口に必ず設置し、精密機械工場に入る時のように空気で衣類を洗浄するスペースが増えたり、空調換気に対する法律も変化するかも知れない。
都市や都市圏や地方でも、色々と変化が起きていく。今回の出来事の影響を受けて、今自分の働いている空間や家がウイルスに対して不十分だと考えた人は、対応している空間に移るか、自分の空間を改善していくだろう。
住む場所や働く場所の価値観も変化するだろう。都心やステイタスのある土地よりも、自然豊かで都市へのアクセスなどが重要視され、地価も変化するかも知れない。
しかし都市はそう簡単に消滅しないし、変化しない。なぜなら人類にとって最も魅力的な空間であるからだ。
色々な想像を書いてみたが、全てが巨大なビジネスの機会であるために、多様な試行錯誤が繰り返され、結局のところ経済主導で色々なものが実現されていくのではないだろうか。
ただ、これを機会に、人類の生きる価値観の再設定を各々がしっかりと考え、実践出来れば、本当に世界が大きく変わるキッカケになるかもしれない。
ーーご自身が手がけられた中で、そうしたポイントを取り入れている事例がありましたら、教えてください。
私は寒冷地で設計をすることが多いので、場合によっては、疫病に対応するよりも厳しい状況で建築を設計してきたともいえる。
ポイントを挙げるとするならば、風除室・中間領域・バッファーゾーンである。
この空間は内部と地球空間を多様に繋いだり距離感を作ったり、閉ざしたりできるキッカケに満ちた空間であり、過去に多くの中間領域を設計してきた。
ーー今後、どういう家を作っていきたいとお考えですか?
たくさんの想像を書いたが、それぞれの家が建つ環境に適切に対応することが、まずは重要なので、その家が建つ場所に応答した家を作りたいと考えてはいる。東京に建つ家と北海道に建つ家を一括りで語ることは不可能であるし、それぞれの家にはそれぞれ個性的な人間・家族が暮らすわけである。環境や状況や時勢への応答だけで、家づくりを語ることは決してできない。
ーー新型コロナ以降の時代の家づくりで、大切になることは何ですか? 建築学生さんと、これから家づくりをしたい一般の人たちに、それぞれアドバイスをください。
今回のことで、人類が育んできた文化や習慣や慣習が大きく揺らぐことはないと信じているが、その一方で変化し続けているのも事実である。建築学生は、自分の人生において、今後建築を通じて何をしたいのかを深く考える良いタイミングだと思う。
家を建てたい一般の人達にとっても、自分たちの今と未来を見つめ直す良いタイミングが来たと考えられます。メディアや世の中の動向ではなく、自分たちが大切だと思う事柄や、心地よいと思える時間などの価値観について、見つめ直す良い休憩時間を与えられたと思えば、きっと明るい未来が訪れるでしょう。
五十嵐淳(いがらし・じゅん)
五十嵐淳建築設計事務所主宰。1970年北海道生まれ。北海道の風土や気候条件、風景との共生を前提としながらも、 建築の普遍的な価値を問いかけている。2016年からハーフェレ学生デザインコンペティション審査員を務め、2020年は審査委員長。主な受賞に、2003年第19回吉岡賞(矩形の森)、2005年 BARBARA CAPPOCHINビエンナーレ国際建築賞グランプリ、2005年JCDデザイン賞優秀賞、グッドデザイン賞(大阪現代演劇祭仮設劇場)、2007年JIA環境建築賞優秀賞(Annex)、2009年JIA北海道支部住宅部会大賞(間の門)、2010年第21回JIA新人賞(光の矩形)、2018年日本建築学会賞(教育賞)。著書に、『ディテール別冊 五十嵐淳/状態の表示』(2010年、彰国社)などがある。
私は寒冷地で設計をすることが多いので、場合によっては、疫病に対応するよりも厳しい状況で建築を設計してきたともいえる。
ポイントを挙げるとするならば、風除室・中間領域・バッファーゾーンである。
この空間は内部と地球空間を多様に繋いだり距離感を作ったり、閉ざしたりできるキッカケに満ちた空間であり、過去に多くの中間領域を設計してきた。
ーー今後、どういう家を作っていきたいとお考えですか?
たくさんの想像を書いたが、それぞれの家が建つ環境に適切に対応することが、まずは重要なので、その家が建つ場所に応答した家を作りたいと考えてはいる。東京に建つ家と北海道に建つ家を一括りで語ることは不可能であるし、それぞれの家にはそれぞれ個性的な人間・家族が暮らすわけである。環境や状況や時勢への応答だけで、家づくりを語ることは決してできない。
ーー新型コロナ以降の時代の家づくりで、大切になることは何ですか? 建築学生さんと、これから家づくりをしたい一般の人たちに、それぞれアドバイスをください。
今回のことで、人類が育んできた文化や習慣や慣習が大きく揺らぐことはないと信じているが、その一方で変化し続けているのも事実である。建築学生は、自分の人生において、今後建築を通じて何をしたいのかを深く考える良いタイミングだと思う。
家を建てたい一般の人達にとっても、自分たちの今と未来を見つめ直す良いタイミングが来たと考えられます。メディアや世の中の動向ではなく、自分たちが大切だと思う事柄や、心地よいと思える時間などの価値観について、見つめ直す良い休憩時間を与えられたと思えば、きっと明るい未来が訪れるでしょう。
五十嵐淳(いがらし・じゅん)
五十嵐淳建築設計事務所主宰。1970年北海道生まれ。北海道の風土や気候条件、風景との共生を前提としながらも、 建築の普遍的な価値を問いかけている。2016年からハーフェレ学生デザインコンペティション審査員を務め、2020年は審査委員長。主な受賞に、2003年第19回吉岡賞(矩形の森)、2005年 BARBARA CAPPOCHINビエンナーレ国際建築賞グランプリ、2005年JCDデザイン賞優秀賞、グッドデザイン賞(大阪現代演劇祭仮設劇場)、2007年JIA環境建築賞優秀賞(Annex)、2009年JIA北海道支部住宅部会大賞(間の門)、2010年第21回JIA新人賞(光の矩形)、2018年日本建築学会賞(教育賞)。著書に、『ディテール別冊 五十嵐淳/状態の表示』(2010年、彰国社)などがある。
成瀬友梨さん:「余白のある家を作りたい」
ーー新型コロナによって、家に対する考え方に、変化はありましたか?
自分自身はそこまで大きな変化はありませんでした。ただ、小さな子供が自宅にいて在宅で仕事をするのは難しいですね。
ーー新型コロナ以降は、どのような家が求められていくとお考えですか? 人々が住む場所、家での過ごし方、建物のかたち、素材などについて、理由とともに教えてください。
リモートワークがある程度受け入れられるようになると、通勤時間の短さのインセンティブが下がるので、遠くても良い環境を選ぶ人がより出てくると思います。そして、今回狭い家でかなりストレスの溜まった人も多いと思いますので、広さも求められるようになるのでは、と思います。
家で過ごす時間が増えるので、家族とだけではなく一人で過ごせる居場所がたくさんあって、光の移ろいや窓からの景色の変化が楽しめるような家が良いのではないでしょうか。室内だけでなく、外で過ごす時間も大切になります。庭やテラスといった屋外空間で、食事をしたり、くつろいだり、そんなことができる家は素敵ですね。
ーーご自身が手がけられた中で、そうしたポイントを取り入れている事例がありましたら、教えてください。
ーー新型コロナによって、家に対する考え方に、変化はありましたか?
自分自身はそこまで大きな変化はありませんでした。ただ、小さな子供が自宅にいて在宅で仕事をするのは難しいですね。
ーー新型コロナ以降は、どのような家が求められていくとお考えですか? 人々が住む場所、家での過ごし方、建物のかたち、素材などについて、理由とともに教えてください。
リモートワークがある程度受け入れられるようになると、通勤時間の短さのインセンティブが下がるので、遠くても良い環境を選ぶ人がより出てくると思います。そして、今回狭い家でかなりストレスの溜まった人も多いと思いますので、広さも求められるようになるのでは、と思います。
家で過ごす時間が増えるので、家族とだけではなく一人で過ごせる居場所がたくさんあって、光の移ろいや窓からの景色の変化が楽しめるような家が良いのではないでしょうか。室内だけでなく、外で過ごす時間も大切になります。庭やテラスといった屋外空間で、食事をしたり、くつろいだり、そんなことができる家は素敵ですね。
ーーご自身が手がけられた中で、そうしたポイントを取り入れている事例がありましたら、教えてください。
- スプリットハウス:天井の高い大きなリビング、書斎や和室、寝室などが小さいながらも複数あって、複数人あるいは一人の居場所を選び取ることができます。
- OPEN CAVE:庭の緑を家のいろんな場所から楽しむことができます。高いところに開けた大きな窓からは、プライバシーを気にせず空の変化を楽しむこともできます。密集した住宅街に住んでいることを感じさせない、開放感のある住宅です。
ーー今後、どういう家を作っていきたいとお考えですか?
余白のある家を作りたいと思います。機能で全てが決まるのではなく、大げさにいうと地球の中の私に思いを馳せられるような家。例え狭小住宅であっても、それができたらと思います。
ーー新型コロナ以降の時代の家づくりで、大切になることは何ですか? 建築学生さんと、これから家づくりをしたい一般の人たちに、それぞれアドバイスをください。
家づくりをしたい方は、家=プライベートなものと決めつけすぎないほうが良いかもしれません。
今回在宅で家族全員で家で過ごす時間が増えた時に、完全なプライベート空間で仕事や学習の緊張感を保つのは難しいと感じた人も多かったのではと思います。
外からの視線を感じるくらいのセミパブリックな場所も織り込めると良いかもと思います。
これから家の設計に携わる建築学生の皆さんには、どうかその家が建つ街や環境のことに思いを馳せて欲しいです。家は個人の思いがギュッと詰まったビルディングタイプなので、どうしても内に意識が向きがちです。
新型コロナの影響で「分断」のベクトルが強まる中、たとえリアルに繋がることができなくても、ひとつの街に、あるいは大げさですがひとつの世界に住んでいるということが感じられる、そんな家を目指してもらえたらと思います。
成瀬友梨(なるせ・ゆり)
成瀬・猪熊建築設計事務所共同主宰。「シェアする場をつくること」をコンセプトに、建築の設計を行っている。代表作に「ナインアワーズなんば駅」「LT城西」「31VENTURES KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」「豊島八百万ラボ」など。主な受賞に、2015年日本建築学会作品選集新人賞、第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 出展 特別表彰、大韓民国公共デザイン大賞 国務総理賞。主な著書に、『シェア空間の設計手法』(責任編集,学芸出版社)、『子育てしながら建築を仕事にする』(編著,学芸出版)
余白のある家を作りたいと思います。機能で全てが決まるのではなく、大げさにいうと地球の中の私に思いを馳せられるような家。例え狭小住宅であっても、それができたらと思います。
ーー新型コロナ以降の時代の家づくりで、大切になることは何ですか? 建築学生さんと、これから家づくりをしたい一般の人たちに、それぞれアドバイスをください。
家づくりをしたい方は、家=プライベートなものと決めつけすぎないほうが良いかもしれません。
今回在宅で家族全員で家で過ごす時間が増えた時に、完全なプライベート空間で仕事や学習の緊張感を保つのは難しいと感じた人も多かったのではと思います。
外からの視線を感じるくらいのセミパブリックな場所も織り込めると良いかもと思います。
これから家の設計に携わる建築学生の皆さんには、どうかその家が建つ街や環境のことに思いを馳せて欲しいです。家は個人の思いがギュッと詰まったビルディングタイプなので、どうしても内に意識が向きがちです。
新型コロナの影響で「分断」のベクトルが強まる中、たとえリアルに繋がることができなくても、ひとつの街に、あるいは大げさですがひとつの世界に住んでいるということが感じられる、そんな家を目指してもらえたらと思います。
成瀬友梨(なるせ・ゆり)
成瀬・猪熊建築設計事務所共同主宰。「シェアする場をつくること」をコンセプトに、建築の設計を行っている。代表作に「ナインアワーズなんば駅」「LT城西」「31VENTURES KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」「豊島八百万ラボ」など。主な受賞に、2015年日本建築学会作品選集新人賞、第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 出展 特別表彰、大韓民国公共デザイン大賞 国務総理賞。主な著書に、『シェア空間の設計手法』(責任編集,学芸出版社)、『子育てしながら建築を仕事にする』(編著,学芸出版)
画像提供:株式会社ニキシモ(courtesy of nikissimo Inc.)
石上純也さん:「建築が生み出されるのと同じスピード感で、考えていきたい」
今起こっている社会的な状況について、今後、ぼくたちの価値観や世界観を変えていくことは間違いありません。
ぼくはこれまで建築家として常に建築の設計を通して、世界を眺め、物事を思考し、自分なりの答えを導いてきました。
現在の困難な状況に対して思うことは少なからずありますが、今まさに始まったばかりであるこのことについて、建築の設計を通した深い考察をせずに、この場で安易に言語化することはできません。
建築の設計に費やす少なくない時間のなかで、建築が生み出されることと同じスピード感で、このことについて考えていきたいと思っています。
石上純也(いしがみ・じゅんや)
石上純也建築設計事務所主宰。1974年、神奈川県出身。主な作品に「神奈川工科大学KAIT工房」など。2008年ヴェネチア・ビエンナーレ第11回国際建築展・日本館代表、2010年豊田市美術館で個展『建築のあたらしい大きさ』展などを開催。日本建築学会賞、2010年ヴェネチア・ビエンナーレ第12回国際建築展金獅子賞(企画展示部門)、毎日デザイン賞など多数受賞。
【ハーフェレ学生デザインコンペ 今年の課題は「世界のどこかにたつ家」】
五十嵐さん、成瀬さん、石上さんが審査委員を務める「ハーフェレ学生デザインコンペティション」の今年の課題は「世界のどこかにたつ家」です。コロナ後の世界に生きる建築家志望の学生たちは、どんな家づくりを提案するのでしょうか。Houzzも注目しています。応募要項や過去の受賞作品はこちらから。
石上純也さん:「建築が生み出されるのと同じスピード感で、考えていきたい」
今起こっている社会的な状況について、今後、ぼくたちの価値観や世界観を変えていくことは間違いありません。
ぼくはこれまで建築家として常に建築の設計を通して、世界を眺め、物事を思考し、自分なりの答えを導いてきました。
現在の困難な状況に対して思うことは少なからずありますが、今まさに始まったばかりであるこのことについて、建築の設計を通した深い考察をせずに、この場で安易に言語化することはできません。
建築の設計に費やす少なくない時間のなかで、建築が生み出されることと同じスピード感で、このことについて考えていきたいと思っています。
石上純也(いしがみ・じゅんや)
石上純也建築設計事務所主宰。1974年、神奈川県出身。主な作品に「神奈川工科大学KAIT工房」など。2008年ヴェネチア・ビエンナーレ第11回国際建築展・日本館代表、2010年豊田市美術館で個展『建築のあたらしい大きさ』展などを開催。日本建築学会賞、2010年ヴェネチア・ビエンナーレ第12回国際建築展金獅子賞(企画展示部門)、毎日デザイン賞など多数受賞。
【ハーフェレ学生デザインコンペ 今年の課題は「世界のどこかにたつ家」】
五十嵐さん、成瀬さん、石上さんが審査委員を務める「ハーフェレ学生デザインコンペティション」の今年の課題は「世界のどこかにたつ家」です。コロナ後の世界に生きる建築家志望の学生たちは、どんな家づくりを提案するのでしょうか。Houzzも注目しています。応募要項や過去の受賞作品はこちらから。
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