在宅勤務に向くチェアとは?選び方のコツ
在宅勤務に切り替わってから、身体が疲れやすくなっていませんか?もしかすると、お使いのワークチェアに原因があるかもしれません。椅子選びのプロたちに、最適なワークチェアの選び方のコツを聞きました。
多くの人たちが自宅から仕事を始めた2020年4月、Houzz Japanは在宅勤務についてのユーザー投票を行いました。488の投票総数のうち「在宅勤務に課題を感じている」に投票した人は7割以上。そして「椅子が長時間作業に向いてないため、腰痛が悪化した」「椅子の高さが合わないことがつらい」など、ワークチェアに関する悩みのコメントが多く見られました。
今回は、インテリアコーディネーターと、オフィス家具専門店で椅子選びをサポートをする専門家に、在宅ワークに向く椅子について伺いました。
お話を伺った3人の専門家:
今回は、インテリアコーディネーターと、オフィス家具専門店で椅子選びをサポートをする専門家に、在宅ワークに向く椅子について伺いました。
お話を伺った3人の専門家:
- インテリアコーディネーターのインセンス・斉藤克雄さん
- インテリアコーディネーターのアルティマ工房・塩月恵美子さん
- オフィスファニチャーセレクトショップのWORKAHOLICチェアコンシェルジュ・伊藤僚範さん
長時間の作業でも、身体に負担をかけにくいオフィスチェアとは?
長時間作業をしていると、固まった姿勢が身体に負担をかけてしまいます。こまめにストレッチや体操を行うことも大切ですが、疲れを分散させるワークチェアを選ぶことも効果的です。
インテリアコーディネーターとして活躍するインセンスの斉藤克雄さんは、ハーマンミラーの『アーロンチェア』を20年愛用していると話します。
「長時間の作業には、前傾チルト機能搭載のものがおすすめです。アーロンチェアは、約5度前傾します。これにより背筋が伸びるので、長時間パソコン作業や書き物をしていても腰が疲れません」と斉藤さん。メッシュの座面は圧力を分散してくれるので、お尻が痛くなりにくいとのこと。
長時間作業をしていると、固まった姿勢が身体に負担をかけてしまいます。こまめにストレッチや体操を行うことも大切ですが、疲れを分散させるワークチェアを選ぶことも効果的です。
インテリアコーディネーターとして活躍するインセンスの斉藤克雄さんは、ハーマンミラーの『アーロンチェア』を20年愛用していると話します。
「長時間の作業には、前傾チルト機能搭載のものがおすすめです。アーロンチェアは、約5度前傾します。これにより背筋が伸びるので、長時間パソコン作業や書き物をしていても腰が疲れません」と斉藤さん。メッシュの座面は圧力を分散してくれるので、お尻が痛くなりにくいとのこと。
『Sylphy』(写真:オカムラ)
同じくインテリアコーディネーターのアルティマ工房・塩月恵美子さんのオススメは、日本のオフィス家具メーカーであるオカムラの『Sylphy(シルフィー)』。こちらも座面を前に10度程度前傾させることができるそうです。「姿勢が歪むと背中や腰の疲労、身体の不調原因にもなります。座面の角度調整機能はとてもオススメです」(塩月さん)
同じくインテリアコーディネーターのアルティマ工房・塩月恵美子さんのオススメは、日本のオフィス家具メーカーであるオカムラの『Sylphy(シルフィー)』。こちらも座面を前に10度程度前傾させることができるそうです。「姿勢が歪むと背中や腰の疲労、身体の不調原因にもなります。座面の角度調整機能はとてもオススメです」(塩月さん)
WORKAHOLICのチェアコンシェルジュサービスの様子(写真:Ofix Inc.)
オフィスファニチャーセレクトショップ「WORKAHOLIC」で“チェアコンシェルジュ”を務める伊藤僚範さんは、背もたれのリクライニング機能の重要性を指摘します。「背もたれの角度調整ができると、適正な作業姿勢がとれるだけでなく、リラックス姿勢との切り替えもできておすすめです」と話します。
さらに伊藤さんは、「長時間の作業時に背もたれを使わず背筋を立て続けることは難しく、その結果、猫背になってしまい首こりや肩こり、腰痛のきっかけとなってしまいます」と続けます。長時間PC作業をする場合は「チェアに深く座り、S字にカーブした背もたれに体を少しだけ預け、後傾すると良いでしょう」とアドバイスしてくれました。
オフィスファニチャーセレクトショップ「WORKAHOLIC」で“チェアコンシェルジュ”を務める伊藤僚範さんは、背もたれのリクライニング機能の重要性を指摘します。「背もたれの角度調整ができると、適正な作業姿勢がとれるだけでなく、リラックス姿勢との切り替えもできておすすめです」と話します。
さらに伊藤さんは、「長時間の作業時に背もたれを使わず背筋を立て続けることは難しく、その結果、猫背になってしまい首こりや肩こり、腰痛のきっかけとなってしまいます」と続けます。長時間PC作業をする場合は「チェアに深く座り、S字にカーブした背もたれに体を少しだけ預け、後傾すると良いでしょう」とアドバイスしてくれました。
エルゴヒューマン『プロ』(写真:Ofix Inc.)
伊藤さんは、背もたれのカーブが身体を支え、脊柱のカーブが維持されることが、身体の負担を軽減すると説明します。そのために、腰を安定させてくれるクッションである「ランバーサポート」のあるチェアが最適なのだそう。
「エルゴヒューマンが出している、独立式ランバーサポートタイプのチェアは、腰椎の部分を後ろから軽く押し支える仕様になっているので、猫背になりにくいです」と伊藤さん。
伊藤さんは、背もたれのカーブが身体を支え、脊柱のカーブが維持されることが、身体の負担を軽減すると説明します。そのために、腰を安定させてくれるクッションである「ランバーサポート」のあるチェアが最適なのだそう。
「エルゴヒューマンが出している、独立式ランバーサポートタイプのチェアは、腰椎の部分を後ろから軽く押し支える仕様になっているので、猫背になりにくいです」と伊藤さん。
キャスターと床材の相性を確認する
ワークチェア購入前の注意点として、斉藤さんは「床に傷をつけたり滑ったりすることもあるので、椅子のキャスターが床材に合っているかがとても重要です」と話します。「住宅ではフローリングが多いと思うので、とくに注意が必要です」
一般的なキャスターはナイロン製、ウレタン製、ゴム製の3種類に分けられます。フローリングの場合、相性がいいのはウレタン製のキャスターです。ナイロン製はカーペット、ゴム製はタイルの床で使用するのが望ましいといわれています。
ワークチェア購入の前にキャスターの素材に注目してみましょう。もしくは、キャスターに触れる部分にだけチェアマットを敷いてみるのも手です。
ワークチェア購入前の注意点として、斉藤さんは「床に傷をつけたり滑ったりすることもあるので、椅子のキャスターが床材に合っているかがとても重要です」と話します。「住宅ではフローリングが多いと思うので、とくに注意が必要です」
一般的なキャスターはナイロン製、ウレタン製、ゴム製の3種類に分けられます。フローリングの場合、相性がいいのはウレタン製のキャスターです。ナイロン製はカーペット、ゴム製はタイルの床で使用するのが望ましいといわれています。
ワークチェア購入の前にキャスターの素材に注目してみましょう。もしくは、キャスターに触れる部分にだけチェアマットを敷いてみるのも手です。
インテリアの景観を損ねないためには?
伊藤さんは、『アーロンチェア』『ミラ2チェア』、『セイルチェア』などであればヘッドレストが無く背もたれも低めなので、周りの家具との調和も取りやすいと話します。最新の『コズムチェア』にも「ローバックタイプがあるため「圧迫感がなく合わせやすい」とのこと。
- スッキリしたワークチェア
伊藤さんは、『アーロンチェア』『ミラ2チェア』、『セイルチェア』などであればヘッドレストが無く背もたれも低めなので、周りの家具との調和も取りやすいと話します。最新の『コズムチェア』にも「ローバックタイプがあるため「圧迫感がなく合わせやすい」とのこと。
柴田文江さんデザインの『vertebra 03』(写真:ITOKI)
柴田文江さんデザインのこちらのチェアは、5本脚のキャスター付きタイプ、4本脚のスチールタイプ、4本脚の木タイプの3種類から脚を選ぶことができ、ファブリックのラインナップも28種類と豊富なため、インテリアや好みに合わせてカスタマイズすることができます。
「まわりの家具と同系色にして馴染ませるのも、チェアのカラーを空間のアクセントにするのも良いと思います」と伊藤さんは話します。
- インテリアになじむ機能性のあるチェア
柴田文江さんデザインのこちらのチェアは、5本脚のキャスター付きタイプ、4本脚のスチールタイプ、4本脚の木タイプの3種類から脚を選ぶことができ、ファブリックのラインナップも28種類と豊富なため、インテリアや好みに合わせてカスタマイズすることができます。
「まわりの家具と同系色にして馴染ませるのも、チェアのカラーを空間のアクセントにするのも良いと思います」と伊藤さんは話します。
- おしゃれで疲れにくい北欧デザインのチェア
- 15世紀にできたチェアも意外に快適
シューメーカースツールは、15世紀にデンマークで生まれた名作チェア。靴職人が使用していた3本脚のスツールが、摩耗によりそれぞれのお尻の形に変わってしまったのを見つけた職人が、その座り心地に感動して作ったのがはじまりといわれています。
お尻にフィットする座り心地と、背面がないために自然と背筋が伸びる使い心地は、意外にもオフィスチェアに向いているようです。
機能性、インテリア性など、在宅勤務に使える椅子には、使う人の目的によって様々なタイプが存在します。例えば、短時間であれば、バランスボールを使って運動不足を解消しながら仕事をする人もいるでしょう。
これまで数多くの人たちのワークチェア選びをサポートしてきた伊藤さんは「自分にあうチェア選びは“試座すること”がとても重要」と話します。
人によって身体つきがそれぞれ違うように、使いやすいワークチェアも異なります。購入前に実際に座ってみて、座り心地や使いやすさを判断するのが、最適なワークチェアへたどり着くための最善策といえそうです。
おうち時間の記事をもっと読む
これまで数多くの人たちのワークチェア選びをサポートしてきた伊藤さんは「自分にあうチェア選びは“試座すること”がとても重要」と話します。
人によって身体つきがそれぞれ違うように、使いやすいワークチェアも異なります。購入前に実際に座ってみて、座り心地や使いやすさを判断するのが、最適なワークチェアへたどり着くための最善策といえそうです。
おうち時間の記事をもっと読む
おすすめの記事
片付け
もう困らない、書類の整理収納と保管のシステム
家の中にあふれる書類、どんなふうに整理していますか? 分類方法や書類整理システム、収納の具体例、場所別のアドバイス、おすすめアイテムやテクニックなど、きっとすぐに役立つ書類整理のヒントが見つかります!
続きを読む
インテリア
デスク周りに"見せ場"をつくり、お部屋をおしゃれに見せるコツ
リビングやダイニングでテレワークをしていると、仕事の資料でごちゃつくことも。デスクの壁の一部に視線を集める「フォーカルポイント」を作り、お部屋をすっきり見せましょう。
続きを読む
片付け
この春、書斎やホームオフィスを使いやすく整理する9つの秘訣
文房具、書類からコード類にいたるまで、とっておきの片付け術をご紹介します。気持ちのいいスタートで新生活を迎えてください!
続きを読む
コーディネート・スタイリング
春の模様替えは小さなコーナーから!壁面収納の簡単DIYレポート
春のインテリアの模様替えのヒントをHouzzで探して、早速実行した筆者のクイックレポートをお届けします!
続きを読む
トレンド
Best of Houzz 2022受賞写真に見る、人気のホームオフィス・書斎デザインとは?
今年のBest of Houzzデザイン賞に選ばれた、人気の書斎はどんな傾向があったでしょうか?受賞作品に共通するポイントをチェックしてみましょう。
続きを読む
椅子のオススメ情報待ってました…!!リモートワーク環境を整えようと、まさに椅子の購入を検討していたので、参考にします。
床材との相性確認と養生対応に触れてあり、大きく頷きました。以前キャスター付きのビジネスチェアを自宅木床で使用したところ、半年ももたず床がボロボロになった経験が・・・
ran koma様
わかります…。私も以前よそで、畳の部屋でキャスター付きチェアを使用されているところを拝見したことがあるのですが、見事にボロボロでした(^_^;)
でも、そうした経験があってこそ、次に活かせると思います!