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オンライン顧客対応。専門家たちはどうしてる?
新型コロナウイルスの影響などもあり、インターネットでの顧客対応に力を入れる専門家が増えています。どんな取り組みをしているのか、建築設計事務所とインテリアの専門家たちに取材しました。
Mamiko Nakano
2020年4月7日
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建築設計事務所の場合
かんたんな確認や調整にメールを使わない建築設計事務所は、もはや少数派でしょう。LINEでクライアントとやりとりするケースも増えているようです。
例えば、次のような使い方をしている専門家たちがいました。
「打ち合せの日程調整、素材の提案等の軽い提案はメールやLINEでしている」(Mimasis Designの鈴木義之さん)
「実際に会って打ち合わせをする前に、事前に図面に目を通しておいて欲しい時に送っている」(仲摩邦彦建築設計事務所の仲摩邦彦さん)
かんたんな確認や調整にメールを使わない建築設計事務所は、もはや少数派でしょう。LINEでクライアントとやりとりするケースも増えているようです。
例えば、次のような使い方をしている専門家たちがいました。
「打ち合せの日程調整、素材の提案等の軽い提案はメールやLINEでしている」(Mimasis Designの鈴木義之さん)
「実際に会って打ち合わせをする前に、事前に図面に目を通しておいて欲しい時に送っている」(仲摩邦彦建築設計事務所の仲摩邦彦さん)
- ウェブ会議でできること
Whereby、Hangout、Zoomなどのウェブ会議ツールを使いながら「クライアントの打ち合わせや施工会社との定例会議を、オンラインで行っている」と話すのは、YOSHINORI SAKANO ARCHITECTSの坂野由典さんです。出先でのやりとりと違い、自分のオフィスからやりとりできるので、「急に必要になった資料を、用意しやすい」と、メリットを語ります。
藤原・室建築設計事務所の藤原慎太郎さんは、Skypeを使ったウェブでの相談を3年前から行っていると話します。今年1月には、メインツールを近年よく使われるようになってきたZoomに切り替えたそうです。
- オンラインでは難しいこと
前述の坂野さんや鈴木さんも、「スケッチや図面のデータを見ながらの細かいやりとりや素材決めは、遠隔だと難しい」(坂野さん)、「提案をプレゼンテーションする場合、施主の反応がわかりづらい」(鈴木さん)と続けます。
志田茂建築設計事務所の志田茂さんは「設計段階では、実際に会うことが必要です。提案は、微妙な気持ちや、その場だから感じとれることを汲んで考えます。工事段階でも、寸法感覚や色は実際に会わないと難しい。逆に、それ以外の打合せは、オンラインでもいいのでは」と語ります。
外出自粛や在宅勤務が呼びかけられる中、家にいながら多数の友人とおしゃべりできる“Zoom飲み会"なども、気軽に行われるようになりました。ウェブ会議ツールは急速に一般ユーザーに浸透しています。
遠方にいる顧客と繋がる際や、時間の取りにくいクライアントとのやりとりの際などには、ウェブ会議がこれまでにも増して、活用されるようになってくるでしょう。
インテリアの専門家の場合
インテリアデザインの専門家たちも、今回のような事態になる前から、Zoomなどでのオンライン対応の体制を整えています。特にインテリアコーディネートの場合、オンラインで多くの打ち合わせや提案を行うケースは以前からありました。
実際にどんなやりとりをしているのか、尋ねてみました。
「現場での施工以外の事務的な打ち合わせ、コンサルテーション、図面調整&確認、コーチング等は、オンラインで対応しています」(Yuki Shimada International Designのシマダユキさん)
「2回目以降の打ち合わせは、適宜オンラインで実施します」(Class S interior designの住吉さやかさん)
HARU Interior Directions ,inc.のツジチハルさんは、画像の共有や、細かな連絡や報告をメール等で行っていると話します。一方で「年配の方などの中にはインターネットが苦手な人もいるので、すべての顧客とオンラインでやりとりできるわけではない」と話します。
インターネットへの親和性は人によって違うため、顧客に合わせた柔軟な対応が求められます。
インテリアデザインの専門家たちも、今回のような事態になる前から、Zoomなどでのオンライン対応の体制を整えています。特にインテリアコーディネートの場合、オンラインで多くの打ち合わせや提案を行うケースは以前からありました。
実際にどんなやりとりをしているのか、尋ねてみました。
「現場での施工以外の事務的な打ち合わせ、コンサルテーション、図面調整&確認、コーチング等は、オンラインで対応しています」(Yuki Shimada International Designのシマダユキさん)
「2回目以降の打ち合わせは、適宜オンラインで実施します」(Class S interior designの住吉さやかさん)
HARU Interior Directions ,inc.のツジチハルさんは、画像の共有や、細かな連絡や報告をメール等で行っていると話します。一方で「年配の方などの中にはインターネットが苦手な人もいるので、すべての顧客とオンラインでやりとりできるわけではない」と話します。
インターネットへの親和性は人によって違うため、顧客に合わせた柔軟な対応が求められます。
- 素材は実際に確かめたい
ソファやカーテンの布地など、日常的に直接触れることになるものは、触感も重要な要素です。オンラインでは、触った感じまでは伝わりません。
色や質感についても、写真と実物では、ギャップが大きいケースも。実物を見ないで決めると、あとでガッカリする可能性が少なくありません。
住吉さんは「色や質感、体感(サイズ感など)は、インテリアにとって重要なファクター。オンラインでは、正確に伝えるのが難しい」と話します。
シマダさんも「感性を必要とするインテリアの家具の下見は、実際に実物を確認する必要がある」といいます。
対応可能なことを見極める
インテリア素材についてウェブで相談するコツについては、アメリカの専門家がこちらの記事で語っています。
それは「選んだ生地にオリジナルのコードをラベル付けし、その一式をクライアントに送り、ウェブ会議で検討」するというもの。対面で会えないケースなどには、参考にできるのではないでしょうか。
建築の場合でも、インテリアの場合でも、「オンラインでできること」と「オフラインでしかできないこと」をしっかり区別すること。そして、顧客に合わせて、メリハリをつけた対応をすることが重要といえそうです。
インテリア素材についてウェブで相談するコツについては、アメリカの専門家がこちらの記事で語っています。
それは「選んだ生地にオリジナルのコードをラベル付けし、その一式をクライアントに送り、ウェブ会議で検討」するというもの。対面で会えないケースなどには、参考にできるのではないでしょうか。
建築の場合でも、インテリアの場合でも、「オンラインでできること」と「オフラインでしかできないこと」をしっかり区別すること。そして、顧客に合わせて、メリハリをつけた対応をすることが重要といえそうです。
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